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00-10-21 Round7 Qualify Report
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10月21日、三重県・鈴鹿サーキットで2000年AUTOBACS CUP全日本GT選手権最終戦『SUZUKA GT 300km』の公式予選2回目が行われた。午前の1回目と同様に1時間、3つのセッションに分けられている。
午前に続き好天の下で予選2回目も行われた。気温は24度、路面温度27度と午前とほぼ同様のコンディションでタイムアップが期待された。
GT500クラスの占有5分でNo.2 カストロール・ニスモGT-Rが2分02秒866と早くも2秒台でトップに立つ。10分過ぎにはNo.100 RAYBRIG NSX、No.35 マツモトキヨシ・トムススープラも2秒台に入れて、それぞれ2、3番手にと続く。12分にNo,8 ARTA NSXの土屋圭市が2分01秒721と、今年の鈴鹿1000kmでTAKATA童夢NSXが記録したコースレコード2分01秒721に迫ったタイムを叩き出しトップを奪う。だが、これはこの後のレコード・ラッシュのプロローグだった。
時計の針が15分を越えたときだった。No.30 綜警McLarenGTRの松田次生が2分01秒484とレコード目前のタイムを叩き出す。直後に、暫定ポールを手にしているNo.64 Mobil 1 NSXのシュワガーがついに壁を打ち破った。タイムは2分00秒905だ。これに負けじとNo.2 カストロール・ニスモGT-Rのクルムが00秒204でトップを奪い返す。このポール争奪戦には届かなかったが、No.12 カルソニックスカイラインが00秒992で3番手に飛び込んでくる。これに引退する関谷に花を持たせたい土屋武士が01秒171を出して、No.36 カストロール・トムス・スープラをこの時点で4番手に導く。
そして占有時間も残り3分ほどになったときだった。このところTAKATA童夢NSXの脇阪寿一に『JGTC最速』の名を譲ってしまった感のあるNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章が凄まじい走りを見せつけた。叩き出したタイムは、ついに2分を切る1分59秒923。文句のなくラップモニターのトップに名を刻んだ。このまま、占有セッションは終了。これでトップNo.100 RAYBRIG NSX、2番手はNo.2 カストロール・ニスモGT-R、3番手にはNo.64 Mobil 1 NSX、4番手がNo.12 カルソニックスカイライン、5番手にNo.36 カストロール・トムス・スープラと3車種が好タイムで入り乱れる結果となった。
混走セッションでは、上位陣でタイムアップするマシンはなく、このまま終わると思われていた残り14分に思いがけない大アクシデントが待っていた。それはポールは確実と言われていたNo.100 RAYBRIG NSXが130Rに入る直前だった。飯田の乗るNSXのリアが突然右に流れ出し、マシンは高速のままスピン状態となりそのままタイヤバリアに激突した。幸い飯田は首を痛めた程度で済んだものの、マシンは右リア部分を大破した。明日の決勝にマシンの修復が間に合うか微妙なところで、チームは夜を徹して作業をするという。
ともあれ、上位陣の順位は変わらず、No.100 RAYBRIG NSXが今季初ポールポジションとなり、飯田にとっては通算5回目と脇阪寿一と並ぶ獲得数となった。
予選のすべてが終了した後に行われた車検で2位のタイムを記録したNo.2 カストロール・ニスモGT-Rの車両規定違反を指摘され、そのタイムはすべて抹消され、No.2は決勝レースは最後尾スタートとなった。No.2が抜けた順位は、そのまますべて繰り上がることになった。
チャンピオンを争うチームでは、ランキング3位のNo.12 カルソニックスカイラインが3位と好位置に付け、ランキングトップのNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rは10位、1ポイント差で追うNo.16 Castrol無限NSX(道上龍)は5位となった。一方で、ランキング4位のNo.38 FK/マッシモセルモスープラはニューシャシーを導入したのだが、これが裏目に出たのか、なんと14位と大きく出遅れる形となった。
GT300クラスでは、No.55 DUPLEXタイサンADバイパーとNo.24 986ボクスターがトップを争うという、ここまでのシーズンにはなかった顔ぶれが闘う。これにチャンピオンを争うNo.910 ナインテンウェディングアドバンポルシェが加わり、この3台が2分12秒台で競り合う。だが、占有セッション残り3分ほどの時にNo.31 スーパーオートバックスMR-Sが2分11秒775のレコードタイムでトップを奪った。これで決まりかと思われたが、占有終了直前にNo.24 986ボクスターのアピチェラが2分11秒647を記録してトップを奪取した。結局、このタイムがクラス・ポールとなった。
チャンピオンを争うNo.910は4位、No.81 ダイシンADVANシルビアが5位だったが、No.26 シェルタイサンアドバンGT3Rは予選7位とやや後方となってしまった。
[ 公式予選1貝目 ]
POLE POSITION
(左から、服部尚貴・飯田 章、M.アピチェラ・西澤和之)
GT500 POLE POSITION
飯田 章 1'59.923(コースレコード)/No.100 RAYBRIG NSX
「今日はすごくハッピーなこととすごくアンラッキーなことが一緒に来てしまって、今はまだとまどっています。ウチは2000年モデルが来るのが遅かったり、トラブルがあったりで結果が残せなかったんですが、この前のMINEから結構良い感触があったんですが、決勝はアンラッキーだったし。でも、今回鈴鹿に来たときから感触がすごく良くて、ポールが獲れる自信が最初からありました。で、獲った直後にアクシデントがあって残念で、悔しいです。130Rの進入で突然にリアが流れて、サスペンションだと思いますけど、確かめてないので原因はまだ分かりません。身体の方ですか? クルマより丈夫ですよ(笑)」
服部尚貴「新しいクルマが来るのが遅れたんですが、シーズン後半、チーム内から見てても良いところすごくあったんですが、うまくいかなくて。今回、59秒台っていうのは、自分が見ててもGTカーで2分切るっていうのは、アキラがすごくがんばったと思います。明日どうなるか心配ですが、99年型を出すかもしれません。でも、できれば2000年型で行きたいんですけど、チームのみんなは今夜忙しいと思います」
GT300 POLE POSITION
マルコ・アピチェラ 2'11.647(コースレコード)/No.24 986ボクスター
「ここまで長い道のりでした。このシーズンの残り2レースというところでシャシーもセッティングも完成したと思います。エンジニアのカンノさんがサスペンションのセッティングを合わせてくれたことをはじめ、チームの力を合わせた結果がでたのだと思います」
西澤和之「今年、このクルマをデビューさせましたが、初戦はドンジリだったんですけど、最終戦になってポールを獲れて大変感動しています」
●各クラスでポールポジションを獲得したチームに対し、レーシングカーなどのダイキャストモデルの製作・販売を手がける『有限会社エムエムピー』より“EBBROポールポジション賞”が贈られます。
GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM
[ 公式予選総合結果 ]
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