2006 AUTOBACS SUPER GT Round5
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■第5戦 |
■決__勝_2006-07-23 □入場者数 : 50,100 人 |
□フリー走行 ■決勝レース |
09:00 - 09:30 14:00 Start [81 Laps / 300.04474 km] |
■スポーツランドSUGO _3.704256km |
7月23日、スポーツランドSUGO(宮城県)で2006 オートバックス SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が行われた。GT500はNo.1 ZENTセルモSC(立川祐路/高木虎之介組)がポール・トゥ・ウイン。GT300はNo.46 吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太/番場琢組)が、史上稀な大接戦を制して優勝した。
決勝は14時にスタート。昼前から日が差し始めた上空は、決勝直前に再び雲に覆われたが、雨が落ちてくることはなかった。路面は、この週末で初めての完全なドライ。スタート直前の気温は23度、路面温度は30度まで上昇した。
直前にトラブルに見舞われたNo.25 ECLIPSE ADVANスープラ(織戸学)のほか、No.3 イエローハットYMSトミカZ(横溝直輝)、GT300クラスのNo.87 トライクジャパン ムルシェRG-1(山西康司)の3台がピットスタートとなった。
ポールポジションのNo.1 ZENTセルモSC(高木虎之介)以下、上位陣は予選順位のまま1周を終えて戻ってくる。No.1と、2番手のNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)はここから徐々に抜け出すが、3番手のNo.100 RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ)以下は大接近戦に。この中で、5周目の3コーナー立ち上がりでNo.12 カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ)アウト側にはらみ、つづくヘアピンコーナーでスピン。大きくポジションを落としてしまう。13周目にはNo.23 XANAVI NISMO Z(松田次生)が最終コーナーでNo.100をパスして3番手に上がる。No.23はその後、No.32の背後にじわじわと迫る。
34周目、No.32がGT300クラスのNo.7雨宮アスパラドリンクRX7に接触。間隙をついてNo.23が前に出、2番手に。その後、No.32にはこの接触についてドライブスルーペナルティが科される。次の周にはトップのNo.1がピットインし、高木から立川祐路に交代。No.23は37周を終えてピットに戻り、松田から本山哲に交代する。No.23の直前にはスロー走行でピットに戻った車両があり、若干のタイムロスを喫してしまうが、作業時間はNo.23のほうが短く、コースに復帰したときにはNo.23が前、No.1が後ろというかたちになった。
この後、No.23本山とNo.1立川は接近戦に。周回遅れに出会うタイミングによりその差は開いたり詰まったりするが、クリアラップが取れた周には互いにベストラップを更新しながらのバトルが、数十周にわたってつづく。
このバトルに決着がついたのは72周目の最終コーナー。周回遅れのGT300車両に詰まって加速のタイミングを失ったNo.23のインをNo.1が攻略。鮮やかに抜き去ると、その後はどんどんその差を開いていった。
81周を終えチェッカー。優勝はNo.1 ZENTセルモSC(立川祐路/高木虎之介)。今季、たび重なるトラブルのため思うように得点を重ねられなかったディフェンディングチャンピオンが、ようやくシーズン初勝利を挙げた。2位はNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生)。
3位はNo.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム>リチャード・ライアン)。予選5番手から一時6番手に順位を落とすが、ピット作業とインラップ、アウトラップが速かった。終盤はNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー>脇阪寿一)が食い下がるかに思われたが、No.22ライアンのペースが速く、No.36脇阪のお得意の逆転劇はならなかった。4位はNo.36。5位に入ったNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル>武藤英紀)は、序盤の接触によるペナルティがなければさらに上位に進出できたはずだったが、結果的にこれがNSX勢の最上位となった。ランキングトップのNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン>伊藤大輔)は8位。No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍>小暮卓史)は電気系トラブルにより長いピット作業を強いられ、規定周回数に届かなかったが、終盤、小暮がファステストラップを記録。貴重な3ポイントを獲得した。
GT300クラスは序盤から波乱が続いた。3周目の1コーナーにはクラスポールのNo.88アクティオ ムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ)以下、No.96 EBBRO BTEC MAZIORA 350R(黒澤琢弥)、No.46吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太)の上位3台が横に並んだまま進入するというエキサイティングなシーンが見られた。ここで前に出たのがNo.46。No.96は13周目に後、後方から追い上げてきたNo.11 JIM CENTER FERRARI DUNLOP(田中哲也)と接触してポジションを落とし、No.11にはペナルティが科される。さらにNo.88もその後ポジションダウン。また、予選6番手のNo.14 ハンコックエンドレスポルシェ(木下みつひろ)も5周目の1コーナーでスピン。イン側のダートでスタックしてしまい、リタイアに追い込まれる。これらを尻目にNo.46はトップを快走。2番手にはNo.13エンドレスアドバンCCI Z(影山正美)、3番手にNo.47 吉兆宝山DIREZZA Z(安田裕信)が上がり、一時はフェアレディZ勢がトップ3を占める。
ルーティンのピット作業が終わった後、No.46(佐々木>番場琢)のトップ、No.13(影山>藤井誠暢)の2番手は変わらず。3番手にはGT500車両に出会うタイミングが悪くペースを維持できなかったNo.47(安田>長島正興)に代わり、No.27 direxiv ADVAN 320R(谷口信輝>密山祥吾)が上がって来る。だが、これを上回るハイペースで追い上げてきたのがNo.2 Privee Zurich・アップル・紫電(高橋一穂>加藤寛規)。序盤には一時大きくポジションを落としていたが、加藤に交代後はどんどん回復。No.27をもパスして3番手に上がった。トップをいくNo.46と2番手No.13、そして3番手に上がったNo.2の3台は、終盤、No.46のペースが落ちたこともあって急接近。
最終ラップには3台がテール・トゥ・ノーズで連なるかたちになり、最終コーナーを立ち上がったところでは横に並ぶ。だが、No.46がかろうじてトップを守りきり、0.401秒差でNo.13が2位、さらに0.034秒差でNo.2が3位という順でチェッカーを受けた。その後方のNo.27とNo.2との差もわずか0.35秒で、トップから4位までのギャップが0.785秒という、史上まれに見る僅差でのゴールとなった。