2003 AUTOBACS JGTC INSIDE REPORT NETWORK EDITION
Round3 SUGO GT CHAMPIONSHIP 2003.5.25 Race Day

Free Practice - フリー走行

No.23 ザナヴィ ニスモ GT-Rがフリー走行でトップタイム

本山 哲「昨日の予選から引き続き、順調に進んでいます。レースを想定してクルマの方も進めていますし、タイヤも問題ない。本番はとにかく各スティントの後半でペースが落ちないようにすることが大事だと思います。まずは序盤でトップに立つつもり。早目に前に出て、後ろとのマージンを稼いでクルムに渡したいですね」

ミハエル・クルム「レースセットは悪くないですね。決勝に向けても、セットは微調整していくと思いますが、間違いなくトップ3には入れると思います。レースでは終盤が勝負。菅生のコースも、TIと似た感じなので、最後の15周ぐらいが勝負になると思います」

クラスポールのNo.11 JIM RodeoDriveアドバンF360、フリー走行でもトップタイム

松田秀士「レースセットもいいですね。満タンでバランスチェックができました。タイヤは予選ではいた中古です。今回は哲ちゃん(田中哲也)にアタックをやってもらいましたが、ボクはここのコースを走る時間が少なかったんで、SUGOは彼にまかせたというところです。開幕戦ではどうなることかと思っていたんですが、(第2戦の)富士ではメカニックが見ていてかわいそうになるぐらい徹夜続きでマシンを仕上げてくれた。よくやってくれたと思います。ここに来て、クルマは初期トラブル対策が間に合いはじめたので、今度はボクたち(ドライバー)がメカに喜んでもらえるような仕事をしないといけませんね。レースは堅実にいくだけ。表彰台には乗らないと。もちろん勝ちをねらっていますよ」

フリー走行2番手のNo.39 デンソーサードスープラGT、決勝セットに自信

ドミニク・シュワガー「昨日の予選ではタイヤと路面のマッチングがよくなくて、すごいアンダーステアだったし、グリップ感や十分なトラクションが得られなかった。スープラはだいたいみんなアンダーステアを抱えていたけど、とくにヨコハマを履いた2台は予選で苦しんだね。でも、今朝のフリー走行ではクルマのバランスはそれほど悪くない。まだアンダー傾向は残っているけどね。朝のペースを保って走れれば、まぁまぁいいところにはいけるんじゃないかな」

No.25 ADVANスープラ、フリー走行では3番手のタイムをマーク

ジェレミー・デュフォア「クルマはいい状態だし、フリー走行でのタイヤコンディションもよかった。マシンバランスもそこそこ悪くないです。決勝は予選ポジション(11番手)から順位を上げていけると思います。とにかくチームのためにボクができることを、ただやるだけです」

荒 聖治「ほかがどういう状況で走っているかわからないので一概に比較はできないと思うんですけどね。あっち(2番手につけたNo.39デンソーサードスープラGT)も燃料の量とかどういう条件で走っていたかわからないし。レースのときのコンディションは今の状況とはまた変わってくると思います。レースは路温がもうちょっと上がるっていう方向で考えているんで、タイヤはミディアムを選んでます。決勝は、きびしい場所(グリッド)からのスタートですが、自分たちが考えるなかで高いペースを保てればいいなと思います」

No.31 RECKLESS MR-S、フリー走行クラス2番手

佐々木孝太「今朝はかなり走ったタイヤを履いていたんですが、そこそこタイムが出たのでバランスはいい感じに仕上がっていると思います。スタートのときはタイヤも新しいし、もっとよくなるでしょう。まぁそれはフェラーリ(No.11 JIM RodeoDriveアドバンF360)も同じなんですけど。朝の走行では、フェラーリが何周ぐらい使ったタイヤだったのか気になりますね。ウチはクルマの特性的に最終コーナーがちょっとつらい。どうしてもクルマがペコペコしてしまう(註:ピッチングが出る)宿命ですね。SUGOは抜きづらいサーキットですし、見ている感じ、フェラーリもヴィーマック(No.5 BANPRESTO B-1マッハ号GT 320R)も速い。予選は残念ながら3番手になってしまったんですが、なんとかチームの総合力で勝ちたいです。次回、富士がもう1回増えてショックなんですよ。MR-Sは富士が苦手なんです。そのぶん今回は調子がよかったのでポールを獲りたかったんですけど、予選2回目は覆面レーサー(No.9 正義の味方 覆面レーサーX MT)に引っかかってしまって…。でも今日のレースでは、ウチになにかあったら“正義の味方”になって助けてくれるということなので、期待しています(笑)」

ニューカマーのNo.19 ウェッズスポーツCELICA、フリー走行でクラス3番手

青木孝行「金曜日はどうなることかと思いましたが、毎日ドンドンよくなってきてます。予選はアタックできなかったんですが、(朝の走行では)ほぼ満タンでバランスがよくなってきました。タイム的には、トップはムリとしても上位に食い込めるかなというところまで来ました。クルマが素直で、思った部分が思ったように動いてる感じですね。でも、ここからがむずかしいんです。ようやくみんなに追いついたところですね。今まで乗ったクルマのなかではシルビアに印象は近いですけれど、ちょっと違う。もっとフォーミュラに近いですね。MR-Sはハコともフォーミュラともいえないクルマでした。スタートはボクがいきます。表彰台は、ねらわないけれど入れればいいなというところです(笑)」

No.62 Vemac R&Dダンロップ350R、走行終盤にコースアウト

密山祥吾「飛び出したのは4コーナー(ヘアピン)です。ちょっとクルマの細かいトラブルがありまして、軽く飛び出しちゃった程度なんで、問題はないと思うんですけど。これからチェックしてもらいます。突然のことだったのでちょっと対処しきれませんでした。クルマはそこそこバランスも出てるんですが、あとはボク自身がもうちょっとがんばらないといけない部分がありますね」


Final - 決勝

■決勝スタート直前情報(14時40分現在)

 天候:曇り  路面状況:ドライ  気温:19度  路面温度:23度
 入場者:決勝日(25日)4万8000人 予選日(24日)1万2600人

■リタイア(JGTCインサイドレポート班調べ)

No.原 因周回数
88駆動系22L
11電気系36L
12コースアウト40L
71エンジン40L
15エンジンブロー42L


No.36 WOODONEトムススープラ、ファイナルラップで逆転を許し2位に

土屋武士「今日はめちゃめちゃいいレースでした。まずはスタート直後にau(No.38)を抜くことが勝負権を得られるかどうかのポイントだったので、けっこうリスクを背負って抜きにいきました。3番手に上がってからは、前(をいくクルマ)のペースを見ながら(の走行)。前2台のペースが速かったんですけど、ウチは後半エリックで勝負にいこうと決めていたので、ボクはできるかぎり燃費をセーブしながら、離されないように走っていました。1号車と23号車がピットに入っているあいだはプッシュして、6秒ぐらいあった差も詰められたと思います。最後の最後は抜かれてしまいましたが、あれもレースだからしょうがない。エリックと寿一が思いきりやった結果ですよ」

エリック・コマス「武士と交代して、うまくトップでコースに戻れたんですが、その何周かあとに1コーナーでエッソ(No.1)に抜かれてしまいました。あのときはGT300のマシンがコース上にオイルを撒いたあとで、ストレートのイン側にオイルラインができていた。でもボクはそれを知らなかったし、目の前に周回遅れの集団がいたので、イン側のラインを通ってしまったんです。それでタイヤがまったくグリップしなかった。エッソのほうはオイルのことを知っていたのかアウト側を通ったので、抜かれてしまいました。そこからはなんとかトップに戻ろうと100%プッシュする走りでした。タイヤ自体はすごくいいパフォーマンスを発揮していたんですが、そういう(プッシュする)走りをしていたので、何回もブレーキロックをさせたりして、まずフロントタイヤがツラくなり、最後の5周はリヤタイヤもキツかった。また、ファイナルラップはSPコーナーで周回遅れのマシンに引っかかり、エッソに詰め寄られました。なんとかポジションを守ろうとしたんですが、リヤが出ていってしまって…。でも今季初表彰台ですし、2位になれたのはよかった」

関谷正徳監督「今日は最高のレースだったんじゃないですか。内容的にはそう思います。(勝利が目前に見えていたけれども、結果は)しょうがないですよね。みんながよろこんでくれたので、これ以上のレースはないと思います」

No.23 ザナヴィ ニスモ GT-R、3位で今季2度目の表彰台

本山 哲「スタートしてからずっと(No.1より)こっちのほうがペースは速かったんですが、やっぱりSUGOは抜くところがなかった。そうこうするうちにだんだんウェイトが効いてきて、リヤタイヤがきびしくなってしまった。周回遅れに引っかかるタイミングも悪かったしね。けっきょく重さには勝てなかった。JGTCはシーソーゲームになるのはわかっているんですが、できればポイントリーダーは守りたかったですね。次の富士はウェイトが90kgとさらに重くなりますが、重いなりにいいセットを見つけて、なるべくポイントを取りたい。チャンピオンを獲るためにはコンスタントにポイントを取らないとダメだから。でも、今日は36号車に勝ってほしかったなぁ。どっちを応援しているとかそういうのはないんですけど、その方がポイント的にウチにとってよかったですからね」

ミハエル・クルム「ニュータイヤで出ていったときには思った以上にアンダーでした。ピット出口でスポンジバリアに当たってしまったぐらい。だから、エッソ(No.1)が来てると無線で言われたけど、どうしようもなく、アウトラップで抜かれてしまいました。トムス(No.36)のピット作業が早かったのにもビックリしました。その後は本山と同じぐらいのペースでは走れていましたし、一生懸命走りました。でも、あれ以上はムリでしたね。ボクのほうが本山よりも長い距離を走っているので最後の10周はタイヤもきびしかった」

No.5 BANPRESTO B-1マッハ号GT 320R、初の2位に

三船 剛「後半の追い上げは疲れました。セットがよかったので、どうにか前のクルマを抜きたかった。(抜いた)No.7は最終コーナーでGT500にゆずるときに自滅してましたね。タイヤはテストができていなかったので、きびしかったです」

玉中哲二「やっと第3戦で(表彰台まで)来たかというところです。序盤は(タイヤに)フラットスポットをつくってしまったんですが、(ピットに)入るわけにもいかず、ずっと我慢していました。SUGOは7年走ったけど、相性がよくないのか、去年も大きな事故やってるし、初めて完走できたんですよ」

No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7、得意のSUGOで今季初の表彰台

大井貴之「(スタートドライバーはJGTCでは初だが)ローリングスタートはS耐でも同じだし、どれもスタートは一緒ですよ。(その後は)そこそこのペースでうまく自分のポジションをキープして、なにごともなく谷口に渡して、あとはがんばってもらおう、と。でも、なんか一発やらかしたみたいだね(笑)まあ、表彰台に上がれてよかったですよ」

谷口信輝「No.111が馬の背からずっと譲ってくれなくて…。最終コーナーでGT500のクルマにゆずろうとアウト側から入ったら、タイヤカスに乗ってドンドン外に出ていってしまってNo.5に抜かれたんです。(表彰台には上がれたけれど)くやしいレースですよ」

No.25 ADVANスープラ、今季最上位の4位

荒 聖治「ジェレミーがいいスタートを決めてくれて、4位までポジションを上げてくれました。セットアップを煮詰めきれずアンダーがきびしくて、周回遅れをかわすときにムリがきかなくて、前をいくクルマに離されてしまいました。(4位という結果は)これまでの最上位ですけど、これまでも、もっと前を走れる速さはありました。でも、トラブルやアクシデントでその速さを結果につなげられませんでした。その意味では今回4位でレースをまとめられたのはよかったと思います。でも、まだまだ足りないところあるので、ミーティングをして、次のレースでは表彰台のまんなかをねらえるようにしたいですね」

ジェレミー・デュフォア「スタートはとてもよくて2、3台のマシンを抜くことができた。その後もハードプッシュを続けて、さらに2、3台抜いたんだ。それからはペースをキープして走ることに専念した」

No.43 ARTA Garaiya、クラス4位

高木真一「ストレートスピードがないんでコーナーで抜くしか方法がなくて、新田さんがNo.5とぶつかったのも、しかたのないレーシングアクシデントだと思います。ボクの乗った(レースの)後半は(車群が)バラけてくれたんですが、周回遅れでもポルシェだとストレートスピードは速いので、ゆずってくれないかぎり抜けないんです。そのためにペースがガタ落ちになってしまうので、もうちょっと楽にっていうか、リスクを負わないようにしたい。そのためにはストレートスピードを伸ばすしかないんですよね。そんななかでも4位に入れたことはよかったと思います。3位だと10kg積まなければいけないんで、それは避けられましたし」

No.37 ZENTトムス スープラ、5番手走行時にタイヤトラブル発生

黒澤琢弥「右のリア(タイヤ)がバーストして…。なんにも踏んでないのにいきなりバーストした。記憶のなかでは、3コーナーの後かな? ヘアピンの手前だと思う。No.38(auセルモスープラ)と並んで走っていて、いきなり兆候なし(でバースト)だったのでちょっと危なかったし、怖かった。それで順位が落ちちゃったんで、あとはお客さんによろこんでもらうために、パフォーマンスとして、いろんなクルマを抜いて走ってました」

No.19 ウェッズスポーツCELICA、デビュー戦はクラス20位に終わる

板東正明監督「(左前輪がグラグラになったのは)ハブかサスペンションかと思ったんだけど、どうやらホイールナットがゆるんでしまったのが原因らしい。ピットアウトした周だったんでね。No.5と当たってるせいもあるかもしれないけれど…」


Winner - 優勝者

GT500クラス No.1 エッソウルトラフロースープラ

飯田 章「(No.23の)本山選手とは最後までやりあうだろうなと思っていました。序盤はお互いに自分のペースを作って、ボクが(ペースを)上げると本山選手も上げるという感じで、タイヤをいじめないように間隔をうまくとっていました。本山選手も隙あらばと(インに)入ってこようとしてましたが、(ムリをしなかったのは)そこはプロとしてレースを大事にしたんじゃないかな。ただ、後半(No.23は)周回遅れでだいぶ苦労したみたいで、(そのおかげで)マージンをもらったようなものです。
 クルマは、エンジンのフィーリングが今ひとつでストレートが延びなくて、大丈夫かなと思ったんですが、最後まで走りきれてよかったと思います。最後(脇阪が乗っているパートで)は、ホントにちょっとヒヤッとしましたけど、うまくいって一安心しました」

脇阪寿一「(飯田が乗っている)1スティント目を見ていたときにはライバルは23号車と思っていたんですが、章が本山選手を抑えてくれて、あとは逃げきれるだろうと読んでいたんです。ところが、思わぬ敵(No.36)が現れた。No.36に前にいかれた要因はふたつあって、まず2周にわたってダイシンシルビア(No.81)とC-WESTシルビア(No.51)に前をふさがれて、それで数秒ロスしたと思う。それからNo.36のタイヤが温まってきて前にいかれたんです。いつも以上にペースが上がらずにけっこう苦労したんですけど、勝ててよかったです。
 100番との接触のことですが、(1コーナーのイン側を)一車身空けているのはわかるんですけど、(No.100は周回遅れなので)ボクとブレーキング競争する必要はないし、1コーナーのイン側はオイルがあって、そこではボクも止まりきれないですよね。それでアクシデントになったんです。
 最終コーナーでの(No.36を抜いた)ことに関しては、ダイシンシルビアをコマス選手がかわすときに、ボクが後ろから来てることもあったんでしょうか、(No.36が)スロットルを荒く開けてフラフラとアウト側にはらんでいったので(インに入った)。ボクも多少アンダー出しながらだったのでアクセル全開にすると接触するかなという危惧もあったんですが、あそこでは勝ちたいという気持ちが先に立ってアクセルを抜くことはできず、多少接触したんです。接触に関しては悪いのは(後ろからいっている)ボクだと思うんですが、ボクも優勝を目指しているわけですから、そこでアクセルを抜くことはできませんでした。コマス選手はレース後に握手を求めてきてくれて、ボクも素直にいま言ったことを説明して『ごめんなさい』と謝りました。(コマス選手に抜かれたあとは)正直、最終コーナーの進入ではボク(のクルマ)もまったく曲がらなかったんです。ただ、コーナーの後半からはボクのほうが速かったから、どうやってその曲がらないのを曲げようかと、インの縁石に乗せてみたり、アウトからいったり、ブレーキの当て方とか、毎周試したんです。多少いいものを見つけたんですが、それよりもコマス選手が周回遅れに詰まって遅れて(抜き返すことができた)。
 100番(との接触)の件に関してはボクの運が悪かったし、最後にどっちが運のよさをつかむかということで優勝者が決まったということです。それがたまたまボクらに微笑んでくれたのかな、と。逆に(最終ラップの最終コーナーで)ボクが前にいたら抜かれていたと思いますよ」

GT300クラス No.31 RECKLESS MR-S

佐々木孝太「前回の(SUGO合同)テストであんまりよくなくて、基本的にMR-SがSUGOを得意としていないですし、トラブルもあって調子よくなかったんです。でも、ここに来るまでのあいだにチームやBFグッドリッチさんががんばってくれて、(金曜の)走り出しから調子がよかったんです。だから、予選もポールねらいにいったんです。
 決勝も、雑誌などではまったく注目を浴びてなかったんで、みんなの期待を裏切るような活躍をしてやろうと企んでました(笑)。目論みどおりにいったんで、うれしいです」

後藤 聡「ここのサーキットに来たときは、すごくきびしい週末になって我慢のレースをする予想をしていたんです。でも走り出しから調子がよくて、こうなると“今週はトップをねらうぞ”という感じがチームのなかで出てきて、決勝に向けてクルマもよくなってくるし、勝つためになにがいるかといろんなケースを考えたり、その準備がほかのチームよりよかったんだと思います。勝ちにいったレースで勝てて、ほっとしています。
 終盤は、ボクのせいでもあるんですけど、フロントタイヤを痛めてクルマのバランスを悪くしちゃったんですよ。いつもの状態じゃなくて苦しかったんです。ただ、佐々木選手が無線でつねに状況を教えてくれて、“ギャップはこれだけある”と言ってくれてたんで、ぴったり後ろに(後続が)来ても、ぜったい前でチェッカー受けるっていうつもりで走ってました」



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