2006 AUTOBACS SUPER GT Round6
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■第6戦 |
■決__勝_2006-08-20 □入場者数 : 35,000 人 |
□フリー走行 ■決勝レース |
09:00 - 09:30 13:00 Start [173 Laps / 1,004.611 km] |
■鈴鹿サーキット _5.807km |
8月20日、鈴鹿サーキット(三重県)で2006 オートバックス SUPER GT第6戦「35th International Pokka1000km」の決勝が行われた。GT500はNo.12 カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ/星野一樹/ジェレミー・デュフォア組)がポール・トゥ・ウインで今季初勝利。GT300もNo.52 プロμ太陽石油KUMHOセリカ(竹内浩典/嵯峨宏紀/澤圭太組)が、ポールポジションから事実上トップを譲ることなくGT初優勝を飾った。
決勝レースは13時過ぎにスタート。午前中、雲が多かった上空はほぼ晴れ渡り、開始時の気温は33度、路面温度は47度まで上昇した。
ポールポジションからスタートしたNo.12 カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ)は序盤からハイペースを維持。4周目には1分58秒829というファステストラップをマークし、最初のピットインまでに大きなマージンを築く。2番手は、当初No.25 ECLIPSE ADVANスープラ(土屋武士)がキープしていたが徐々に後退。代わってNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)、No.6 Mobil 1 SC(飯田章)、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)の争いになる。しかし、No.18はエンジントラブルで21周目にピットに戻りリタイア。No.6は25周目のスプーンカーブで白煙を吹き上げストップ。最初のピット作業が終わった時点では、No.12ジェレミー・デュフォアの後ろにNo.8伊藤大輔、No.1 ZENTセルモSC(立川祐路>高木虎之介)、No.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム>リチャード・ライアン)という順になる。さらにその後ろはNo.24 WOODONE ADVAN KONDO Z(エリック・コマス>柳田真孝)、No.23 XANAVI NISMO Z(松田次生>井出有治)がつけていたが、No.23は周回遅れのNo.55 DHG ADVAN FORD GT(光貞秀俊)を抜く際に接触。No.55はリタイアに追い込まれ、No.23にはドライブスルーペナルティが科される。ところが、井出はそのまま走行を続けてしまい、最終的に失格という裁定が下されることになる。
トップのNo.12は、デュフォアに交代した後も安定したペースを守って走行。2番手以下との差をさらに広げていき、3人目の星野一樹にステアリングを委ねる。2番手のNo.8は2度目のピットインで伊藤から再度ファーマンに交代。No.1 高木はこれより前にロニー・クインタレッリに交代して、この時点ではNo.22が3番手になっていたが、No.8と同一ラップでピットインしたNo.22の作業がすばらしく早く、ピットアウト後はNo.22(ライアン>クルム)が前、No.8が後ろの順になる。レース距離の半分、500kmを消化した時点では、No.12が2番手No.22に40秒近い差をつけてトップ。2番手がNo.22、3番手No.8とつづく。この2台は長く接近戦を繰り広げていたが、順位は変わらないまま。4番手には1スティントを長めにしてピット回数を減らす作戦を採ったNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(ピーター・ダンブレック>服部尚貴)が上昇。その後、3度目のピットに戻ったNo.8(ファーマン>伊藤)をかわして3番手を奪う。いったん4番手に下がったNo.8はNo.35の後方に食らいつこうとするが、4回目のピットイン時にブレーキパッドにトラブルが発生。交換を余儀なくされポジションを下げる。
130周、レース距離の4分の3を過ぎた時点で、トップはNo.12。No.22が2番手につづき、この時点でフェアレディZ勢が1−2となる。3〜4番手はNo.35、No.32 EPSON NSXのダンロップタイヤ勢が上昇。5番手がNo.24となる。No.12はその後No.35まで周回遅れにし、No.12と同一周回はNo.22だけとなる。146周を終えたところでNo.12がピットイン。No.22との差が10数秒に詰まるが、No.22はもう1回ピットに入らなければならず、再びその差が開く。この間、No.66 triple aサードスープラGTが130Rで激しくクラッシュ。ひやりとさせたが、ドライバーのアンドレ・クートは自力でマシンを降りてきた。
残り30周弱となって『ライトオン』の指示が出され、いよいよナイトセッションに突入。No.12は最後のスティントをトレルイエが担当、暗くなってもペースを落とすことなく快走を続ける。No.22、No.35もペースをキープ。一方、4番手のNo.32 デュバルは周回遅れに出会うとペースが下がり、ル・マン24時間で夜間走行に慣れているNo.24 荒聖治がじわじわと迫ってくる。だが、2秒差まで近づいたところで最終盤を向かえることになる。
No.12 カルソニックインパルZが173周を終えたところでチェッカー。ピットインのタイミングで一時的にトップを譲った以外は、最初から最後までポジションをキープ。トレルイエの速さが目立ったが、星野もデュフォアもミスなく走行をこなし、ほぼ完勝といえる勝利だった。予選ポールポジション、決勝中のファステストラップのポイントをあわせ、一気に32ポイントを獲得。彼らはシリーズランキングでも3位に浮上した。星野一樹にとってはGT500初勝利、そしてGT500のフェアレディZにとっても待望の今季初勝利だった。
2位はNo.22 MOTUL AUTECH Z。レギュラーのミハエル・クルムとリチャード・ライアンの2人で1000kmを走りきった。3位のNo.35 BANDAI DIREZZA SC430も服部尚貴/ピーター・ダンブレックのレギュラー2人が、1回ピットを少なくする作戦をうまくこなし表彰台を得た。
GT300クラスは、ポールスタートのNo.52 プロμ太陽石油KUMHOセリカの竹内浩典が好スタートを決め、No.19 ウェッズスポーツセリカ、No.47 吉兆宝山DIREZZA Z、No.13 エンドレスアドバンCCI Zが追いかける展開に。序盤こそNo.47の安田裕信に迫られたNo.52 竹内だったが、2番手集団の争いが激しくなったこともあり、最初のピットインとなった31周目には、2番手のNo.2 プリヴェチューリッヒ・紫電に18秒ほどのマージンを稼ぐことができた。
この後No.52 セリカを引き継いだ澤、嵯峨宏紀、そして澤はピットインでの後退以外は首位を明け渡すことなく、ほぼ完璧に走行。ラスト32周を再び竹内に託した。竹内は無理なペースアップをすることなく、ベテランらしい安定した走りで誰に脅かされることなくゴール。竹内自ら起こしたチームにとってのGT初優勝を、見事なポール・トゥ・ウィンで飾ってみせた。また、彼らのタイヤ・パートナーである韓国のクムホタイヤにとっても、競争激しいSUPER GTでの初勝利となった。
2位争いはサバイバルの様相を呈し、No.19やNo.13が接触、No.47がトラブルと、次々と遅れていく。その中、予選10位のNo.27 direxiv ADVAN 320Rが着実にポジションを上げ、108周目に2番手に浮上するとそのままフィニッシュ。ドライバーズ・ランキングのトップを守った。3位には、他よりピット回数を減らして3回ピットとする作戦を採ったNo.101 TOY STORY Racing MR-Sが入った。