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2022.08.07
Catch Up_01:No.38 ZENT CERUMO GR Supra

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【Catch Up_01】
厳しい前大会から復活の手応えあり!

 

立川祐路、石浦宏明両ドライバーのコンビで参戦するNo.38 ZENT CERUMO GR Supra。今シーズンは予選で速さを見せるも、チームが願うような結果につながらず厳しい戦いが続きました。特に、前回の鈴鹿戦ではエンジントラブルから予選出走を見送り、さらに決勝も突然エンジンパワーを失って戦線離脱というまさかの展開に。その悔しさから2ヶ月余りのインターバルを経て迎えた今大会。戦いを前にシャシーとエンジンを新調し、”心機一転”のコンディションで挑んだ予選日が如何なるものだったのか、両ドライバーが語ります。

 

 

 

 

石浦宏明
「『ファンの皆さま、お待たせしました!』っていう気持ち」

 

公式練習から決勝を意識してアプローチ。セットアップがスムーズが進んだことが大きな変化だったと言います。結果、Q1で石浦宏明選手がトップタイムをマークします。

「今回、ペナルティ(※1)があるのがわかっていたので、戦略面やクルマのセットアップも作っていこうということになりました。その中で自分達が”こうしたらこうなるんじゃないか”っていうのがすごくリンクして。立川(祐路)さんと二人で”こことここをやったら多分良くなるよね”という想像の部分でセットアップも決まったんです。予選でコースインしてみたら、話し合った感じが再現されているようなフィーリングで。なんか、乗ってて気持ち良かったんです。自分たちの感覚どおり走れるようになったら、ちゃんとタイムも出て。 Q1での1位はもちろんうれしかったですけど、それ以上に『あ、これからは戦える!』って。これはすごい大きな 一歩だったなと思います」

 

※1:3基目となるエンジン交換、シャシー交換に対するペナルティが各5秒。決勝では、レーススタート後にペナルティストップが10秒課せられる。

 

 

今シーズン、チームでは、決勝でのペースが良くても”予選の一発”が出せないという悩みがあったと言います。一方、鈴鹿後、富士戦に向けてほぼ一からクルマを作り直す作業に着手することになりました。

「実のところ、”予選の一発”はここ数年の悩みでもありました。そんな中、鈴鹿のあとクルマを完全にバラバラにして、メカさんもいろんなところに手間をかけて作ってくれて……一つひとつ、そういうところで効果が出てるんだろうなっていう感じがします。鈴鹿では2日間ともトラブルが出ましたが、それぞれ違う理由のトラブルだったんです。今までそんなことがあるかっていうくらい衝撃的な不運でしたが、今回の感じからすると、その不運はもしかしたら不運じゃなかったのかもしれないって思いました。悩みの種が今日で払拭されたようです。久しぶりにインタビューを受けて、『ファンの皆さま、お待たせしました!』っていう気持ちですね(笑)」

セルモの取締役でもある石浦選手。チームスタッフのモチベーションも気になったはず。それだけに、決勝ではより良い結果が欲しいところでしょう。

「結果がなかなか残せなくても、みんなすごく一生懸命やってくれて。モチベーションを維持するのって難しいんですが、うちはみんな結果が出せなくても、『絶対結果を出してやる!』っていう感じなんですよ。だからこそ、やっぱり早く結果で返したいという思いはありますね。ただ、ペナルティストップが10秒なのでピットロードでのロスタイムを入れると実質1分くらいのロスタイムになる。さらにGT300クラス全車のうしろで戻ることになって、そこをかき分けるのにさらにプラス10秒。そうすると、うしろからもうGT500のトップが結構近くにいる状態……周回遅れにならないようにしないと。セーフティカー(導入)を願ってはいけないんですが、そうでもならないと正直なところ、ひとりで走り続けることになりそうですね。ただ、(セーフティカー導入等で)もし自分たちに追い風が吹くような展開になったときは、ちゃんとチャンスが活かせるように準備をしないといけないと思っています。諦めずに頑張ります」

 

 

 

 

 

立川祐路
「後半戦に向けても頑張れるかな。楽しいレースができそう」

 

石浦選手がQ1をトップで通過。現在、GT500クラス最多のポールポジション24回獲得の立川祐路選手ですが、そのプレッシャーは。

「いや、アタックは……まぁまぁ普通に(笑)。別になにかあったわけでもないし、特別うまくいったわけでもないし。普通でした。もうちょっとうまくいけば……というのはあったんですが、今の実力的には3番手に行けるかどうかでしたね。ただ、最近はヨコハマ(タイヤ)2台(19号車、24号車)が予選で速いからね。今回もそうかと思ったらやっぱり来たんで……。あれはちょっと無理かなぁ。(チームとしては前回のトラブルを経て)ようやくここまで来ましたが、でも明日、何があるかはまだわからないですよ(苦笑)」

開幕戦は予選と決勝とも4位という結果でしたが、その後は決勝でポイント獲得には至らず。ファンの皆さんも「いったい何が?」 と心配する中、ベテランの立川選手自身もこれまで経験したことのない厳しい状況下でのレースが続いています。ただ今回は何やら変化が見られるのだとか。

「開幕戦はそこそこいいレースができたんですが、その後ずっと今年はうまくいってなくて……というか、石浦が言ったように決勝はペナルティストップが待っているんで、一度はダントツの最後尾になると思うんです。そこからの追い上げになるんですが、今回、クルマのフィーリングは割といいので。この予選ポジション(4位)以上にいいフィーリングで戦えるという手応えはあります。正直今まで、若干クルマに問題を抱えていたんです。で、今回エンジン交換とともにモノコックも変わったんですが、そこのフィーリングが良くなったんですよね。そう、今まで抱えていた問題が今回は何もないんです! なんか新しいものが手に入ったような感じで。今までずっと問題を抱えて苦労してた部分が、なんて言ったらいいのか……とりあえず”普通”になったんで。そういう意味ではここから本当に……(戦えると思う)。 予選日は走り出してからチームのムードとかクルマのフィーリングも含めて、今までより逆にモチベーションは上がってました」

今回はタフな一戦になるでしょうが、38号車にとっては、シーズン後半戦に向けていい流れを構築するための好機が訪れているようです。

「霧の中でなにかガサガサやっていたものがすっかりクリアになったイメージですかね。もちろん決勝も諦めてないですし、後半戦に向けても頑張れるかなと。楽しいレースができそうです。皆さん、いい結果を待ってますよね? 待っててください。頑張ります!」

 

 

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