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2006 AUTOBACS SUPER GT Round9
FUJI GT 300km RACE
2006-11-04, 05 / Fuji Speedway

Practice

2006-11-03

■第9戦 □練習走行_2006-11-03 □セッション 1
□セッション 2
09:10 - 10:35
14:00 - 15:45
course ■富士スピードウェイ
_4.563km

NSXが好調の最終戦練習日
富士得意のEPSON NSXが非公式レコード!
GT300はウェッズスポーツセリカが好タイム

11月3日、2006オートバックスSUPER GT第9戦(最終戦)「FUJI GT 300km RACE」の直前練習走行が、富士スピードウェイ(静岡県)で行われた。

Session 1 晴れ、気温15度/路面温度20度、ドライ

 練習走行1回目は9時10分から。前日に降った雨は夜明け前には上がったが、路面は一部ウェット状態。各チーム、まずはレインタイヤでコースインしていく。開始時点での気温は15度、路面温度は20度。開始から20分ほど過ぎて走行ライン上が乾き出し、ようやくドライタイヤでの走行となる。

 GT500クラスで、このセッションのトップとなったのはNo.32 EPSON NSX。ドライタイヤを履いたタイミングはいちばん後だったが、数周しただけで1分34秒813というベストタイムを出してみせる。同車は9月に行われた合同テストでも1分33秒081というトップタイムをマーク。今回はそのタイムには及ばないものの、このコースの攻略法は確実に抑えているようだ。また、前回までの成績により2ランクの性能引き上げ措置を受けているのに加え、車両とタイヤメーカーの組み合わせによる特別性能調整でもマイナス25kg。この点もプラスに働いていることは間違いない。2番手はNo.3 イエローハットYMSトミカZ。3番手にNo.8 ARTA NSXが続き、4番手No.35 BANDAI DIREZZA SC430がトヨタ勢の最上位。ドライバーズランキングトップのNo.100 RAYBRIG NSXは100kgのウエイトハンデに加えてプラス25kgの特別性能調整を受けていることが応えたか、14番手に留まった。また、今回、V8自然吸気4.5Lの新エンジンに換装してきたNo.22 MOTUL AUTECH Zは1分36秒427で13番手となっている。

 GT300クラスでトップタイムをマークしたのはNo.777 梁山泊 apr MR-S。タイムは1分43秒084で、合同テストでトップだったNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Rの1分43秒138を上回った。このクルマは2ランクの性能引き上げ措置を受けているが、それを受けていないNo.101 TOY STORY Racing MR-Sも3番手。今シーズン、エンジンを換装して熟成に苦しんできたMR-S勢だが、最終戦に至ってようやく速さを手に入れてきたようだ。2番手はNo.62。合同テストでトップ、ここで行われた第3戦でも優勝しており、コースとの相性はいいようだ。タイトルを争う3チームでは、ランキング2位のNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7の1分43秒964、10番手が最上位。ランキングトップのNo.2 プリヴェチューリッヒ・紫電は1分44秒472で16番手、3番手のNo.61アネブルADVAN VEMAC 320Rは1分44秒455で15番手と、このセッションではやや出遅れの格好になった。


Session 2 晴れ、気温16度/路面温度20度、ドライ

 練習走行2回目は14時5分から。他カテゴリーのコースアウト車両処理のため、予定より5分遅れて始まった。上空は昼過ぎから雲が多くなり、開始時点での気温は16度、路面温度は20度と、1回目とほぼ同じだ。

 15時20分まではGT500、GT300両クラスの混走。ここでは、決勝を想定したロングランテストを行うチームが多いのか、タイムはあまり上がってこない。ことにGT500クラスはトップ10が1秒ちょっとの差に収まるという混戦状態。混走時間帯が終わる直前、No.32 EPSON NSXがマークした1分34秒860が唯一の1分34秒台で、以下、10番手までが1分35秒台で並ぶ。マシン的にもSC勢、フェアレディZ勢、NSX勢が入り乱れている。このタイムが決勝でのラップに近いものだとすると、果たして決勝はどういう展開になるのか、まったく予想がつかない。GT300クラスでは、序盤にNo.26 カーチスTOMOタイサンGT3がトップタイムをマーク。第3戦以来の参戦だが、山路慎一のテクニックにまったく陰りは見られない。その後、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Rが1分42秒874をマークし、混走時間帯でのトップに。2番手以下、他の上位陣は1分43秒台だった。

 15時20分から15分間はGT300クラス専有。ここで一気にタイムアップしてきたのがNo.19 ウェッズスポーツセリカで、1分42秒650というタイムをマークしてトップに立つ。今シーズンは不運が重なり思うような成績を残せていないが、今回は1ランクの性能引き上げ措置を受けていることもあり、シーズンの最後に一矢報いようと狙っているようだ。2番手はNo.62で、3番手には終了直前、No.47 吉兆宝山DIREZZA Zがアップ。もう1台のNo.46 吉兆宝山DIREZZA Zも、4番手No.96 EBBRO BTEC MAZIORA 350Rをはさんで、5番手に入っている。ランキングトップのNo.2 プリヴェチューリッヒ・紫電は、ここでは7番手相当のタイムをマーク。ランキング2番手のNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(11番手)、3番手のNo.61 アネブルADVAN VEMAC 320R(13番手)を上回っており、この時点ではタイトル争いを優位に進めているようだ。

 最後の15分間はGT500クラス専有。ここではNo.32 EPSON NSXが次々にタイムを更新していき、最終的には1分33秒076をマーク。これは従来のレコードをも上回る好タイム。予選でもポール候補の最右翼といえそうだ。2番手はNo.8 ARTA NSX。タイトル争いをするチームの中ではウエイトハンデがもっとも軽いというアドバンテージを、予選、決勝でも生かすことができるだろうか。ランキングトップのNo.100 RAYBRIG NSXは1分35秒770で13番手。ランキング2位タイのNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430は9番手、No.18 TAKATA童夢NSXは7番手。一方、No.23 XANAVI NISMO Zは最後にタイムアップしながら1分36秒台で15番手に留まった。なにかトラブルを抱えているのか、この日はあえてタイムを出さなかったのか。予選でのパフォーマンスがおおいに気になるところだ。


Comments

ロイック・デュバル/No.32 EPSON NSX(GT500トップタイム)
最終的にコースレコードのタイムはマークできたけど、今日は決してラクな展開じゃなかったんだよ。午前中にはギアボックスのトラブルがあったからね。まずヒデキ(武藤)が3、4周走ってトラブルが出たから、午前のセッションではあまり走ることができなかったんだ。午後からは、GT500専有のときにユーズドタイヤで走ったところ、(1分)34秒3くらいだったかな、いいタイムが出たんだ。で、ニュータイヤを履いたら、周りと競争できるくらいのいいタイムが出たんだよ。他のラップタイムも良かったしね。あまり走ることができなかったわりには、タイムが出たのはいいことだと思うよ。でも重要なのは明日だし、それにもっと重要なのは日曜日だからね。クルマのトラブルが出たことは残念だったけれど、でもそれが今日出て良かったと思わなきゃね
脇阪薫一/No.19 ウェッズスポーツセリカ(GT300トップタイム)
テストから苦戦していたのですが、ADVANさんの協力があって、チームがここまでクルマを仕上げてくれて良かったと思います。今年はタイトルも関係なくなりましたけど、それはアンラッキーな部分が多かっただけ。チームもTRDもADVANも、みんなハードワークをしてくれています。今日、午前中は、(シーズン)後半戦で問題になっているところを修正することに専念していました。相方(松田晃司)の協力もあって、午後はそれが形になっただけ。ロングランは相方がいいタイムで走ってくれて、ボクは安心して一発のタイムに集中できました。明日はウチの親父の誕生日なので、ポールをプレゼントしたい気持ちはありますね。もし獲れなくても、優勝につなげられるようにしたい。“終わり良ければすべて良し"になるように、がんばりたいと思います