2006-04-06
■合同テスト
開幕戦から3週間のインターバルを経て、今週末、岡山国際サーキットで2006 オートバックスSUPER GTは第2戦を迎える。そのレースに先立ち、4月6日、同サーキットで公式テストが行なわれた。セッションは午前・午後の2回。1回目は午前9時半から11時半。2回目は午後2時半から4時半というスケジュールが組まれていた。
この日の岡山北部地方は、晴れのち曇り。朝夕こそ冷え込むものの、日中は暖かな好天に恵まれた。1回目のセッションが始まると、多くのマシンがコースに出る。木曜・金曜の2日間の走行で、本番の予選・決勝に使用するタイヤを決定しなければならないため、一発のタイムを出すだけではなく、各チームともある程度レースを見越してのロングランもしなければならない。また、2月末のテスト時とはコンディションも大幅に違うため、マシンセッティングも進めなければならなかった。 そんな中、セッション序盤に1分24秒989という好タイムをマークし、その時点でクラス3番手につけていたNo.3 イエローハットYMS トミカ Z(横溝直輝/J.P.D.オリベイラ組)が、わずか8周した所でガレージの中に入れられてしまう。エンジンにトラブルが発生し、交換を余儀なくされたためだ。この時、ステアリングを握っていた横溝直輝によると、「普通にピットインしてきて、次に出て行こうとしたらエンジンが掛からなかった」とのこと。日産陣営は、今日の走行後に封印を施された本番用エンジンへの積み替えを予定していたのだが、ハセミ・モータースポーツだけは、それを半日早く行なうことになった。また、今回開幕戦の借りを返すべく優勝を狙っているNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/R.ファーマン組)も、ファーマンがタイヤにフラットスポットを作ってしまったということで、他チームよりは周回数が少なく、28周するに留まっている。この1回目のセッションでトップを奪ったのは、No.100 RAYBRIG NSX(S.フィリップ/細川慎弥組)で、タイムは1分24秒852。以下、No.1 ZENTセルモSC(立川祐路/高木虎之介組)、No.22 MOTUL AUTECH Z(M.クルム/山本左近組)と続いた。
GT300クラスでは、今回1ランクアップの救済を受けているNo.27 direxiv ADVAN 320R(密山祥吾/谷口信輝組)が1分31秒055と昨年のポールタイム(1分31秒042)を記録してトップ。これに開幕戦で2位に入ったNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也/井入宏之組)が2番手につけた。GT300は22台が走行。明日からはポルシェ勢の4台が加わることになっているが、今日は搬入のみで走行はしなかった。
午後のセッションは、予定通り2時半から開始される。多くのチームは、ここで午前中以上に精力的な走り込みを行なった。だが、開始から30分余り経った午後3時04分に、赤旗が提示される。No.52 プロμ太陽石油KUMHOセリカに乗る嵯峨宏紀が最終コーナーでコースアウト、クラッシュしたためだ。このマシン回収が終了し、約10分後にセッションが開始されると、限られた時間を惜しむようにほぼ全車がコースイン。この頃から、自己ベストタイムを書き換えるマシンが次々と現れた。 その中で、トップタイムをマークしたのは、先週の富士テストでも好調ぶりを発揮していたNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)の道上。道上は午前中にRAYBRIG NSXがマークしたタイムをコンマ4秒ほど上回る1分24秒451までタイムを伸ばした。 その後、セッションが残り約30分という所では、今日2回目の赤旗が提示される。星野一樹がステアリングを握っていたNo.12 カルソニックインパルZが2コーナーでコースアウト、コンクリートウォールに衝突したためだ。このクラッシュで、カルソニックはフロント部分にダメージを追い、修復作業に入った。再開されたのは、やはり赤旗提示から約10分後。2回赤旗が出た影響で、セッションは10分間延長され、午後4時40分にチェッカーが出されている。 総合では午後のベストタイムでNo.18 TAKATA童夢NSXがトップ。No.1 ZENTセルモSCがSC430の中では1台だけ気を吐き、2番手。以下、No.3 イエローハットYMSトミカZ、No.100 RAYBRIG NSX、No.22 MOTUL AUTECH Z、カルソニックインパルZ(B.トレルイエ/星野一樹組)、No.8 ARTA NSX、No.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生組)、No.32 EPSON NSX(R.デュバル/武藤英紀組)と、トップ10のうち8台までをNSXとZが占めている。 GT500のトヨタ勢はすでに今日から本番用エンジンで走行していたが、Z勢とNSXはセッション終了とともに本番用エンジンへの換装を開始。ピットでは夜遅くまで作業が続けられていた。
GT300クラスは、No.11 JIM CENTER FERARRI DUNLOP(田中哲也/青木孝行組)が1分31秒476で午後のトップタイムとなる。だが、午前のNo.27 direxiv ADVAN 320R(このセッションは2番手)のタイムは更新することができなかった。また、昨年の岡山戦勝者のNo.13 エンドレスアドバンCCI Z(影山正美/藤井誠暢組)が1分32秒729で3番手となり、このコースとの相性の良さを感じさせた。