2001 GT INSIDE REPORT NETWORK EDITION
Round7 CP MINE GT RACE 11 Nov. 01
決勝日レポートRace Day Report

■朝のフリー走行後のコメント


No.21 イエローコーンマクラーレンGTR
服部尚貴「タイヤの特性として一発は出ないけど、満タンは安定して走ってる。タイムはムリして出したんじゃなくて最初の数ラップで出た。決勝はほかがタレてくるから、前へ確実に上がっていけばいいところで終わるんじゃない?」

No.18 TAKATA童夢NSX
ブノア・トレルイエ「ボクが古いタイヤで出ていって7ラップしてからセバスチャン(フィリップ)に代わりました。タイヤを換えて満タンにして出ていったんですけど、2番手のタイムはそのとき出たものです。昨日はボクが2番手で今日はセバスチャンが2番手のタイムをマーク。チャンスはあると思いますよ。1号車とのチームオーダー? とくになにも聞いていません。ボクらはボクらのレースをします」

No.39 デンソーサードスープラGT
ロマン・デュマ「新しいタイヤがレースでどうなのかわからない部分があったが、今朝満タンで走ってかなりパフォーマンスが高いことがわかった。ウォームアップの最後のほうでもタイムはほとんど変わらなかったからね。ここ2レースくらいからセットアップも決まって、クルマの戦闘力がかなり上がっている。問題は速さではなくレースの長さ。トラブルを起こさないようにしないと。距離はいつもより短くてもこのサーキットではほかのクルマとからむ可能性も高いから。不安要素は競争力ではなくトラブル」

No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7
山野哲也「ボチボチだね。40周ぐらい走ったタイヤで32秒台前半だったかな。レース後半のシミュレーションだね。悪くないと思うよ。スタートは松本選手。二人とも安定したいいラップで走れると思う。チーム全体の雰囲気も悪くないし、河野さんも『いい予感がするんだ』って言ってるんだよ」

No.24 JCMタイサンGT3R
松田秀士「一昨日からつめてきたセットが満タンでいい感じ。いい方向で当たったというところです。コースは狭くて抜くのがたいへんだからGT500が追いついてきたら気をつけないといけない。スタートしてすぐの序盤はじっと待って、みんなのタイヤがダウンしかけたら少しずつプッシュしたい。堅実に走ればまた結果につながるでしょう。『気づけば表彰台』にしたいですね」

No.36 カストロール・トムス・スープラ
黒澤琢弥「満タンでのバランスはまあまあ悪くないかな。トップよりコンマ4〜5秒くらい遅いけど。前回(鈴鹿)は気がついたら3位まで来てたんで、今回もそうしたい。コースが狭くてアクシデントの危険は高いけど、順当なら表彰台の一角に乗れるくらいのポジションにはある。今年1年、スタッフ一丸でやってきたことがようやく報われてきたというところ。ミシュランタイヤはわれわれだけしかいなくて台数が少ないので、開発スピードでは台数の多いブリヂストンのほうが有利な部分があるけど、でもここへ来ていい流れになっている。最後なので気持ちよく終わりたいね」

No.81 ダイシンADVANシルビア
青木孝行「満タンではまあまあですかね。いつもどおり、普通です。レースはきっと荒れるから、いろいろ想定していってもそのとおりにならないと思うので、なにかあっても落ち着いて対応できるようにしたいです。スタートは大八木さんなのでめいっぱいがんばってもらって、ピットアウトしたときに2台(No.3、No.7)の前にいられれば。とくにNo.7ですね。あとはアクシデントなく終わりたい。わだかまりを持って来年を迎えたくないですからね。クリーンなレースをしたい」

No.38 auセルモスープラ
竹内浩典「朝タイムが出なかったのは混んでただけです。ボクとしてはあまり気にしていませんね。1号車も8号車もつかず離れずの状態だったようだし、ウチは気温が高くなればなるほど有利になってくるはずだから『マレーシアの陽射しを待ってる!』といったところでしょうか(笑)。がんばりますよ」
立川祐路「エンジンをまるごと載せ替えて、その部分はOKなんですが、それよりグリップ不足なのが気になります。木曜や金曜と別のセッティングなわけではないのに、おかしいですよね…。朝の状態のままだと正直キツイですが、これからまたみんなで検討して最善をつくしたいと思います」

No.12 カルソニックスカイライン
本山 哲「今朝はちょっとトラブルがありましたが、走り出してからはまずまずでした。でも、レースの行方はわからないですね。うまくタイヤを使えたところが生き残れるような感じがします。ボクたちはソフトタイヤを選んでいますが、去年もソフトで勝っていますし、レースになればタイヤをいたわる走り方をします。うまくいけば勝てるんじゃないですか? ただ、GTはなかなか(結果が)想像できないんですよ。アクシデントなどに影響されず、うまくいけばいいなと思っています」

No.1 ロックタイト無限NSX
熊倉淳一監督「レース仕様のクルマは問題ないですよ。やるべきことはすべてやりました。あとは接触がないようなレースをしたいですね。今回は250kmでも富士よりは燃費がきびしい。でもタイヤはミディアムを選んでいるのでだいじょうぶです。前後のコンビ(前ソフト、後ミディアム)かどうか? それはレースが終わってから…(笑)」

No.31 ARTA・アペックスMR-S
新田守男「フリー走行のトップタイムなんてなんのあてにもならないですよ。みんななにをやっているかわかりませんし。レースは堅くいきますよ。本番のペースは鈴鹿でもよかったですし、ここもいいと思いますよ。MR-Sのなかでは86号車もいいと思いますので、松田(晃司)くんのフォローをしながらがんばります(笑)」

No.86 プロジェクトμ・エスペリアMR-S
松田晃司「レース用のセッティングは平岡監督が細かいところをチェックし直してくれて、いい感触に仕上がっていると思います。GT500のマシンも次々来るのでプッシュせずに普通に走って、コンスタントに2〜3周あのタイムが出ています。木曜日から満タンには自信あったんですけど、それを再確認できました。雨が降って路面が悪くなっていたのがまたコンディションがよくなって、ボクたちの調子も戻ってきたと思います」

No.22 ザナヴィ ヒロトGT-R
柿元邦彦監督「レース仕様のマシンはまぁまぁですね。ただ、朝は気温が低かったからうまくいったという部分もあります。ウチのクルマはエッジの上でセットしていて、気温の変化に敏感なので、上がってくるとまたセットが狂って、どうなるかわからない状態です。今朝ぐらいコンディションとセットが合っていればブッちぎれる可能性もありますが、ちょっと気温が変わっただけで細かくキャンバーのセットを変えたりしなければいけないクルマなので、いまレースに向けてそれをやっているところです。また、今回はタイヤの闘いという部分がありますが、22号車は23号車よりも1ランク固いタイヤを選んでいますね。23号車はもともと2ピット作戦を考えていたので、いわば超ソフト。それに対して、22号車はソフトです。GT-Rはもともとタイヤにきびしいんですが、午後のコンディションの中でセットがうまく決まれば優勝をねらえますよ」




■決勝スタート直前情報


天候:曇り/路面状況:ドライ
気温:18度/路面温度:24度
決勝日(11日)入場者数:4万6400人(予選日:1万6200人)


*リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No.原因周回数
8アクシデント34L
77ギアボックス36L
0ドライブシャフト36L
64ギアボックス47L
31ギアボックス51L



■決勝レース中のコメント


No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7
松本晴彦「スタート直後にダイシン(No.81)とかはパスできた。その後、序盤にトップ2台(No.62とNo.19)が3コーナーでからんでコースアウトしたんです。そこをうまく抜けてノーミスで来ました。GT500がまとめて来るので、タイムが落ちないように気をつけて走りました。No.3とはついては離れてという感じ。抜かれないようにはしました。No.86も目の前でスピンしたけど、よけました。狭いコースなんで、GT500が来てもなかなかよけられないシーンもありましたが、ドライバーも今日はマナーよくしてくれました。こっちも(ラインを)開けると後ろからNo.3に抜かれてしまいますからね」

No.77 クスコスバルインプレッサ
小林且雄「ボクに交代して出ていって3周目のストレートで5速ギアがなくなってしまった。なんとか惰性でピットロードエンドにクルマを停めた」


■決勝レース終了後のコメント


No.23 ペンズオイル ゼクセルGT-R(GT500 2位)
エリック・コマス「マクラーレン(No.30)にトラブルが発生するのを期待していたんだ。そうすれば表彰台はフランス人がいっぱいになるからね(笑)。いや、マクラーレンのほうが我々よりも速かったけど、いいレースができたと思う。序盤ではホンダの1号車の前に出て抑えたんだけど、前もあまり速くなかったので、15ラップほどタイヤを温存して、それからいったんだ。ともかく今日のマクラーレンにはホンダもニッサンもトヨタも誰もついていけなかった。自分が勝っていればチャンピオンになれていたので、残念だけどね」

No.18 TAKATA童夢NSX(GT500 3位)
セバスチャン・フィリップ「セパン以来、選手権では初の表彰台。ピットアウトのラップでタイムをロスしてしまった。ニュータイヤでトラフィックにつかまると、すごくたいへんなんだ」
ブノワ・トレルイエ「うれしいですよ。セバスチャンとは同じような速さで走れるし、ドライビング・スタイルも似ているし、同じ言葉で話せるのは理解を助けるし。鈴鹿ではボクも彼もミスをしたので、そこで学びました。今日は二人ともよくやったと思います。ポールポジションを獲りたかったけど、マクラーレンを相手にそれはできなかったし、優勝もできなかったけど、いいレースだったと思います。チームもいい仕事をしてくれましたし、とてもうれしいです」

No.39 デンソーサードスープラGT(GT500 4位)
ロマン・デュマ「3位になって表彰台に立ちたかったのでがっかりだよ。ピットアウトのラップでニュータイヤでの走りで5秒ほど遅れて、セバスチャン(No.18)に簡単に抜かれてしまった。2ラップしてタイヤは働くようになったけどね。ここはなかなか抜けないし、シーズン最後のレースでリスクを冒したくなかったし、無線でプッシュするのかどうか聞いたんだけど、無線がよくなくて返事がなくて…。 エリック(No.23)に7秒遅れ、セバスチャンの直後でゴール。4位はチームとして今年最高の成績だけど、レースは勝たなければね」

No.12 カルソニックスカイライン(GT500 5位)
星野一義「序盤、全体のペースが速くてタイヤのタレが早かった。全部のコーナーでアクセルを開けるタイミングを早くしなければならなかったからタイヤを保たせられなかった。でも、55歳でも怒ればいけるってところをみせられたと思う。ハンドルを握ればだれにも負けないっていう気持ちでレースができた」
本山 哲「ボクが乗ったときもクルマはそんなに悪くなかったけど、全体のパフォーマンスがちょっと足りませんでした。3位には入りたいと思っていたけど、前の2台にはついていけませんでした。来年またがんばります」

No.22 ザナヴィ ヒロトGT-R(GT500 6位)
田中哲也「マイケル(クルム)もタイヤを保たせられなくてピットインが早めになってしまったし、後半はタイヤを(ソフトから)ミディアムにしたんだけど、ボクもペースを上げられませんでした。クルマはアンダーも、オーバーも出ていました」


No.24 JCMタイサンGT3R(GT300 2位)
松田秀士「クルマは決まってたんですが、中盤からリアタイヤが摩耗してズルズルで危ないから、ドンドンと前にいかせた。でも、うまくいけば表彰台かなと思ってました。締めくくりで一度でもトップに立てたからいいかなというところです。チームとメカみんなのおかげです。いつもウチはピット作業が速くて、きちんとミスなくやってくれるんです。2位はうれしい。西澤さんも、もてぎからずっと速くなりましたね」
西澤和之「何位か最後はぜんぜん教えてくれなくて、わからなかったんです(笑)。今日は松田さんがトップを走ってくれましたし、タナボタじゃなく実力の2位だと思います。自己採点は90点ぐらいですか? 100点はやっぱり優勝しないと」

No.55 イクリプスオメガタイサンバイパー(GT300 3位)
木下隆之「(No.62が)ミスして近づいてたから、プレッシャーを与えてたら、ファイナルラップの便所コーナーで抜けた。GTでは久々の表彰台だね。シーズンを表彰台で終われて気分がいいね」
山田英二「前半はムリせずついていったら、(前で)ガンガンやってた。意味ないじゃんと思って引いてたら前がいなくなってくれた。ピットストップのタイミングが悪くて時間がかかったけど、木下くんががんばってくれて、ノーミスで追い上げてくれた。バイパーは5年目の老体にむち打ってよく走ってくれました」

No.62 R&DスポーツダンロップGT3R(GT300 4位)
柴原眞介「スタートして10数周でトラブルから単独スピンしました。火曜日からミッションに油温が一定に上がるとトラブルが出ていて、毎日(ミッションを)開けていたんですが、今日また出てしまったというところです。密山に渡したときは2速がない状態だったんです。その状態で、ほんとうによくやってくれました」
密山祥吾「あとちょっとだったんですけれど…。2速が入らなくて3速で走ったけれどムリでした。クラッチも切れなくなって、ダブルクラッチなんかでしのごうとしたんですが…」

No.3 ユニシアジェックスシルビア
長谷見昌弘監督「見てのとおりだよ(苦笑)。あそこはいっちゃダメ。雨宮(No.7)にも迷惑かけるしさ。なんでオレが謝りにいかなきゃいけないんだか。ああいうふうには教えなかったんだけどなぁ。前にも(No.31に対して)やってるしね。1度はあっても2度はダメだよ。(表彰台を見て)うらやましいよなあ…」
柳田真孝「悔しいです。あそこで引くわけにはいかなかった。向こうのほうがストレートが速いし、一度でも前にいかれちゃったらダメだと思ったんです…」

No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7
雨宮勇美監督「長谷見さんが謝りに来たよ。あれはサイドバイサイド(のバトル)じゃない。あれほどミーティングでクリアな戦いやろうって言ってたのに…」
山野哲也「1コーナーが安全に抜きやすいのでチャンスをうかがってたけれど、インを閉められていた。だからアウトからしかけたらラインがクロスして、(No.3が)イン側に入って立ち上がりで寄せてきて、芝生に入って落っこちた。インに入ってきて(ブレーキ)ロックして当たられた。あれはよけようがないから、ヤツが悪い」

No.100 RAYBRIG NSX
飯田 章「(パレードラップでのスピンは)よそ見というか、無線の配線を直してて両手離しになっちゃったんです。それで最後尾になったけど、あれがなくても4位までしかいけなかったと思います。つまらないレースになってしまいました。追い上げていくときも、スープラ(No.33)に対して引きすぎましたね。ウチのほうがラップタイムは速いんだけど、スープラはストレートが速いので抜けなかったんです」

No.8 ARTA NSX
金石勝智「最終コーナーの手前で1号車がシフトミスしたんです。それで横に並んだらアウトに寄ってきて、行き場がなくなって飛んでしまいました。自分のほうがペースが速いのはわかってたし、ムリしてインに入ったわけでもなかった。チャンスがあったんで並んだだけだったんだけど…」
鈴木亜久里監督「レースだからしょうがないけど、1号車もアウトにウチがいるのはわかってただろうし、ラインを開けてくれればああいう結果にならなかった。金石にはムリはするなと言ってたし、あそこまではクリーンでいいレースだったのに、最後ああいうかたちになったのは後味が悪いね。光貞にも言いぶんはあるだろうけど。1号車の前でスタートしていればこんなことにはならなかっただろうしね。結果的にはウチはチャンピオンを獲れるチームではなかったということだろうね。来年リフレッシュしてがんばります」

No.1 ロックタイト無限NSX
光貞秀俊「スタートは悪くなくてポジションを上げられたし、ペースも悪くなかった。タイヤは前がソフト、後ろがミディアムの組み合わせでムリはできなかったんで、前との間合いをはかりながら走ってた。(No.8との接触は)ボクと金石さんだけがいたわけじゃなくて、No.12もいて、No.12はタイヤがきつくなっている状況で差が詰まって、そのインに入ろうとしたけど入れなかったので通常のラインに戻っただけ。真横には並んでいないんだから前にいるクルマに優先権があると思う。道上に交代する前からギアがおかしくなっていて最後まで保たないかも、と感じていた。チャンピオンを獲ろうとみんなでがんばってきたので悔しい。この悔しさをバネに自分をみがきます」
道上 龍「交代した時点でギアが鳴っていて、いたわって走れと言われていたんですけど、8番手をキープするためには4速を使わなくちゃいけなくて、そうしたら最後はギアが完全に割れて4速がない状態になってしまいました。それでタイムを上げられなかったし、スープラはストレートが速いので抑えられませんでした。抜かれるいっぽうで悔しかった。(序盤のNo.38のスピンで)ラッキーと思っていたけど、GTはなにが起こるかわからないからむずかしいですね。来年、またがんばります」

No.38 auセルモ スープラ(GT500ドライバーズ・チャンピオン)
佐藤正幸監督「まだ実感としてはないよね。決してカッコいい勝ち方じゃないけど、GT特有の展開だったんじゃないかな。意外にも今日の展開には、いい意味で冷静でした。今回のレースは『最後まであきらめてはいけない』というのを実感できたレースでした。ソフトを使うという考えもよぎったけど、天気を見込んで硬めのタイヤを選んだ甲斐がありました。今日は竹内にも立川にも『燃費は気にするな、思いきりいけ』と無線で指示していましたね。経験が長いぶん勝負のツボというのがわかるんですよ。大澤エンジニアには実務的なことはじめ100%任せているし、私やドライバーの言わんとすることを理解してくれる頼もしいチーフエンジニアです。ドライバーの二人には一年間おつかれさまと言ってあげたい。今年セルモは11年目になるんですが、竹内とはその半分はつき合っていて、どのドライバーよりも長いつき合いになり信頼しています。(レース中)ダンパーが壊れたが、結果はともかくチェッカーが受けられるように直しました。立川とも4年ですが順調に成長してくれました。レースは人の助けを借りなきゃできないものだと改めて感じましたね。このメンバーで勝ててよかった。ドライバーやエンジニアはじめ、ものすごくがんばってくれたスタッフにはほんとうに感謝しています」



■優勝者インタビュー


No.30 綜警McLaren GTR
岡田秀樹「ここに来る前はマクラーレンとMINEは相性というか過去の思い出がよくないので、けっこうつらいレースになるのではと思ってました。走り始めてからはボクらが速かったというよりは周りがあまり速くなかったので、もしかしたら(勝ちも)あるかなと。予選は彼(クート)がスーパーラップを叩き出していい流れになりましたし、決勝ではボクも集中力を絶やさないようにして、いいポジションで彼に渡したいと思ったことが現実にできたということと、彼がそれをキープするいい仕事をした。そしてクルマもトラブルがまったくなかった。個人的には久々の勝利だし、非常に思い出に残るいいレースができたなと思います。タイヤはソフトを選んだので、ハードを選んだクルマよりコンディションに合っていたと思います。ピットに入ったときも自分はまだ大丈夫だと思いましたが、その具合を見る意味もあってチームの指示通りに入ったんです」
アンドレ・クート「結果的には楽なレースに見えたかもしれません。レースでは、岡田さんがいい仕事をしてくれて、マージンを持って渡してくれました。そのマージンを大事にして最初からいいペースで走れました。後ろとの差もコンスタントに9〜10秒を保てました。プッシュもしましたけれど、ほんとうはもっとプッシュできたでしょうが、それはセーブして、レースの周回をぶじ終えることを心がけました。今季は春の富士でも予選3位でしたし、クルマはどんどんよくなって安定してきたし、もてぎもよかったのでいつかは勝てるだろうと思ってました。ただ(これまでは)レースのなかでアンラッキーだったり、いろいろあっただけです」

No.71 シグマMR-S
Guts城内「クルマは調子よくないわけではないんですが、タイムが出ない状態が木曜から続いてました。レースはアベレージを落とさないようにと、GT500に抜かれるときにもできるだけタイムを落とさないようにしました。ベストタイムを出すんじゃなく、アベレージタイムを上げるようにしました。荒れるレースを予想したんで…。あ、タイムが速くなかったのがよかったかもしれませんね(笑)。ボクはどちらかというと安全に、今年トラブルも多かったので、ものが壊れないように安全パイ安全パイで走っていきました。田嶋くんもそれで走ったと思うんですが、それでも速かったですね(笑)。それで勝てたと思います」
田嶋栄一「今年は開幕でボクがコースアウトして全損しまして、第2戦は欠場を余儀なくされたんですけれど、SUGOでポール獲れたりと前半戦は速さは見せられたんですが、やはり信頼性がなかったぶんで結果が残らなかったと。後半はウェイトを積まれたりとパッとしなかったというか、クルマも決まってませんでしたし。前回までMR-Sが6戦で3台優勝しているし、うちもしたかったし、結果を残したかった。今回はそのラストチャンスだったんで、是が非でも勝ちたいと思ってました。それが予選であんな順位(クラス13位)だったんですが、レースになったらそこそこ走れたんで、こういう結果になったと思います」



■シリーズチャンピオンインタビュー


GT500チャンピオン
No.38 auセルモスープラ
竹内浩典「予選13番手ということで、スタートでは前が大渋滞になって、前がブレーキ踏んだらこっちも踏むってかたちで3コーナーをターンインしたときに8号車の金石選手にプッシングされて、そこで回ってしまい反対側向いて止まってしまったんです。すぐ出れればよかったんですけれど、GT300の集団も来て、ムリしてそっちに迷惑かけてもいけないと思いまして、全部行かせてから復帰しました。正直、その瞬間『今年はすべて終わったな…』と。そのあとガンガン走っていたけれど、ウエイト80kgのわりにはクルマのバランスが悪くて、硬めのタイヤも合ってなくて、ちょっとつらい展開でした。ホント数%の望みを賭けて立川に渡そうと、そればかりを考えて走ってました。立川に代わって、ピットで順位を見たら1号車が8位を走っていて、8位だと負けなんすよ。だから、もうダメだなと。そうしたら、その後ろの37号車がけっこういいペースで、もうそれに賭けようと、もう完全に他力本願ですね(笑)。それで応援しましたよ、37号車。そうしたらトラブって1号車が順位下がったんで、『やった! チャンピオンか』ってうれしくてそわそわしたんですよ。でもトップの30号車がリタイアして23号車が優勝したら、そっちがチャンピオンだって聞いて『おいおいだいじょうぶかよ』って(笑)。それで、今度は30号車を応援して、今日は人の応援をよくしましたよ(笑)。チャンピオンって、実感がわかなくて。開幕でひっくり返って(横転してリタイア)、シリーズのセオリーである序盤でポイントを稼いで中盤でウエイト降ろしてというかたちにはならなかったし。とにかく信じられないって感じですね」
立川祐路「ピットのモニターで反対向いているウチのクルマを見たときには『もう終わったかな』って(笑)。でも、すぐ復帰して竹内さんもいいペースで走ってがんばってくれたので、ボクに代わってもプッシュして1ポイントでも獲ろうと思ったんですが。そしたら、今度は足回りにトラブルが出ちゃって、走れないで緊急ピットインで、ホントに終わったと思いましたよ。でもなにがあるかわからないし、ボクもチームもまだ走りたかったし。とりあえず直して最後までがんばろうと。その結果、あきらめない気持ちがいい方向に出たのかなと。ピットアウトして出ていったら、ちょうど37号車が1号車をパスしたところで、もしかしたらと思いました。ゴールした瞬間はホッとしましたね。今回はチャンピオンになるつもりで来ましたら。今年はここまで勝てなかったし、チャンピオンだけは獲ろうと思って。なにがあってもあきらめないって、(チャンピオンになれたのは)みんなの気持ちですよね」

GT300チャンピオン
No.81 ダイシンADVANシルビア
大八木信行「序盤は満タンでのクルマの状態がちょっと苦しかった。じっとしとこ、と思ったんですが、じっとしすぎた(笑)。石橋を叩いていったら、叩きすぎて壊しちゃった(笑)。でも結果はチャンピオンですからね。こういうレースもGTらしいでしょ? 鈴鹿1000kmも十勝24時間もそうだったけど、いつもどおり、普通にやった結果です。チーム全員がこれまで積み重ねてきたことが結果に結びつきました」
青木孝行「チャンピオンは初めてです。F4でチャンピオンと同ポイントだったんですが、優勝回数の差で負けたことがあったんです。ほんとうにうれしいですね。いいチームに入れてもらいました。ボクだけが速かったわけではないですよ。エンジンも、タイヤも、メカニックも、全員が努力した結果だと思います。そういう努力に応えようと、ボクもせいいっぱいやりました」


GT500 チーム・チャンピオン NISMO(No.22, 23) 柿元邦彦監督(右)
GT300 チーム・チャンピオン TEAM TAISAN ADVAN(No.24, 26) 千葉泰常監督(左)


☆今シーズンのインサイドレポートは以上です。1年間ありがとうございました

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