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2023.03.11
【公式テスト岡山・1日目】新生No.16 ARTA MUGEN NSX-GTの福住が最速!GT300は88号車ランボルギーニがトップに

【公式テスト岡山・1日目】新生No.16 ARTA MUGEN NSX-GTの福住が最速!GT300は88号車ランボルギーニがトップにの画像

公式テスト・岡山国際サーキット 3月11日(土)

2023 AUTOBACS SUPER GTの開幕戦岡山(4/15、16開催)を前に3月11日、岡山国際サーキットで今年最初のSUPER GT公式テストが始まった。今季参戦のGT500クラス15台、GT300クラス27台の全車が揃い、全戦で使用されるCNF(カーボン・ニュートラル・フューエル)を用いての初の公式テストだ。そして、各チームが今季を戦う上でのマシンのセットアップなどを精力的に行った。公式テスト岡山は12日まで開催される。

 

◎走行1回目(Session 1:1日目午前) 10:00〜12:00
天候:晴れ/路面:ドライ
気温:16℃〜21℃/路面温度:25℃〜32℃

◎走行2回目(Session 2:1日目午後) 14:00〜16:00
天候:晴れ/路面:ドライ
気温:23℃〜24℃/路面温度:30℃〜33℃

 

 

■午前は新体制のNo.16 ARTA MUGEN NSX-GTの福住がトップタイムを記録

 今年の公式テストでは、久々に一般のパドック立ち入りが解禁となり、ピット裏ではファンの依頼に応じてドライバーが色紙にペンを走らせる姿も多く見受けられた。また、この日は2011年に東日本大震災が発生した日でもあり、走行開始前には選手とチーム、競技関係者らが整列し、犠牲になられた方々への哀悼の意と被災地の復興を祈念して黙とうが捧げられた。

 

 

 テスト初日の走行はセッション1が午前10時から12時までの2時間、セッション2が14時から16時までの2時間で、計4時間が行われた。セッション1の終了後には10分のFCY(フル・コース・イエロー)のテストも実施された。
 セッション1が始まると、昨年のドライバーとチームのダブルタイトルに輝き、チャンピオンナンバーの1を纏い、1番ピットに陣取ったNo.1 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)を先頭に、各車が続々コースイン。
 序盤にはNo.1 MARELLI IMPUL ZとNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也)、No.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)の3台がタイミングモニターの上位に並び、今シーズンも3メーカーの拮抗がイメージされた。
 中盤にはHonda NXS-GT勢がタイムを削って、No.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)とNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)がトップ2に並ぶ。3〜5番手にはNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)、No.8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)、1号車Zが続いた。
 セッションも残り35分という時、GT300車両がマシントラブルからコース上でストップ。この回収で赤旗が提示され、5分ほどの中断があった。その後大きなトラブルも無く定刻の12時にセッション1は終了。GT500クラスのタイム順位は、中盤から変動はなかった。

 

 

 

■午後はNo.16とNo.8、2台のARTA MUGEN NSX-GTがワン・ツー

 お昼のインターバルにはファンを入れてのPIT Viewingが行われた。パドックには午前の走行終了前から、入場の長蛇の列がうまれていた。

 

 


 午後のセッション2は14時から、今回もNo.1 MARELLI IMPUL Zが先頭になり、各車がピットアウトしていく。
 このセッション2の混走時間は、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)がセッション序盤にマークした1分18秒861で、終始タイミングモニターの最上段をキープする。これにNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、No.8 ARTA MUGEN NSX-GT (野尻智紀/大湯都史樹)が続いた。
 そして、ラスト10分間はGT500クラスの専有走行時間となる。ここで混走時間のタイムを更新するマシンが続出。No.16 ARTA MUGEN NSX-GTがマークした1分18秒421が、午後のベストタイムとなり、0.180秒差で同じARTAのNo.8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)が続いた。3番手はNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)、4番手はNo.100 STANLEY NSX-GTと、トップ4のうち3台をNSX-GTが占める結果となった。ただ気温が24℃まで上昇したことが影響したか、午前に16号車の福住がマークした1分17秒827がこの日のベストタイムとなった。

 

 

 

 

 この日、速さを印象付けたNSX-GT勢だが、開発を統括するHRCの佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダー(LPL)は「CNFへの対応は、TOYOTAさんが一番進んでいると考えています。NISSANさんも速いようで、そう考えるとHondaが一番遅れているんじゃないか」と苦笑する。今日の上位タイムについて聞くも「TOYOTAさんが一番汚れてないんですよ」との返答。その真意を話してもらうと「排気管の周りを見るとTOYOTAさんが一番きれいです。NISSANさんは少し汚れているけれど、Hondaが一番汚れています」と言う。この時点での進捗具合は「どこが100%(終着点)かは分かっていません。シーズン中にもまだまだ進化していくと思います」としていた。そして「どんな問題に関しても同じですが、例えば燃料に関して言うなら、指定された燃料をより完全に燃やしてしまうことが目的で、燃焼を改善していって完全燃焼させる。そうすることによって結果的にパワーも出てきますから」と佐伯LPL。開幕戦岡山だけでなく、それ以降もGT500クラスの各エンジンの開発からは目が離せなくなりそうだ。

 

 

 

■GT300は午前がJLOC Lamborghini GT3、午後はHACHI-ICHI GR Supra GTが最速!

 

 

 GT300クラスは午前のセッション1、開始30分過ぎにNo.88 JLOC Lamborghini GT3 (小暮卓史/元嶋佑弥)の小暮が1分25秒400をマーク。そのすぐ後に、No.6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也)が1分25秒759を、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が1分25秒766を記録して2、3番手になり、この後もこのトップ3を上回るマシンはなかった。また、残り35分でコース上にストップしたNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/松井孝允)は電気系トラブルとのことで、修復をして午後は走行を続けた。
 午後のセッション2は、混走時間帯にNo.244 HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞)の三宅がマークした1分26秒119がトップタイムとなった。このタイムは専有走行でも更新されず、セッション2のベストタイムとなった。だが、この日の総合では午前の88号車のタイムがベストとなっている。そして昨年ランキング2位のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)だが、セッション2の中盤でミッションにトラブルが発生し、ここで走行終了となった。

 

 

 

 

GT500クラス・1日目総合トップタイム

福住仁嶺(No.16 ARTA MUGEN NSX-GT)

 今年はじめの公式テストで、初日にベストタイムをマークできたのは悪くないのですが、フィーリング的には思っているところに届いてない感じがあります。でも、まだ伸び代が残っているのは事実ですね。
 今年はチームが2台体制になり、その効果も感じられますが、2台がまったく同じ(セットアップ)にはならないことも多い。だから自分が、いかにクルマに合わせてパフォーマンスを引き出せるかが重要になってきます。2台体制にしたのは(監督の鈴木)亜久里さんも含めてチームの総意として、(NSX-GTの)ラストシーズンにチャンピオンを獲りたいとの想いから。だから自分としては、その期待に応えられるようにがんばるしかないです。

 

GT300クラス・1日目総合トップタイム

小暮卓史(No.88 JLOC Lamborghini GT)

 今回は年間最初のテストで、そのために用意してきたテストメニューも多かった。それをこなしていくうちに、結果として(トップタイムを)マークできたという感じですね。それに、ライバルが全力だったのかは確認できていないので、トップタイムとはいっても楽観視はしていません。去年もそうだったのですが、開幕前の公式テストで速くても、シーズンが始まってからの公式予選や決勝において、その速さを再現できないことも多かった。本番のレースや予選で(気温や路温などの)状況が一変することも多いので、それに上手く対応できるようにしていきたいですね。

 

 

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