2022.09.18

Rd.6 決勝GT300：雨の中、muta Racing GR86 GTがドライバー交代を延ばす作戦で勝利を掴む！

第6戦 スポーツランドSUGO：決勝 GT300レビュー

2022 AUTOBACS SUPER GT第6戦『SUGO GT 300km RACE』の決勝レースが、9月18日（日）に宮城県のスポーツランドSUGO（1周3,586m×84周）で行われた。途中から雨が降り出す難しいコンディションとなり、その中でGT500クラスはハイペースをキープし、戦略も的確だったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL Z（千代勝正／高星明誠）が今季2勝目を挙げた。GT300クラスも天候を読み切ったチームの判断でNo.2 muta Racing GR86 GT（加藤寛規／堤優威）が逆転で優勝した。

 

 

 

 

 

　決勝日のスポーツランドSUGOは雲が厚く、スタート時刻となる午後2時を前に、サーキットにはパラパラと雨粒が舞った。ただ路面を濡らすほどではなく、各車スリックタイヤを履き宮城県警察の3台の白バイ、2台のパトロールカーの先導のもと1周のパレードラップが行われた後、フォーメーションラップが行われ、熱戦の火ぶたが切って落とされた。

　なお予選14番手のNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGは、谷口信輝が予選日夜に虫垂炎を発症。谷口は欠場となったが、チームは来場のファンのために片岡龍也が規定ギリギリまで走ることを決断。またNo.6 Team LeMans Audi R8 LMSはエンジンの不調で、スターティンググリッドからピットに戻って修復を行ったため、ピットスタートとなった。

　レース序盤はポールポジションのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）がトップを守り、予選3、4位のNo.87 Bamboo Airways Lamborghini GT3（松浦孝亮／坂口夏月）とNo.88 weibo Primez Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）が追いかける。一方、その後方はNo.60 Syntium LMcorsa GR Supra GT（吉本大樹／河野駿佑）やNo.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥／篠原拓朗）、No.25 HOPPY Schatz GR Supra（松井孝允／野中誠太）、No.55 ARTA NSX GT3（武藤英紀／木村偉織）らが激しい5番手争いを展開した。

　GT300クラスのトップが12周目を迎えると、一時は止んでいた雨が強くなり、コースはあっという間にウエットへ。多くがピットインしてウエットタイヤに交換していくが、天候回復をにらんだか88号車とNo.7 Studie BMW M4（荒聖治／アウグスト・ファルフス）、No.10 TANAX GAINER GT-R（富田竜一郎／大草りき）、No.11 GAINER TANAX GT-R（安田裕信／石川京侍）はスリックタイヤで走り続ける。ここでペースが良かった7号車がトップに浮上した。

　これらのスリックタイヤ勢は、ドライバー交代が可能になるレース周回の3分の1近くまで引っ張ってピットに向かう。ここではウエットタイヤに交換したが、39周を過ぎたあたりで雨が弱まり、路面がみるみる乾いていった。これを見て、上位陣ではいち早く61号車やランキング首位のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）、10号車、11号車などが、今度はスリックタイヤに交換していった。

 

 

 

 

 

　天候の変化で慌ただしく動くチームに対し、予選13位のNo.2 muta Racing GR86 GTは14周目にウエットタイヤに替えると、そのまま加藤寛規でルーティンのピットインを遅らせる作戦に出る。加藤はベテランらしく状況に応じてペースのみに注意して走り続けると、ライバル達のピットインもあって36周目には2番手以降を大きく引き離してトップになっていた。

　そしてトップ2号車は49周目にピットインすると、堤優威に交代。その時は、雨が弱くなっていたため、スリックタイヤを装着してコースイン。トップのまま戻った堤は、その後チームのベストラップを出すなどして、独走状態でゴールを目指した。

　その後方では、雨の状況と相まって目まぐるしく順位が変わっていく。順位が落ち着いたレース終盤になると、2番手は11号車と10号車がテール・トゥ・ノーズで争う。4番手に7号車が続き、これにNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が近づいていく。

　しかし、天候は終盤にまたも変動。残り10周になるというところで、またも雨脚が強くなり始めた。スリッピーな路面でバトルが激化したのは11号車と10号車の2番手争い。その後ろでは7号車と56号車、さらには65号車も接近し、3台のバトルが展開された。

　結局、大きなリードを築いたNo.2 muta Racing GR86 GT（加藤寛規／堤優威）が、危なげなく逃げ切って今季初優勝を決めた。今季デビューのTOYOTA GR86にとっても、嬉しい初勝利だ。2位争いは最後まで接近した戦いが続いたが、ポジションを守り切ったNo.11 GAINER TANAX GT-R（安田裕信／石川京侍）が2位。No.10 TANAX GAINER GT-R（富田竜一郎／大草りき）は3位となった。

　4位にはNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が入り、これでドライバーランキング1位をキープ。同ランキング2位は4ポイント差で、10号車の富田／大草組、3位は11号車の安田／石川組がつけ、GT-R NISMO GT3勢がトップ3を占めている。

 

 

 

 

 

 

Page Top