2002 JGTC INSIDE REPORT NETWORK EDITION
Round1 GT CHAMPIONSHIP in TI
予選日レポート
13 Apr. 02
Qualify Day Report

トピック


道上龍、フォーミュラ・ニッポンで負傷
 先週富士スピードウェイで行われたフォーミュラ・ニッポン第2戦の予選中、道上龍が負傷。No.16 無限NSXは急遽ドミニク・シュワガーがステアリングを握ることになった。
ドミニク・シュワガー「今年は国際F3000に出る予定だったけれど開幕直前にキャンセルになり、今年なにも走るレースがないという最悪の事態になっていた。だから道上選手が復帰するまでの数戦とはいえ、オファーの電話をもらったときはうれしかったよ。電話をもらったのは日曜日。たぶん4戦くらいしか出られないだろうけど、楽しみだね。だけど、個人的には道上選手が早くよくなってくれることを望んでいる。
 新しいエンジニアやダイスケとのコミュニケーションも良好だよ。ダイスケとは2000年に組んでいたし、だいじょうぶ。今回もダイスケがセットアップやアタックをすることになるだろうから、ボクは決勝でしっかりドライブすることを心がければいいと思う」
熊倉淳一監督「ドミニクに最初に連絡をとったのは日曜日です。ドミニクからはすぐにOKがもらえていたんです。それ以外のドライバーにも声をかけていたなかでいちばんすんなり答えがもらえていたのが彼だったんです。われわれとしても手続きやライセンスの問題などがありましたので早く決めたかったし、ルマンとかち合っているドライバーが多かったのでね。第1戦だけならほかの選択肢もあったんでしょうけれど、第2戦、第3戦を考えて決めました。2人は2000年に中嶋企画さんで組んでいますし、大輔に『ドミニクに決まった』と知らせた際にも『彼ならぜんぜん問題ないでしょう』という返事でした。シーズンが始まってしまった段階での選択としてはベストだったんじゃないかなと思っています。
 道上のケガに関しては公式に発表になっていることしかわれわれにもわからないんですが、あとは彼がどれだけ早く回復できるか、ということだと思います。彼はまだまだ若いし、選手生命も長いと思いますから、あまりムリして早期復帰するのではなく、ちゃんと専門家の判断によっての復帰を望んでいる、という感じですね。病院で彼に会いましたが、もう気持ち的には元気なんで、あとは腰の具合がどうなるかといったところでしょう。とにかく神経的な損傷がなくてほんとうによかった」


予選1回目終了後のコメント


前日から好調のMobil 1 NSX、逆転で暫定ポールを獲得
 予選1回目のGT500占有走行時間のラスト2分、ラルフ・ファーマンのアタックで1分25秒203をマークしたNo.64 Mobil1 NSX。そこまでタイミングモニターのトップにつけていたNo.18 TAKATA童夢NSXを逆転して暫定ポールを手にした。チームでは前日からマシンの仕上がりには自信を深めていたが、予選1回目となった朝の気温の低さが、さらにエンジンにとっていいコンディションとなった、と見ているようだ。
ラルフ・ファーマン「まったく問題なかったね。路面のコンディションも意外によかったし完全にクリアも取れた。クルマのセットアップも問題ないし、すごくいい感じだよ。決勝のセットにも不安はないから、決勝に向けても勝つ自信はあるよ。問題はいかにGT300のマシンをかわしていくか、というあたりかもしれない。安全に抜いていくのはけっこう気を遣うしむずかしいからね」

スープラ勢トップは01モデルのFK/マッシモADVANスープラ
 1ヶ月前の合同テストでもレースウィークの練習走行でも好調を維持していたNo.25 FK/マッシモADVANスープラは予選1回目のタイムアタックでもイの一番にコースレコードを更新。その後NSX勢には先行されたが4番手という好位置につけた。しかも02モデルを抑え、スープラ勢トップという大健闘。午後のセッションにも期待がかかる。
荒 聖治「チームのスタッフもタイヤメーカーの人たちも、みんなががんばってくれた結果なので、感謝しています。アタックのタイミングは悪くなかったと思いますが、ベストタイムを出した周は引っかかっているので、それを考えるともうちょっと遅くてもよかったかもしれません。最終コーナーのひとつ手前からストレートまでエッソ(No.6エッソウルトラフロー スープラ)に引っかかっちゃったんですよ。そのあいだはアクセルを戻していたので、どれぐらいかはわからないですけどタイムロスしてます。でもクルマのバランスはいいですよ」

ザナヴィニスモGT-Rは予選1回目に2セットのタイヤを投入
 ニスモ陣営は決勝セッティングを重視。No.22ザナヴィ ニスモGT-Rは予選2回目も決勝セッティングを煮詰めたいということで、予選1回目に2セットのタイヤを投入してタイムアタックを行った。アタック役は本山哲で、5番手と好位置につけている。
本山 哲「早目にコースインしたのは、天候を気にしていたのとクリアラップを取りたかったからです。路面はけっこうよかったですね。クルマのバランスも悪くないですし、タイムなりというか、うまく合わせられたと思います。午後はレース用のセットアップに専念したかったので、このセッションで2セットともタイヤを使いました。ベストを出したのは1セット目。2セット目は途中で、もういいかな、と思ってアタックを止めました。目標は4列目以内でしたから」

GT300クラスはARTAアペックスMR-Sが暫定ポール
 合同テスト前から専有走行を行ってきたNo.31 ARTA・アペックスMR-S。その結果もあって、これまで2回の合同テストで全セッショントップタイムをマーク。予選でもコースレコードを更新するタイムを記録し、暫定ポールを奪った。
新田守男「シャンクしなくて良かったです(笑)。だって、パイパーコーナーでほんとうにシャンクしそうだったんだもん(笑)。セッション途中に赤旗が出ましたよね。あの次の周にアタックしようと思っていいバランスにタイヤを温めていたんですが、オイルに気付いたのでアタックをやめました。オイル旗もなにも出てなかったんですけどね。それで後ろから来たマシンに進路を譲ったら、ボクを抜いていったマシンが3台、オイルに乗って飛んでっちゃった。赤旗後のアタックはなかなかうまくクリアラップが取れなくて、2周ぐらいはタイムを出せませんでしたね。3周目にようやくクリアが取れて、ベストタイムが出ました。ほんとうはもう1周いこうとしていたんですけど、今度は1コーナーでダイシン(No.81 ダイシンADVANシルビア)が止まって黄旗が出ていたのでそこでやめました。黄旗の周にベストラップを出したらペナルティーを取られちゃいますからね。アタック自体は、微妙にオーバースピードで入っていったりした箇所はありましたが、タイムには大きな影響はありませんでしたし、まずまずでした。クルマのバランスも基本的にはいいですし、朝は路面のグリップもよかったと思います」

ポルシェ勢最上位はタイサン
No.24 EndlessタイサンアドバンGT3R
福山英朗「うまくいかないねえ。1セット目(のタイヤでは)アタックにいった周に赤旗が出た。そのタイヤが少し終わりかけで旬を過ぎていて、タイヤを替えたら(混走の時間帯に入り)GT500がコースインしてきてマッチがずっと前にいて、その次の周にはなんとかクリアラップがとれたけど、あれがなかったら32秒台はいったかな(笑)。今度マッチになんかおごってもらわなきゃ(笑)。いずれにしても勝負は明日。レースラップはいい感触です。スタートはボクがいって仕事の大半をセカンド(ドライバー)に残す。みつひろくんはすごく速いから明日の大スターになることまちがいなし(笑)」

ノマド ディアブロJGT-1は走行せず
和田 久「ミッショントラブルで午前中は走れていません。なにかナメてしまったようでパーツがないものがあり、午後も走れるかわからない状態です」




予選2回目終了後のコメント


逆転ポールをねらったTAKATA童夢NSXはタイムアップならず
 予選1回目でNo.64 Mobil 1 NSXに逆転で暫定ポールを奪われたNo.18 TAKATA童夢NSXは、ポールポジション奪取を賭けてセッティングを変更して予選2回目に臨んだ。しかし、路面コンディションに恵まれずタイム更新はできなかった。
セバスチャン・フィリップ「予選2回目は少し路面の状況がよくなかったね。路面温度が上がったことも不運だったし、気温が上昇したことでエンジンパワー的にも多少マイナスの影響があったんじゃないかと思う。さらに終盤のアタックの際にイエローフラッグにもじゃまされてしまった。どうしてもポールポジションが獲りたかったからセッティングを変更して勝負したんだけど、いかんせんコンディションに恵まれなかったね。あの状況ではがんばってもタイム更新はむずかしかったと思う」

無限NSXはセッティング変更が裏目に
 予選1回目にみられたアンダーステアを解消するためセッティング変更を施して予選2回目に臨んだNo.16 無限NSXだったが、そのセッティングがコンディションと合わず、結局スターティングポジションは予選3位で確定した。
伊藤大輔「予選2回目は路面も朝より悪くて、アンダーステア対策のためにセッティングを変えていったら、ブレーキングでリヤがロックしてしまうようになった。だから結果的にはいじらないほうがよかったのかもしれませんね。No.64 Mobil 1 NSXはあまりいじらないでいってタイムが出ているみたいですから。ちょっと失敗でした」

ヨコハマタイヤ勢が予選好調
 GT500クラスのヨコハマタイヤ勢は、No.25 FK/マッシモADVANスープラが予選4番手、No.39 デンソーサードスープラGTが6番手と好調。スープラ勢1〜2番手のポジションを確保した。
No.39 デンソーサードスープラGT
ジェレミー・デュフォア「今朝はコースの状態もクルマの状態もかなりよかったが、午後の予選に向けて若干変更を加えたら、それがあまり効果的ではなかった。一ヶ月前の合同テスト(TI)では4番手だったけど、今日は6番手。クルマのセッティングについては完全に満足しているわけではないが、あとは決勝でどうなるか。グリッド6番手からのスタートなら十分だと思う」

auセルモスープラはトラブルを克服するも予選8番手にとどまる
 午前の予選1回目では11番手に沈んだNo.1 auセルモスープラ。マシンをチェックしたところ、リヤスタビライザーにトラブルがみつかった。これが昨日から悩まされていたアンダーステアの原因だったもようで、修復されたマシンを駆った立川祐路が予選2回目で2番手となる1分25秒840をマーク。決勝に向け復活の狼煙を上げた。
立川祐路「ずいぶんよくなりました。午後は混走で走り出して、これはちょっときついかなと思ったんですが、アンダーステアもほぼ解消されていたのでタイムアップできたんだと思います。コースのコンディションがよければもっといけたんでしょうけど。
 とりあえず原因が見つかってクルマの動きも元に戻りましたから、決勝に関しては望みが出ましたね。ただアンダーステア対策に追われて決勝用の細かいセットアップ、満タンとかロングとかがあまりできなかったので、それだけが不安です。それに、その影響で竹内さんがあんまり乗っていないので竹内さんにとっては大変かもしれないですが、きっとがんばってくれると思います」

EndlessタイサンアドバンGT3Rが予選2回目にタイムアップ
 予選2回目、どのチームもコンディション悪化に苦しみ、タイムアップできないなかでNo.24 EndlessタイサンアドバンGT3Rの福山英朗が午前中のタイムを0.9秒近く縮め、ポジションを2番手に上げた。
福山英朗「(タイムアップした周は)どこを通ってきたのか、どのラップかわかんないぐらいだったね(笑)。予想外の好結果。本番のラップタイムの安定度がこのクルマの持ち味なので、そこを生かしてじっくりとしたレースをやりたいと思っています」
木下みつひろ「以前スープラやスカイライン、バイパーに乗ってましたが、GT300クラスは初めてなんで、GT500と(抜かれるときなど)うまくコミニュケーションをとっていい結果を出したいですね。クルマはまだ探ってる部分がありますね。(以前乗っていた)JTCCのBMWに少し似ているところがあるかな。ポルシェのいいところを感じとって、うまくゴールまで運びたいですね」

ユニシアジェックスシルビアは1回目、2回目でアタッカーを交代
 今年の注目コンビ山野哲也と柳田真孝を擁するユニシアジェックスシルビアは予選1回目が山野、2回目が柳田と1回ずつアタッカーを務めた。
長谷見昌弘監督「二人ともタイムは同じぐらい出るけど、その出方がそれぞれ違う。山野は今までタイヤテストをした経験がないので、まだタイヤのおいしいところを使うのには慣れていないみたいだね。山野はこれからもっと伸びると思うよ。ニュータイヤをとっかえひっかえ履くことで使い方がつかめてくるし、そういう経験がないとなかなか予選一発にかけるというのはむずかしいんだよね。その点、柳田はオフのテストでタイヤテストをずっとやっていたので、2回目にアタッカーをやらせた。まぁ、今日は青木に勝ったから第一段階はクリアかな」
山野哲也「クルマのバランスはすごくよかったですね。今年、テストから走り始めて今日がいちばんバランスが取れていたので、かなり安心して攻められました。赤旗後のアタックはヘアピンのふたつ目とか最終コーナーのひとつ手前とか、コースが汚れていたところが少しスリッピーで…。自分の今までのベストタイムは越えましたけど、もう少しいきたかったですね」
柳田真孝「初めてのタイムアタックで緊秩vしました。今回は山野さんがアタックすると思っていて、ボクは一昨日も昨日もニュータイヤを履かずにロングランを担当していたんですが、昨日『行け』という話になったんです。でもニュータイヤをつけてアタックに入ったら2コーナーでポルシェが飛び出して黄旗が出ていたので、その周はアタックをやめました。次の周にもう一度アタックに入ったら今度はダブルヘアピンのひとつ目でMR-Sがスピンして、また黄旗が出ていたんです。けっきょくクリアはその次の1周しか獲れなくて、タイヤのおいしいところを使えませんでした。最後の周も引っかかってしまったし、悔いの残る予選になりました」

予選1回目のミスが最後まで響いたダイシンADVANシルビア
 No.81ダイシンADVANシルビアはアタッカーの青木孝行が予選1回目にスピン。このミスが響いて予選2回目はマシンのバランスが取れず、総合5番手に留まった。
青木孝行「予選1回目は次の周でアタックしようと思っていたところで赤旗が出てしまいました。それはべつに問題なかったんですけど、赤旗後にアタックに出たときに1コーナーでスピンしてしまった。出ていって2周目にクリアラップが取れそうだったので、タイヤが温まりきっていないのはわかっていたんですが、アタックをかけてしまったんです。そしたら止まりきれなかった。ボクの判断ミスです」

新車のデビュー戦は予選6番手から
 No.77クスコスバルインプレッサは予選1回目、1分33秒460で4番手。2回目はタイムアップできずポジションはドロップしたが、いい感触は得たようだ。
小林且雄「富士のテストからトラブルもなくセットに集中できた。タイヤの状態のいいとき、一発のアタックでのバランスはいい。ただタイヤとサスペンションのマッチングがまだとれてないみたいで、連続周回やロング、フルタンクがちょっと不安です。そのへんは(決勝日の)朝(のフリー走行で)確認したい。ブレーキはすごくいいんで、決勝は安心ですね」
谷川達也「2回目はセットを変えたんですがタイムが出なかった。(気温が上がったし)コンディションに合わせきれなかった。(TIは)昔FJ1600、F4で走り込んだ地元に近いコース。ロングを走ってないので大きなことは望まないけど、ポイントは多く獲りたいですね。次の富士はクルマにとって苦手なので」




ポールポジションインタビュー


No.64 Mobil 1 NSX(GT500:ポールポジション)
ラルフ・ファーマン「今週末、クルマはホントに調子がいいよ。楽しく走れている。このコースはNSXに有利だし、チームも松田選手もいい仕事をしてくれたと思う。2回目はトラフィックがひどかった。全体的にタイムが延びていなかったし、コンディションもよくなかったと思う。でもボクのタイムの落ち込みは少なかったから、クルマ自体は1回目のあとにチームがさらによくしてくれたと思う。JGTCでは初めてのポールポジションだけど、この調子で初優勝といけたらいいね(笑)。Fニッポンでもそうだったけど(開幕戦優勝)、チャンピオンに向けていいスタートがきれたら最高だよ」
松田次生「02年型はダウンフォースも増え、タイヤのグリップ感が上がり、エンジンも全般的によくなっているなど、ポテンシャルはかなり向上しています。ボクとラルフはセッティングの方向性も似ているので、違和感はないです。ボクがロングも含め基本のセッティングを出し、ラルフが予選用にさらに詰めるという感じです。決勝用も彼からOKをもらってます。あとは明日のフリー走行で状況をみて煮詰めたいですね。決勝はコースアウトせず完走できればおのずと結果がついてくると思います」

No.31 ARTAアペックスMR-S(GT300:ポールポジション)
新田守男「ポールポジションなんですが、正直クルマはまだ探っている状態です。本番(決勝)用のタイヤのフィーリングにまだ不安が残っています。1回目はアタックにいこうとしたら赤旗が出た。オイルがまかれたと思ったからタイムアップはムリかと思ったけど、オイルじゃなかったようでいいタイムが出ました。(1分)32秒台は冬のテストでも出したから、想定していなかったタイムじゃないけど、上デキのタイムだと思います。2回目はペースが上がらず、さらに(混雑に)引っかかってしまった。ポルシェはリストリクターも大きくなったし、速い。ストレートでは離されるから。シルビアもよくなっているみたいだし。やはり決勝は混戦になってくると思う。でも、また明日も笑ってここ(記者会見場)に来たいですね」
高木真一「決勝は新田さんがスタートだと思います。そのまま1位で帰ってきてほしいですね(笑)。テストではロングを担当してきたのでタイムの安定感には自信があります。まだ不安がないわけではないですが、決勝はじっくり感じをつかみながら走りきりたいです。BFグッドリッチは、予想以上に安定しているという感触ですね。去年のクルマは感じでいうとフォーミュラカーでした。今年は少しマイルドな感じで、ツーリングカーらしくなったというか乗りやすくなって、それが速さにつながってます」


Race Day Report




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