SUZUKA GT300km
3.21sat / 22sun - SUZUKA Circuit

3/20 - Practice




 3月20日、鈴鹿サーキットは朝から雨模様となり、コースは完全に水を被った状態。そのなかで、午前9時から1時間半の第1セッションが行われた。このような状態ではあったが、98年型を持ち込んだ23 ペンズオイル・ニスモGT-Rをはじめとするスカイライン勢と36 カストロール・トムス・スープラ、64 Mobil1 NSXは積極的に周回を重ねた。このセッションのベストタイムは23 ペンズオイル・ニスモGT-Rで2'20.222。これに36 カストロール・トムス・スープラが2'20.580、18 TAKATA童夢無限NSXが2'21.211で続いた。午後12時30分からは1時間半の第2セッションとなった。コースはやはりウェット。だが、午前よりは雨足が弱くなったためか、タイムはやや向上した。このセッションも2336が好調な走りを見せた。36 カストロール・トムス・スープラが2'19.965でトップ。これに23 ペンズオイル・ニスモGT-Rが2'20.017、18 TAKATA童夢無限NSXが2'20.535で続いた。GT300クラスでは21 ダンロップ-BP-BMWが第1、第2セッションともにトップタイムを記録。この21は昨年の第3戦仙台での雨の予選でクラス・ポールを獲得した実績があり、雨での強さを見せた。

 そして、午後4時30分から行われた最終の第3セッション前に、ようやく雨が上がりコースも大部分がドライとなった。このためタイムは一気に上がり、続々と2分10秒を切るタイムが記録されていく。このセッションは1時間で行われたが20分を過ぎた頃に、100 RAYBRIG NSXと23 ペンズオイル・ニスモGT-Rが2分5秒台に乗せる。そして、ついに100 RAYBRIG NSX(飯田章)が昨年のコースレコード2'05.426を更新する2'04. 696を記録。続いて23 ペンズオイル・ニスモGT-Rも2'04.736、18 TAKATA童夢無限NSXが2'05.034と、3台が決して良好とはいえないコンディションでレコードを上回るタイムを記録した。GT300クラスでは、44 アペックスDLモモコルセMR2が2'13.810を記録。44を駆る新田守男は昨年のGT300クラス予選トップであり、鈴鹿には相性がいいのか、2番手の51 コブラポルシェに2秒以上の差をつけるダントツの速さを見せた。なお、このセッションで25 つちやMR2と55 STPタイサンバイパーが最終コーナーでクラッシュしている。





NEW MACHINES & DRIVERS
注目のニューカマー(ニューマシン)に訊く



12 カルソニックスカイライン

星野一義「今年の新型マシンでは、エンジンを50mm下げて、去年までエンジンの下にあったラック&ピニオンをエンジンの上に持ってきたんだよね。それから、ミッションも100mmぐらい後ろに下げた。だから、フロントヘビーだったのが、だいぶん解消されたよね。空力の面でも、プリメーラみたいにフロントダクトから空気が入ってブレーキダクトから出るようにして、空気をつかむようにしたことでフロントのダウンフォースがだいぶ増えた。動きも去年型のマシンよりは断然シャープになったよ。エンジンも100cc排気量が増えてトルクが大きくなったね。前回のテストではABSのトラブルがあったけど、今回はトラブルもなく万事順調だよ。ただ、立ち上がりでちょっと押し出す感じがあるので、そのあたりを煮詰めたいね。予選では、まだアタックするかどうか決まっていないけど、アタックするなら2分4秒台に入りたい。ただ、今日(金曜日)が雨だったんで、予選は条件が悪いだろうね。決勝ではもちろんトップを狙っていくよ」

黒澤琢弥「テストのときにドライで5周ほど乗っただけですし、今日もセッティングを星野さん中心で進めているので、まだクルマをつかみきれていません。ただ、去年乗っていたNSXはNA、GT-Rはターボなので、フィーリングは違います。とくに雨の日はNAのほうが走りやすいですね。ターボの場合、突然パワーがかかってホイールスピンしやすいんです。タイヤウォーマーがないので、タイヤが冷えてるときはよけいに気をつけないと…。予選のアタックは星野さんがすると思います。ボクとしては、できたばっかりの新車なので、なるべく上位でフィニッシュできるように頑張りたいと思います。GT-Rでは初めてのレースなので、あんまり足を引っ張らないようにしたいですね」


37 カストロール・トムス・スープラ

鈴木利男「ボクたちのマシンは98年型だけど、乗ってみた感じは去年とあまり変わらないね。空力関係が変わってダウンフォースは増えてるしエンジン特性なんかも変わってると思うんだけど、去年もパワー的にはそこそこ満足してたから。そりゃパワーはあるに越したことはないけど、GTの場合はあるていど限られてるし。ただ練習走行の今日(金曜日)は、ちょっとクルマに変な動きが出てる。オーバーステアが強いんだよ。だから、それを解消するために、バネ、スタビ、車高などセッティングをいろいろ試してるんだ。3回目がドライになったら、今回どういうタイヤを使うかチェックして、それに合わせてまたセッティングするよ。とにかくまだ1週間前にできたばっかりのクルマだからね」

伊藤宗治エンジニア「98年型のスープラが97年型と変わった部分は、フロントカウルの形状とロールバーの形状変更による剛性アップ。それからエンジンはインタークーラーを大型化してパワーアップしています。ただしリストリクター径が絞られたので、ちょっとですけどね」


38 FK/マッシモセルモスープラ

野田英樹「ハコのレースはまったくの初体験なので、まだクルマがつかめていませんね。前回のテストで1時間乗っただけですし、ターボもまだフルブーストではやっていないので、もう少し時間が必要です。パワーとか加速はフォーミュラニッポンほどではないので全然問題ないんですが、クルマの動きや重量が違うでしょ。そこに慣れていないんです。予選のタイムアタックは、もちろん竹内さんが担当です。ボクは決勝で与えられた仕事を確実にこなし、コンスタントに走りきりたいですね」


6 ESSO Tiger Supra

ピエール=アンリ・ラファネル「日本でレースをしたかったから来られてよかった。簡単ではなかったが、新しいチームにシートを見つけることができた。私の経験をチームに生かせるだろうし、レース毎に進歩して、将来に向かって一緒によいチームにして行けると思う。私は日本のレースの雰囲気が好きなんだ。日本のチームはドライバーを大事にしてドライバーに気を配る。私はチームのために走り、チームは私のために走る。私はそれが好きなんだ。チームは新しい、小さなチームだが進歩しようとしている」

高木真一「(金曜日は)ハーフウエットでしたが、ようやくグリップ感がつかめてきたところです。スープラはハコでフロントが長いので、ハンドルをどこで切ればいいのか、ようやくタイミングがとれるようになってきました。グリップの限界を探りながら、壊しちゃいけないので、徐々にペースアップして行きたいです」

高木真一:プロフィール
1974年5月6日生まれ
'94年FJ1600鈴鹿、MINEダブルタイトル
'95年フォーミュラボクソール参戦
'97年フォーミュラトヨタウエストシリーズチャンピオン
'98年はF3にも参戦




15 ザナヴィシルビア

近藤真彦「GT500クラスのスカイラインよりいろいろ自分でいじれるから、こっちのほうがいいところにいけるチャンスが多いかもしれませんね」

青木孝行「クルマは先週の土曜日にでき上がりました。一昨日(水曜日)セントラルでシェイクダウンしましたが、転がしただけです。こういうクルマは初めてでクセがまだつかみきれていないので、慣れていければと思います。N1でのシビックは経験があるんですが、FRは初めてですから。(表彰台に)手が届かないわけではないと思います」

青木孝行:プロフィール
1972年10月26日生まれ
'95年 FJ1600(鈴鹿)参戦
'96年 F4(鈴鹿)参戦
   十勝24時間レース参戦クラス5位
'97年 F4(鈴鹿)参戦シリーズ2位
   NISMO 検定会で選考される。
   N1耐久最終戦パルサーで参戦



910 ナインテンポルシェ

余郷 敦「砂子さんが速いから、置いていかれかないようにしないといけないんです。クルマも速いし、表彰台を狙えるポテンシャルがあります。フォーミュラとはまったく別のものですね。ハコは、一度だけN1耐久のオペルにSUGOで乗ったことがあります」

余郷 敦:プロフィール
'92年 27歳で鈴鹿FJ1600選手権にデビュー
'93年 同シリーズで2位
'94年〜'97年 フォーミュラトヨタメインシリーズに参戦('97年シリーズ4位)



64 Mobil1 NSX

山西康司「ハコのレースは初めてです。新しいカテゴリーということで、不安もありますが、楽しみですね。クルマは想像していたよりすごく乗りやすかったのでよかった。ほかのハコのクルマに乗ったことがないのでわからないんですけど、NSXはかなりフォーミュラに近い感じがします。とはいっても動きはフォーミュラより鈍いし、別モノなんですけどね。今回と前回のテストで合わせて3〜4時間は乗れたのでだいぶ慣れてきました。決勝ですか? 耐久レースも初めてなのでレースをしてみないとわからないこともいろいろあると思います。ドライバー交代では、シートの付け外しがあるんですけど、それは今日の練習ではまあまあうまくいってますよ」



16 Castrol無限NSX

中子 修「年末に菅生で97年型のテストをしているんですが、それと比べたら98年型はすごく剛性が上がっています。それが第一印象。クルマは、シェイクダウンのときからちょっとアンダーですけど、長いレースでオーバーだと誰も乗れないので、心地よいアンダーという感じですね。今日(金曜日)は1回目にシケイン、2回目に1コーナーで縁石に乗り上げてフロントのスポイラーを壊してしまいましたが、それはボクのミスです。3時間の走行で5周プラス5周しかできなかったんで、話にならないですよね。でも、3回目はドライで道上選手もそこそこ乗れたのでよかったと思います。前回のテストでは2分6秒しか出ていなかったんですが、予選ではそれ以上いきたいですね。でも、一発のタイムより、決勝の51周、なるべくクルマが変化しないことのほうがたいせつ。それで、ちゃんと走りきりたいですね」


44 アペックスDLモモコルセMR2

新田守男「今日(金曜日)は同じウエットでも前回のテストとは雨の量が違うし、満足いく状況じゃない。エンジンもうまくいってないし、コースの状況によって深溝、浅溝、スリックの線引きをどこでするかがまだわかってない。開幕戦は勝ちたいけど、甘いレースにはならないでしょう」

水野昇太「クルマもいいし、仕上がっているようだし、テストではトップタイムもマークしています。あとはボクがどれだけ頑張れるか。ボクはとりあえず開幕戦のスポットですが、地元なんで頑張ります」

水野昇太:プロフィール
1967年10月1日生まれ
'93年 FJ1600(TI)シリーズ2位
'94年 F4(鈴鹿)参戦
'95年 F4(鈴鹿)参戦 シリーズチャンピオン
'96年 F3 にチーム・トムスから参戦
'97年 N1耐久シリーズにシビックで参戦








backtop