2006 Round9 > Race Review

2006 AUTOBACS SUPER GT Round9
FUJI GT 300km RACE
2006-11-04, 05 / Fuji Speedway

Race

2006-11-05

■第9戦
■決___2006-11-05

□入場者数 : 46,300 人
□フリー走行
■決勝レース
09:05 - 09:35
14:05 Start
[66 Laps / 301.158 km]
course ■富士スピードウェイ
_4.563km

ルーキーコンビがパーフェクト・ラン!!
EPSON NSXが待望の勝利を挙げる!
激戦の末、タイトルはOPEN INTERFACE TOM'S SC430の手に

11月5日、富士スピードウェイ(静岡県)で2006 オートバックス SUPER GT第9戦(最終戦)「FUJI GT 300km RACE」の決勝が行われた。GT500はNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)が今季初勝利。シリーズタイトルは4位に入賞したNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)が獲得した。
GT300の優勝はNo.101 TOY STORY Racing MR-S(新田守男/高木真一組)。そして最終ラップに6位となったNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也/井入宏之組)が、悲願のGT300タイトルを手にした。

Race 晴、気温21度/路面温度26度、ドライ

GT500クラス

 金曜、土曜と薄曇りの日が続いたが、この日は好天。コースはもちろんドライで、気温21度、路面温度26度とまずまずのコンディションだ。

 決勝レースは14時にフォーメーションラップがスタート。ポールポジションのNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)が予選2位のNo.35 BANDAI DIREZZA SC430(ピーター・ダンブレック)の圧力を受けながらも好スタートを決め、1コーナーをトップで通過。続いてNo.35、No.3 イエローハットYMSトミカZ(横溝直輝)、No.24 WOODONE ADVAN KONDO Z(柳田真孝)と予選順位どおりに続いていく。
 一方、タイトルの可能性を残していたNo.1 ZENTセルモSC(高木虎之介)とNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)がスタート周のダンロップコーナーで接触。No.1はコースアウト。ピットまで戻ったものの左フロントサスにダメージを負っており、結局リタイア。連覇の夢は0周で消えてしまった。一方のNo.8は2周目に右リアタイヤがパンク。ピットでタイヤを替えてレースに復帰するが、その後にNo.23との接触でドライブスルー・ペナルティも受け、上位争いから脱落してしまった。

 この2台を後目に、ランキング2位だったNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)は、7番グリッドから3周目で5番手まで浮上。以後も安定したペースでこのポジションを守っていく。
 トップ争いはNo.32がNo.35をじわじわと引き離し、15周目には10秒近いマージンを稼ぎ出す。この頃、ランキングトップだったNo.100 RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ)は、予選13番手からポイント圏内の10番手まで上がってきていた。No.100は、この順位のままゴールすればタイトルを獲得できる。しかし、No.23 XANAVI NISMO Z(松田次生)を抜く際に接触。ドライビングスルーペナルティを取られてしまう。これでポイントの得られない13番手まで落ちることになり、タイトルはライバルの状況に委ねられることになった。
 順調にトップを周回していたNo.32 EPSON NSXは、31周目に所定のピットインをこなす。本来はもう少し引っ張る作戦だったようだが、この後36周を武藤英紀に託すことになる。一足先の27周でピットインをこなした2番手No.35(服部尚貴)と、コースに戻ったNo.32の差は約10秒。ベテラン服部が、ルーキーの武藤を追いつめられるかが、後半戦の焦点となった。

 上位のルーティン・ピットが終わった33周時点で、No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430(脇阪寿一)は4番手に浮上。この時点でNo.100(細川)が13番手、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍>小暮卓史)は8番手、新エンジンを投入したNo.22MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム>リチャード・ライアン)が7番手。 No.36 脇阪としてはこのポジションを守れば、タイトルが獲得できるため、無理をせず着実にラップを重ねる。
 トップ争いを続けるNo.32武藤とNo.35服部の差は一進一退を繰り返すが、残り15周ほどになるとジワジワとNo.35が離されていく。その後方にはNo.24の荒聖治が急接近。ラスト10周はダンロップを履くNo.35とアドバンを履くNo.24の2番手争いが激しくなる。両車は時に軽い接触もいとわないサイド・バイ・サイドのハード・バトルを繰り広げた。
 それを後目に、No.32 EPSON NSXの武藤は危なげなく走行。今季SUPER GTにデビューしたルーキー二人が、最終戦に見事なポール・トゥ・ウインを成し遂げた。2位争いはラストラップまで持ち込まれ、No.24荒がいったんNo.35服部をパス。ところが、最終コーナー手前で服部が荒のインをこじ開け、接触しながらも抜き返す。フィニッシュラインを駆け抜けたのは服部が0.322秒速く、ダンロップタイヤ・ユーザーの1-2フィニッシュを成し遂げた。

 ドライバーズ・タイトル争いは、確実に4位フィニッシュを成し遂げたNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430の脇阪/ロッテラー組が、13位でノーポイントに終わったNo.100 フィリップ/細川組をわずか1ポイント上回って獲得。脇阪にとっては2002年に獲得して以来2度目、ロッテラーは初のタイトルとなった。チーム・タイトルもNo.36 TOYOTA TEAM TOM'Sが獲得した。



GT300クラス

最終ラップの奇跡!!
諦めなかった雨宮アスパラドリンクRX7がタイトルを獲得!
レースはTOY STORY Racing MR-Sが予選12位から今季初勝利

 GT300クラスは、予選でポールを奪ったNo.777 梁山泊 apr MR-S(大嶋和也)がエンジン始動が遅れてダミーグリッドにつけず、ピットスタートとなる波乱の幕開け。だが、これは後に展開された信じられないドラマの、ほんの序章に過ぎなかった。
 これで実質トップスタートとなったのはNo.19 ウェッズスポーツセリカ(松田晃司)だが、次の直線で、最高速に勝るNo.9 NOMAD ADVAN LeyJun MT(OSAMU)がすぐに逆転。また、10番手スタートだったNo.26 カーチスTOMOタイサンGT3(山路慎一)はオープニングラップで6位、4周目に4位、9周目に3位、10周目にはついに2位と、驚異的なペースでポジションアップを果たす。No.26はその後トップとの差もじわじわと詰め、25周を過ぎるころには手の届くところまで迫ってくる。ところが、28周目、No.9がGT500クラスのクルマと接触。No.26はかろうじてこれを避けるが、この間にNo.19と、その後方にいたNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(黒澤治樹)の先行を許すことに。だが、No.19とNo.62はその周にピットイン。これでトップはNo.26が奪い返すが、No.9はサスペンションを破損しており、そのままリタイアとなってしまった。

 これをきっかけとするように、各車次々とピットイン。トップのNo.26は35周を終えてピットに戻るが、作業に時間を取り、西澤和之に交代して出ていったときには表彰台圏外にまで下がってしまう。一方、ピットスタートからベストラップを連発して追い上げてきたNo.777は40周目までピットインを遅らせたことで、ついに暫定トップを奪う。ピットではタイヤ無交換という思い切った作戦に出、作業時間を18秒台にまで短縮、実質トップをキープしたままコースに戻る。だが、さすがにグリップがダウンし、田中実がスピン。その後もペースが上がらず、ポジションを落とす。これでNo.62 柴原眞介がトップに立ち、27周目にピット作業を終えていたNo.101 TOY STORY Racing MR-S(新田守男>高木真一)が2番手、No.19 脇阪薫一が3番手というトップ3になる。その後、この順位は動かないまま最終ラップを迎えるが、その最終コーナーで大きなどんでん返しが待っていた。
 あとわずかで優勝できるはずだったNo.62がガス欠により失速。コーナーの内側にマシンを止めてしまったのである。これでNo.101が大逆転優勝を果たし、No.19が2位。3位には、予選5番手だったNo.13エンドレスアドバンCCI Z(影山正美>藤井誠暢)が入った。

 No.62の失速は、チャンピオン争いをも大きく動かした。7周目に山野哲也のスピンで一時は22位番手まで落ちたNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也>井入宏之)は、その後のリカバーとタイヤ2本交換作戦でラストラップ前は7位まで浮上。そして、このトップの脱落で6位となった。一方、No.2 プリヴェチューリッヒ・紫電(加藤寛規>高橋一穂)は、タイヤ交換を前輪のみに留めた作戦が裏目に出、ポジションを守りきれずにポイント圏外に下がってしまう。
 これで2車のシリーズポイントは86で同点。上位入賞回数の差でNo.7が上となり、念願の初タイトルを獲得した。No.7はチームタイトルも得、ダブルでの初戴冠となった。山野哲也にとっては3年連続3回目のチャンピオン。自分のスピンでポジションを落とし、いったんはタイトル獲得の可能性が遠ざかってしまっていただけに、最後に訪れた大逆転劇に感激の涙をこらえきれずにいた。井入宏之にとっては初の栄冠。最後にはトップの脱落や上位にいたライバルのペナルティにも助けられたが、自力でポジションを上げたからことが最終的にタイトルに結びついた。