2023.11.05

Rd.8 決勝GT300：難しいコンディションの中でJLOC ランボルギーニ GT3が優勝！埼玉トヨペットGB GR Supra GTが初タイトルを獲得

第8戦 モビリティリゾートもてぎ：決勝 GT300レビュー

2023 AUTOBACS SUPER GT第8戦（最終戦）『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝レースが11月5日（日）午後に、栃木県のモビリティリゾートもてぎ（1周4,801m×63周）で行われた。GT500クラスは、No.36 au TOM'S GR Supra（坪井翔／宮田莉朋）が前戦に続いて2連勝し、年間3勝でシリーズタイトルを獲得した。GT300クラスはNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3の小暮卓史／元嶋佑弥のコンビがクラス初優勝。GT300クラスのタイトルはNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）が難しいコンディションの中を安定した走りで7位に入り、初の戴冠となった。

 

 

 

 

 

　シーズン最終戦の決勝日のモビリティリゾートもてぎで、3万人ものファンが見守る中、決勝レースは午後1時に栃木県警察の白バイ5台、パトロールカー5台による1周の交通安全啓発のパレードラップに続き、フォーメーションラップを経て戦いの火ぶたが切って落とされた。

　スタート前にメインストレート付近では小雨も降るが、路面状況が変化するほどではない。スタートでは勝てば逆転チャンピオンの可能性があるNo.2 muta Racing GR86 GT（堤優威／平良響）がそのままトップで通過。2、3番手にNo.88 JLOC Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）の元嶋とNo.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥／篠原拓朗）が続き、ランキングトップのNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）の川合は予選通りの7番手を走る。52号車は1ポイントでも取れば自力でチャンピオンが決まるだけに、ここで無理な追い上げはしたくない状況だ。

　序盤は膠着した戦いとなるが、5周を過ぎたあたりから雨粒が大きくなる。この影響かは分からないが、2号車と88号車が急接近し、トップ争いが緊迫の度を高める。また6周目にはNo.18 UPGARAGE NSX GT3（小林崇志／小出峻）がNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）をオーバーテイクし、4番手に浮上した。

　雨はほどなく上がったが、16周目の3コーナーで2号車のインを差した88号車がついにトップに浮上。このままでは2号車はタイトルには届かなくなるので、いかに挽回するかが焦点になった。

　そしてGT300クラスでは、17周を過ぎたあたりからピットインが始まる。52号車は21周を終えピットイン。川合から吉田に交代し、より上位を得るためにタイヤ無交換作戦を敢行する。3番手につけていた65号車も同じタイミングでピットインし、こちらはリアのタイヤ2本交換を行なった。翌周には2号車もピットへ。同時にピットインしたトップの88号車も元嶋から小暮に交代し、こちらはリアのみ2本交換の作戦を採った。

 

 

 

 

 

　上位陣がピット作業を終えると、トップは変わらず88号車。その背後には、65号車、2号車と続いていた。その後方で52号車は5、6番手を争う状況だった。ここでジャンプアップしなくとも、10位以内でフィニッシュすれば52号車はタイトルを獲得できる。だが、No.31 apr LC500h GT（小高一斗／根本悠生）やNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R（ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ／名取鉄平）、No.6 DOBOT Audi R8 LMS（片山義章／ロベルト・メリ・ムンタン）との攻防は熾烈で“万が一”もあるだけに緊張感のある状況が続く。

　ここまではアクシデント等がないレースが続いていたが、折り返しになろうかという頃、ふたたび雨が落ちはじめる。まだウエットタイヤを履くほどではないが、コンディションが変化したか88号車の背後に65号車が接近して、マシンが触れるほどにバトルは白熱する。だが、ここをしのぎきった88号車は徐々に65号車との間隔を拡げ、レースは終盤を迎えていく。

　41周目にはGT500車両とNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R（青木孝行／柴田優作）が1コーナーで接触し、破損したGT500車両がコース脇で動けなくなり、FCY（フルコースイエロー）が導入された。オフィシャルが素早い対応でコースをクリアして、セーフティカーの導入には至らず2分ほどでバトルは再開した。

　終盤にはまたも雨が強さを増し、コース上の各所が非常に滑りやすくなる。この状況に勝つしかない2号車は、レインタイヤへ交換するギャンブルに出た。だが、無情にも雨はまたも小康状態へ。

　2023年の最終戦でGT300クラス優勝を飾ったのは、No.88 JLOC Lamborghini GT3（小暮卓史／元嶋佑弥）だった。もちろん今季初で、元嶋にとってはSUPER GT初勝利であり、GT500クラスでは9勝を数える小暮も嬉しいGT300初優勝となった。

　2位はNo.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥／篠原拓朗）。3位は予選13位から追い上げをみせたNo.6 DOBOT Audi R8 LMS（片山義章／ロベルト・メリ・ムンタン）が、今季3度目の3位表彰台に上がった。そして、52号車とタイトルを争った2号車は、最後の賭けも報われず9位でゴール。

　これで、トップ争いには届かなかったが、激戦と難しいコンディションの中、コースに留まって7位でフィニッシュしたNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）がついに宿願のチャンピオンを決めることになった。吉田と川合は初のドライバータイトルで、自社開発のGR Supraで何度もタイトル争いに加わりながらも涙をのんできた埼玉トヨペット Green Braveにとっても、参戦7年目にして嬉しい初のチームタイトルとなった。

 

 

 

 

 

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