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Race Report
2024.10.20
Rd.7 決勝GT300:大混戦をハイペースで予選15位から猛追したVENTENY Lamborghini GT3が今季2勝目を獲得!

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第7戦 オートポリス:決勝 GT300レビュー

 2024 AUTOBACS SUPER GT第7戦『AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』の決勝レースが、10月20日(日)に大分県のオートポリス(1周4,674m×3時間)で行われた。セーフティカー4回も導入される波乱のレースだったが、GT500クラスは予選10位から逆転でNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が今季初優勝。GT300クラスもNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が予選15位から追い上げて、今季2勝目を挙げた。

 

□天候:曇り| コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート前(13:10)16℃/23℃>序盤(14:20)15℃/22℃>中盤(14:50)14℃/22℃>終盤(15:50)15℃/23℃、ゴール直前(16:20)14℃/22℃。

 

 

 

 

■序盤は何度もトップが入れ替わり、上位10台近くが超接近戦を繰り広げる

 悪天候によりすべての公式走行がキャンセルとなった第7戦の予選日。明けた決勝日は早朝には霧が降りたものの、公式予選も含め決勝レースまで順調に行われた。そして決勝レース直前は、気温17度/路面温度24度の冷たい風を感じるコンディションとなった。午後1時20分には大分県警の白バイ5台、パトロールカー2台の先導で交通安全啓発のパレードラップが行われ、続いてのフォーメーションラップを経て、午後1時26分に3時間の決勝レースが始まった。

 GT300クラスは、No.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)がポールポジションからスタートするが、オープニングラップでNo.777 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)が一気にトップに浮上。さらに2、3番手のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)とNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)も6号車と一団となって争うという混戦模様のスタートシーンだった。

 序盤はトップの777号車がリードを広げる展開となったが、7周目には2番手の96号車が急接近。さらに56号車には、7番手スタートのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)が迫ってくる。そして11周目には96号車がトップを奪い、さらに後方では11番手スタートのNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)も急激にポジションを上げて、19周目には2番手まで浮上した。

 これでトップの96号車がリードを築いていく展開かと思われたが、24周目に入ったところでGT500車両がストップ。これでFCY(フルコースイエロー)が導入され、車両の撤去のために翌周にセーフティカー(SC)ランに切り替えられ、各車のギャップはリセットされることになった。

 レースはGT300クラスが27周目に入るところでリスタートを迎える。スタートから1時間が近づき、GT300クラスの上位チームは続々と1回目のピット作業を行う。その状況が進むなか、GT500クラスが38周目に入ったところでGT500車両同士が接触して1台がクラッシュ。これで2度目のSC導入となった。

 この時点でトップは9周目と早めに1回目のピットインをタイヤ無交換でポジションを上げたNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)だった。これにまだピットインをしていないNo.87 METALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮/坂口夏月)を挟んで、3番手には同じくタイヤ無交換ピットインを行ったNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号(塩津佑介/藤波清斗)、そして31号車、777号車が続いた。

 リスタート後、トップの2号車がリードを広げ、その後ろでは5号車から10台ほどが連なるように各所で複数台の超接近戦が展開される。この中では31号車とNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)、予選15位から追い上げてきたNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)の元嶋が抜け出す形となり、3台で激しい2番手争いを展開した。

 

 

 

 

 

■終盤は88号車ウラカンがレースをリード!2号車GR86も食い下がる

 3時間レースも中盤を過ぎ、GT300クラスの上位争いを交互に行う、1回目のピットインをタイヤ無交換としてジャンプアップしたチームとレースを3分割してピットインするチームだ。この時点のトップは2号車で、2番手の31号車に10秒近いマージンを築いていたが、セーフティカー手順違反によりドライブスルー・ペナルティが課された。2号車のシナリオが崩れ、終盤にはどのマシンがトップを争うかと思われるなか、GT500クラストップが62周目に入ったところで、3コーナーでGT500車両の単独クラッシュが発生。これでこのレース3回目のSCランとなった。

 この時点で、GT300クラスの上位10台は2回目のピット作業を行ない、2回目終了グループで、まだペナルティを消化できていない2号車が先頭。その後ろにはSC導入のわずかに前に2度目のピットインを終えていた88号車で、ドライブする小暮はSCが退去すると実質のトップに立って、猛然とペースを上げていく。

 SC退去後、上位にいた各車が2回目のピットインに向かうと、トップは88号車で、2番手は6号車。ペナルティで遅れるかと思われた2号車だったが、SC解除後に速やかにこなしてその後はハイペースで追い上げ、終盤にはリカバーして3番手まで戻した。

 3時間まで残り30分を切ると、2番手の6号車のペースが落ちる。タイヤが厳しくなったようで、やむなくピットイン。これで2号車が2番手になり、88号車との20秒差を詰めようとハイペースを崩さない。だが88号車の小暮も、これに対抗するようにペースアップしたため、その差は思うように縮まらなくなった。

 レース終了まで17分を切ったとき、5番手を走行していた61号車が第2ヘアピン手前で減速できずにコーナーに入ってしまい、このまま飛び出してクラッシュ。これで、このレース4回目のSC導入になる。レースはこのSCランのまま3時間を迎え、最終ラップの最終コーナーまでSCが先導する形でフィニッシュした。

 これでNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が、第2戦富士以来の2勝目を予選15位から大逆転で達成。ドライバーランキングでも小暮/元嶋組は3位に浮上した。

 決勝2位も予選14位から巧みなレース戦略を駆使したNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が入ってランキング2位は変わらないがトップとの差を5点まで詰めた。一方、ランキング1位のNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)は決勝6位で、辛くも首位をキープしている。

 また決勝3位は序盤トップを走ったNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)で、この新田/高木コンビで表彰台に立つのは2010年第6戦鈴鹿(当時No.43 ARTA Garaiya)以来の14年ぶりとなった。

 

 

 

 

 

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