2003 AUTOBACS JGTC INSIDE REPORT NETWORK EDITION
Round6 MOTEGI GT CHAMPION RACE 2003.9.14 Race Day

Free Practice - フリー走行

No.39 デンソーサードスープラGT、フリー走行トップタイムをマーク

ドミニク・シュワガー「(トップタイムをマークできて)ビックリしてます。というのも中古タイヤ、フルタンク状態のマシンでマークしたタイムだったので。昨日から今朝にかけてクルマのセットを大きく変えたわけでもないのに、クルマのフィーリングは昨日とまったく違うものでした。だからこそ(予選1回目のタイムで)予選10位というのはとても悔やまれます。もしバランスがよければ予選でもトップ3はねらえたはずですから。決勝はポジティブな思いをもっているけれど、やっぱり午後からのコンディションは心配です。できれば昨日みたいな状態にはなってほしくないですね(笑)」

No.31 RECKLESS MR-S、フリー走行でクラストップタイム

佐々木孝太「金曜日からクルマがすごくシビアだったんです。とくに大きく変えたものはなかったんですけど、すごく乗りづらかった。ダンパーとクルマのマッチングがよくなかったみたいですね。それで昨日はダンパーを直したんですけど、状況はあまり改善されませんでした。その他の部分も細かく見直していったら、今朝は普通になりました。これで安心してレースを戦えるので、ホッとしました。夜中の3時ぐらいまでかかって全部見直してくれたメカニックの人たちに感謝です。決勝では、予選7番手からのスタートになりますが、とにかくポジションキープをして後藤選手に渡したい。ピット作業でうまくポジションを上げられればいいなと思っています。26号車よりも前で、5位に入るのがベストだと思っています」

No.76イエローコーンマクラーレンGTR、フリー走行で2番手タイムをマーク

田嶋栄一「予選1回目が終わってからエンジンを載せかえたんだけど、ちょっとトラブルが出てしまって2回目は走れなかったんだ。それでニュータイヤが1セット残っていたんだよ。だから朝のフリー走行では、ニュータイヤで出ていった。そのぶんタイムが出たんだと思う。とくにプッシュはしてないけど、皆が中古(タイヤ)で走っているなかでウチは新品だったからね。決勝でも、はじめは(1分)48秒台ぐらいのラップで走れると思う。今回は予選で少しでも前にいきたくて、前半用にはソフトタイヤを選んでるから、早目にドライバー交代することになると思うけど、少しでも前にいけるようにがんばるよ」
清水 剛「ちょうどマクラーレンのシートが空いているらしいという話を聞いて一ッ山さんに連絡をしたんですが、8月のテストで乗せていただいて、今回レースにも出場できることになりました。いままでボクはGT300クラスのマシンしか乗ったことがありませんでしたが、GT500のマシンは剛性が高いし、そういう意味では乗りやすいですね。朝の走行で満タンのフィーリングもつかめたので、なんとかポイントを取れればいいと思います」

決勝に向け自信をのぞかせるNo.35プロジェクトμエスペリアスープラ

服部尚貴「レースセットは悪くないね。今日はねらっていたとおりのコンディションだし、ラップタイムの落ちも少ないと思う。まぁ見ててくださいよっていう感じ。予選はあんまりよくなくて11番手スタートだけど、あせらずに上がっていきたい。他のマシンもストレートスピードが高いし、抜くのはむずかしいけど、ブレーキで攻めていけば抜くことはできると思う。今日の目標? もちろん優勝をねらってるよ(笑)」

ポイントリーダー、No.26 PLUS eタイサンアドバンGT3Rはフリー走行3番手

山路慎一「No.31はしつこいなー。ポイント争いでも気になる存在だし、若いドライバーだけど毎戦力をつけてきてるね。(自身のタイムは)満タンで走り出して序盤に出たタイムで、タイヤは予選アタックでまあまあ使ったヤツがあったんでそれでいきました。決勝は暑くなるでしょうね。速く走るのは計算ができるけど、レースをミスなく戦う組み立てがむずかしい。コンスタントにいって、あわよくば表彰台をねらいたいです。残り3戦で勝つのはホントにむずかしいから、(シリーズタイトルのためには)ポイントを落とさずに取ることですね」

No.11 JIM RodeoDriveアドバンF360、トラブルは解消しきれず

井倉淳一監督「(予選でトラブルが出たあと)換えられるものはすべて換えたんですが、(フリー走行で)4番手のタイムが出たときもガス欠症状が出ていました。鈴鹿1000kmで炎上してカーボン系はすべてダメになって、それから3週間でクルマを仕上げたんですが、そのあたりに原因があるのかどうか、それも不明なんです。今回のレースは、申しわけないけれどドライバーにがんばってもらうしかないですね…。クルマは帰ってすぐにチェックして、オートポリスに向けて直します」

No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7、走行開始直後にトラブル発生

雨宮勇美監督「フリー走行が始まってコースインした周に、リアハブがトラブってガタが出ちゃったようです。1周走ったあとマシンをピットに戻して直しました。もう大丈夫ですよ。ここ2戦とも完走できていないので、今回はなんとか完走したいと思っています」


Final - 決勝

■決勝スタート直前情報(13時30分現在)

天候:晴れ  路面状況:ドライ  気温:34度  路面温度:47度
入場者:決勝日(14日)4万5000人 予選日(13日)1万4000人

ピットスタート

No.17 Kosei SPIRIT MR-S(ギアトラブル)
No.24 EndlessタイサンADVAN GT3R(吸気系トラブル)
No.70 外車の外国屋ダンロップポルシェ(アクセルワイヤトラブル)

■リタイア(JGTCインサイドレポート班調べ)

No.原 因周回数
11燃料系9L
76ラジエター破損11L
77クラッチ22L
9スターター26L
64クラッチ31L
62ミッション31L
5ミッション32L
26ステアリング36L
55オルタネーター37L
88出火44L
24シフトリンケージ47L


No.36 WOODONEトムススープラ、2位に終わる

土屋武士「レースではNo.16のほうが速かったからね。前半のボクのパートを見たら、No.16のほうが速いっていうことがわかったから。まぁ精一杯レースをしました。でも、ピットストップのところでちょっとロスしちゃった。ホイールナットが落ちたみたい。なので、100点(満点)にならなかったね。勝てるチャンスがあっただけにくやしいけど、素直にNo.16を祝福したいです。オートポリスでは(ウェイトハンディは)何kgになるんだろ? ベストラップが心配だなぁ」
エリック・コマス「レースの前から16番がくるということがわかってたネ。だからポールポジションからスタートできたことはよかったけど、すぐに16番がきて、7秒あったギャップが1秒にまで縮まった。ちょっとピットで時間がかかってしまったし、そのあともかなりハードワークでプッシュしたけど、いっぱいいっぱいだったね」

No.25 ADVANスープラ、今季初表彰台

荒 聖治「今日はすごくいいレースができた。スタートはあまり有利なところからじゃなかったけど、すべてがうまくいったから3位になれたんだと思います。気温がすごく高くなって、水温もタイヤもきびしかったですね。そういうなかで最後まで走れたし、初表彰台はうれしい。残りのレースは少なくなってきましたが、まだチャンスはあると思うので、表彰台の真ん中を目指してがんばります」
ジェレミー・デュフォア「荒が前半いい仕事をしてくれたと思う。ピット作業も早くて、5位でコースに戻れたのはよかったし、うまくNo.100 RAYBRIG NSXをパスすることもできた。最後はプッシュされて辛かったけど、3位になれてよかったよ」

No.1 エッソウルトラフロースープラ、希望どおりの4位入賞

脇阪寿一「ここでウェイトを積むわけにはいかないから、そんなに速く走ってたわけじゃないのに、ベストラップを出しかけてちょっと驚いた。ま、それだけクルマがよかったってこと。今朝、水温を下げるセッティングにしたら、クルマが全然バラバラになっちゃってタイムも遅かったのに、最終的にはチームがクルマを仕上げたし、エンジンももってくれた。(レースでは)運もこっちに回ってきたかなっていう感じかな。(レース展開に)ハラハラドキドキはしたけど、いいレースやった」
飯田 章「終わってみればラクなレースだったって感じかな。ボクのパートはハードでしたけど。今日は暑かったし、クルマは前半キツかったからね。後半になってこれほど気温が下がるとは思わなかった。クルマを大事に、大事に、っていう気持ちで走りました」

No.100 RAYBRIG NSX、タイヤ2本交換作戦が功を奏し5位入賞

加藤寛規「スタートしてすぐに最終コーナーでタイヤカスを拾ってしまい、14位まで落ちてしまいました。タイヤはソフトを選んでいたんで、(後半は)リアをミディアムに換える作戦を立てて朝からセットを進めていました。リスクはありますが、お互いにドライバーとして信頼していますし、不安はそんなになかったです。それにしても7位で渡せてよかったです」
光貞秀俊「前半はラッキーもあって、前が接触して飛んでいったりして順位が上がってきたんで、どこまでいけるかと…。今回は予選の後にいろいろ作戦を考えて、リア2本交換をやろうということになり、どうやったら可能かと監督、エンジニア、加藤さんと相談したんです。ピットストップで7秒短縮し、思惑どおりかなりの台数を抜いてコースに帰れましたが、リアだけニュータイヤなのでバランスが悪く、アンダーステアがひどくてNo.25にパスされ、No.1にも抜かれて、No.35が来たあたりでようやくクルマがギリギリでもちこたえられる格好になりました。やっとまともなポイントがとれてうれしい。今年は、NSXもわれわれのチームも苦しんでましたからね」

No.43 ARTA Garaiya、粘りの走りで2位入賞

新田守男「全体にセリカのほうが燃費がいいみたいで、ピット作業が早かったぶん逆転されましたが、前半あそこまでトップを守れてよかった。ウチはやっぱりパワーがないぶん、タイヤがグリップダウンしてくるとピックアップにも響くし、ストレートスピードにも響くからね。抜かれたのは、シフトが熱を持ってきて入りづらくなってミスしちゃったときだね。でも、結果として2位は上デキだったね」
高木真一「苦しかった〜。いっぱいいっぱい。ブレーキがヒートアップしちゃったんじゃないかと思うんだけど、全然止まらなくて、何度も飛び出しそうになったし、ペースアップするのはむずかしかった。もう少しイケるかと思ってたんですけどね。だけど、最後は2位になれてよかった」

No.3 ハセミスポーツ・エンドレス・Z、予選5番手から3位表彰台へ

柳田真孝「いやぁ、まさか表彰台に上がれるとは思ってなかったので、スゴくウレシイですね。まぁ最後はちょっとラッキーなところもあったんですが、今週ずーっとスタッフみんながガンバってくれたんで、よかったと思います」
木下みつひろ「ピット作業も早かったようです。ボクをコースへ送り出してくれたあと、後続とのタイム差を(無線で)聞いたら、10何秒あったみたいなんです。ボクとしてもすごくラクでした。とはいえ、Zはダウンフォースが少ないぶんタイヤが摩耗しはじめるとラップタイムの落ち込みが激しい。そのぶん大事に運んでいかないときびしい展開になるなぁって思いながら走りました。とにかくクルマをいたわりつつ、最後まで走ることに専念しました」

No.81 ダイシンADVANシルビア、予選13番手から4位入賞

星野一樹「序盤は、いつもヘタなことはしないようにしていて、それがポジションアップにつながってます。前のほうの集団はやりあっていて、その最後尾についたので、いつもどおりムリはせずタイヤを温存しようという作戦にしました。全体としていいレースでした。ルーティーンをきっちりやることのできるチームだし、クルマも問題はなく完璧でしたよ。ここが踏ん張りどころの大事なレースでしたから、(ランキングでも)踏みとどまれてよかった」
植松忠雄「7位ぐらいのポジションで渡してもらって、そのうち目の前にNo.3が見えてきて、大八木オーナーも来ているし、燃えましたね。どんどん追いついていったけれど、タイヤを使ってしまったのでオーバーステアがきつくなって(追いつけなかった)。もうちょっとがんばればよかったかなと思っています。チャンピオン争いに加われてますから、あと2戦、大事にいってチャンピオンをねらう気持ちでいきます。ここまで全戦ポイントとってるのはウチだけですから」

No.31 RECKLESS MR-S、6位入賞でシリーズポイントトップに

佐々木孝太「最後に後藤さんが34号車の西澤さんを抜いたところでスピンしちゃったので6位になってしまいましたが、ポイントリーダーになれたのはよかったです。前半ボクが乗っているときはペースが上がらなかった。予選までがてんやわんやでロングランをできていなかったので、先がどうなるか全然見えていなかったんです。だから、とにかく最後まで持たせようと思っていました。スティントの最後もペースを上げようと思ったんですけど、ダメでしたね。でも、ピット作業も早かったし、後半の後藤さんもすごく速かったので助けられました。このあとも確実にいって最後に笑いたい。次のオートポリスはチームにとって本拠地ですし、最終戦の鈴鹿はボクの地元なので、どちらもがんばらないと。いままで以上に気合いが入っているんですよ」

No.22 モチュールピットワークGT-RNo.23 ザナヴィ ニスモ GT-R、終盤にストップ

柿元邦彦監督「もてぎはキーとなるレースだと思っていたので、2台ともリタイアしてしまったのは残念です。22号車はクラッチかミッションかわからないですがパワートレイン系のトラブルです。ドライバーは、ブレーキの振動かと思っていたみたいですが…。23号車は暑さと重量のせいでタイヤにきびしく、ペースが上がりませんでした。最後にストップしたのはガス欠症状が出たからです。燃料消費計では問題なかったですし、無線で燃費をチェックしていても十分持つ予定だったんですが、メーターがおかしかったのか、ほんとうに燃料が入っていなかったのか、燃料ポンプの問題かはわかりませんが、止まってしまったのは残念です。次のオートポリスは1号車と同じウェイトで4ポイント差。おもしろいレースになると思いますが、ウチが前でゴールしたい。(チャンピオン)争いはやっぱり最終戦までもつれ込むでしょうね。今回スープラの前でゴールできていれば、オートポリスでタイトルを決められたかもしれなかったですけど、これもレースですね」

No.35 プロジェクトμエスペリアスープラ、緊急ピットインで入賞を逃す

平岡寿道監督「電気代を払ってなくて止められてしまいました(笑)。まだハッキリはわからないけどオルタネーター系のトラブルだと思います。残り15周からいろいろなものが作動しなくなり、最後はバッテリーを放電しつくしてしまったんです。せっかくいいレースをしていたので残念でしたね」

No.64 Mobil1 NSX、マシントラブルで戦線離脱

松田次生「オレが長いこと半クラ使ったわけじゃないんだけど、ピットアウトしたらもうクラッチがなかった、ってことです。もう内部が壊れちゃってるんで、出られないですよね。きびしいレースになってしまいました」

No.18 TAKATA童夢NSXは序盤にマシン損傷

セバスチャン・フィリップ「フォーメーションラップのときにオートバックスカー(No.8)にヒットされたんだよ。それでリアを傷めてしまい、数ラップ後にピットインすることになった。今日のレースでは5、6番手をねらっていけると思っていただけに残念だよ。ホントにくやしい」

No.88 ノマドディアブロJGT-1はオイル漏れから出火

山西康司「ボクが乗っているときからミッションが入らない症状が出ていました。(レース距離の)70パーセント走れれば(完走扱いになる)ということで、(自分自身は)規定周回数をこなして早めのピットインという作戦でした。ソフトのタイヤを選んでいたので最初からグニャグニャでした」

No.26 PLUS eタイサンアドバンGT3R、無念のノーポイント

山路慎一「スタートは久々にミスしてしまいました。西澤さんにかわったあと、au(No.38)にぶつかってパワステが壊れちゃったみたい。最後にファーステストラップねらいでユニット交換して出てみたけどダメでした。GT300のチャンピオン争いは肉迫してきましたね。今回、ボクらが順調にいけば引き離せてたと思うんですけれど。ガチンコ勝負ですから、こうなったら(この先のレースでは)違う作戦を考えて勝負をかけようかと思っています」

No.77 クスコスバルADVANインプレッサ、トラブルでリタイア

小林且雄「ペースが落ちる前ぐらいから変な振動が出ていたのでスピードを落としたんだけど、もうクラッチペダルを踏んでもスカスカだったので、クルマを止めた。症状としてはクラッチがバラバラになったんだと思います。今回はクルマもよかったんですが…。次のオートポリスも同じようにいいところにいけると思うので、がんばります」


Winner - 優勝者

GT500クラス No.16 G'ZOX-NSX

伊藤大輔「前回TAKATA(No.18)が勝っているし、ここはホンダのサーキットということでプレシャーはありましたが、無事に勝ててホッとしました。開幕したときの状況を振り返ると、このまま終わってしまうのかという不安感がありました。でも、ホンダも各チームもガンバって、マシン自体はもう突き詰めてますからいまさらすごいタマがあるってものではないんですけど、ほんとうに細かいことをテストしてやってきた結果がこの連勝につながったと思います。
 今回は、まず予選で一番前に並んでおくというのが最低条件と思っていました。(予選で)優勝がねらえる位置が獲れたと思っていたし、決勝用のセッティングはトムがいいセットを作ってくれて、自信がありました。だから、なるべく前を早く抜いてトムにバトンタッチしようと思ってました。なかなかGT-R(No.22)が抜けなかったんですが、向こうはアンダーステアが出てたのでプッシュしていったら結果的には抜けました。でも、GT-Rと争っているあいだにトムス(No.36)に逃げられてしまいました。もうちょっと早く(No.36のタイヤが消耗して、タイムが)落ちてくるかと思ったんですが、逃げられてタイヤをセーブされたかな。
 なんとかピットに入る前に追いついて、ボクらのタイヤはまだ余裕があったんですけど、ペースの落ちたクルマ(No.36)に引っかかるより(ピットに)早く入ろうという判断を(チームが)したと思います。そこでトムがいいアウトラップをしたのでトムスの前に入れました。GTレースにはインラップ、アウトラップ、そしてピット作業の時間が大事だと再認識して、過去数戦のデータを調べ上げて、ドライバーもピットも短縮するための細かいことを考えてきました。そういう意味ではドライバーだけでなくチーム全体の勝利だと思います。
 ただ、軽い状態ではNSXも速くなってきましたが、今回、TAKATAがウエイトを積んで予選で低迷してしまいましたし、スープラもGT-Rもあれだけウエイト積んで前に来てますから、まだ差はあると思います。こういったところをチームやメーカーと一緒に詰めていきたいと思います」

トム・コロネル「ボクは1998年、99年とNSXに乗っていい思い出がありますし、また戻ってきてNSXで勝てたことは、とてもうれしいです。鈴鹿1000kmから、もてぎに来るまでにも十分に準備を整えられたと思います。コースのことを考えてもこのもてぎが勝負どころだと思っていました。
 レースウィークはクルマのセッティングもよくできたし、レースもわれわれがコントロールできたと思います。伊藤選手からクルマを渡されて、アウトラップはとにかくプッシュしました。無線でずっと怒鳴られていたんですが、(内容が)よくわからなくて、コマス(No.36)がどこにいるか聞いたら『すぐ後ろ!』って言われて、ミラーを見たらほんとうに真後ろにいて、思わずチームに『ありがとう』って言いましたよ(笑)。最後は少しペースを落としたんですが、トラブルではなくムリをせず安定したペースでいこうと思ったからです。そうしたら後続との差が2.5秒くらいに近づいたので、これはワンミスで抜かれれると、4秒差くらいに離しました。あとは3、4秒差にコントロールしていきました。途中で2台(No.37、No.38)に抜かれたんですが、それは周回遅れとわかってましたから心配せずに走っていました」

GT300クラス No.71 シグマDUNLOPセリカ

澤 圭太「富士は速かったのにああいう結果(他車に接触されてリタイア)になったんですが、鈴鹿1000kmを勝って、GTの残り3戦もがんばろうと自分もチームもそう思ったんです。だけど、もてぎの直前にチームのなかでいろいろなことがあって、自分を取り巻く環境もザワついていたんです。もう自分はクビの皮一枚だってくらい(の気持ち)でもてぎに来ました。シグマテックはメンテナンスのセルモさんの力もあって速いチームなんですが、結果が残らないと言われていました。それにはドライバーの責任もあるので、ちゃんとチェッカーを受けないといけないと感じていました。
 ドライバーのラインナップも変わり龍也と組むことになって、今回はポールトゥウィンが至上命令でした。金曜はベストタイムを出していながら(予選で)ポールが獲れなかったのはとてもくやしかったけれど、それは昨日の夜で終わらせて(気持ちを切り替え)今日に挑みました。
 今朝はセットを変えて、同じフィーリングでタイヤの保つセットを見つけられたので、あとはドライバー2人がミスしなければ勝てると思いました。気温もタイヤにはちょうど良い温度域でした。レースは(前半を担当した)龍也ががんばってくれました。(その後は)予定どおり(自分が)出て最初の10周を思いきりプッシュしたら10秒のマージンができ、あとはGT500とあたらないように、リアタイヤを壊しすぎないよう走りました。でも、残り10周くらいでクールスーツの効きが悪くなったりドリンクが出なくなったりで正直ちょっとあせってしまい、リアタイヤを消耗させたり遅いポルシェに引っかかったりしてマージンが削られてしまいました。あと、思いのほか(No.19の)実さんも速くて…。最後の90度コーナーでは自分も実さんもギリギリだったというか、2人ともに後先考えずにブレーキングして、自分ももう止まれないと思ったので、あとはスピンしないでダートから戻ろうということだけに集中していきました。(No.19と)当たって(接触して)はいません。ミラーでみたら実さんが止まっているのが見えて、内心ラッキー、と。あと2周はクルマに砂も入っているし、とにかくゴールしようと慎重にいきました。ゴール後は、はしゃぎすぎちゃって、クルマの屋根に乗ったらへこんでしまって、あとで怒られちゃうかも(笑)。
 この結果は結果でよろこんでますが、内容には全然納得してない。ボクはスカラシップがあるわけでもないし、明日から次の(レースの)ために100%努力していかないと、このポジションも守れないですから。今日、(同じセリカの)19号車もウエイトを積んでも速かったですから、この後もちゃんとセットアップをすれば問題ないと思います。強いシグマテックをアピールできるよう、オートポリスも表彰台をねらって、チームランキング上位にいけるようがんばります」

片岡龍也「ボクは1000kmからシグマテックのセリカに乗せていただいて、そこで勝てましたし、セリカはいいクルマだとわかっていました。あとは、鈴鹿から抱えていた課題として、タイヤを摩耗させてしまうということがありました。一発の速さはシェイクダウンの時からわかっていましたし、タイヤを保たせる方法だけを考えてきました。
 予選ではまだそのセッティングはできていなかったんですが、澤さんが予選でガンバってくれて2位を取れたんです。そのあとチームとミーティングして若干セットを変更したんです。それがいいところにハマって、朝にウォームアップに確認したときには、勝てちゃうんじゃないかなと思ったりしました(笑)。
 スタートドライバーを任せてももらったんですが、ちょっと力が入り過ぎちゃって3コーナーでガライヤ(No.43)に追突しそうになって、ブレーキをロックさせて(ダートに)脱輪させたすきに4番手に落ちてしまった。その後はできるだけのペースで走っていくことだけ考えました。そうしたらなんとか(トップのガライヤを)捕まえることができたんですが、ボクはまだデビュー戦なもんで新田さんの巧さに抑え込まれてしまったんです。でも、なんとか抜くことができて、1番で澤選手にクルマを渡せることができました。
 自分のデビュー戦としてはいいレースだったと思います。今回GT選手権へのチャンスを与えてくれた皆さんに感謝しています。JGTCはGT500に抜かれるのがハードな仕事ですね。今回はバックモニターが導入されたので、かなり後ろがよく見えて誰が来ているかわかりましたから、手前からスピードを落としておいて、こっちにとっても問題にならないところで抜いてもらうことができました。オートポリスは2人とも初めてだし、ウエイトもあるので大変かもしれませんが、セリカは基本ポテンシャルはあるので、レースウィークの組み立てさえまちがえなければ、また今回と同じような結果が残せると思います」



Qualify Day Report | Race Day Report



BACK HOME
JGTC.net

Copyright 2003 JGTC.net All Rights Reserved. http://www.jgtc.net
mail : info@jgtc.net