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2021.11.04
ピエール北川のこれを言わせて! 「第7戦は軽くなるサクセスウェイトへの対応がカギに!? タイトル争いに残りたい、前戦のリベンジを狙うチームに注目!」

ピエール北川のこれを言わせて! 「第7戦は軽くなるサクセスウェイトへの対応がカギに!? タイトル争いに残りたい、前戦のリベンジを狙うチームに注目!」の画像

SUPER GT Special Preview
第7戦 ツインリンクもてぎ[GT公式アナウンサー]ピエール北川のこれを言わせて!

 

 毎度! ピエール北川です。
 今シーズンのSUPER GTも残り2戦となりました。なんだか「アッというまだったなぁ」と思えるのは歳のせいでしょうか? 今週末は今季2回目となるツインリンクもてぎ大会。最終戦一つ前の大会になるので、サクセスウェイトの計算も変わって大部分のチームでマシン重量も軽くなり、興味深くて、予想も楽しい(辛いかな)レースになりそうですよ!
 サーキット内も赤や黄に紅葉色づくツインリンクもてぎで、紅葉とともに秋のSUPER GTを楽しみましょう!

 おっと、その前に。今回は第4戦と同じツインリンクもてぎということで、サーキットガイドは第4戦のもの<https://supergt.net/news/single/20950>をご参考にどうぞ。第4戦後のコースデータはこちらです。

 

 

 

 

ツインリンクもてぎ(ロードコース)・データ集

コースデータ
コース全長 4,801m
コース幅 12〜15m
高低差 30.4m
コースレコード
GT500
1'35.550 野尻智紀/No.8 ARTA NSX-GT 2018年 第8戦予選Q2(11月10日)
GT300
1'45.907 アレックス・パロウ/No.720 McLaren 720S 2019年 第8戦予選Q2(11月2日)
2020年 第7戦 優勝
GT500 No.8 ARTA NSX-GT 野尻智紀/福住仁嶺
GT300 No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R 藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
2021年 第4戦 優勝
GT500 No.1 STANLEY NSX-GT 山本尚貴/牧野任祐
GT300 No.2 muta Racing Lotus MC 加藤寛規/阪口良平
2020年 第7戦 ポールポジション
GT500 伊沢拓也/No.64 Modulo NSX-GT 1'36.140
GT300 山内英輝/No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT 1'46.200
2021年 第4戦 ポールポジション
GT500 山本尚貴/No.1 STANLEY NSX-GT 1'37.498
GT300 安田裕信/No.11 GAINER TANAX GT-R 1'47.737

 

 

ツインリンクもてぎ大会公式戦全26戦のデータ(シリーズ戦のみ)

※2016年のオートポリス大会代替の第3戦を含む。

優勝回数
最多勝ドライバー
(今季参戦ドライバーのみ)
GT500:松田次生(4勝)
GT300:平中克幸、蒲生尚弥、青木孝行(3勝)
GT500 メーカー別 ホンダ:13勝(NSX:13勝)
トヨタ/レクサス:7勝(スープラ:1勝※、LC500:1勝、RC F:2勝、SC430:3勝)
※GR Supraは未勝利
日産:6勝(GT-R:6勝)
GT300 最多勝車種 ポルシェGT3R:4勝
ポールポジション回数
最多ポールポジションドライバー
(今季参戦ドライバーのみ)
GT500:ロニー・クインタレッリ(3回)
GT300:谷口信輝、柳田真孝、青木孝行(2回)
GT500 メーカー別 ホンダ:11回(NSX:10回、HSV-010GT:1回)
トヨタ/レクサス:10回(スープラ:4回、LC500:1回、RC F:3回、SC430:2回)
日 産:4回(GT-R:4回)
外国車:1回(マクラーレン:1回)
GT300 最多ポールポジション車種
(今大会参戦車両のみ)
ポルシェGT3R(3回)

 

 

 

【第6戦オートポリスを振り返る】

■2年ぶりの九州決戦。オートポリスは熱く燃えました!

 昨年は新型コロナウイルス禍で開催が見送られ、2年ぶりの開催となったオートポリスでの第6戦。久しぶりのSUPER GTで、九州のファンは熱く盛り上がってくれましたか?
 GT500クラスの優勝は、やっとというかついにと言うか、No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が勝利!! これまで速さは毎戦のように見せていたものの、決勝では不運も多く、優勝を逃すレースが続いていました。野尻選手と福住選手が九州で独走の勝利です! 2位はベテラン・コンビの操るNo.38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)が久々の表彰台。優勝には一歩届きませんでしたが、後半を担当した石浦選手のオーバーテイクショーは盛り上がりましたね! 3位にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が入り、表彰台には3車種が並ぶことになり、来場されたファンも満足だったと思います。
 何と言っても、これまでこのコラムで何度も8号車を本命に挙げていただけに、やっと勝ってくれたのと、前回で予想した全チームが表彰台に上ってくれて、何より私の肩の荷が下りました(笑)。

 GT300クラスは、私の予想に反して(?)FIA GT3車両勢の逆襲とはならず。GT300規定車両のNo.31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)が自慢のハイブリッドを生かして高地でのパワーダウンを補完。苦しむ他車種を尻目に、決勝レースは独走一人旅で勝利しました! 2位はオートポリスと相性の良いNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)が、阪口選手の復帰とともに表彰台を獲得。そしてサクセスウェイト上限いっぱいの100kgを積むNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)との死闘を制し、なんと3位を獲得!! 61号車の井口選手(福岡出身)と52号車の吉田選手(熊本出身)の息詰まる「九州男児」バトルは井口選手が勝ち切り、またタイトル獲得へ一歩近づきましたね。

 

 

 

 

【第7戦もてぎを大胆予想!】

■軽くなるマシンを上手く合わせこめるかが勝負でしょう

 先に言ったように競技規定により、第7戦(参戦7戦目)のサクセスウェイト(SW)は前戦までとは変更になります。GT500クラスでは1ポイントあたり1㎏と半減されます(GT300クラスは1ポイント×1.5㎏)。またGT500についてはNo.1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)を除き50kg以下のSWになるので、これまで燃料流量リストリクターの制限(51kg以上)でパワーダウンに苦しんでいたチームは、本来のパワーでレースに臨めることになります。
 ただし、前戦まで車重増加に対応していたセッティングから、減量に対応するのは今年これが初めて。車重が変わればタイヤや足回りにかかる荷重がかなり変わりますので、そこに対応したセッティングを上手くもてぎのコースに合わせられるか? チームの腕の見せどころでしょう。ドライバーは速く走らせることが仕事ですが、クルマを速く走らせるにはチームの事前準備によるところが大きいので、オートポリスから2週間しかない短いインターバルに、各チームはハードワークを強いられているはずです。
 それらを踏まえてGT500の予想です。今回はNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/サッシャ・フェネストラズ)を推しましょう! 前戦からチームに加わったフェネストラズ選手とエース平川選手のコンビはもてぎでかなりの強さでしょう。SWも30kgと軽くなり、フルパワーのエンジンと相まって予選からトップを狙えます。フェネストラズ選手も復帰2戦目となればさらに攻められるでしょうし、本命に挙げたいと思います。
 Honda NSX-GT勢はNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)に期待! 前戦はトラブルでトップからリタイヤに追い込まれる悲運なレースでしたが、ドライバーの2人は若く勢いもあり、気持ちを切り替えて戦えます。またダンロップタイヤの進化もあり、他チームも認めるそのスピードは若手2人にとって初優勝のチャンス! 予選からガンガン攻めておもしろくしてくれそうですね。NISSAN GT-R NISMO GT500勢はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)を推しましょう。前回、第4戦のもてぎでは6位入賞していますが、今回も期待は持てると思います。何より平手選手と千代選手2人の安定した成績が物語る通り、今シーズン全レース粘り強く戦っています。オートポリスではマシンのトラブルがあったようですが、今回はトラブルフリーで走り切ってほしいですね!
 GT500予想の最後に一つ情報を。今回のレースでNo.1 STANLEY NSX-GTがポール・トゥ・ウインを飾ると、山本尚貴選手のチャンピオンが決定的になります。可能性としてランキング2位、相棒の牧野任祐選手(開幕戦欠場)にはありますが、同じ1号車です。山本選手が最終戦を欠場して、1号車で牧野選手が4ポイント以上を取る必要があります。でも、これはあくまでも可能性。1号車コンビで獲ったタイトルは決定です。最終戦を待たずに、1号車のチャンピオン決定があるか!? これも見どころですね。

 

 

   

 

 

■GT300はGT-R祭りか!? それともGT300規定マシンがタイヤ無交換で…

 第7戦もてぎではNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が本命でしょう。昨年の第7戦もてぎもそうでしたが、ドライバー2人のレベルが高い次元でまとまっているので、予選から他チームよりタイヤ選択で攻める方向をチョイスできそうです。特にオリベイラ選手の決勝レースでのタイヤマネジメントは群を抜きます。そして彼らにとって、GT300連覇へ向けてこのもてぎは落とせない必勝レースのはず。またNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)の2人もタイヤマネジメントは抜群。気温や路面温度はタイヤ選択に大きく響きますから、ダンロップとともに上手くピンポイントでタイヤ性能を引き出せれば勝てそうな感じがします。
 逆にGT300規定マシンはちょっと厳しいかもしれません。ただ、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)はタイヤ無交換作戦を視野に入れられるかも? その視点ではFIA GT3規定車両のNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)も無交換や2本交換の作戦にチャレンジできると思います。各チーム優勝へ向けてどんなプランを練っているのか。今からレースが楽しみでなりません!

 

   

 

   

 

 

【第7戦もてぎでお会いしましょう!】

■寒さ対策はしっかりとしてお出かけくださいね!

 ツインリンクもてぎは森に囲まれたサーキット。それもあって天気が良くても朝晩は本当に冷え込みます。今年は例年の11月より昼間は暖かそうですが、やはり防寒対策はしっかりしてきてくださいね! 最終戦を前にした第7戦もてぎは、きっといつも以上に熱いレースになります……、けれど寒さは大敵なので来場の皆さんは負けずにしっかり準備して熱戦を楽しみましょう! J SPORTS観戦の皆さんは換気を忘れず(まだまだ新型コロナウイルスには気をつけましょう)に、熱い応援をよろしくお願いしますね!!

 

 

 


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