2022.11.06

Rd.8 決勝GT300：ARTA NSX GT3がポール・トゥ・ウイン！タイトル争いは波乱の連続でリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが奪還!!

第8戦 もてぎ：決勝 GT300レビュー

2022 AUTOBACS SUPER GT第8戦（最終戦）『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝レースが11月6日（日）午後に、栃木県のモビリティリゾートもてぎ（1周4,801m×63周）で行われた。GT500クラスは、No.100 STANLEY NSX-GT（山本尚貴／牧野任祐）がポール・トゥ・ウインを達成。シリーズタイトルは2位に入ったNo.12 カルソニック IMPUL Z（平峰一貴／ベルトラン・バゲット）が獲得した。GT300クラスもポール・トゥ・ウインでNo.55 ARTA NSX GT3（武藤英紀／木村偉織）が優勝。タイトル争いは何度かの波乱の末、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が手にした。

 

 

 

 

 

　最終戦の決勝レースは午後1時、栃木県警察のパトロールカー、白バイの先導のもと行われたパレードラップ、さらにフォーメーションラップを経て、スタートした。なお、予選Q2でクラッシュしたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）は朝までにマシンを修復するも、昼前のウオームアップ走行はターボのトラブルで走行できず。しかし、それも直して決勝のスターティンググリッドについた。また、No.87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3（松浦孝亮／坂口夏月）は予選でのペナルティで、2グリッド降格して6番グリッドからのスタートとなった。

　レース序盤はポールポジションのNo.55 ARTA NSX GT3の木村偉織と予選2位のNo.18 UPGARAGE NSX GT3（小林崇志／太田格之進）がサイド・バイ・サイドのバトルを展開。これを制した18号車がトップに浮上。タイトル争いでは、ランキング首位のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（藤波清斗）が6番手、同3位のNo.10 TANAX GAINER GT-R（大草りき）が7番手につける。一方、同2位の61号車は予選16位から、さらにポジションを落としてしまう。

　8周目にはGT500クラスが追いつくが、ここでアクシデントが発生。集団の中で、GT500車両2台とNo.30 apr GR86 GT（永井宏明／織戸学）、さらにNo.25 HOPPY Schatz GR Supra（松井孝允／野中誠太）も巻き込まれる多重クラッシュとなった。これでFCY（フルコースイエロー）が導入された後、セーフティカー（SC）ランとなる。このSCランの最中、メインストレートでNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号（冨林勇佑／平木玲次）にNo.31 apr GR SPORT PRIUS GT（嵯峨宏紀／中山友貴）が追突しクラッシュ。

　そのSC後にピットインのタイミングとなり、トップの18号車もピットイン。ここでクラッチの繋がりが悪くピットアウトに時間を要して、ポジションを落としてしまう。GT300ではピットインのタイミングも勝負を分けることが多い。今回も早めピットを済ませたNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）が予選9位から後半には2番手に浮上する。一方、タイミングを遅らせていた2番手の55号車は順当にピット作業をこなした。

 

 

 

 

 

　GT300クラスの各車が所定のタイヤ交換を伴うドライバー交代を終えると、トップに立っていたのは55号車（武藤英紀）で、2番手は少し開いて52号車。その背後にはNo.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥／篠原拓朗）、そしてNo.10 TANAX GAINER GT-R（富田竜一郎／大草りき）が猛追。さらに後ろには56号車（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）も迫ってくる。ここで、ペースの良い10号車と56号車は65号車を相次いでパスして3、4番手に浮上。ランキング2位の61号車は16番手とポイント圏外であったので、このままの順位なら56号車がタイトル獲得だ。

　しかし42周目、56号車にまさかのトラブルが起きる。4コーナー立ち上がりで右フロントタイヤが脱落。3輪でのスロー走行となるもデ・オリベイラは何とかピットに戻って、タイヤを交換してレースに復帰。これで21番手まで順位を落としてしまい、3番手につける10号車の大草りき（この時点の走行は富田）がタイトルに近づく。

　だが、波乱はまだ終わらない。その10号車のペースが落ちはじめ、87号車と18号車に抜かれて5番手に。残り5周、これでタイトルの可能性は2番手の52号車が大きくなる。すると、その52号車の背後には87号車が急接近。その勢いで、52号車をパス。これで52号車からも幸運の女神は去っていく。

これでまた10号車にタイトルの権利が戻るが、その背後にはNo.88 weibo Primez Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）が迫る。なんとか大草にタイトルを獲らせたい富田はサイド・バイ・サイドで粘りを見せるが、88号車は無情にもこれを抜き去った。さらに18号車にもオーバーテイクされ、10号車からも女神は離れていった。

　レースは前半を2位と木村が粘り、後半を武藤がトップを守って、ポール・トゥ・ウインを成し遂げたNo.55 ARTA NSX GT3（武藤英紀／木村偉織）が制した。ルーキーの木村はもちろん、意外にもGT300王者も手にした武藤にとっても嬉しいGT300の初勝利だ。2、3位はNo.87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3（松浦孝亮／坂口夏月）、No.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）が入った。

　そしてGT300クラスの2022年タイトルは、19位でゴールして決勝前とポイントが変わらないNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が獲得。波乱の末、悲願のタイトル奪還を果たすことになった。

 

 

 

 

 

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