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2013.12.25
2013年SUPER GTマシンを振り返る Part 1 GT500 “NISSAN GT-R”

2013年SUPER GTマシンを振り返る Part 1 GT500 “NISSAN GT-R”の画像


OFF SEASON SPECIAL -1-
苦戦の中で改良を続けたディフェンディングチャンピオン

 

熱戦が続いた2013年シーズンも終了。いい機会なので今シーズンをマシンの面から振り返ってみたい。特にGT500クラスは、2014年シーズンより大幅に車両規定が変更される。もう2013年のマシンがレーシングシーンに登場することはないだけに、その技術成果を見直すのも有意義だろう。そこで、6回に渡り、2013年のSUPER GT参戦車両を振り返っていきたい。

第1回はNISSAN GT-R。2013年は8戦1勝、ドライバーズランキング最上位も6位(No.23 MOTUL AUTECH GT-R)とディフェンディングチャンピオンとしては不本意な結果で終わった。しかし、苦戦の連続を跳ね返すべく、マシン開発の面では多くの工夫を投入していた。目に付いた今季の変更個所を見てみよう。

 

○フロントグリル


Rd.5 SUZUKA No.12 カルソニックIMPUL GT-R

 


Rd.8 MOTEGI No.12 カルソニックIMPUL GT-R

 

GT-Rのエンブレムの付くフロントグリルは2種類あった。第5戦鈴鹿では、グリルがメッシュ(網)状になっており、ここからエンジンへの吸気を行っていた。以後の後半戦(写真は第8戦もてぎ)では、グリルは平坦な板で塞がれ、そのすぐ下に吸気口が開いていた。逆に第5戦では閉じられている。

 


○フロントフェンダー&ミラー

 
Rd.2 FUJI No.23 MOTUL AUTECH GT-R

 


Rd.5 SUZUKA No.12 カルソニックIMPUL GT-R

 

フロントフェンダーの後方部分は、GT-Rのみならず各メーカーがいろいろと工夫をしている。GT-Rではミラーも独特な形状だ。第2戦の富士ではミラー前縁とフェンダー後端上部が離れていたが、第5戦鈴鹿ではピタリとくっつくようになり、ミラーの上下にフィンが付いた。

 


○フロントスポイラー

 
Rd.1 OKAYAMA No.23 MOTUL AUTECH GT-R

 


Rd.7 AUTOPOLIS No.23 MOTUL AUTECH GT-R

 

マシンの進化、サーキットによる空力変更は非常に細かい部分にも渡る。開幕戦岡山ではフロントスポイラー下端は直線的な形状(MICHELENステッカー下)だったが、第7戦オートポリスでは曲げられているのが判る。またバンパー部分のサイドへの回り込みの形状(YOKOMOステッカー下)も開幕では平坦で複数のスリットがあったが、第7戦では大きな2つのスリットですっきりとした形になった。

 


○リアフェンダー

 
Rd.2 FUJI No.1 REITO MOLA GT-R

 


Rd.6 FUJI No.1 REITO MOLA GT-R

 


Rd.7 AUTOPOLIS No.23 MOTUL AUTECH GT-R

 

リアのフェンダー上端部分もラウンドによって形状が変わっている。開幕戦岡山ではボックス形状であったが、第6戦富士ではカタカナの“ト”の様に縦の部分が上に飛びだしている。第7戦オートポリスでは、さらにウイング形状にもなり、側面もカーブが付いた。

 

 

○リアウイング&ディフューザー

 
Rd.2 FUJI No.23 MOTUL AUTECH GT-R

 

2013年のGT-Rで特徴的なのが、リアウイングの翼端板の下後端(こどもの日直前の鯉のぼりペイント後ろ)とディフューザー上のボックス後端(GENOVAステッカー右)に付けられたノコギリ型の切り欠き(NISMOでは“シャークトゥース[鮫の歯]”と名付けた)だ。このギザギザで敢えて空気の流れを乱して、最小の空気抵抗で多くのダウンフォースを稼ぐという。

 


○サイドビュー

 
Rd.1 OKAYAMA No.24 D'station ADVAN GT-R

 


Rd.8 MOTEGI No.24 D'station ADVAN GT-R

 

開幕戦岡山と最終戦もてぎでのサイドビューを並べてみた。どの部分が変わって、どこが変わっていないか。あなたも探してみてはいかがだろうか?

 

 

※次回は1月9日、Part 2 “Honda HSV-010 GT”をお送りします。

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