Round 4
JAPAN SPECIAL GT Cup in FUJI Speedway




Qualify Day Report

Saturday, 9 Aug 97


25 つちやMR2

土屋春雄代表「ターボのコンピュータが今回はうまくいって、インタークーラーがフロント装着になって仙台での問題だった個所がクリアされました。IHI製のタービンも小さくなってピックアップがよくなった。パーフェクトはありえないんですが(笑)。この予選タイムには誰も届かないと思う。武士がなかなか走る時間がないんで、午後は決勝に向けてのセットアップにしたい。こないだのレースはうまくいきましたね。ダンロップ勢の固まりを抜けられたから」


7 RE雨宮SuperG RX-7

山路慎一「今までは3ローターのハイパワーを生かすセットだったのが、今回はようやくここへきて昨日の段階でいいセットが見つかった。サスペンションがすごくよくなったというのが最大の理由です。前回のテストデーも雨だったし、順調に進まなかったのが、今回はレースウィークがうまくいってます。それにしてもMR2は速すぎます。ストレートの速さはもちろん、コーナーも武士がうまく乗れてるし、うまくセットできてるんでしょう。向こうは予選用のブーストみたいだったし、ヨコハマのほうがラップタイムのアドバンテージがあると思う。でも、ダンロップもよくなっているから、予選で2秒という差は、決勝では0.5秒から1秒くらいの差にしかならないでしょう。クルマがよすぎて攻めきれなかったんで、午後はタイムが縮まるはずです」


81 ダイシンシルビア

木下隆之「ブレーキを新しいのつけてアタックらしいことをした。まだタイヤは1セット残ってるんで、午後は2位ねらいでいきたい。ブーストの設定問題はクリアしたけど、ストレートの伸び不足はしかたないね。GT400クラス(笑)のMR2には届かないでしょう」





19 RS☆R シルビア

福山英朗「ダイシンのほうが前でも当然でしょう。昨日から負けてるから…。向こうは軽いからね。昼からもっとタイムが上がるでしょう。エンジンの調子がおかしいみたいで序盤のクリアなときにピットインしてたもんね。ウチは(ウエイトハンデのおかげで)ストレート遅いしピックアップが悪い。それでもコンマ2秒ぐらいはアップできるとは思うけど…」

織戸 学「MR2はパワーアップしてるしフェラーリもリストリクター大きくなってるから…。決勝はいつものように淡々とミスしないように走ります」


26 タイサン スターカード RSR

新田守男「まっすぐは遅いし勝負にならない。最高速で14km/hくらい差があるみたいで、差が大きすぎる。40kgのウエイトも効いてるんでしょう。根本的に真っ直ぐのスピードをなんとかしてほしい。決勝は条件厳しいし、恵一さんと淡々といきます。とくには問題もなくミスもなかった」


91 バーディークラブ・MR-2

金曜日、三原じゅん子が走行中に1コーナーでスピン。三原は「ブレーキのあたりをつけていたら、突然スピンしてしまった」。コンクリートウォールに激突して右後部を大破してしまったが、徹夜で修復してきた。松永雅博によると「今朝5時までかかって板金して、それからメカニックが作業してギリギリ車検に間に合いました。走るのにはまったく支障はありません。ただセットを出せてないので...。それと、じゅん子のほうにちょっと後遺症が残ってます。首がまだ痛いのと、恐いでしょうからね。できるだけ慣熟走行させます」とのこと。


27 TEAM FCJ フェラーリ

 予選1回目でGT300クラス3番手のタイムを叩き出し、注目を集めたNo,27 チーム FCJ フェラーリ。前回仙台ハイランドでは、FIA-GT選手権と日程が重なったためにアンドスカーがドライブしたが、今回はオロフソンが太田哲也の相棒に復帰している。今回マシン的には前戦と大きく差はないものの、着実に軽量化を含めた熟成が進んでいるようだ。ただしまだ不安要素は多い。というのも、太田が予選タイムを出した後オロフソンに交代してすぐ、ダンロップ・コーナーで左後輪が外れてストップし、赤旗中断の原因を作ってしまったからだ。タイヤが取れた理由は、センターロックにするために装着しているハブの内側で、ノーマルの5本のスタッドボルトがスッパリ根元から折れてしまっていたため。これは前回ハイランドで右後輪に起きたのと全く同じ症状で、しかも第2戦富士でもハブのトラブルが起きているから、3戦連続ということになる。チームはとりあえず予備のセンターロック用ハブで修理をし2回目の予選を走らせる予定だが、オロフソンによれば、「決勝は5穴のハブとホイールに戻して走ると思う。タイヤ交換はできなくなるが、タイヤは交換なしでも問題ないから、安全のためにそうすることになるだろう」とのことだった。なお開幕戦から続いてる燃料が減ると燃圧が低下するトラブルも、今回完治できていないようで、チームではフューエル・クーラーをつけたり、燃料タンクのなかにあるシェル部分の形状を変更するなどして対策を行っている。


510 RH CERUMO SUPRA

ようやく本来の実力を見せはじめた元F1ドライバーのベルトラン・ガショー。予選第1回目に4番手のタイムを記録して満足気だ。「クルマは'96 年仕様だが、チームがすばらしい仕事をしてくれて、クルマのバランスがかなりよくなった。前回の仙台戦からよくなっているが、今回はとくによく、ドライブしていて楽しい。タイム? 予選第2回目に雨が降らなければタイムは更新できたと思う。ただ、それは他のチームも同じだろうから、はたしてポジションが上がったかどうかはわからないね」。一方パートナーのポール・ベルモントは、「クルマは運転しやすくなった。乗っていて楽しいよ。ベルトランが乗っているときにタイヤを傷めてしまったので、あまりドライブできなかった。クオリファイするために乗ったけど、もちろんボクはタイムアタックはやっていない。決勝はいけると思うよ」


3 ユニシアジェックススカイライン

長谷見昌弘「クルマ自体の調子はどこも悪くない。ただストレートスピードが遅いんだよ。このコースでストレートが遅いと勝負にならないからね。スープラは4気筒で、後ろ寄りに搭載してるから、前のほうに余裕がある。だからラジエターを水平に寝かせたりレイアウトに自由がある。でもスカイラインは直6だから、重いし、エンジンルームはいっぱいだし…。このレースはエンジンを積み替えていいルールなんだから、スカイラインも積み替えたらちょっと違うと思うんだけどね。VQ型なんかいい素材だと思うんだけどな。3リッターくらいで、ターボつけて…。レースは勝てないとやっててつらいよ。まあ、このレースははじめからリストリクターや車重なんかが平等じゃないわけで、それが今はたまたまスープラに有利なように作用しているということでしょう」


8 POWER CRAFT SUPRA

トム・クリステンセン「まず日本に帰ってこられて非常にうれしく思っているとともに、このチャンスを与えてくれたFETチームに感謝したいと思います。予選は去年と比べてすべての車両がよくなっていると思いますし、そのなかで3番手の位置を獲得できたことはうれしく思います。明日の決勝が非常に楽しみです。新型スープラに乗るのは初めてですが、昨年型よりかなり進化していることは確かですね。またウェイン(・ガードナー)が時間の限られたなかでクルマをすばらしく仕上げてくれているので、非常によいクルマだと思います。彼は2輪の元チャンピオンでもあるし、とてもナイスガイなので、リラックスしていい関係でレースができそうです。ペドロとマイケルは速いので、つかまえるのはむずかしいとは思いますが、レースはなにがおこるかわからないので、明日は楽しみにしたいと思います。今シーズンは国際F3000とバッティングしないかぎり出場する予定で、とりあえず美祢には出場します」


18 avex 童夢無限 NSX

黒澤琢弥「5番手という結果には落胆していないんですが、それよりトップのマシンとタイム差が1秒以上あることが問題ですね。1秒以内には入りたかったかなと。ただずっとNSXはトラブル、とくにミッション系のトラブルをかかえていましたから、今回メカニックとスタッフがすごくいい仕事をしてくれまして、ミッションの調子がよくなったことはよかったです。これまではテストでよくてもレースはスタッフが大変な思いをしてましたので…。これで明日はやっとレースができそうです。ただまだロングディスタンスでどうかという不安は残っているんですけれどね。まぁ正直なところドライのレースではつらいかもしれませんね。でもレースなので何が起きるかわからないので、しつこくいきたいと思います。それに明日もしウェットになれば、NSXは結構バランスがいいので、できれば雨になることを望んでますけども、逆にいうと、ドライでロング・ディスタンスのテストができていないので、レースを完走してデータをきちんと取りたいという希望もあります。ちょっとムリできる状態でもないので、クルマをいたわりながら完走して、トップ6には入りたいですね」






Pole Position Interview



Pole Position No.37 Castrol TOM'S SUPRA
No.36 カストロール・トムス・スープラ(総合予選1位)

ミハエル・クルム「今日の予選結果は、カストロール・トムス・チームにとって今年4回目のポールポジションであるとともに、スープラの強さを証明できたすばらしい予選だったと思います。マシンも完璧でしたし、アタックのタイミングも、コンディションも完璧でした。このままの勢いで決勝も終われればと思っています。明日はチャンピオンシップにとってたいへん重要なレースですが、すべてうまくいけば、自分たちにかなりチャンスがあると思います。同時に今の我々のコンディションが非常にいいところにありますので、明日の天気などにもよりますが、結果は自然についてくるでしょう。明日のレースに勝つ自信はもちろんあります。40kgの重量ハンデについては、(ここだけ日本語で)スゴクイイバランスニナッタトオモイマス(笑)。ホント」

ペドロ・デ・ラ・ロサ「今日の予選はボクはほとんどアタックしていないので、詳しくはマイケルに聞いてほしいんですけれど、今回はポールポジションはそれほど重要ではないでしょう。前回富士でもポールポジションを取ったのに3位だったし…。それより今回は、明日の決勝に向けてクルマがコンスタントにタイムが出せるようになったことが重要ですね。明日はお天気にもよりますが、ドライであればスープラのレースになると思います。もっとも雨が降っても、スープラ勢が有利なのには変わりがないでしょう」





GT300 Class TOP No.21 DUNLOP-BP-BMW
No.25 つちやMR2(GT300クラス予選1位)

土屋武士「アタックもクリアでしたし、ほぼ完璧な走りができましたから、2位に2秒近い差がつけられたのだと思います。結果には満足しています。クルマがそこまでまとまっているということでもありますね。我々のMR2はNAのときはストレートで歴然と差がありました。それでも予選では他車に肉薄できていたので、それがターボを得てストレートも速くなったので、その結果ということですね。前回はターボラグが大きいということと、吸気温が高すぎたという問題があったんです。それを改善して、若干パワーは落ちたんですが、使える幅がひろがったために、非常によくなりました。クルマとしては完璧な状態に近いですね。ただボクの好みがハイスピードで入っていけるような方向のセッティングなもので、長嶋君には苦労させてしまってるんですけれど…。ま、決勝は少し乗りやすい方向にセッティングしなおすつもりです。

 ただですね…、実は予定でいうと今回が最後のレースになるんです。スポンサーの面と人手が足りないということで…。まだ決定ではないんですが…。せっかくいいクルマなので、ボクとしては参戦したいのですけれど。今回ブッチぎって勝ってしまうと、もう勝ったからいいだろう、やめようという話にはなってるみたいなんです。ボクはやりたいんですが、よく性格知ってるチーム監督なもので(笑)。ブッチぎることが目標だったらしくて、それが達成されてしまったので、面白味がなくなってしまったようです。もちろんノースポンサーでほとんど趣味でやっているレースですし、JTCCのほうがエンジンもシャシーも自社メンテで大変なのはわかっていますので、しかたがないですね。それでもボクとしてはGT500にステップアップしたいという気持ちがありますので、前回と今回で十分アピールさせてもらえたことは感謝しています。ですから明日は来年につながる走りができるといいですね。最後の手段で、他のチームにクルマとドライバーごと移籍するということも少しは考えているのですが、まだまったくわからないですね。でもちょっとダダこねてみたいと思っています(笑)」