■朝のフリー走行後のコメント
No.64 Mobil 1 NSX
ドミニク・シュワガー「いまのセッションはオールドタイヤで走ったんだけど、いいタイムが出たので自分でも驚いています。路面は最初のうちちょっと濡れていましたが、最後は乾いてきていました。古タイヤでこれだけタイムが出るんだから、ニュータイヤだったらなにか思いもかけないことがないかぎりコンスタントにいいタイムが出せると思います。ただ、予選で上位だったスープラやマクラーレンなどがいまも上位にいるので、決勝はラクではないと思います。レースはなにが起こるかわかりませんからね。でも、自信はありますよ。スタートドライバーはボクがいきます」
No.38 auセルモスープラ
竹内浩典「クルマは満タンでもバランスがいいし、チームの流れも鈴鹿1000kmで勝っていい雰囲気です。レースは4〜5台でトップ争いしながら、抜けないでそのままいくんじゃないですか? マクラーレンもまっすぐは速いし、No.25も救済で速い。中団はごちゃごちゃしちゃうかな? 勝つつもりでいきたいけど、ただ勝っちゃうと120kgでしょ…。予選どおりの3位を走ってその後どうするか。後半の立川のパートで落ち着いてからどうするかはチームの判断でしょうね」
No.25 FK/マッシモADVANスープラ
荒 聖治「満タンで、昨日ちょっとダメだった足回りのセットをかえたら、挙動がよくなりました。天気はこのまま降らずにもってほしいですね。手応えは悪くないですよ」
No.11 JIM・メディコムGT3R
井倉淳一「(トップタイムといっても)ほかが本格的に詰めてない部分もあるはずなんで、あてになりませんけどね。うちは満タンでいちばん長い周回数を走ったからタイムが伸びたんじゃないですか。というのも、まだ二通りのセットを悩んでまして、今朝の段階でも決めかねているんです。最後のほうは路面が乾いてきてたし、ほかもあと一周走ってたら抜かれてたでしょう。でも、こういう不安定な路面状態は嫌いじゃないんですよ。今朝の走行が決勝だったらよかったんですけど(笑)」
No.77 クスコスバルインプレッサ
小林且雄「金曜日からエンジンがへんで、昨日もタービンをかえてみたけれどパワーダウンが直らず、エンジンを載せ換えたらやっと生き返ったんですよ。足回りも悩んでいたのが、車高を変えてみたらなんとか解決しました」
谷川達也「エンジンパワーがなかっただけで、クルマの調子やバランスは悪くなかったんです。エンジンを載せ換えて普通に戻ったところです。でも、まともなパワーに対してのセットがきちんとできていないんです。予選タイムと満タンのタイムがそんなにかわらないんですよ(苦笑)。ストレートでは救済を受けたまわりのクルマよりもちょっと遅いんで、きびしいレースになりそうですね」
No.19 ウェッズスポーツMR-S
田中 実「今朝は路面の乾きはじめのときに走りましたが、問題なかったです。これまで後藤が満タンで走っていてボクは満タンが初めてだったのですが、クルマが重いのがいい方向へ働いて、フィーリングはだいじょうぶでしたね。決勝もそこそこのレースができると思いますよ。マシンのトラブルもとくにないので、あとは人間しだいでしょうか? ボクの仕事として、後藤が後で少しでも楽に走れるよう15秒は差を広げてタッチしてあげたい。セーブしたり攻めたりしながら経験を生かした走りをしたいですね。勝てるポテンシャルを持っているときにしっかり勝つのがセオリーだと思うので、今日はねらいます。そして決勝後の記者会見というのをやったことがないので、ぜひ経験してみたいです」
■決勝スタート直前情報
天候:曇り/路面状況:ドライ/気温:30度/路面温度:42度
決勝日(16日)入場者数:4万4000人(予選日:1万6000人)
*リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No. | 原因 | 周回数 |
23 | エンジン | 0L |
901 | ウォーターポンプ | 1L |
21 | 接触によるダメージ | 19L |
31 | 接触によるダメージ | 22L |
71 | タービン | 26L |
■決勝レース終了後のコメント
No.38 auセルモスープラ(2位)
竹内浩典「ここは日本でいちばんブレーキングがきついところなので、ふだん使っている感覚より抑え気味にしました。気持ちよく踏み過ぎると後でスカスカになってしまうので。立川のラップタイムもよかったけれど、最後はタイヤがきつくなってしまったのでしょう。2位に落ちたとき、4位のほうが作戦的にはいいとチームで判断したのですが、NSXが勝手にスピンやピットインとなったので結局のところ2位になりましたが、もし裁定で順位が入れ変わったら1位になるわけだから、結果的にはよかったのかもしれません。今回は競っているチームがポイントを獲れず、差を広げることができたので意味あるレースでした。次はウェイトをたくさん積むことになるから優勝はむずかしいかもしれないけれど、シリーズチャンピオンに向けてポイントを稼ぐのに照準を合わせたいと思います。もうウェイトのことは気にせず、パーッと思いきりやってやろうじゃないか、という心境ですね」
立川祐路「最後のほうは走ろうと思えば走れるていどではあったんですけど、タイヤがきつかったですね。2位に落ちたときは、次の作戦についてのチームの無線のやりとりで少し混乱しましたが、NSXのマシンたちもタイヤがきつかったのか、けっきょくのところ2位に落ち着いたようですね。まだ(正式結果が出ていないので)今度の鈴鹿で100s積むか120s積むかわかりませんが、どちらにしろあまり変わらないでしょう」
No.12 カルソニックスカイライン(3位)
星野一義「ちょっと苦しかったけど、そうやすやすとは抜かせないぞという走りをした。ちょっと(タイヤが)タレてきて、スカイラインではきびしかったね。全体のペースも遅かったと思うし、オレたちももうちょっと速く走りたかった。でも、勝つためにスタッフは努力してくれているし、がんばらないとね。とにかく表彰台に乗れてよかった」
本山 哲「タイヤチョイスが気温に合わなかったけれど、クルマが新しくなったんでいい結果を出そうと走った。ボクが乗っているときもタイヤがタレてきたのと周回遅れにひっかかるタイミングで松田(No.64)に先にいかれた。なんとかついていこうとしたけど、黄旗にひっかかるタイミングも悪かったし、離れてしまった。でも、内容はともかく表彰台に上がれてよかった。前半、星野さんががんばっている姿を観て、ボクもがんばらなきゃと思った。あと2戦でもう1回くらい上のほうにいきたい。MINEでは去年も勝っているし、両方とも表彰台をねらっていくよ」
No.26 シェルタイサンアドバンGT3R(GT300 2位)
福山英朗「本来のポジションを取り戻せてよかった。序盤に接触がなければもっとトップに肉迫するテールトゥノーズの争いができたと思う。GT500クラスのモラルをもうちょっとなんとかしてほしいね。(No.8との接触については)金石も謝りに来てたけど…。神社にも行ってるんだけど、去年もチャンプとったから、これぐらいはしかたないかと思ってる(笑)」
余郷 敦「後半はいいペースで走ってた。前も見えていたんですが、一気にNo.3につかれて後ろの防御にまわってしまった。でも結果的にはラッキーなレースでしたね」
No.24 JCMタイサンGT3R(GT300 3位)
松田秀士「接触が多かったんで安全策でいったら遅いクルマに引っかかって、作戦がちょっと失敗したかな。6〜7位かな、4位ならタナボタと思ってたら、なんと3位表彰台でビックリした! えらいタナボタだよね(笑)。信じらんない。1000kmでいろいろ26号車はテストして来たし、次はシーケンシャルのテストをする予定です」
西澤和之「No.7が遅くなって抜かすことができて、その後No.81がはみ出して、『よし4位か!』って走っていたら、No.3がスローダウンして、シルビアの前を走っていました。ピットインのときにNo.3に抜かされたようで、そのことは知らなかったので、3位と聞いてビックリしました。ウチはリストリクターがきつい状態で、この3位は信じられない。あきらめてましたから…」
No.100 RAYBRIG NSX(4位)
飯田 章「前半の“星野攻撃”で、ぜんぶリズムが狂った。スープラもGT-Rもマクラーレンも、みんなまっすぐが速すぎ。ウチもクルマは悪くなかったけど、いろんなとばっちりでポジションが下がってしまった。予定では25周でピットインのはずだったけど、トラブルがあってリアがおかしくなってまっすぐ走らなくなったんで予定より1周早く入った。その影響で燃料が足りなくなってもう1回入らなきゃいけなくなってしまった」
由良拓也監督「最初のピットインはちょっとクルマにトラブルがあって予定よりずいぶん早く入ることになってしまったんです。それで満タンにしたんだけど最後まで届かなくてもう1回給油に入らなきゃいけなくなってしまいました。それと、たぶんクールスーツのトラブルだと思うんですが、最後に大輔(伊藤)がダウンしてしまいました。しかし今回は最後にいろんなことがありましたねェ」
No.22 ザナヴィ ヒロトGT-R(10位)
ミハエル・クルム「ペースが上がらなかったのはタイヤのミスチョイス。ソフトを選んでいるところがもっとダウンしてくると思ったんだけど、意外に落ちてこなかった。とにかく最後までがまんして走るしかなかった」
No.81 ダイシンADVANシルビア(GT300 4位)
大八木信行「前でR&Dのクルマがロックしたんでブレーキングしたらスピンしてしまった。まあしょうがないことでした。アクシデントはあったけれど、そんななかで4位に残れて、鈴鹿でまたしきり直しというところです」
青木孝行「前半はシリーズ(ポイント争い)にからむクルマをチェックして、あとはムリせずいきました。大八木さんに代わったときは、ピットインしていなかったクルマも居たと思うんですが、2番手でした」
No.77 クスコスバルインプレッサ(GT300 6位)
谷川達也「スタートにかけていたんで、1、2周でどれだけ抜けるか頑張ってNo.3の後ろまで行ったんですが、みんなストレートが速いんで相手がミスしても抜けなかったからストレートが課題ですね。予選15位から決勝6位という順位から考えたら良いとしても厳しいです。トップ争いできるクルマじゃないし、ついていけない。鈴鹿はここみたいなストップ&ゴーのコースではないんで、スバルのエンジンにももう少し分があると思うんですが、他も速いからまた厳しいでしょうね」
No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7(GT300 7位)
山野哲也「チューブがつまって水が飲めなかったんで軽い脱水状態みたいになったけど、だいじょうぶ。アメリカンレーシング(No.2)と序盤に接触してスピンしてしまった。No.81の前でゴールしたかったけれど、レースはむずかしいね。悔しいけれどしかたない。マフラーがこわれたみたいで、その熱でブレーキがおかしくなったみたいだった」
松本晴彦「ブレーキ系統のトラブルでした。止まらなくて怖かったです(苦笑)」
No.21 イエローコーンマクラーレンGTR
中谷明彦「星野さんのクルマ(No.12)を抜こうと思ったらブロックがきつくて当たりそうになったので、よけたらスピンしてしまった。その直後に他のマシン(No.39)に乗り上げられた。自分のペースは速かったのでうまく抜けさえすればもっと先にいける自信はあったのに、残念でしかたない。チームに申しわけないですよ」
No.1 ロックタイト無限NSX
熊倉淳一監督「思ったよりも全体のペースが速くてガソリンが足りなくなったのでもう1回ピットに入らざるをえなくなってしまいました。その段階でギリギリまで使い果たしてしまったせいか、2回目の給油後は燃料ポンプがうまくガソリンを吸わなくなってしまって最後は止まってしまいました。それまでは完璧だったので、残念です」
No.18 TAKATA童夢NSX
ブノア・トレルイエ「GT300のクルマに1回前をふさがれて、その後コースの中央でうまく抜いたと思ったんだけど、そこで後ろからきた64号車に接触されてスピンしてしまった。ボクのクルマのリアバンパーは壊れているよ。それまでクルマは快調だった」
No.88 ノマドディアブロJGT1
古谷直広「今季は完走が初めてなのでうれしいですね。いままでベアリング、ミッション、燃料ポンプなどが原因のトラブルで止まることが多かったのですが、今日は比較的だいじょうぶでした。途中、ガス欠症候が出てピットインが予定より増えましたが、ちょうどドリンクチューブが外れていたのでタイミングはよかったです。とにかく暑かったですからね。またブレーキのバランスも悪くなって心配しましたが、燃費が伸びるようなんとか走りきれました。鈴鹿では今日のトラブルが出ないようがんばります。現状でこの結果には一応満足しています」
No.31 ARTA・アペックスMR-S
新田守男「柳田(No.3)とバックストレッチエンドで当たった。オレはアイツのラインをちゃんと開けていたのに、向こうが止まりきれずにドカンとぶつかった。そのあと、足が壊れていなけりゃいいなと思っていたら、いきなりボンネットがバンッと開いた。ちょうどピット入口だったので、すきまからなんとか前を見てピットに戻った。そのあと直して走れるのは走れたけど、ブレーキを踏んだら異音がするし、ステアが右と左で違うし、ピットで長いこと止まっていてポイントの権利もないし、オレは走れるところまで走るといったけど、チームの判断で危険だからということで止めた。レースを落としたのに腹が立つだけじゃなくて、柳田のレースに対する考え方もよくわからない。あんなに序盤でムリすることはないと思う。オレたちもいこうと思えばいけるところをがまんしてシリーズを考えて戦っている。自分だってそれでリタイアしたらタイトルねらえなくなるんだから…。ラインを開けているのにぶつけられたら、次からもう開けてあげないよって感じ。柳田にはしばらくオレのしもべとなってもらう」
No.3 ユニシアジェックスシルビア
柳田真孝「(No.31との接触は)たしかに新田さんはいうとおり開けてくれていたんですけど、もう1台イン側にいたんですよ。混戦のなかでむずかしかったんです。新田さんのいうとおり、あそこでムリする必要はなかったですね」
■優勝者インタビュー
No.64 Mobil 1 NSX
ドミニク・シュワガー「スタートはよかったです。マクラーレン(No.30)も速かったけど、3周ぐらいでなんとか逃げられると思ったんです。でも突然右リアがナーバスになって飛び出しそうになって、これはパンクだと思ってピットに入ったんです。勝てるレースだと思っていたのでがっかりしました。でも、コースに戻ってトップとの差が25秒と聞いて、1周1秒詰めればなんとかなると思い直していきました。松田選手もいいレースをしてくれました。最初はアンラッキーだったけど、最後はラッキーでしたね。この後の二つのレースはNSXに向いたコースなので、これからもこのいい流れでいきたいです」
松田次生「スタートを見たときには楽勝ペースだと思ったのに、(予定外のピットインで)どうなるんだろうと思いました。でも、シュワガー選手が2番手に戻してきてくれたので、あとはボクががんばらないと、と思ったんです。終盤はガソリンが保つかキツかったし、何度か当たったせいでストレートではまっすぐ走らなかったし…。ゴールの時は、すごくついていると思いました。最後は涙が出て。今日はドラマチックで感動したんです。フォーミュラ・ニッポンで初優勝したときよりもね。それにGTはシュワガー選手もチームもみんなががんばっての勝利ですからね。この後のレースは2人で力を合わせて、全部のレースで思いきりいきたいです」
No.19 ウェッズスポーツMR-S
田中 実「GTで優勝したことがなかったから、こういう記者会見があるのは知らなかったです。今日は100点満点に近い点を挙げられると思います。クルマを保たす、15秒のリードで渡すとか、課題がすべてできた。第2戦、第3戦はぶざまな負け方をして、坂東親分がスポンサーさんにあいさつにいくときに悔しい思いをしたと思うんです。それで『ぜったい勝つ!』と檄が飛びまして、富士に向けて、セパンもあきらめてテストしたんです。その富士では3位。まだ足りないものがあって、それを克服しなければ、と。今日は坂東さんがうれしいと思いますよ。この後はトップの連中と同じウェイトを背負ってどこまで闘えるかですね」
後藤 聡「予定どおりというか、それ以上ですね。交代のときは坂東さんが『落ち着いて淡々といけ』と言ってくれまして、とても落ち着けました。走行中は安全をみて走りました。だからゴールのときはホッとしたという感じでしたね。チームとしては勝たなければというレースだった。だから自分の仕事ができたことがよかったですね。ボクはレースを始めたのが遅かったから、ほかの若いドライバーには負けたくないというか、この恵まれている環境でやらせてもらっているんだから、結果を出さないといけない。だから今日はどうやっても、カッコはどんなでもいいから勝ちたかったんです」
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