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2006 AUTOBACS SUPER GT Round1
SUZUKA GT 300km
2006-03-18, 19 / Suzuka Circuit

Race

2006-03-19

■第1戦
■決___2006-03-19

□入場者数 : 30,500 人
□フリー走行
■決勝レース
09:30 - 10:00
14:30 Start
[52Laps / 301.964km]
course ■鈴鹿サーキット
_5.807km

レクサスSC430がデビューウイン!
No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430が見事な逆転勝利
Z、NSXも決して劣らず。今季も厳しいシーズンを予感させる

3月19日、鈴鹿サーキット(三重県)で2006 オートバックス SUPER GT第1戦「SUZUKA GT 300km」の決勝レースが行われた。GT500は予選5位からNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)が逆転で優勝。今季、新登場のレクサスSC430にとってのデビュー戦を勝利で飾った。GT300はすばらしい速さを披露したNo.88 アクティオ ムルシエRG-1が初勝利を飾った。

GT500クラス

 決勝スタートは14時30分。上空は晴れてはいるものの、朝から吹き付けていた風がさらに強まり、流れる雲から時おり雪混じりの雨粒が落ちてくる。波乱のレースを予感させるような天候の下でフォーメーションラップが始まった。なお、GT300クラス予選6番手だったNo.2 Privee Zurich・アップル・紫電はダミーグリッドにつく前にエンジンがかからずピットスタートとなった。

 スタート直後の1コーナーではNo.12 カルソニックインパルZ(星野一樹)がコースアウト。クラス最後尾までポジションを落とす。予選2番手だったNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)は130Rでラインを乱して順位を下げ、No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)は逆に順位を上げて戻ってくる。1周を終えて戻ってきたときの順位はポールスタートのNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)を先頭に、No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)、No.23 XANAVI NISMO Z(本山哲)、No.1 ZENTセルモSC(立川祐路)、No.22 MOTUL AUTECH Z(山本左近)の順。2周目の1コーナーではNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)がコースを大きくはみ出してしまう。この間、トップのNo.8と2番手No.36の差は少しずつ詰まり、テールトゥノーズの状態に。
 8周目、4番手だったNo.23が周回遅れに引っかかるタイミングが悪く、No.1とNo.22の2台にかわされてしまう。17周目のヘアピンではNo.18がラインを乱し、No.1が急接近。その先のコーナーでNo.1がこれをかわして3番手に。No.18はさらにその後方のNo.22にも迫られ、20周目にはストレートで先行を許す。20周を終えた時点でのトップ5はNo.8、No.36、No.1、No.22、No.18の順。いったん順位を下げていたNo.23もペースを回復。No.18の背後に迫り始める。  21周を終えたところで、GT500クラスのトップを切ってピットに戻ってきたのがNo.6 Mobil 1 SCの飯田章。片岡龍也に交代してレースに戻る。その間、トップを争うNo.8とNo.36の2台はスプーンに達し、アウトからNo.36がパス。ついにトップが交代する。No.8は次の周にNo.1にもかわされるとすぐにピットイン。つづいてピットに戻ろうとしたNo.22はなんとピットロードに入ったところでスピン。大きくタイムロスしてしまう。

 トップのNo.36と2番手のNo.1は24周を終えて同時にピットイン。No.36は脇阪寿一に交代してスムーズに出ていくが、ピット作業で数秒差をつけられたNo.1は焦りがあったのか高木虎之介が1コーナーをオーバーラン。ポジションを大きく落とす。  上位陣のピットがすべて終わったところでのトップ3はNo.36(脇阪)、No.8(伊藤大輔)、No.23(松田次生)の順。No.36の背後にじわじわとNo.8が迫り、少し間隔をおいてNo.23がつづく展開となる。No.36とNo.8の攻防はそれから7〜8周にわたってつづいたが、このバトルの間にNo.23は少しずつ差を詰めていった。  42周目のシケイン、ブレーキングを思いきり遅らせたNo.23(松田)がNo.8(伊藤)のインをずばりと攻略。やや強引ではあったが、接触もなく、みごとなパッシングだった。これでNo.23が2番手にアップ。今度はトップで逃げるNo.36を追いはじめる。

 残りは10周。周回遅れに出会うタイミングで2台の差は開いたり詰まったりするが、No.36(脇阪)もなかなか隙を見せない。一時は0.3秒差に接近するものの、残り2周ではまた1.5秒差まで開くと、そのまま最後まで逃げ切ってみせた。  52周を終えてチェッカー。No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)が優勝。2位は猛追があと一歩及ばなかったNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生)。3位にはNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン)が入り、SC430、フェアレディZ、NSXの3車種が1台ずつ表彰台を占める結果となった。



GT300クラス

記念すべき日。ムルシエラゴがGT初勝利!
No.88 アクティオ ムルシェRG-1が快走で優勝
雨宮アスパラドリンクRX7が2位。山野が3チーム目の3連覇に第一歩

 GT300クラスはクラスポールのNo.46 吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太)が序盤から少しずつポジションを落とし、かわってNo.87 トライク ムルシェRG-1(山西康司)とNo.88 アクティオ ムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ)のランボルギーニ2台が1−2体制を築く。その後方ではNo.13 エンドレスアドバンCCI Z(影山正美)とNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(井入宏之)が3位争いを繰り広げるが、No.13は藤井誠暢に交代して出ていったところでコースアウト。トップ2台はNo.87が先、No.88が1周あとにピットに戻るが、No.87はWADA-Qに交代して出ていこうとしたとき隣のピットのマシンが戻ってきてしまい、タイムロス。ロスなく作業を終えたNo.88(桧井保孝)がトップ、No.87が2位の順となる。
 このまま1−2フィニッシュを果たすかと思われたが、残り1周、No.87にガス欠症状が出て緊急ピットイン。簡単なチェックだけ済ませてピットアウトするが、けっきょく症状は改善せず、チェッカーを受けることができなかった。これでNo.7(山野哲也)が2位、3位には序盤から4〜5位をキープしていたNo.110 TOTALBENEFIT GREENTEC BOXSTER(松田秀士/菅一乗)が上がる。

 優勝はNo.88 アクティオ ムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ/桧井保孝)。2位は、昨年のチャンピオン、山野哲也が移籍したNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也/井入宏之)。山野は違うチームで昨年、一昨年とGT300を連覇。今年もチャンピオン請負人として新チームで挑むことになる。3位はNo.110 TOTALBENEFIT GREENTEC BOXSTER(松田秀士/菅一乗)。4位にはNo.19 ウェッズスポーツセリカ(松田晃司/脇阪薫一)が入り、最終ラップでストップしてしまったNo.87 トライクムルシェRG-1(山西康司/WADA-Q)は5位にランクされた。JLOCはJGTC発足の1994年以来参戦を続けての初優勝。車両としてのムルシェラゴの優勝は世界初となる。