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2023.03.25
【公式テスト富士・1日目】雨の初日トップはNiterra MOTUL Zの高星!GT300のベストはStudie BMW M4が記録

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公式テスト・富士スピードウェイ 3月25日(土)

3月25日、2023 AUTOBACS SUPER GTの第2戦(5/3、4開催)が開催される富士スピードウェイで今季2回目の公式テストが行われた。開幕戦・岡山に向けた最後のテストとあって、あいにくの雨ながらサーキットには多くのSUPER GTファンが、チームの旗を振るなど声援をおくっていた。前日には全車揃っての撮影(下記の写真)が行われ、冬用の上着は必要ないほどの暖かさだった。しかし、この日は一転して気温は10度前後と肌寒い天候となった。
だがコースでは今季参戦のGT500クラス15台、GT300クラス27台の全車が揃い、雨だからこそのウエット路面でのセットアップや新しいレインタイヤを試すなど、今季の戦いに向けて精力的に走り込みを行なった。

 

◎走行1回目(Session 1:1日目午前) 10:00〜12:00
天候:雨/路面:ウエット
気温:9℃〜10℃/路面温度:11℃〜12℃

◎走行2回目(Session 2:1日目午後) 14:00〜16:00
天候:雨/路面:ウエット
気温:10℃〜9℃/路面温度:13℃〜12℃

 

 


24日に行われたテスト参加全車による撮影

 

 

■午前はENEOS X PRIME GR Supraが雨で速い2台のZをしのいでトップに

 この日の富士スピードウェイは、朝から雨。加えて霧も出ていたため、視界が悪いことからセッション開始の午前10時からしばらくはコースインを見合わせるマシンも少なくなかった。
 その中、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)とNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/太田格之進)が精力的に周回を重ねた。それぞれドライブしていたのは山下と太田で、公式テスト岡山前のテスト走行でクラッシュしてケガを負ったため、岡山のテストを欠席。前日にGTAのメディカルチェックをクリアし、この日は午前から精力的に走り込んだ。
 14号車の山下は序盤に1分45秒887でタイミングモニターのトップに。その後、No.16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)が1分45秒001と上回る。30分を過ぎたところで、GT300車両が2コーナー先でクラッシュ。マシンを大きく壊したため、その処理・回収のために赤旗が提示されて走行は15分ほど中断した。
 その後、霧も晴れて視界がクリアになり、各車のラップタイムも上がっていく。ここでウエット路面を得意とするミシュランタイヤを装着するNissan Z GT500の2台、No.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)とNo.3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)がトップを争う形になり、23号車が1分41秒106で最上位につける。昨年の第6戦、雨のスポーツランドSUGOで、この2台に圧倒されたライバルのタイヤメーカーも、新たな溝パターンを刻んだ新型ウエットタイヤを試していた。
 終盤に1分40秒533のトップタイムを記録したのは、ブリヂストンタイヤの14号車GR Supraの山下だった。2、3番手には23号車、3号車のZ、4番手にNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)、5番手にNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)となった。

 セッション1でトップタイムをマークした山下は、1月のクラッシュで脊椎を負傷して以来、2か月ぶりの走行だった。「久々のドライブになりましたが、違和感はなかったですね。1ヶ月は寝たきりでした。(その期間は)テストの情報などを聞いてイライラしていましたが、その後の1ヶ月はテストの現場に行ったり、リハビリをしたりで、普通に過ごしていました。感覚的にも問題はなく、正直言ってホッとしました」と笑顔でコメント。先の公式テスト岡山では2日間を1人で走り切っていたパートナーの大嶋も「相方が返ってきてくれて安心しました」とこちらも笑顔でコメントしていた。

 

 

 

■午後はNiterra MOTUL ZとWedsSport ADVAN GR Supraがトップ2に並ぶ

 セッションの合間にはピットビューイングが行われ、サインや写真撮影に応じるドライバーたちの姿もあった。この頃には雨も小康状態となり、午後2時からのセッション2はウエット路面ながらも水は少し引いて、午前よりはコンディションが向上。コースオープンと共に、ほとんどのマシンがピットを離れていった。

 



 これもあってか序盤からタイミングモニターの順位はめまぐるしく変わる。まずトップに出たのはNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)だ。昨年の第2戦富士でポールポジションを獲得した阪口が開始15分で1分36秒568を記録。それにNo.23 MOTUL AUTECH Z、No.3 Niterra MOTUL Zが続いた。午前中は下位だったNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)も4番手に上がり、ミシュランタイヤ勢(3、23号車)とヨコハマタイヤ勢(19、24号車)が、トップ4を占める。
 だが開始30分を過ぎると徐々に雨足が強くなり、走行時間の半分を過ぎたところで本降りに。これで上位のタイムの更新はなくなり、両クラスの専有時間はキャンセルされ、最後まで混走での走行となった。結果、午後のトップタイムはNo.3 Niterra MOTUL Zで、この日の総合トップタイムにもなった。2、3番手はNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra、No.23 MOTUL AUTECH Z。Honda NSX-GT勢のトップタイムはNo.100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)の1分38秒016(午後の10位)だった。

 

 

 

 

■GT300は午前にLEON PYRAMID AMGが、午後はStudie BMW M4がトップタイム

 

 

 GT300クラスのセッション1は、雨の強さから序盤は周回を控えるマシンが多く、その中で1分56秒616のNo.88 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がしばらくの間トップに。30分過ぎにNo.25 HOPPY Schatz GR Supra(菅波冬悟/野中誠太)が2コーナー先でクラッシュし、マシンの前後を壊してしまった。25号車は午後の走行もキャンセルとなった。この後は、天候が回復傾向で、走行するマシンも増え、セッション折り返しではNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が1分48秒912でトップとなる。終盤には65号車がさらに1分47秒734までタイムを詰め、午前のトップとなった。2番手はNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)、3番手は終盤に5番手からタイムアップしたNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)となった。
 午後のセッション2はコンディションの良い序盤にNo.7 Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)の荒が1分44秒502を出してトップタイム。今回は本来の第2ドライバーであるブルーノ・スペングラーが欠席のため、柳田と2名での走行となった。結局、ミシュランタイヤを使用する7号車が初日のトップで、GT500クラス同様にミシュランのレインタイヤの良さが目立った。2、3番手はNo.6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン/神晴也)、No.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)となった。

 

 公式テストは明日26日も実施される。

> 公式テスト富士 http://www.fsw.tv/freeinfo/050311.html

 

 

 

 

GT500クラス・1日目総合トップタイム

高星明誠(No.3 Niterra MOTUL Z)

今年はチームとメーカーがいろいろなアイテムを持ってきていますが、その中で今日のこのウエットコンディションでトップタイムが獲れて、自分たちのポテンシャルを再確認できたのは良かったです。ただ、ヨコハマさんが新しいパターン(の雨用タイヤ)を持ってきて雨量の少ない中でポテンシャルを発揮しているのも見てとれました。その他のメーカーも進化してきているのは分かったので、自分たちの速さに自信はありますが、もっともっと前に行かないといけないと感じました。今日は順調にテストを進めることができたので、明日もやりたいこと(テストメニュー)をやれるよう、トラブルなくできたらいいなと思っています。

 

GT300クラス・1日目総合トップタイム

荒 聖治(No.7 Studie BMW M4)

今日は終日ウエットコンディションでしたが、車両のセットアップや課題だった点をテストして、開幕してから良いレースができるようしっかりと(テスト)メニューをこなせました。ミシュランタイヤもウエットでのパフォーマンスは非常に高いレベルにあると思います。BMW M4というクルマも、乗りやすくて速い。今まで僕が乗ったレーシングカーの中でもトップレベルに気に入っています。体制で言えば、ミシュランタイヤのエンジニアは僕がル・マン(24時間レース)で優勝した時に支えてくれたメンバーですし、柳田(真孝)選手はカート時代から知っている仲でGT500時代にはチームメイト。本当に家族みたいなメンバーで今年戦えるのは嬉しいです。さらにDTMチャンピオンの(ブルーノ・)スペングラー選手という、非常にすごいドライバーも加わってくれました。本当に恵まれた環境で、いい刺激をもらえています。明日も今日の流れを維持して、しっかり準備して開幕に備えたいですね。

 

 

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