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Race Report
2022.05.04
第2戦 富士 決勝GT500:波乱の連続となったトップ争い!思わぬ展開でARTA NSX-GTが今季初勝利を手にする

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第2戦 富士スピードウェイ:決勝 GT500レビュー

2022 AUTOBACS SUPER GT第2戦『FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE』の決勝レースが、5月4日(水・祝)に静岡県の富士スピードウェイ(1周4,563m×100周)で行われた。レースはアクシデントで2度の中断があり、62周で終了となる波乱の展開となる中、GT500クラスはNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が、GT300クラスはNo.10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)が優勝した。

 

□天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート前(14:25)20℃/33℃>中盤(16:05)20℃/33℃>終盤(17:15)20℃/27℃、ゴール前(18:15)17℃/22℃。

 

 

 

 

■レース序盤は37号車と36号車が激しくトップを争う

 前日に続き好天に恵まれた富士スピードウェイ。気温が20度、路面温度は33度に達する中、午後2時30分、第2戦の決勝レースがスタートする。この路面温度がタイヤに影響したのか、オープニングラップからGT500クラス上位の順位は大きく変動する。まず予選4位のNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)が、抜群のスタートを切って、ポールポジションのNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)までも抜いてトップに浮上。さらに37号車の後方には予選3位のNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が浮上したが、2周目に8番手スタートのNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)の坪井がオーバーテイク。これでTOYOTA GR Supra GT500のワン・ツー体勢でレースをリードする。

 序盤はこのトップ3台が、4、5番手のNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)とNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)の福住以下を徐々に引き離す展開となる。また、GR Supra同士のトップ争いも激しく、24周目には36号車がトップへと躍り出た。

 これまでゴールデンウィークの富士で行われる第2戦は500kmレースだったが、今大会は450kmとなり、給油のピットインは2回以上と定められた。これで各チームの戦略が多様化するのではと思われたが、GT500クラスの最初のピットインではほとんどのチームが給油とタイヤ交換、ドライバー交代を行うオーソドックスな戦略を選び、順位に大きな変動はなかった。

 波乱もなく中盤にレースは進む。しかし、44周目にグリーンファイト100Rの出口で姿勢を乱したGT300クラスのマシンがクラッシュ。コース上に止まったために、FCY(フルコースイエロー)が導入された。このFCY直前にNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra (中山雄一 → 関口雄飛)がピットインしており、これが功を奏して一気に3番手にジャンプアップを果たした。このクラッシュで、コースのバリアの修復作業も必要になり、FCYはセーフティカーに変わり、さらに時間が掛かるとして赤旗が提示されてレースは一時中断となった。

 

 

 

 

 

■1、2番手でゴールのGR Supraに悪夢!ARTA NSX-GTが勝利を手にする

 そして約25分後に、3周のセーフティカー・ランを経てレース再開。この時点で、トップは36号車(アレジ)。これに37号車(宮田莉朋)と39号車(関口雄飛)、そしてNissan Z GT500の3号車(高星明誠)も加わって激しいトップ争いが展開する。だが中断によって冷えたタイヤの温まりに差があったのか、上位4台のペースは異なっていた。ここで39号車が一気にトップへ。2、3番手には3号車と37号車が続き、トップを巡ってのバトルが続いていく。
 トップに立った39号車だが、そこからペースがあまり上がらない。それもあってトップ3台はテール・トゥ・ノーズで争っていく。58周目終わりのホームストレートで39号車のスリップに入った3号車と37号車。その時、1台のGT300マシンがトラブルに見舞われたのか、ストレートでスロー走行に陥っていた。目の前の車両がスロー走行であると気付いた39号車は回避したが、3号車はスピン状態でスタンド側のガードレールに激突。

 レースはすぐに赤旗となって再度の中断。車両は大破したが、幸いにもドライバーの大事にはいたらなかった。一方、ガードレールのダメージは大きく、修復のためにこの中断は長く続くことになった。午後6時10分にセーフティカー・ランで再開となったが、この時点でレースの最大延長時間まで残り10分。セーフティカー先導のまま3周し、レースは終了となった。

 39号車がトップでチェッカーを受けたが、赤旗中断時に作業をしたという違反。2番手ゴールの37号車は最初の赤旗のリスタート後の36号車との接触で、共に40秒のタイム加算(本来はドライブスルーペナルティ)となり、13、14位に下がった。

 これで野尻が3番手でゴールに運んだNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)が繰り上がって、今季初優勝となった。2位はNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)。3位はNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)となった。なお、レースは当初の周回数の75%に満たないため、今大会の入賞者に付与されるシリーズポイントは半分となった。

 

 

 

 

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