GTC 1999 GT INSIDE REPORT


Round 3 SUGO GT CHAMPIONSHIP
5.29/30 - Sportsland SUGO

5.30 - Final Race

☆フリー走行終了後

No.30 綜警McLaren GTR(フリー走行 2位)
岡田秀樹「フリー走行で2番手といってもクリアラップがとれただけ。クルマは97年にル・マン24時間と鈴鹿1000kmを走っただけなんですよ。GTCではウェイトも積んでいるしリストリクターも小さいので、そのときのデータはゼロに近いんですよ。
チームががんばっているのでよくはなっていますよね。ただ、まだまだやらなければならないことはたくさんありますよ。一発のタイムは出るようになってきましたけど、ドライバーの運動量はすごく多いんですよ。ABSはついてないし、パワーステアリングもないし。ある程度みんなと同一条件でレースができるようになるまでには夏ごろまでかかってしまうんじゃないかと思っています。ドライを完走してないのタイヤがどうなるのか、ブレーキがどうなるのかわからないので、努力してデータを残したいです」
山田洋二「ひとこと? 腕が痛い(笑)。パワステがないんですよ。ポルシェは指一本で動くパワステだったけど、マクラーレンは腕と足を使わないと回らないんじゃないかな。それがちょっとつらいです。スピードよりパワステがほしいです。だんだんよくなってきている? 岡田選手はね(笑)。去年まで乗っていたポルシェと比べるとはるかに恐くないですね。ポルシェは不安定になるともとに戻らないから。マクラーレンのほうがはるかに運転しやすいです。今日の目標ですか? 1分25秒から26秒でコンスタントに走れれば、岡田くんのいい結果を持って帰れるんじゃないかなと。今年は鈴鹿で2、3周、富士はスタートから6秒でレースが終わりましたから。その意味では今日がボクの今シーズンのスタートだと思っています」

No.1 ペンズオイル・ニスモGT-R(フリー走行 4位)
エリック・コマス「ニュータイヤだとアンダーステアがかなり出るんだ。予選セッティングだとつらいけど、決勝セッティングはいいよ。決勝セッティングで7、8周、あるいは20周、25周と走ったタイヤだとバランスがいいんだ。奇妙だけどニュータイヤで走るより使ったタイヤで走るほうがバランスがいい。だから今朝のフリー走行でも予選とあまり違わないタイムを出せたんだ」

No.81 ダイシンシルビア(フリー走行GT300 1位)
福山英朗「たぶんみんな(ほかのチームは)昨日まで予選セットを追いかけていて、今朝になって決勝セットを詰めてたんじゃないかな。ウチは昨日からずっと決勝セットだけを煮詰めてきたので、現時点でほかのチームよりも一歩進んでいるんじゃないかと思います。気温が高いのはドライバーの仕事として解決しなければいけないでしょう。タイヤを自分の手のひらと思ってデリケートにいきますよ。ポイントは10点はとりたいですね。今回はそれくらいで勘弁しておきましょう(笑)」
大八木信行「身に覚えのないタイムです(笑)」

No.15 ザナヴィARTAシルビア(フリー走行GT300 2位)
土屋武士「なにも問題なし。レース用の満タンで普通に(走った)。ボクがスタートです。チャンプのMR2に肉迫できるいいレースができそうだな。現状は、勝てる要素は少ないけど、チャンスはあると思う」
井出有治「クルマもバランスがいいんで、ちゃんと走ればタイムも出る。レースはきっちり走って結果を残したいです」

No.77 クスコスバルインプレッサ(フリー走行GT300 3位)
谷川達也「満タンで決勝用のセットを試したんですが、むしろ予選よりもバランスがいいです。満タンでシルビアと互角に走れましたし。コースとの相性も相対的にいいみたいだし、ウエイト(10kg)の影響もほとんどありません。最終コーナーは速いんですが、ストレートエンドの伸びがほかとくらべると今ひとつ。そこが難点です。でもあせらず着実にいけばチェッカーのときにはいいところにいけると思います」

No.19 ウェッズスポーツセリカ(フリー走行GT300 4位)
織戸 学「最初はいい感じでタイムが出たんだけど、(ほかのクルマに)引っかかった。それからクルマのバランスがいきなり悪くなったけど、原さんが乗るときにセットを変えたらいい方向になったので、問題ないかな。トップとの差は少ないんで、今回はおもしろいレースになると思う。(NAなので)立ち上がりと上り坂がハンデがあるんで、序盤ミスしないようにいきたい。タイヤは去年と比べたら太くなってるんでライフも問題ない。ただ、ウチらのソフトはFRのハードぐらいの一番ハードなコンパウンドなんだけど、路温が上がると合わなくなるんで、そのへんはちょっと気がかりだね」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2(フリー走行GT300 6位)
新田守男「超満タンで、クルマのバランスは重い。パワステがおかしいのか、なにか噛み合わないものがあるんで、すりあわせようとしています」

No.39 デンソーサードスープラGT
影山正彦「エンジントラブルです。くわしくは今調べていますが、昨日からバラツキが出たり、ABSが突然きかなくなってロックしたり、それがさらにひどくなった感じ。最後は1気筒死んで点火しなくなった。今はエンジンを積み換えるかそのまま直すか検討している。正直いって深刻な状況です」



★タイヤメーカーに訊く

ブリヂストン
「今回持ってきたタイヤは2種類。ソフトとハードという分けかたになりますが、この気温、路温を想定してのソフトでありハードですから、富士のときとは違うものです。金曜日と今日の朝にロングのテストをやって、耐久性は確認できています。ソフトでも、路温が40度を超えるような状況になっても大丈夫です。スカイライン勢は前回同様、前後同サイズのタイヤを履いています」
(各チームのチョイスはスカイライン勢とスープラ勢は全車ソフト、NSX勢はNo.100 RAYBRIG NSXとNo.64 Mobil 1 NSXがハード、No.16 Castrol無限NSXとNo.18TAKATA童夢NSXはソフト、No.30綜警McLaren GTRはハード:以上インサイドレポート班調べ)

ヨコハマ
「GT500はハード、ミディアム、ソフトの3種類を用意しましたが、全車ソフトを選んでいます。路温が高くなっても、金曜日にテストしたときと走りかたが極端に変わらないかぎり耐久性は大丈夫です。GT300は富士のときと同じタイヤです。基本的にはワンスペックですが、FFのセリカ(No.19ウェッズスポーツセリカ)はややハード目のもの、No.77クスコスバルインプレッサはコンパウンドは同じですが構造が異なるものを装着しています。GT300でも全車交換は必要となります。チームによっては無交換でいきたいと考えているところもあるようですが…」

トーヨー
「今回からハチロク(No.86 BP-KRAFT-トレノ)が加わってユーザーが1台増えました。用意してきたタイヤは、GT500用がソフトとミディアムの2種。選んだのはミディアムのほうです。GT300はFTO(No.61テイボン・トランピオ・FTO)用が構造違いを含めて4種、BMW(No.21 BP-トランピオ-BMW)とハチロク用がソフトとミディアムの2種です。BMWとハチロクではサイズが異なり、ハチロクのほうが外径の大きいものを履いています。チームが選んだのはFTOが一番ハードなもの、BMWがミディアム、ハチロクはソフトです」

ミシュラン
「今回からフロントタイヤの外径が大きくなり、トヨタの推奨値に合わせられるようになりました。これまでは推奨値より小さかったんです。内径(リム径)は19インチです。18インチよりレスポンスがよく、ステアリングの舵角を小さくして摩耗を減らすこともできます。コンパウンドは2種類用意していますが、No.35(マツモトキヨシ・トムススープラ)がミディアムソフト、No.36とNo.37(カストロール・トムス・スープラ)がミディアムハードを選んでいます。(この時期のSUGOは)JTCCと同じスケジュールですので、気温などのデータはあります。金曜日にロングのテストをやって、耐久性に問題がないのは確認していますが、路温が40度を超えるようだとミディアムソフトのほうはちょっとだけ心配です」




☆決勝スタート直前情報

 天気:晴れ/路面状況:ドライ/気温:26度/路面温度:36度
 入場者数 5月30日:40,600人(5月29日:9,300人)



☆レース中のコメント

No.39 デンソーサードスープラGT(13周リタイア)
土屋圭市「原因はミッションかデフ。走りはじめはよかったんだけど、フロントタイヤがタレてよれ始めて、ヤバイと思ったから自分のペースで走ろうとした。でもハイポイントコーナーでアクセルを踏んだら突然駆動が路面に伝わらなくなってしまった」

No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(33周リタイア)
松本晴彦「原因はデフです。シケインの手前のヘアピンでデフオイルっぽい匂いがしたんだけど自分だとは思わなかったんです。その少し先で後ろを見たら煙が出てたんでピットインしたんですが、ピットロードの入り口でデフがロックして止まっちゃった。そのあとなんとかピットに戻ったんですけど、もう完璧に壊れていてダメでした」

No.19 ウェッズスポーツセリカ(47周リタイア)
織戸 学「今日は暑いせいなのかタイヤがたれてきたとたんにロールがすごくなった。この3日間で一番バランスが悪かった」
原 貴彦「ドライバー交代のときにエンジンがかからなくなって、その後も警告ランプがずっとついていた。突然電気が全部落ちた」

No.12 カルソニックスカイライン
星野一義「朝は(ブレーキトラブルで)走れなかったけど、今はまったくノープロブレム。ポジション的には目一杯いってあれ。ミスもないし文句はない。あれがホントの力だよ。ピット作業も(約28秒と)早いのに、もっと力つけないとダメだな。スカイラインは遅いよ」

No.15 ザナヴィARTAシルビア
土屋武士「やっぱりMR2(No.25モモコルセ・アペックスMR2)は速い。どこかでペースを上げて引き離そうと考えていた。そうしないと相手の集中力が切れないと思った。一度引き離してからは必死にプッシュした。決勝のセッティングはまだまだこれから」

No.36 カストロール・トムス・スープラ
関谷正徳「調子はいいよ。なにも問題はないし、タイヤも暑さも問題はない。でもNo.6(ESSO Tiger Supra)は速いね。ちょっと今日は手に負えないな」

No.16 Castrol無限 NSX
道上 龍「ウチは完走していないんで、ここで完走しとかないと。タイヤのせいなのか、フロントが曲がらない。我慢して淡々と完走ねらいで走ってます」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2
新田守男「目一杯いきました。No.15(ザナヴィARTAシルビア)にはコーナーとブレーキングで追いつくけれど、ストレートで離れちゃう。抜きにいくところまで入り込めない。武士もじょうずに走っていたし、ラップ遅れを抜くタイミングでうまく抜きたかったけどダメだった。ドライバー交代の前にちょっと離されてしまったのは周回遅れに引っかかったから」



☆リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)

No Machine 原因 周回数
910 ナインテンアドバンポルシェ エンジントラブル 3L
355 イエローマジックF355 No.26と接触 6L
39 デンソーサードスープラGT ミッショントラブル 13L
18 TAKATA 童夢 NSX クラッシュ 15L
26 アドバンタイサンポルシェ 接触の影響 18L
7 RE雨宮マツモトキヨシRX7 デフ 33L
38 FK/マッシモセルモスープラ プロペラシャフト 45L
19 ウエッズスポーツセリカ 電気系 47L
99 大黒屋ぽるしぇ 電気系 59L




☆決勝レース終了後

No.35 マツモトキヨシ・トムススープラ(総合2位)
ピエール・アンリ・ラファネル「すごくうれしいよ。今日の結果には大満足だ。自分が乗っているとき、35周目すぎにミスファイアが出てしまって、これじゃムリだと思ったら直ったり、また出たり。後半にはABSが効かなくなってしまった。ペースカーが入る前は後ろに10秒先行していたが、レース再開したときには差がなくなったうえにABSが使えなくなっていた。彼(山路慎一選手)はすごくよく走ったよ。あの難しい状況のなかでミスもなかったし、クルマはいい状態ではなかったのにトップとあまり変わらないペースで走ったし。残るは優勝しかないけど、去年の菅生はボクは事故で病院に入院して、その後で今日のいい結果を残せたんだから、よかったよ。これで事故のことは忘れられるよ」
山路慎一「トラブル自体は早くから出ていたので対処できたんですが、ペースカーが入ったのが良かったのか悪かったのか…。結果的にポジションはキープできたのでよかったんですが。最後はかなりハードに攻められたんですけど、こちらはベストな状態じゃなかった。でもありったけの力でがんばりました。みんなの顔が目に浮かびましたよ。今回はラッキーなところもありましたし、チームのみんなががんばってくれました。今回の表彰台でがんばればいい結果が得られるという自信につながりましたし、次への励みにもなります。結果には本当に満足しています」

No.16 Castrol無限NSX(総合3位)
中子 修「クルマは問題なかったけど、途中でマクラーレン(No.30 綜警McLaren GTR)を抜くときに4コーナーあたりでブレーキをロックさせてしまって、その後は気分的に攻めきれなかったね。
セーフティーカーが入って差が詰まっていたのに、No.35のスープラ(マツモトキヨシ・トムススープラ)を抜けなくて残念だった。うまくブレーキを使っていたらもっと違うレースができたんじゃないかと思うけど。今までの2戦でドジを踏んでるから、気持ち的にドンドン行けるような雰囲気じゃなかったんだ。次はもっと自分を盛り上げていかないとね。ファイナルラップはもう狙ってなかったよ。あのポジションでゴールしようと決めてたし、チームとも無線でそういうやりとりをしていた。でも、道上もオレも、だれも抜かないで淡々と走って3位になれるレースなんだから、いいよね」

No.64 Mobil 1 NSX(総合4位)
トム・コロネル「いいポイントを獲得できたし、いいレースができたと思う。はじめはハードコンパウンドのタイヤで出ていったのもいい作戦だったと思う。はじめは少しスライドしたけど前へ前へとプッシュしていった。セーフティーカーが入らなければ表彰台に立てたと思う。次のレースに向けて自信を持ったよ。最後に周回遅れのマシンが間に入ってしまったけど、あれがなければヤマニシ(山西康司選手)はNo.16(Castrol 無限NSX)にチャレンジできたはずだ。残念だけど、これもレースのうちだよ。ボクらのチームが勝つ能力を持っていることを知っているからね。ノープロブレムだよ」
山西康司「最後のあれはちょっと…。(No.11エンドレスアドバンGTRのドライバーが)ちゃんと見てないんじゃないかな。ちゃんと見てないとね。あれがなければ前と争っていたと思うんですよ。クルマは悪くなかったです。次がんばります」

No.12 カルソニックスカイライン(総合5位)
星野一義「ポイントを獲って重量が減って一番よかったと思う。正美の走り(No.1ペンズオイル・ニスモGT-Rとのバトル)は、オレはブロックだと思っていないよ。No.64のNSX(Mobil 1 NSX)とやりあったときにタイヤも傷めていただろうけど、セーフティーカーが入ってしばらく休めて、その後の周回はよくがんばってくれた。それよりも、とにかくスカイラインのポテンシャルを上げないとマズイね」
影山正美「5位というポジションはよかったが、内容的には納得がいきませんでした。最後の5周は、完全に本山をブロックしていたかたち。できればああいうレースはしたくないですね。先週のMINE(フォーミュラ・ニッポン)で光貞とやったようなフェアなバトルが理想なんだけどな」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2(GT300 2位)
新田守男「自分が思っていたよりトップについていけた。もっと離されるかと思った。コーナーで詰まるとストレートで離される感じ。タイヤを痛めるわけにはいかなかったから、プッシュはそこそこで、差すまではいけない。2位に入れたけど、ストレートが遅いのがつらい。このへんでシルビアがポイントを獲るだろうっていう計算はあったけど、(自分たちも)できるだけたくさんポイントがほしかった」
高木真一「前半はきびしかった。(セーフティカーラン中のピットインは)スローパンクチャーていうんですか、あれがそうだったんだって、初めて経験しました。タイヤを温めるためにクルマを左右に振ると揺れがだんだん大きくなる。タイヤがなにかを踏んだんでしょうけど…。ピットアウトしてペースカーラン中に最後尾につけたんですが、まあ、結果はオーライで、超ラッキーでしたね」

No.81 ダイシンシルビア(GT300 3位)
福山英朗「チームから(セーフティカーラン中に)タイヤを換えても(前車に)追いつく可能性があるという無線連絡を受けてピットインしました。前後の関係に気づいたチームの勝利です。後ろのクルマ(No.61テイボン・トランピオ・FTO)は周回遅れになっていて、前のインプレッサ(No.77クスコスバルインプレッサ)はタイヤがきつそうだったんです。途中からブレーキが効かなくなってきて、29秒台でいけるはずだったのが30秒台でしかいけなかったというこちらの事情もあって、そのままいったらあきらめるしかなかったところで、思わぬチャンスを生かしきったチームに感謝します」
大八木信行「やりました。自分としても満足です」

No.77 クスコスバルインプレッサ(GT300 4位)
小林且雄「ペースカーのこの野郎って感じですね(笑)。リスタート手前ぐらいで急に3速がいっちゃって全然ダメ! ここからスタートっていうときだった。谷川くんはがんばってくれていいポジションにいた。後ろとの差が30秒ぐらいあったから、3位キープでいければと思ってたんだけど…。ダイシンも同じペースだったからね。今季初完走で4位。残り全戦完走をめざして、さらに上をねらいます」

No.71 シグマテック911(GT300 6位)
城内政樹「バックストレートエンドで抜かせようとよけたのに、脇阪選手(No.18 TAKATA童夢NSX)が左に寄せてきて、右のフロントホイールと当たった。ピットインしてフロントを2本交換したので1周ぐらい遅れた。フロントだけ新品で(前後の)バランスが崩れたけど、10周ぐらいで平均化しました」

No.100 RAYBRIG NSX
飯田 章「1回目のピットインは、タイヤのバランスがおかしくなってまともに走れなくなっちゃったんで急いで入った。このときはリヤしか換えなかったんですけど、換えときゃよかったですね。2回目のピットのときはロックナットがゆるまなくて時間がかかっちゃいましたから。ポイントはとれないし、そのくせウェイトは10kgしか減らないし、もう最悪」
(インサイドレポート班注:決勝ラップベスト3に入っているため、実際には次戦での軽減はゼロ)

No.6 ESSO Tiger Supra
ワイン・ガードナー「おそらく燃料系のトラブルだと思う。裏のストレートで急にブルブルブルってパワーがなくなって…。そしたら無線で『ファイアー、ファイアー!』って言われてバックミラーを見たら、オーッ! どこか止まれるところを探したんだ。燃料のにおいがして目が痛くなって手探りでドアを開けてスイッチ切った。オフィシャルが消火器を持って来たんだけど、もたついているのでそれを取り上げて自分で消火した。ボク自身にケガはない。大丈夫だよ。ほんとうにほんとうに、ほんっとうにガックリだよ。クルマの調子はどのセッションもよかったし、ノダ(野田英樹選手)も速いし。信じられないよ。すごくいいチームだし、クルマはすばらしいし、ドライバーも速い。勝てるチームだと思うよ。でもいつになるか…」


★ウィナーインタビュー

●GT500クラス優勝
No.36 カストロール・トムス・スープラ
関谷正徳「95年にミハエル・クルムと仙台で勝って以来。ぶっちぎって勝ったわけじゃなくていろんな要素がからんで優勝できたんですけども、大きな要因としてはメカニックがピットの仕事を一番短くやってくれたんじゃないかと思うんですよ。それが勝敗を分けたと思います。われわれのクルマはトラブルがまったくなく、クルマは完璧だし、作業も完璧だし、運転手もミスがなかったし、みんながちゃんと自分たちの仕事をした結果なので、今日はほんとうによかったと思います。とはいえNo.6(ESSO Tiger Supra)のほうが速かったというのは事実として残って、順調にいってたらNo.6のスーブラが勝ってたわけですから、そういう意味では悔しい思いも課題も残しましたね。スープラがNSXを凌駕したとはまだ思えないですよね。MINEやTIのようなところでスープラが速いか遅いか、テストにいってみないと現実はわからないですから」
黒澤琢弥「最終ラップにちょっとこみあげてくるものがあって集中するのが大変でした。まあ、今年はいろんなことがあってトムスに入ったんで…。すべてが完璧だったんでボクがミスしたらなんにもならないですから。すべてがいい方向に回ったと思います。ただ、実際最初から1位にいたわけじゃないんで、まだ課題はあると思うんですけど、こういう方向に向いてきたっていうのは、この後すごくいい展開になったと思います。ガートナー選手の火災のときは、ボクもオイルにのって危なかったんで、すぐわかりました。彼が消火作業をしているのが見えたのでドライバーが無事でよかったなとまず思いました。(トップに立って)やったという感覚はなかったですね。ボクらのクルマも朝のウォームアップでちょっとトラブルがあったので、最終ラップの最終コーナーから坂を上るまでは気持ちをゆるめないようにしていました」


●GT300クラス優勝
No.15 ザナヴィARTAシルビア
土屋武士「前回ですごく悔しい思いをしたので、その気持ちが今回のレースに集約されて勝ててよかったです。とにかくチーム全体の気持ちがすごくはいっていたので、ボクも井出君も絶対結果を出そうと思ってたんです。MR2(No.25 モモコルセ・アペックスMR2)はボクが開発したクルマなんで、どういう展開になるか予想がついたなかで、ま、決勝はきびしいだろうなと思ってました。とにかくどこかでスパートをかけてかわそうと思ってたんですけれど、幸いにも周回遅れの処理で1秒くらい開いたときがあって、そのときにプッシュした差を開いて集中力を切れさせようとがんばりました。完璧な勝利だと思います。井出選手はハコでは初めてのドライのレースだったんですが、まったくミスをおかさずに完璧だったと思います」
井出有治「前回土屋さんが一番悔しい思いをしていると思います。メカニックの人も一生懸命やってるし、とにかくボクは迷惑をかけないようにきちっと仕事をしたかったので、今日それができてうれしいです。途中(ピットで)モニターを見ているときはすごくプレッシャーを感じたんですけど、ヘルメット被って交替の準備をしているときに『絶対勝ってやる』という気持ちに変わったんで負ける気はしなかったです」




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