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Race Report
2022.08.28
第5戦 鈴鹿 GT300決勝:巧みなレース運びでグッドスマイル 初音ミク AMGが前戦の悪夢を振り払う勝利を挙げる

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第5戦 鈴鹿サーキット:決勝 GT300レビュー

2022 AUTOBACS SUPER GT第5戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 450km RACE』の決勝レースが、8月28日(日)に三重県の鈴鹿サーキット(1周5,807m×77周)で行われた。
GT500クラスは予選15位と最後尾からスタートしたNo.12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が、驚異的な追い上げで大逆転の優勝を決めた。GT300クラスはNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が巧みなレース運びを見せ、5年ぶりの勝利を挙げた。

 

□天候:はれ | コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート前(14:25)30℃/40℃>序盤(14:55)31℃/43℃、中盤(15:28)31℃/42℃>終盤(16:28)30℃/38℃、ゴール(17:15)29℃/36℃。

 

 

 

 

■中盤までは10号車と244号車がトップを争うが、ピット戦略が展開を変える

決勝レース450kmのスタートを前にして、三重県警の7台の白バイ、3台のパトロールカーによる交通安全啓蒙活動のパレードラップ1周が行われ、そしてフォーメーションラップの後、第5戦鈴鹿の戦いの火ぶたが切られた。まずはポールポジションのNo.10 TANAX GAINER GT-Rがレース序盤をリード。これにNo.244 HACHI-ICHI GR Supra GTとNo.88 weibo Primez ランボルギーニ GT3が続いていく。

そして10周目には244号車が10号車をかわし、トップに浮上。その後方ではランキング1位サクセスウェイト100kgのNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rを先頭にNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也とNo.55 ARTA NSX GT3が僅差で4番手を争う。またNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTやNo.2 muta Racing GR86 GTなど数台が1、2周目で燃料補給だけのピットイン戦略に行い、義務とされる2回の燃料補給を伴うピットインを早々と消化する。450kmという長丁場ゆえに、前戦に続き各チームの戦略が分かれるが、4号車と55号車は16周を終えて、88号車も17周で早めにピットに。逆に77周を約1/3で分けるセオリー通りの23周目に入ったのは、トップを争う244号車と10号車、56号車だった。

そうして迎えたレース中盤。各車が1回目のピット作業を終えると、トップは4号車(引き続き片岡がドライブ)。僅差で55号車、2号車が続く。4号車だが戦富士の450kmレース同様にピットインのタイミング巧みに組み立て、トップに躍り出た。今回も基本ルーティン組より早めの42周目で2回目のピット作業を行い、最後のロングスティントを谷口信輝に任せる。それに倣うように2号車、88号車、244号車も2回目のピット作業をこなした。一方、それよりも早い39周には55号車もピットを済ませる。

その中で、44周目(GT500トップ49周)にアウトラップの244号車が130Rでコースアウト、クラッシュしたことでコースにはセーフティカーが導入された。これで各車のマージンがリセットされ、この時点で2回目のピットインを延ばしてトップグループを走っていたNo.11 GAINER TANAX GT-RやNo.50 Arnage MC86などは作戦が裏目に出てしまう。

 

 

 

 

 

■終盤の上位争いはサバイバル戦に! 4号車は今度こその勝利でリベンジ達成

セーフティカーが退去し、全車が2回目のピットインを終えると、トップに立ったのは4号車だ。僅差で10号車、55号車、88号車が4号車を追いかけていく。この中で、88号車はタイヤがバーストしてしまい後退。4号車、10号車、55号車の間隔もじわじわと開いていく。

4号車は前戦富士もここまでトップをキープしたが、タイヤトラブルで手中の勝利を逸した。対策はしてきたというが、88号車と同じ事が起こらないとは限らない。そして、3位表彰台は確実かと思われた55号車がスローダウン。自らコース外に出てマシンを止めた。

緊張の終盤が続くが、4号車の谷口は危なげなく10号車との差を広げ、最終的には3秒以上の差をつけてゴールラインを先頭で通過。No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)は2017年第1戦岡山以来となる優勝を飾った。

2位はNo.10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介※)。3位は予選21位から追い上げをみせたNo.30 apr GR86 GT(織戸学/平良響/上村優太)。今季デビューのTOYOTA GR86 GTにとって初の表彰台となった。また、終盤まで3位を争ったサクセスウェイト100kgのNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、他車との接触でドライブスルーペナルティーとなったが、それでも10番手でゴール。だが、さらにFCY中の追い越し違反もあってタイム加算があり13位でノーポイントとなった。

※10号車の塩津は決勝を走行せずシリーズポイントは与えられない。

 

 

 

 

 

 

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