2024 AUTOBACS SUPER GT第5戦(最終戦)『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝レースが12月8日(日)午後に、三重県の鈴鹿サーキット(1周5,807m×52周)で行われた。好天に恵まれた鈴鹿での最終戦は、昨日の予選でGT500クラス連覇を決めたNo.36 au TOM'S GR Supraがポール・トゥ・ウインを達成。GT300クラスはNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が予選1位からスタートし一時順位を落とすも、見事な追い上げで優勝。これで88号車は、ドライバーもチームも初であるGT300タイトルを逆転で獲得した。
□天候:晴れ| コース:ドライ | 気温/路面温度 スタート時(12:50)13℃/21℃>中盤(13:20)12℃/19℃>終盤(14:20)12℃/18℃、ゴール時(14:40)12℃/17℃。
第5戦決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは、朝から晴天に恵まれたが雲は多く、また風も強い。スタート時の気温は13度、路面温度21度とレースにおいては低目のコンディションだ。そして午後0時50分に三重県警察の白バイ7台、パトロールカー3台の先導で交通安全啓発活動のパレードラップがスタート。そのままフォーメーションラップに入り、低い路面温度を考慮して2周のフォーメーションラップが行われた。
なお予選19番手のNo.20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)が直前でのブレーキトラブル修復のためグリッドに着けずピット出口から、No.62 HELM MOTORSPORTS GT-R(平手晃平/平木湧也/平木玲次)がタイヤ交換を行うためピット前からのスタートを選択。この2台を除く25台が隊列を組んで、シグナル消灯とともに猛然とスタートを切った。
序盤はポールポジションから逆転タイトルを狙うNo.88 JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)の元嶋が逃げを打つ。それを予選2~4位のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)とNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)、No.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)が僅差で追う。
その後方、5番手のNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は7周目にトラブルのためピットへ。これで5番手に繰り上がったNo.87 METALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮/坂口夏月)は、デグナーカーブでGT500車両と接触。アウト側のバリアにクラッシュしてしまい、このレースで最初のFCY(フルコースイエロー)が導入された。
FCYが解除された後、トップの88号車は後続に4秒ほどリードを築く。そして15周が終わったところで、8番手につけていたランキングトップのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)が真っ先にピットイン。篠原拓朗から蒲生尚弥に交代しタイヤ無交換作戦を採り、素早くピットアウトする。これを皮切りに23周目前後まで相次いで各車がピット作業を行う。その中で、順位を上げたのは65号車同様にタイヤの無交換の作戦を採った31号車などの車両だ。
対して、トップの88号車は後輪の2輪のみを交換して、元嶋から小暮卓史に交代。コースに戻った88号車の後ろには、タイトルを争う65号車が迫ってきており、緊張感が一気に高まる。またタイトル獲得には優勝が最低条件の2号車は、GT300クラスでも最後になる25周目までピットストップを引っ張り、こちらはタイヤ無交換作戦を採る。
これでGT300全車が所定のピットを終えると、トップは2号車となり、これに31号車、88号車、65号車が続く展開でレース後半へと突入する。この順位のままなら65号車がタイトル獲得となり、88号車の追い上げが注目となった。31周目にNo.48 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R(井田太陽/眞田拓海 /伊藤鷹志)がデグナーカーブでストップしたことから2度目のFCYとなったが、これが解除されると、徐々にトップ4の状況に変化が出てくる。
33周目、GT500車両に抜かれる際に手間取った31号車に、88号車が急速に迫る。すると、34周目の1コーナーで小暮が一気にオーバーテイクして2番手に浮上。トップの2号車に対し、ペースは明らかに速く、2号車との差を削りとる88号車。わずか1周で2秒ほどの差を縮め、37周目には一気にテール・トゥ・ノーズに。
38周目、つい88号車は2号車に食らい付きながらメインストレートに入ると、そのままイン側へ出て併走。1コーナー手前でトップに浮上した。この時点で65号車が4番手であり、このままゴールすれば88号車がシリーズポイントでも65号車を逆転するため、鈴鹿の観客も盛り上がる。
トップを行く88号車の小暮は、ペースを緩めずに、危なげなくゴールへと進む。そしてNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)は、オートポリス、もてぎに続き3連勝、今シーズン4勝目を獲得した。
2、3位はNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)とNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)。終盤は31号車の背後まで迫り、意地を見せるもNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)が4位に終わり、シリーズポイントでは88号車に逆転を許すことになった。
これで、2024年のGT300クラスのドライバータイトルはNo.88 VENTENY Lamborghini GT3の小暮卓史/元嶋佑弥組が初の獲得となった。両選手共にGT300タイトルは初、小暮の戴冠は2010年のGT500クラス獲得以来で、柳田真孝と大嶋和也に続く史上3人目の両クラス制覇ドライバーとなった。
またチームタイトルも獲得したJLOCは全日本GT選手権(JGTC)の初年度1994年から参戦を続けている(初期はKEN WOLFなどの名義)が、こちらも初めてのタイトル獲得となった。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |