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2023.05.26
【第3戦プレビュー】難コース鈴鹿の450kmレースを戦略・知略で勝ち獲れ!

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第3戦 鈴鹿サーキット : プレビュー

今季も全8戦で行われる2023 AUTOBACS SUPER GTも、序盤の区切りとなる第3戦「SUZUKA GT 450km RACE」が、6月3日(土)、4日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催される。これまでの2戦とはまた違う特性で攻略しがいのある難コース鈴鹿での今季1戦目だ。昨年の第3戦は300kmのレースだったが、今年は450kmで争われる。この距離は各チームの戦術やレース中の判断次第で、終盤に上位に出る可能性が変化するだけに、ゴールするまで目が離せない一戦になるだろう。また今季の序盤を締めくくる1戦でもあり、チャンピオンシップにおいても区切りとなる重要な戦いだ。この鈴鹿での450kmレースをいかに政略して戦うかを、さらにタイトル争いを見通した戦略を、ファンの皆さんもぜひ楽しんでほしい。

※上の写真は2022年の第5戦 鈴鹿

 

 

■Z勢では王者の1号車と24号車の活躍に期待

 GT500クラスの鈴鹿戦と言えば、NISSAN勢の独壇場ともいえる状態だ。2020年の第3戦で23号車がGT-R NISMO GT500として2012年以来の勝利を挙げてから昨年のNissan Z GT500の連勝と、鈴鹿で5連勝中だ。当時のGT-Rは基本特性がダウンフォース重視型で、“鈴鹿では速い”というマシンだったが、昨年デビューのZはオールマイティなマシンとなって、第3戦で3号車(現No.3 Niterra MOTUL Z:千代勝正/高星明誠)が現行Zの初優勝。第5戦では12号車(現No.1 MARELLI IMPUL Z:平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が最後尾スタートから大逆転の優勝を飾り、その勢いを得てシリーズチャンピオンに駆け上がった。したがって、今年もZ勢は鈴鹿2戦を勝つポイントと定めているはず。
 今大会はサクセスウェイトが軽い1号車と、速さは見せながらもまだノーポイントのNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)が、本来の走りを見せてくれるだろう。特に1号車は王者にふさわしい勝ち方を見せてほしい。また雨のレースとなれば、サクセスウェイトが重いNo.23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)と3号車も上位のチャンスは十分にある。

 

   

 

 

■昨年のリベンジを狙う17号車と新体制の16号車が優勝候補か

 鈴鹿サーキットはHondaが1962年に完成させたサーキットで、Hondaにとっては正にホームコースだ。SUPER GT/全日本GT選手権でも先代NSXやHSV-0101 GTが勝利を重ねてきた。だが2017年に64号車が、18年は8号車と連勝して以来、勝利から遠ざかっており、今はNISSAN車が5連勝中。Honda NSX-GT勢はこの第3戦を是が非でも勝ちたいだろう。
 中でもNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)は、昨年の第3戦と第5戦を共に2位で終わっている。中でも第5戦は終盤トップを走りながら燃費がきつくなってペースを落したため、12号車Z(今季の1号車)に勝利を明け渡すことに。その悔しさを晴らすためにも、全力で勝ちに来るだろう。そして、もう1台注目したいのはNo.16 ARTA MUGEN NSX-GT (福住仁嶺/大津弘樹)だ。今季はARTAの2台目という新体制になってドライバーもフレッシュになった。この2戦は速さを見せるも思うような結果を残せなかったが、その分サクセスウェイトは軽く、鈴鹿での優勝争い絡んできそうだ。

 

   

 

 

■もう苦手とは言わせない!? 速さの19号車と戦略の39号車に注目

 対してTOYOTA GR Supra GT500はストレートスピードがモノを言う富士スピードウェイのようなコースを得意とするが、相反する力である高いダウンフォースが優位とされる鈴鹿は苦手とされた。ただ昨年の第3戦は予選がワン・ツーで決勝も3位、第5戦は予選こそ4、5位だったが決勝は3位とそこまでライバルと差があるようには思えない。今季のGR Supraは空力パーツをかなり改良して鈴鹿でも戦えるだろうと言われている。さらに、今季導入のカーボンニュートラルフューエル(CNF)への適応に先んじている感があり、燃費ではライバルより良いとみられる。
 昨年の第3戦でポールポジションを獲得したNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)や450kmレースの第5戦で3位を獲得したNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が終盤にZやNSX-GTとトップを争うことありえるだろう。また前戦富士で優勝したNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)と同じTOM'SのNo.37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)もそのレース巧者ぶりと鈴鹿得意の笹原が噛み合えば上位進出も期待できるはずだ。

 

   

 

 

■今年もM4 GT3の独走劇はあるか? 有力な対抗馬はどこか!?

 

 2022年の第3戦はNo.7 Studie BMW M4がポール・トゥ・ウインを達成し、BMW M4 GT3が嬉しい日本初勝利だった。今季もエースの荒聖治は継続し、今大会のパートナーはGT500/GT300で計4冠の柳田真孝なので、今年もトップ争いをしそうだ。
 また鈴鹿では昨年も2戦が行われているが、もう1戦の第5戦で勝ったのはNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)だ。メルセデスAMG GT3も鈴鹿を得意としている車種だ。この昨年第5戦は今回と同じ450kmレースで、作戦の幅少ないFIA GT3ながら早めに1回目のピット済まして後半にトップに出て逃げきりと見事に勝利して見せた。この4号車もチェックしておきたい存在だ。
 作戦幅という面で注目なのは、GT300マザーシャシー(MC)規定車両のNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/松井孝允)か。昨年も第3戦鈴鹿でタイヤ無交換作戦を成功させて2番手にジャンプアップ。ポジションを死守して2位表彰台に上がる殊勲だった。今季は富田とMCでGT300王者を獲得した松井が加わったので、チームの悲願である優勝も不可能ではないはずだ。そしてGT300規定車両では、GR SupraのNo.244 HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞)も気になる。GR Supra自体は鈴鹿に相性が良いとまでは言えないが、この244号車は鈴鹿で速い。2021第3戦では優勝、2022年は第5戦では予選2位から序盤を上位で争った(結果はリタイヤ)。また、昨年第5戦3位はNo.30 apr GR86 GT(永井宏明/織戸学/上村優太)などGR86勢も活躍が予想される。

 

   

 

 FIA GT3勢では先に挙げたメルセデスAMG GT3勢や、NISSAN GT-R NISMO GT3勢やLEXUS RC F GT3勢も上位を争うだろう。ランキングトップのNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/名取鉄平)はサクセスウェイトが大きいため、着実にポイント獲得を狙うレースだろうが、No.10 PONOS GAINER GT-R(安田裕信/大草りき)とNo.11 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍/塩津佑介)、そしてNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)は勝つチャンスがあるレースといえよう。

 なお、この第3戦鈴鹿からGT300クラスにも導入される予定だったハルターマン・カーレス社製のカーボンニュートラルフューエル『GTA R100』だが、先に行われた鈴鹿でのGT300クラスの専有テスト走行の結果、残念ながら第3戦での導入は見送られた。残念ではあるが、クラス全車がイコールコンディションであることは欠かせない条件である。また今後の導入時期は、未定とされている。

 

   

 

 

 

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