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2014.02.05
2013年SUPER GTマシンを振り返る Part 6 GT300 “FIA GT3 -2-”

2013年SUPER GTマシンを振り返る Part 6 GT300 “FIA GT3 -2-”の画像

 

OFF SEASON SPECIAL -6-

GT300クラスを盛り上げた個性的なFIA GT3マシン

 

 

 2013年のSUPER GTマシンを振り返るシリーズも今回が最終回。GT300クラスに参加したFIA GT3から4車種を取り上げる。第4回ではドイツと日本のFIA GT3車両を取り上げたが、この他にイギリス、イタリア、アメリカの車両が参加している。

 この4車種は2013年シリーズ戦で勝利を上げることができなかったが、随所に高いパフォーマスを見せた。また、それぞれに個性的なボディデザイン、エンジンサウンドを持ち、GT300クラスを大いに盛り上げてくれた。

 

 

○McLaren MP4-12C GT3 [イギリス]


Rd.1 OKAYAMA No.2 エヴァRT初号機アップルMP4-12C

 

Rd.8 MOTEGI No.2 エヴァRT初号機アップルMP4-12C

 

2013年シーズンからSUPER GTに参戦を開始したマクラーレンMP4-12C。設計/製造はF1コンストラクターであり、SUPER GTのGT500クラスやル・マンでも優勝しているマクラーレンF1-GTRを生み出したイギリスのマクラーレン社である。GT3バージョンのみならず、ロードゴーイングカーでもカーボンモノコックが使用されている超高性能車だ。そのため、シャシーは高い剛性を持ち、コーナリング性能ではアドバンテージを持っている。一方、パワー面では他のGT3車両に差を付けられている感があった。シーズン前半はアンラッキーなアクシデントやマイナートラブルで苦戦。しかし、最後の最後、富士スプリントカップでようやく本領を発揮して1勝を掴み取っている。

 

 

○Aston Martin V12 Vantage GT3 [イギリス]


Rd.1 OKAYAMA No.50 Exe Aston Martin

 

Rd.6 FUJI No.50 Exe Aston Martin

 

2012年に2勝を挙げた66号車のアストンマーチンV12バンテージが、2013年は50号車として参戦した。マシンは2012年型を2013年仕様にアップデートしたものだ。シーズン序盤は昨年同様にマイナートラブルに悩まされていたが、その速さは幾度となく発揮していた。パワフルなV12エンジンの太いトルクとパワーで高速コースでの相性は良く、すべてが噛み合った第7戦オートポリスでは、予選3位から一時トップを走る健闘を見せ、2位入賞を果たしている。

 

 

○Lamborghini GALLARDO GT3 [イタリア]


Rd.1 OKAYAMA No.88 マネパ ランボルギーニ GT3

 


Rd.1 OKAYAMA No.88 マネパ ランボルギーニ GT3

 


Rd.6 FUJI No.87 ラ・セーヌ ランボルギーニ GT3

 


Rd.8 MOTEGI No.86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3

 

ランボルギーニ・ガヤルドこと、LP560-4は3台が参戦したが、2013年型は88号車(GT3 FL2)のみで、他の2台は2012年型(LP600+)だった。2013年型の見た目の特徴はフロントノーズ周りの形状が違う点。アンダーステア対策としてフロントタイヤがワイドになったため、フェンダーも拡大されている。そして、フロントウインドウ直下に大きめのエア抜きダクトが追加された。これはウィークポイントだった熱問題の対策から、大容量化されたラジエターへの変更にともなうものだ。だが、実戦でガヤルドが悩んだのが燃費。このため、序盤は上位を争っても、給油に時間がかかり上位から遅れてしまうことが多かった。

 

 

○Callaway CORVETTE Z06R GT3 [アメリカ]


Rd.2 FUJI No.96 DIJON ワコーズ エンドレス Z06R GT3

 


Rd.2 FUJI No.96 DIJON ワコーズ エンドレス Z06R GT3

 

このシボレー・コルベットZ06Rは、2012年は48号車として参戦したもの。2013年シーズンもアップデートはせず、12年型のまま3戦にスポット参戦している。GT3へのチューニングは名門のキャラウェイ社が行っている。V8自然吸気で、7000ccという大排気量はまさにアメリカンGTの迫力だ。空力面ではドイツ車や日本車のような付加物もなく、イギリス車のようなボディフォルムの追求も控え目に見える。低ドラッグと思われるボディラインとパワフルなトルクで高速コースが得意そうだが、日本のサーキットでは本領を発揮できなかったようだ。

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