2023.08.06

Rd.4 決勝GT300：終盤にいち早いタイヤ交換の決断！GAINER TANAX GT-Rが猛追撃で大逆転勝利を挙げる

第4戦 富士スピードウェイ：決勝 GT300レビュー

2023 AUTOBACS SUPER GT第4戦『FUJI GT 450km RACE』の決勝レースが、8月6日（日）に静岡県の富士スピードウェイ（1周4,563m×100周）で行われた。雨が降ったり止んだり、さらにアクシデントによるによる中断もあった中、GT500クラスは、No.3 Niterra MOTUL Z（千代勝正／高星明誠）が終盤にトップに立つとそのまま逃げ切って優勝を飾った。GT300クラスは予選3位のNo.11 GAINER TANAX GT-R（富田竜一郎／石川京侍／塩津佑介）が、残り数周で猛烈な追い上げを見せて逆転で勝利を決めた。

 

 

 

 

 

　昨日の予選は気温30度を超える中での戦いだったが、決勝日は状況が一転した。気温は20度台後半となり、昼ごろには強い雨が降りはじめ、コースはウエットコンディションに。GT300クラスも全車が濡れた路面用のウエットタイヤを装着しての出走となる。

　そして午後1時45分、セーフティカーが先導してのスタートとなって決勝レースが始まった。だが走り出すと雨は上がり、路面は一転して乾き出す。急な路面状況の変化とあって、状況によって速さをもつ車両が次々に入れ替わる目まぐるしい展開となった。3周目にセーフティカーが退去して戦いは本格化。まずは予選2位のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）、同3位のNo.11 GAINER TANAX GT-R（富田竜一郎／石川京侍／塩津佑介）の石川が、相次いでポールポジションのNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG（谷口信輝／片岡龍也）をかわしていく。その後は日射しが出はじめ、急速に路面が乾く。すると4号車が2台をかわし、再びトップに返り咲く。さらにNo.88 JLOC Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）も2番手に浮上する。

　7周目にNo.18 UPGARAGE NSX GT3（小林崇志／小出峻）がいち早くピットインしてスリックタイヤに交換すると、翌周からGT300車両が続々とスリックタイヤに交換するためピットに向かう。各車がピットインを終えると4号車が3たびトップとなり、2、3番手は88号車と11号車に。そしてウエット路面で追い上げをみせたNo.7 Studie BMW M4（荒聖治／柳田真孝）が4番手につけた。

　レース序盤には晴れ間も見え、すっかり路面はドライに変わる。GT300先頭が28周目に入ったタイミングで、No.244 HACHI-ICHI GR Supra GT（佐藤公哉）にマシントラブルがあったのか、パナソニック（最終）コーナーでエキゾーストパイプが外れて、車両火災が発生。244号車はTGRコーナー立ち上がりで車両を止め、FROや富士のオフィシャルらが消火作業に入ったため、このレースで2度目のセーフティカーランとなった。

　リスタート後の上位陣では7号車が6番手に順位を落とす一方、No.10 PONOS GAINER GT-R（安田裕信／大草りき）、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ／名取鉄平）が順位を上げた。

 

 

 

 

 

　この後、48～56周というタイミングでGT300クラスは各車が続々とピットイン。2回のピットイン義務をこなしていった。トップを快走していた4号車は54周を終えピットに入り、首位を守ってピットアウト。だが、51周目にピットインした10号車が背後に接近。さらに11号車の富田、No.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥／篠原拓朗）が続いた。このうち、65号車はレース前に蒲生が体調不良のため欠場を発表しており、1人の走行周回数のリミットを持ってピットインしてレースを終了した。

　レースは終盤となった62周目。No.25 HOPPY Schatz GR Supra GT（菅波冬悟／野中誠太）に車両火災が発生して、13コーナーアウト側に停止。これがかなりの勢いのある火災で鎮火に時間が掛かったため、レースは赤旗が提示されて中断となった。

　火災処理は終わったが、その間にまた強い雨がコースに降り始める。安全のため、本来は赤旗中の車両には作業ができないが、今回はレインタイヤ交換可能となり、各チームはタイヤを交換して、レースは午後4時30分に再開された。

　この雨中のリスタートでは、10号車と11号車がトップの4号車を最初のスタート時のようにかわす。しかし、またも雨は上がって路面が乾いていく。これで4号車のペース上がり、またもトップを奪い返す。ここに88号車と7号車も急接近。三つ巴のバトルのまま終盤に進むかと思われた。あまりにも急速に路面が乾いためか、またもスリックタイヤへの交換を考えるチームが現れる。いち早く動いたのは11号車。すると4号車などトップ3も相次いでピットインし、スリックに履き替えた。

　一方、終盤までウエットタイヤのまま走行したのが、これでトップ＆2番手になった61号車とNo.60 Syntium LMcorsa GR Supra GT（吉本大樹／河野駿佑）。しかし、2台のペースダウンは明かで、追い上げ急な11号車の富田が接近。そして、11号車がゴール目前の92周目にトップを奪い返した。

　このままゴールしたNo.11 GAINER TANAX GT-R（富田竜一郎／石川京侍／塩津佑介※）が波乱のレースを制した。一方、レースの大半をリードしていた4号車は、スリックタイヤ換えた周に痛恨のコースアウト。復帰はできたものの、ポイント圏外に落ちてしまった。

　さらに2、3位争いは最終周まで混沌。スリックに履き替え追い上げたNo.7 Studie BMW M4（荒聖治／柳田真孝）がファイナルラップに2位に。その背後につけたNo.6 DOBOT Audi R8 LMS（片山義章／ロベルト・メリ・ムンタン）が今季初表彰台を獲得した。

※塩津佑介選手は決勝を走行しませんでした。

 

 

 

 

 

 

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