2006-07-27
7月27日、ツインリンクもてぎ(栃木県)でスーパーGT公式テストの最終日が行われた。この日も走行は午前と午後の2回、それぞれ2時間30分の走行が行われた。
開始時点のサーキット上空は、曇り。午前9時から2時間30分の予定で午前のセッションが行われた。開始直前に雨が落ちてきたが、ひどい降りにはならずに間もなくやんだ。 セッション開始1時間の時点ではNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)が1分45秒978のトップタイムをマーク。2番手にはNo.66 triple a サードスープラGT(アンドレ・クート/平中克幸組)が46秒857でつける。残り30分を切りトップタイムは変わらずNo.8 NSX。このあたりから再び雨がパラパラと降り出した。No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)は46秒396までつめるが、No.8にはとどかず2番手。これでNo.8 ARTA NSXはただ1台45秒台の好タイムで、セッショントップとなった。 今日のGT300クラスは、No.77 クスコスバルADVANインプレッサ(小林且雄/谷川達也組)とNo.111 RodeoDrive WAKO'S GT3(飯島寛也/Guts城内組)が走行し、全17台となった。 セッション半ばで、このテスト好調なNo.110 TOTALBENEFIT GREENTEC BOXSTER(松田秀士/菅一乗組)が1分56秒409をマーク。2番手にはNo.14 ハンコックエンドレスポルシェ(木下みつひろ/峰尾恭輔組)が56秒983でつけていた。3番手は前戦SUGOの勝者No.46 吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太/番場琢組)の56秒991となっていた。 No.14が56秒459、No.13 エンドレスアドバンCCI Z(影山正美/藤井誠暢組)が56秒625までタイムを詰めるが、結局、No.110のタイムを更新するマシンは現れなかった。
午後2時からのセッションは、気温28度、路面温度33度で始まる。開始45分ほどではNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)が1分46秒217でトップに立っていた。開始90分ではNo.32トップは変わらず、2番手はNo.1 ZENTセルモSC(立川祐路/高木虎之介組)の46秒685、3番手はNo.100 RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ/細川慎弥組)の46秒692というオーダー。 セッションも終了間近になってNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)の小暮がアタックに出て1分46秒100とこのセッションのトップタイムを更新した。小暮は「もってきたクルマをアジャストするのに時間がかかりました。最後に方向性が見つかってタイムも上がって良かったです。次の1000kmで一緒に走る(金石)勝智さんはFNの監督ですし、速いですし、頼りにしています。でも、ウエイトが重いので厳しい戦いになると思います。その分、もてぎではウエイトが軽くなるかもしれないので、いけるんじゃないかと思います」。また金石勝智は「NSXの開発車両には毎月1回乗っていますので、何て言うことはないです。1000kmは1年振りのレースになりますが、出るからには勝ちたい。(いとこの)年弘(No.18に乗る予定)との身内対決ですか? 無線をつないでもらって意地でも負けへんようにしたいです(笑)」と冗談交じりに自信を語った。 セッションが終わってみれば、No.18を先頭に、No.32 EPSON、No.100 RAYBRIGとセッショントップ3をNSXが独占。終盤、No.18に逆転される前まではセッションのトップタイムをマークしていたNo.32デュバルのパートナーの武藤英紀は「ダンロップさんがすごいがんばってくれて、フィーリングが非常に良くなっています。チームのみんなも努力してくれて、テストとはいえ上位タイムは気分がいいですね。もてぎは僕も期待しています。2人で戦う1000kmは、体調管理をきちんとしていきたいです。体力には自信がありますよ、2人とも若いですから(笑)」。 この日の総合では、午前トップのNo.8 ARTA NSXが最速で、以下No.18、No.32、No.100とNSX4台が上位を独占する勢いを見せた。昨日はトップタイムのNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック組)はこの日総合で11番手。「今日はいろいろウエイト積んだりとか、順位とはまったく関係ないことを(テスト)してた。上位のタイムはみえないタイムとは思えないから、1000kmも良い勝負ができると思ってる。1000kmは基本的には何も起こらずずっと良いタイムアベレージでコンスタントに走れば良いんだけど、このクルマは初めての1000kmだしね。2日間のテストは手応え十分です」と服部は自信十分だった。
GT300クラスは、このセッションもNo.110 TOTALBENFIT GREENTEC BOXSTERが開始45分ほどでトップとなる1分54秒895をマーク。2番手にはNo.52 プロμ太陽石油KUMHOセリカ(竹内浩典/嵯峨宏紀組)が56秒024でつける。残り1時間ではトップはNo.110で変わらず、2番手はNo.46 吉兆宝山DIREZZA Zの55秒906で上がってきた。終盤にNo.110はさらに1分54秒896という2日間通じてGT300ただ1台の54秒台を記録し、トップのままもてぎでのテストを終えた。 この日クラス2番手となったNo.46佐々木孝太は「ポルシェは別クラスやから好きにしてもらってね(笑)、ボクらはタイヤテストがメインの2日間でした。走りはじめはあんまり良くなかったんですが、最後はだいぶ良くなりました。全体的には悪くないんですが、いかにタイヤをZに合わせるかが課題です。1000kmは未知数ですね。ボク個人としては経験がありますけど、暑いし長いからクルマも人間も壊れないようチームと相談していきたいですね」とこのテストを締めくくった。