朝のフリー走行終了後のコメント
◎またもトップタイムをマーク、決勝に向け万全のMobil 1 NSX
公式練習からトップタイムを連発、昨日の予選でもポールポジションを獲得したNo.64 Mobil 1 NSXが、決勝前のフリー走行でも唯一27秒台に入れるトップタイムをマーク。決勝に向けての調整を確認、チームではさらに自信を深めたもようだ。
ラルフ・ファーマン「フリー走行の最初にボクがコースインしたけれど、少しコンディションは滑りやすかったかな。かなり古いタイヤを履いて出ていったから、そのせいかもしれないけど。とにかくトラフィックに引っかかってばかりで、ほとんどクリアは取れなかったけどトップタイムには満足だね」
◎逆転優勝をねらうNo.16 無限NSX、フリー走行で僅差の2番手に
予選3位のNo.16 無限NSXはフリー走行を決勝セットの確認に費やしたが、燃料を積んだ状態でのコンスタントさに手応えをつかんだ。
伊藤大輔「まあこんなものかな、という感じですね。決してベストではないけれど、フィーリングはいいです。セッティングはあまり決勝用に特別なことはしていませんよ。燃料を多く積んでいるくらいです。タイムも安定しているし、決勝はいけるでしょう」
◎決勝に向けて手応え充分。デンソーサードスープラGTはフリー走行3番手
昨日の予選では6位に終わったNo.39 デンソーサードスープラGTだが、フリー走行では3番手。渋滞に引っかかったラップも安定して好タイムをマークしている。
織戸 学「予選のポジションは6番手でしたが、それは回りのクルマのセットが決まってきただけだと思います。ボクたちはこのレースウィークの木曜日からテストのときとは違う新しい足回りのセットで走り始めましたが、今日になってだいぶまとまってきましたよ。今朝、また少しセットを変更したのがいい方向に来ていますし、タイヤのグリップが落ちないセットになっているので、午後気温が上がっても問題ないと思います。バシッとグリップしているし、悪い感触は全然ありません。逆に気温25℃ぐらいまで上がってほしいぐらい。スタート直後はNSX3台が逃げると思いますが、20周を過ぎたあたりからNSXのタイヤがどうなってくるか。それからが勝負じゃないですか? うまくNSXを料理できれば表彰台もねらえるんじゃないかと思います」
◎決勝に照準を合わせたRAYBRIG NSXがフリー走行4番手に浮上
基本的に決勝でのパフォーマンスを想定してセットアップを進めてきたというNo.100 RAYBRIG NSX。予選では11番手に沈んだが、フリー走行では、予定どおり総合4番手に浮上。決勝での活躍を予感させるパフォーマンスを見せた。
加藤寛規「気温が上がってきた方が、タイヤも働いてくれるしいい感じです。今日が今週末で一番暑くなるということで、ずっとそういうコンディションを狙ってきているので、予選ではタイムが出るほど煮詰められなかった分、決勝では自力で上がっていけるはずです」
◎クラスポールのARTAアペックスMR-Sはフリー走行でもトップ
クラスポールを獲得したNo.31 ARTAアペックスMR-Sは決勝日朝のフリー走行でも好調。トップタイムを記録した。決勝セットでのタイムは新田守男、高木真一のあいだにほとんど差はない。
新田守男「不安がないわけじゃないんです。ここまでクルマにまったくトラブルが出ていないのはぎゃくに不安ですし、タイヤもこの温度でのテストはしていませんから。タイヤを保たせる走りでいこうにも、ポルシェがストレートで速いので、それに離されないようにするにはどうしてもタイヤを使ってしまう。スタートでは、たぶんポルシェ(No.24 EndlessタイサンアドバンGT3R)に先にいかれてしまうでしょう。でも、そうしたらぎゃくに自分のペースで走れるから、いいかもしれません」
決勝レーススタート直前情報
天候:晴れ/路面状況:ドライ/気温:25℃/路面温度:35℃(13時55分現在)
決勝日(14日)入場者数:5万1000人(予選日:1万9200人)
*リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No. | 原因 | 周回数 |
15 | デフ | 1L |
70 | ミッション | 11L |
5 | サスペンション | 39L |
62 | 接触のダメージ | 42L |
37 | ミッション | 43L |
61 | コースアウトのダメージ | 66L |
決勝レース終了後のコメント
No.18 TAKATA童夢NSX(GT500:2位)
セバスチャン・フィリップ「スタートからウチのマシンは決して悪くなかったんだけど、ラルフのマシンがめちゃくちゃ速すぎたよ。ラストの10周あたりでタイヤがきびしくなってくるまではボクもかなりコンスタントにいいペースで走れていたんだけどね。勝てなかったのはたしかに悔しいけれど、開幕戦だしチャンピオンシップを考えれば2位という結果は上々なんじゃないかな」
リチャード・ライアン「セバスチャンから引き継いだわけだけど、クルマはすごくよかったよ。2位という結果には満足だね。セバスチャンがうまくレース序盤をコントロールしてくれたから、こういう結果が残せたんだと思う。レース終盤はけっこうペースが上げられたので、なんとかNo.39 デンソーサードスープラGTをパスできた。でも、ピットストップのときは驚いたよ。自分の腰の位置あたりに火がついたのがコクピットから見えたからね。うまくクルーが消し止めてくれてホントによかった」
No.39 デンソーサードスープラGT(GT500:3位)
ジェレミー・デュフォア「クルマのバランスもよかったし、タイヤもよかった。だけど、序盤はパッシングしづらいのでペースを保っていた。みんなタイヤをスライドさせて段々タイヤがタレてくるから、ボクはタイヤをセーブして、パッシングのチャンスをうかがっていたんだ。15周を過ぎたところからはポジションも上げていけたし、今日はいいレースができたと思うよ」
織戸 学「ボクがコースに出て行ったときのポジションとかはあまりわからなかったんだけど、とにかくいけっていう感じだった。前半、ジェレミーのタイムを見ていて、あまり最初からプッシュするとタイヤのグリップが落ちてきてしまうと思ったので、1分30秒前後のペースでずっと走り続けたほうがいいだろうなと思い、そのペースを守って走っていたよ。終盤、後ろからNSX(No.18)が来て抜かれたんだけど、ボクを抜いた後にペースがよくないみたいだったので、もっと抑えておけばよかった。それからau(No.1)のラップタイムを見て、向こうも全開でプッシュしてきているのがわかったし、最後の2〜3周で追いついて来るのはわかっていた。そのときはなんとか抑えきりたいと思ってプッシュした。タイヤはよかったけどセッティングを少し失敗したのでクルマのバランスはちょっと問題があったね。だけど、チームもタイヤメーカーもすごくいい仕事をしてくれたと思うし、表彰台に乗れてよかった。ほんとうに感謝している」
No.24 EndlessタイサンアドバンGT3R(GT300:2位)
福山英朗「ストレートはダイシン(No.81)よりもウチが速かった。でもコーナーはこっちが遅いんで、ちょっと抑えさせてもらいました。順位としてはいいけれど、シーズンを通してタイトルを考えると去年よりむずかしくなるだろうね。アペックス(No.31)は強いよね。セッティングに関しても細かい部分をもうちょっとやらなくちゃいけないね」
木下みつひろ「福山さんからバトンタッチを受けたときには前との差があったので、なんとかプッシュして詰めるつもりだったですけど、ピットアウトしてすぐにシートがガンと後ろに下がってしまって。爪先でアクセルとかブレーキを踏んでいたんですけど、アクセルを全開にするのがやっとという状態で、足がつりそうになりました。それ以上に、もう少しボク自身もポルシェに慣れないとダメですね。前回富士のテストで乗り始めて、方向性もみえましたし、少しは慣れてきたんですが。でも、初めてのチームのパッケージで、最初はドキドキしていたんですが、スタッフみんながうまくまとめてくれましたし、前半福山さんががんばってくれて、楽なレースをさせてもらったと思います」
No.81 ダイシンADVANシルビア(GT300:3位)
大八木信行「冬にはテストで走りましたが合同テストには出られなくて、オフが苦しい中で開幕を迎えて、3位表彰台はシーズンを考えると明るい材料ですね。2戦目は得意な富士ですから、ダイシンの速さを見せたい。クルマのほうも、もうちょっと詰めて富士を迎えたいです。幸先のいいシーズンのスタートになりましたね」
優勝者インタビュー
No.64 Mobil 1 NSX(GT500:優勝)
ラルフ・ファーマン「トップでのフィニッシュというのはやっぱり格別だね。全セッションでトップがとれてイージーなレースにみえたかもしれないけど、次のレースはハンディウエイトが課せられるからたいへんそうだ。ソフトコンパウンドのタイヤでスタートしたわけだけれど、路面温度も高くなっていたので、周回するにつれてどう変化するか気になっていたんだ。けれど、スタートから交代するまで、すごくコンスタントだったんで驚いた。もっとマシンバランスが変化するだろうと思っていたんだ。スタートから逃げられたし、ラップされるマシンもけっこうミラーをチェックして気をつけてくれていたので、抜いていくのも楽だった。とにかくうれしいね」
松田次生「ボクはハード目の中古タイヤを履いて出たんです。周りがどんなタイヤを選んでいたかはわからなかったんですが、ラルフがマージンを稼いでくれたので状況を見て。守りの作戦ですね。ギャップもあまり詰められなかったし、トップを守れてよかった。(去年)もてぎで勝ってるんで(通算)2勝目。ほんとうにホッとしました」
No.31 ARTAアペックスMR-S(GT300:優勝)
新田守男「レースではほんとうにバクダンを抱えていました。実は予選が終わったあとミッションケースにクラックが入っているのがみつかったんです。メカニックがとりあえず修復はしてくれたんですけど、完全に直すことはできないので、壊れたらどうしようって。スタートしてからレース序盤は、とにかく24番(EndlessタイサンアドバンGT3R)にだけは前にいかれないように気をつけました。前にいかれたら向こうのほうがストレートが速くて抜けないですから。その一方で、タイヤのライフが(どの程度保つのか)みえなかったので、ストレートの手前からストレートにかけてだけはプッシュしました。亜久里さんからもブッちぎりにはいくなといわれていましたし、24番の遅いところもチェックしながらあわせて走っていました。ほかのマシンのタイムを無線で聞きながら走っていましたが、結果としてタイヤのタレは他メーカーのほうが少し大きかったみたいですね。ボクが走っている間の情報は真一に全部伝えてありましたし、ペース配分などもいってありましたが、真一はそのとおりに走ってくれた。それ以外に怖かったのはもらい事故とか、オイルに乗ったりすること。そのなかでもいちばん気にしたのは駆動系。ボクも走っているときはものすごく丁寧にシフトしていましたよ。今回は勝てたのもよかったけど、とにかくいちばんよかったのはレースを走りきれたこと。これでデータも採れましたし、方向性もわかると思います。タイヤの開発にも役立つと思います」
高木真一「新田さんががんばってくれて30秒ぐらいマージンがあったから、すべてスムーズにいたわりながら走れました。路温が高くて今までにないオーバーアンダーのフィーリングを感じたところはあったけれど、幸い後ろとの差があったので、ムリせずにいけました。アウトラップでGT300のかたまりに出くわして、それを抜くのがたいへんでちょっと損したけれど、そのあとは順調でした。ここ(TI)でV2なんですよね。相性いいのかな? まあ、テストからがんばった成果が結果として残せた。どこのチームよりもシーズンオフに走り込んでいますから。次は優勝といわず手堅いレースがしたい」
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