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2024.03.23
【公式テスト富士・1日目模擬予選】雨の模擬予選でARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16がポールに、GT300は88号車ランボルギーニがトップに

【公式テスト富士・1日目模擬予選】雨の模擬予選でARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16がポールに、GT300は88号車ランボルギーニがトップにの画像

公式テスト・富士スピードウェイ 3月23日(土)  セッション2

3月23日、富士スピードウェイでのSUPER GT公式テストの1日目が行われた。午後のセッション2は岡山でのテストに続き、新予選方式のシミュレーション(模擬予選)が実施された。あいにくの雨ではあったが、雨ではGT300クラスのみ順位確定の規定が変わることも試すことができ、有意義な走行となった。またJ SPORTSの中継や場内ビジョンでは、この新予選方式を楽しんでもらうための順位表示を工夫しており、実況のピエール北川アナウンサー、解説の光貞秀俊さんが新予選のルールなども解説していた。
また午前に行われたセッション1のレポートは、下記のページで公開している。
【公式テスト富士】1日目午前レポート

 

◎走行2回目(Session 2/模擬予選:1日目午後) 14:00〜15:32
天候:雨/路面:ウエット
気温:7℃〜8℃/路面温度:8℃〜10℃

 

 

【セッション2:予選シミュレーション】
■GT300のQ1のトップはA組がLEON PYRAMID AMG、B組はapr LC500h GTが獲得

 

 

 午前中のセッション1を終え、インターバルの間にはピットビューイングが行われたが、依然として雨は降り続いていた。それでも、このテストを楽しみにしていた多くのSUPER GTファンが集まり、ドライバーたちもサインや写真撮影に応じていた。
 土曜の午後、セッション2は公式テスト岡山と同様に模擬予選を実施。天候の良かった岡山とは違い、雨の状況でも新予選方式が滞りなく行われるか検証された。なお新しい予選の規定では、GT300クラスのQ1はA組とB組で行われ、Q2はその順位によって各組の上位8台ずつ計16台がQ2グループ1(Upper16)で、各組17位以下はQ2グループ2(Lower17)の2組に分かれる。だが、今回は路面がウエット状態であるためWET宣言が出され、この際の規定に沿って、GT300クラスの予選順位は1〜16位がQ2グループ1のタイム結果で、17位以下はQ2グループ1のタイム結果と、タイム合算は行わずに決定し、順位の入れ換えも適用されない。

 まずはGT300クラスのQ1 A組からスタートし。この組には13台が出走する予定だったが、No.45 PONOS FERRARI GT3(ケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー)は午前の走行でクラッシュしてしまい、この模擬予選には出走できなかった。45号車を除いた12台は、No.4 グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝)、No.6 VELOREX FERRARI 296 GT3(ロベルト・メリ・ムンタン)、No.9 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG(阪口良平)、No.18 UPGARAGE NSX GT3(三井優介)、No.22 アールキューズ AMG GT3(小山美姫)、No.30 apr GR86 GT(小林利徠斗)、No.50 ANEST IWATA Racing RC F GT3(イゴール・オオムラ・フラガ)、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹)、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)、No.65 LEON PYRAMID AMG(篠原拓朗)、No.88 ランボルギーニ(元嶋佑弥)、No.360 RUNUP RIVAUX GT-R(大滝拓也)というラインナップだ。

 午前中とあまり変わらない気温と路面温度の中、コース上の水量が増えたことが影響し、走り出しではブレーキングで挙動を乱すマシンも出る。その中、65号車がライバル勢よりも早めにタイムを更新し、1分54秒344でトップに立った。続いて88号車が2番手、6号車が3番手につける。
 Q2グループ1に入ってポールポジションを争うためには上位8台につけなければならないが、そのボーダーラインにいたのは9号車。暫定10番手につけていた4号車がセクタータイムで自己ベストを更新。だが9番手にとどまり、Q2はグループ2が確定。トップタイムは65号車で変わらず。結果88号車、61号車、6号車、50号車、18号車、30号車、9号車の8台がグループ1(Upper16)に進出。4号車、360号車、56号車、22号車はグループ2(Lower17)となった。

 続いてQ1 B組だが、こちらはNo.2 muta Racing GR86 GT(堤優威)、No.5 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号(藤波清斗)、No.7 Studie BMW M4(ブルーノ・スペングラー)、No.20 シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸)、No.25 HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟)、No.31 apr LC500h GT(中村仁)、No.48 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R(井田太陽)、No.52 Green Brave GR Supra GT(野中誠太)、No.60 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹)、No.62 HELM MOTORSPORTS GT-R(平木湧也)、No.87 ランボルギーニ(坂口夏月)、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男)、No.777 D'station Vantage GT3(マルコ・ソーレンセン)が出場。

 13台の中で速さを見せたのは31号車で、ルーキーの中村がトップに出ると、さらに1分48秒117までタイムを縮める。2番手の96号車に対して4秒の大差をつけ、堂々のトップタイムでQ2 グループ1(Upper16)への進出を決めた。3番手以降は52号車、87号車、777号車、2号車、7号車、25号車という上位8台。25号車は昨年の第4戦富士大会でアクシデントから車両火災に見舞われ、多くのファンが復活を待ち望んでいた1台。菅波はアタックラップで見事に8番手タイムを記録してQ2 グループ1へ進出した。
 48号車はタイムを計測したものの9番手。5号車、20号車、60号車は路面状況もあって出走せず。62号車はコースインしたものの、そのままピットへ戻ってきたことで計測タイムはなく、この5台がQ2 グループ2となった。

 

 

 

 

■GT500のQ1トップはARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16に23号車Zと39号車GR Supraが続く

 

 

 GT500クラスはWET宣言が出ても、通常時と同じに全車がQ1とQ2を走り、タイム合算方式で予選順位を決める。
 Q1が始まるころには雨脚が弱まり、路面や視界も回復してくる。トップタイムは1分37秒台の攻防で、終盤にNo.12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴)、No.36 au TOM'S GR Supra(山下健太)、No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹)と目まぐるしく順位が入れ替わっていく。
 最終ラップで各車がベストタイムを更新すると、まずはNo.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正)がトップに立ち、さらに12号車が2番手につけた。しかし、これを36号車が破って2番手に上がると、今度は16号車が23号車のタイムを0.2秒上回り再びトップに躍り出る。最後にNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一)が3番手へとポジションアップを果たしてQ1が終了。16号車、23号車、39号車というトップ3に、36号車、12号車が0.1秒を切る僅差で4、5番手につけた。なおNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)はコース状況から走行を行わず、ノータイムとなった。

 

 

 

 

■GT300のポールポジションはQ2のトップとなった88号車ランボルギーニが獲得!

 

 

 GT300のQ2は、17位以下の順位を決めるグループ2(Lower17)からスタート。トップタイムは56号車(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)で、いち早く1分47秒台にタイムを入れると、さらにペースアップして翌周には自己ベストタイムを0.7秒近く更新し、1分47秒069でセッショントップに立ち、17位グリッドを獲得することとなった。2番手には、1分47秒478で一瞬56号車を上回ってトップに立ったものの、最終ラップで56号車の再逆転を許してしまった48号車(眞田拓海)がつけ、62号車(平木玲次)が3番手となった。以下、360号車(青木孝行)、4号車(谷口信輝)、22号車(和田久)が続いた。また5号車、20号車、45号車、60号車は出走を見合わせている。

 続いてQ2 グループ1(Upper16)がコースイン。路面状況はさらに回復しており、このようにセッションごとに状況が変わり有利不利が生ずるため、組分けで走るGT300は雨の予選でタイム合算方式を採用しないのだ。
 まず61号車(山内英輝)は1分44秒939でトップに立ち、18号車(小暮卓史)が0.5秒差、777号車(マルコ・ソーレンセン)がさらに0.1秒差で続く中、88号車が1分44秒924で61号車を1000分の15秒上回ってトップに出ると、そのまま模擬予選でのポールポジションを確定した。ランボルギーニ勢は87号車(松浦孝亮)も5番手につけ、そろって速さを見せた。777号車はソーレンセンが最終ラップでも自己ベストタイムを縮め、61号車に次いで3番手に。18号は、87号車、31号車(根本悠生)というトップ6となった。

 

 

 

 

 

■36号車GR Supraを振り切ってARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16が予選トップに

 

 

 最後はGT500のQ2となる。Q1をキャンセルした64号車(大草りき)も含め15台全車が出走した。天候はさらに回復し、上空では雲間から青空が見えるところも。WET宣言が出てもQ1とQ2を全車が走るため、合算タイムで予選順位が決定する。
 そのポールポジション争いは36号車と16号車の一騎打ちとなった。Q2の終盤までセッショントップにつけていたのは3号車(三宅淳嗣)だったが、3番手につけた16号車(佐藤蓮)がQ1との合算タイムではトップに立つ。しかし、3号車のタイムを破ってセッショントップに躍り出た36号車(坪井翔)が合算タイムでも16号車を逆転する。

 今度は16号車が自己ベストタイムを縮め、3番手ながら0.16秒のタイム更新で合算トップを36号車から奪い返すことに成功。2番手に下がった36号車はセクター2で全体ベストタイムをマークし、再度の逆転劇に期待が高まったが、コントロールラインを通過することなくそのままピットロードへ。これで16号車のポールポジションが決定となった。
 予選3番手はQ1で3番手、Q2で4番手と両方で上位につけた39号車(Q2走行は関口)。3号車が4番手でNISSAN勢の最上位となった。

 

 

 

 

 

GT500クラス:模擬予選トップタイム

大津弘樹(No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16)

 (模擬予選は)コンディションに助けられた部分もあるので、今回の結果がすべてだとはまったく思っていません。明日は天気も回復してコンディションが変わると思うので、そこでの改善点がいろいろ出てくると考えています。でも、CIVIC TYPE R-GTはこれまでセッショントップで終えられることはあまりなかったと思うので、そこに関してはみんな気持ちよく今日を終えられるかなと、プラスに考えたいと思います。

 

佐藤 蓮(No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16)

 今はクルマの習熟という部分で少しずつタイムを上げていっていましたが、結果的にトップだったのはチームとしてもポジティブなことだったと思います。明日はおそらくドライで走れるだろうと思うので、今日レインの経験を持てたのは良かったです。GT500で富士を走るのは今日が初めてでしたが、明日のドライでも早く自分を合わせこんでいって、クルマに対してのフィードバックを早い段階でできるようになりたいです。

 

 

GT300クラス:模擬予選トップタイム

小暮卓史(No.88 ランボルギーニ ※)

 今年からレインタイヤが新しいパターンになっていて、岡山で初めて履いて今回が2回目なんですけど、だいぶ良い感じが掴めてきました。どんな状況でもトップタイムを出せたことはいいのですが、周囲(ライバル)の状況も分からないので、安心してはいません。明日は、さらに新たな情報(セッティングデータ)を収集していくことになると思っています。クルマをもっともっと良くしていきたいですね。

 

元嶋佑弥(No.88 ランボルギーニ ※)

 クルマのフィーリングは岡山からずっといいです。横浜ゴムのレインタイヤは今年から新しいパターンになって、ゴムのグリップが良いことは分かっていましたが、排水性はどうかな、という心配もありました。それでも自分が走ったタイミングでは雨の量が多くなっていましたが(排水性には)まったく問題がなかったですね。ただ31号車(apr LC500h GT)がとてつもなく速くて…。まだまだクルマを速くしていく必要はありますね。
※88号車と87号車の車両名は後日の発表。

 

 

 

予選シミュレーション参加の主なコメント

福住仁嶺(No.14 ENEOS X PRIME GR Supra)

 予選システムが変わり、(Q1の順位に関わらず)2人のドライバーが走れるというのはお客さんにも喜んでもらえると思います。走っている側としては、Q2に残れるかどうかというドキドキ感はなくなりますが、総合(合算)タイムで順位が決まるので、別の緊張感はありますね。1セットのタイヤで2人が走りますが、岡山では意外に(Q2の)タイムが落ちなくてタイム差もすこしだったからハラハラしていました。自分は岡山であまりいい印象がないのですが、チームが得意としているので開幕戦はがんばって好結果を残したいです。

 

塚越広大(No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT)

 新しい予選方式の“ドライバー2人が1セットのタイヤで走ってタイムを合算して予選順位を決める”というのは、瞬時にトップが分からないところがあると思います。これまでのスタイルなら(Q2のタイムだけで)トップがだれかすぐに分かった。それが興奮を呼んでいたと思うんです。場内の実況放送でしか分からないから、アナウンサーは大変でしょうね。でも、上手く伝える方法ができたらおもしろいと思います。僕らは新しいコンビを組み、チーム体制も少し変わりましたが、太田(格之進)選手はスーパーフォーミュラでも活躍しているので何の心配もしていません。まずは速いクルマを仕上げるというも変わりありません。

 

松田次生(No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z)

 今までは予選では(Q1とQ2を)ニュー(新品タイヤ)、ニューで走っていたから1セットで2人が2セッション走るという新しいスタイルは少しもどかしさもありました。でも2人のタイムを合算するというのは、おもしろいかもしれないですね。相方はGT500ルーキー(名取鉄平)だけど、順応性もあるから特に心配はしていません。トレーニングなどでもニューでアタックする機会も多くしていますからね。ヨコハマタイヤを履くのは初めてですが、印象は悪くありません。ただし、もう少し気温や路面温度が上がってこないとね。

 

青木孝行(No.360 RUNUP RIVAUX GT-R)

 正直言って今は少し解りづらいな、という印象があります。それでも全車がQ2を走れるようになったことは、お客さんにはおもしろいって感じてもらえると思います。うちのチームは去年1年間、Q2に進むことはできませんでしたが、(Q2を)走れなくても決勝レースに出られない訳ではないですし、チームとしても予選方式が変わっても(やることに)特に変化はありませんから。何よりも、SUPER GTを観てくれている人が楽しければ、それが一番だと思います。

 

 

【公式テスト富士】走行1回目

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