夏の暑さも本格化した中、8月3日(土)、4日(日)に2024 AUTOBACS SUPER GT 第4戦「FUJI GT 350km RACE」が、静岡県の富士スピードウェイで開催される。富士での大会は2戦目で前回(第2戦)は決勝が3時間レースだったが、今回は初の試みとなる350kmの距離レースだ。とは言え、通常の300kmよりやや長いレースを真夏に行うので、挑む選手&チームもより過酷な戦いを強いられるだろう。また暑さはマシンにも大きな負担を掛ける、特にタイヤには厳しいはずで、この消耗をチーム戦略で交換を減らしたり、逆に選手のドライビング技術で保たして無交換の作戦を採ったりと、ここも注目といえよう。また第2戦と同じに第3ドライバーの追加が認められるため、GT300クラスではこの3人目を有効に使えるかにも注目したい。この第4戦からは2024シーズンも中盤に入る。激化していく各クラスのチャンピオンを狙うポイント争いもそろそろ気にしていきたい。
※上の写真は今年の第2戦 富士
■GR Supra勢では大湯の速さが際立つ38号車が新体制での初優勝を目指す
第3戦鈴鹿を終えてGT500クラスのドライバーランキング1位につけるのは、開幕戦岡山を制し以後もポイントを重ねる昨年のチャンピオンNo.36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)。だが、この第4戦富士ではその分サクセスウェイト(SW)が74kgと大きいため、思うようなスピードは望めないだろう。だが、350kmと決勝は長いのでトップ5以内を目指す形になるだろう。
そしてTOYOTA GAZOO Racing勢にとってホームコースである富士で、特に勝利を欲するのはNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)ではないだろうか。ここ富士で7月21日に行われたフォーミュラレースでは、大湯が予選3位からレース終盤にはトップを走り結果2位でフィニッシュ。ノっている大湯の速さを活かして、立川祐路監督での新体制初優勝を決めたい。もう1台注目を挙げるなら、開幕戦で予選2位、決勝も2位表彰台を決めたNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)か。続く第2戦富士はSWが効いたか9位だったが、2度目の富士は勝利を、悪くても表彰台に上がりたい。
■第2戦富士はワン・ツーのZ勢。今度は23号車が1番を狙うか!
前回の第2戦富士は、No.3 Niterra MOTUL Z(高星明誠/三宅淳詞)が予選2位から決勝スタート直後にトップを奪うとそのまま独走。見事な今季初勝利を挙げており、ドライバーランキング2位と王者36号車をピタリと追っている。しかし36号車と同様にサクセスウェイトが大きいため、表彰台と言うより早くもチャンピオン争いモードで36号車の前できっちりゴールするレースを行いたい。
そして勝利ハンターとして挙げたいのは、やはりNISSANのエース車であるNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)だ。第2戦富士では決勝2位と3号車に続いてワン・ツーを決めただけに、今度は23号車が初優勝を達成したい。そして、SWが小さく有利であるNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)も大きなチャンスだ。今季はGT500制覇3回の松田とGT500ルーキーの名取の新コンビとなり、序盤2戦は苦戦するも第3戦鈴鹿でポイントを挙げてきっかけを掴んだはず。Zとチーム自体は昨年の第4戦富士でポールポジションを獲っているだけに、予選で上位を獲れば表彰台も十分狙えるだろう。
■デビューから3連続の3位のCIVIC勢。大望の初勝利は8号車かそれとも…
今季はマシンをCIVIC TYPE R-GTに変更したHonda勢。第3戦鈴鹿でNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)が初ポールポジションを挙げ、決勝ではここまで3戦連続で3位(3戦とも別チーム)を獲得しており、直線スピードに利があるマシンだけにこの富士での、今季4戦目は是が非でも初優勝を手にしたいところだ。
その筆頭と目されるのは、No.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)ではないだろうか。前回の富士、第2戦では予選4位から決勝でラスト10分まで3番手を走るも痛恨のガス欠でポイント圏外に。速さはあるが、今季は運に見放されている感がある。この第4戦ではSWも軽いので、今度こそCIVIC TYPE R-GT初勝利を掴みたい。そしてSWは40、38kgと重めだが、好調のNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)とNo.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)も優勝候補と言えよう。100号車は昨年第6戦でのクラッシュから山本が今季復活し、開幕戦の3位以後もきっちりポイントを重ねている。得意の富士なのでタイトル争いのためにも勝ちたい。また17号車は前回の富士、第2戦でポールポジションを獲得し決勝3位だったので、今度こそ勝利を決めたい。CIVIC TYPE R-GT勢も、とにかく“初勝利”のトロフィーを掲げる姿をHondaファンに届けたいはずだ。
■GT300も王座奪還を目指し勝ちたい56号車GT-Rと4号車AMGに注目か!?
第2戦のプレビューでも記したが、富士を得意とする車種ではGR Supraであろう。中でも昨年のチャンピオンであるNo.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)は注目に値するが、今大会はGT300クラスのサクセスウェイト上限いっぱいの50kgを搭載するので、まずは上位入賞を狙うだろう。だが第2戦富士では勝ちを逃した3位だっただけに、得意のタイヤ戦略がハマればトップ争いに加わりそうだ。一方、ランキングでは52号車を上回っている同1位のNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)、同2位で第2戦富士にポール・トゥ・ウインを決めたNo.88 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)もSWはリミットの50kgとなるので、彼らはまず勝利よりもセオリー通りに上位入賞を目指すはずだ。
そこでトップ争いの主役になりそうなのが、FIA GT3規定車両勢で富士を得意とするNISSAN GT-R NISMO GT3のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)であろう。今季は昨年までGT500クラスで活躍した佐々木も加わって、先の第2戦富士では2位と富士4勝目には届かなかったが表彰台をゲット。この第4戦こそ勝利を挙げて、王座奪還への起爆剤としたい。そして富士得意のGT3車両ではメルセデスAMG GT3を挙げたい。中でもNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)は昨年の第4戦富士でポールポジションを獲り、決勝は終盤の雨で勝利こそ逃したがそこまではトップ好走を見せていた。猛暑の中でタイヤ使いに長けたベテラン2人に期待が掛かる。
そしてGR Supra勢では、52号車に次ぐ富士2勝のNo.60 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)もダークホースと言えよう。また60号車と同じダンロップタイヤを履くNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)も予選で上位に付ければ表彰台の頂点を争ってきそうだ。また濡れた路面に利があるミシュランタイヤ勢ではNo.45 PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー)やNo.20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)、No.7 Studie BMW M4(荒聖治/ニクラス・クルッテン/ブルーノ・スペングラー)や、サクセスウェイトが40kg、46kgと重めだがハイブリッドマシンのNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)や戦線優勝のNo.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)などもおもしろい存在となりそうだ。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |