2004 Inside Report Network Edition

2004 第1戦 TI サーキット英田

Free Practice - 決勝日フリー走行

◎No.12 カルソニックIMPUL Zがウェットのフリー走行でトップタイム
井出有治「Zでは雨のなかを走ったことがなかったので、走り出す前はちょっと不安でしたけど、実際にはGT-Rと同じように問題なく走れるということが確認できました。ウェットコンディションでもブレーキはすごく効きますし、トラクションもあります。これだけ走れれば十分です。レースが雨になっても自信はありますよ。去年の2ヒート制だった富士を除けばGT300以来のスターターを務めますけど、緊張しないようにがんばります」
◎No.16 M-TEC NSX、クラストップタイムをマーク
熊倉淳一監督「えっ? GT500(のNSX)よりも速かったんですか(笑)。ウェットタイヤもすごくよかった。雨のなかは初めて走ったのですが、思ったよりもダンロップさんのタイヤがグリップしました。決勝は天気の状態がまだわからないですが、雨でも晴れでもどちらでもいいですね。走行はそれぞれ半分を目安に、レースの流れによって考えます。順調というか、スケジュールどおりに物ごとが進んでいるということです」
◎クルマを温存!? No.1 ザナヴィニスモZはフリー走行4周のみ
リチャード・ライアン「ボクはフリー走行ではほんのちょっとしか走っていないんだ。これだけ雨が降っていてコンディションが悪いし、そんななかでムリして走りたくなかったからね。レースになれば雨でもドライでも速いと思うし、クルマをちゃんとキープしておきたかった。べつに問題があったわけじゃないよ。レースは問題なくトップをねらっていけると思う」
◎予選クラス2番手のNo.63 LEYJUNダンロップ320Rウエットでも2番手
吉本大樹「普通のレインタイヤですよ。クルマはすごくいい。申し分ないです。雨でも、どんなコンディションでもOKですよ(笑)。燃料はそこそこ積んでると思います。もともとのクルマのバランスがいいんですね。トラクションのかかりもいいです」
◎No.19 ウェッズスポーツセリカ、初のウエット走行でクラス3番手
青木孝行「ウエットでは全然走ってなかったんで、おもにタイヤテストやエンジンのデータ取りをしていました。走行中、『GT500のNSXがきた!』と思って譲ったらNo.16でした。それぐらい速いですよ。GT500のNSXを喰ってるでしょ? ありえない話ですよ。決勝は雨があがって、マシンセットはギリギリまで悩むチームが多いんじゃないでしょうか? ただ後半勝負になると思うから、ドライに振っておいたほうがいいと思いますけれどね」
◎No.77 クスコスバルADVANインプレッサ、ワイパートラブルで十分に走れず
小林且雄「最初はブレーキバランスの調整をずっとやっていて、そしたらケツがロックしてコースをはみ出した。その後ワイパーが動かなくなって、まともに走れなかった。ドライの感じをみても、今回はちょっときびしいね。雨になるとグリップも出ていないし、なおさらかな。スタートは谷川の予定です。ウチも速くなってるんだけど、ほかが異常に速くなってるんだよね」
◎No.37 DYNACITYトムススープラ、雨に足もとをすくわれクラッシュ
ジェームス・コートニー「コース上の雨が思った以上に多くて、川になっていたところでアクア・プレーニングを起こしてしまいました。2コーナーと3コーナーのあいだのS字のところです。始まってあまり時間がたってなくて、攻めるのにはちょっと早かったかな。体は、ヒザをちょっと打ちつけただけで、あとは問題ありません」
寺本浩之エンジニア「(クラッシュによる損傷は)左のフロントだけです。アームが折れたので交換します。巻き込んだときにボンネットが開いちゃったけど、見た目ほどひどくはありません。クルマの調子がよく、バランスもよかったんだけど、川の位置がわからなかったんですね。(決勝の)グリッドには間に合います。アームとカウルを換えればだいじょうぶです」

Race - 決勝レース

■決勝スタート直前情報(13時50分現在)
天候:曇り/路面状況:ハーフウエット/気温:13度/路面温度:16度
入場者:決勝日(4日)5万8500人/予選日(3日)2万3500人
*ピットイン・ロスタイムの目安(JGTCインサイドレポート班調べ)
 ピットロード通過 15秒〜20秒
 タイヤ交換+給油 35秒〜40秒

※No.100 RAYBRIG NSXはウォームアップ走行中のクラッシュによりピットスタート

*リタイア(JGTCインサイドレポート班調べ)
 No.17:No.81と接触(47L)
 No.81:No.17と接触(55L)
 No.70:コースアウト(53L)

◎No.6 エッソウルトラフロー スープラ、2位表彰台を獲得
脇坂寿一「最初はタイヤをセーブしていたんですが、最後もペースが上がらないまま。1分25秒台後半をねらっていたんですが、そんなペースでは走れず、つらい展開でした。タイヤ選択はずっとソフトで来ていたんですが、ハッキリ言って選択はミスです。それでも2位は、運がまだあるのかな(笑)」
飯田 章「レインのソフトだったんで、しんどかった。スリックへの交換のタイミングがむずかしかった。でも、ウチが(ピットに)入ったらみんなつられて入ってきた。今回は完全に作戦負けですね。No.39は予想外に速い。Zと同じペースだった」
◎No.39 デンソーサードスープラGT、ペナルティで悔しい3位
アンドレ・クート「クルマもいい状態で、前半にジェレミーがガンバってひっぱってくれたこともあって、今日は勝てると思っていました。ところが、ペナルティが出て、無線でピットインしろ、ストップ&ゴーのペナルティだ、って言われてなぜだかわかりませんでした。とても残念です」
ジェレミー・デュフォア「今日はいいレース展開になって、いい走りができました。このまま勝てると思っていたのですが、ペナルティが出てしまいとても残念です。クルマもタイヤもよかったので、次がんばります」
◎No.43 ARTA Garaiya、クラス2位入賞
新田守男「予選の1回目は、アタックに入った周にブレーキが抜けてコースアウト。すぐに直ったんだけど、とりあえず基準タイムをクリアするだけに終わってしまいました。2回目は1回目にできなかったことをやった結果、あのポジション。ほぼ思ったとおりのポジションでしたし、決勝に向けての準備はできました。決勝では序盤、M-TEC(No.16)とVemac(No.63)のペースが遅くて、哲っちゃん(No.10)と2台で前に出て、その後もほぼ同じペースでいくことができました。フェラーリのほうが気持ち速いと思っていたんですけどね。あわよくば優勝というのも考えましたが、現実的には、いまの段階で考えられる最高のポジションは獲れたと思います。まだクルマも仕上がっていないし、ボクらもまだやらなければいけないことがある。反省するところは多いですよ」
◎No.16 M-TEC NSX、クラス3位獲得
山野哲也「見せ場を作らなきゃいけなかった僕の立場がツラかったですよ(笑)。抜かれていくシーンをたくさん作りましたから。スリックで出ていったんだけど、選択したタイヤが路面に合わなかったんだろうね。ほんとツラくて、ガマン、ガマンの状態でした。無線で、もう全然グリップしませ〜んっていったら、『なんとかコース上に残ってください』って言われました。10周目くらいからグリップするようになって、あとは予定どおりかな」
八木宏之「最初はセーブして走ってたんですが、終盤になって、監督からガンガン無線であと何ラップ、前と何秒差、といわれるようになり、セミファイナルラップではこの周チェッカーだから、なんとかしてこいといわれました。1コーナーでガンバって抜いてきました。チームワークもよかったし、いろいろと勉強させてもらいました。今回はミスをしてしまったのですが、次はミスしないようにがんばります」
◎No.38 auセルモスープラ、単独スピンでポジションを落とす
荒 聖治「コースコンディションが悪いなか、単独スピンしてしまいました。申し訳ないこをしてしまいました。スタートは浅ミゾのレインタイヤで、最初はいいペースで走れていたと思うんですが…。もっといいポジションで後半につなげられれば、表彰台は十分にねらえていたと思います。手応えは感じました。次はもちろん表彰台をねらいます」
◎No.22 モチュールピットワークZ、ポールスタートをフイに
影山正美「まず、8分間のウォームアップでウエット宣言が出されなかったのがおかしい。ボクはインターミディエイトの皮むきをしたいってチームに言ったけど、スタッフがオフィシャルに聞いたらスリックでなければダメと言われて、しかたがないからスリックだけ皮むきをしてグリッドに着いた。でも、ほかのチームはインターミディエイトを履いていたよね。ところが、グリッドに着いたあとになって、競技長が“まちがってウエット宣言してなかった”と謝りにきた。これは重大な事件として取り扱ってほしい。その結果インターを皮むきできなかったからボクたちはスリックを選ばざるをえなかったし、精神的にもかき回された。金曜日の感じから簡単に路面は乾かないんじゃないかとは思っていたね。台数が多いからどうかなという部分もあったけど、結局は案の定乾かなかったし、乾いてきたときには“時すでに遅し”だよね。乾いてからはクルマは問題なかったよ。でも、ソフトタイヤを選んでいたからあまりラップタイムを上げられなかった。かなり残念な結果だけど、次のSUGOでは勝ちをねらっていくよ」
◎No.12 カルソニックIMPUL Zもスリックでスタート
井出有治「スリックタイヤで出ていったので怖かったです。最初の5周ぐらいはコース上にいるのがやっとでした。どういう感じで路面が乾いていくか読めなかったんですけど、思った以上に乾くのに時間がかかったし、あの路面にスリックは合わなさすぎました。ペナルティーを受けたのはフォーメーションスタート5分前を切ってからクルマに触ってしまったから。雨がパラついてきたのでタイヤをインターに戻そうとして触ってしまったんですよ。ペナルティーを受けたあとぐらいから路面が乾き始めたので、いいペースで走ることができました。それだけに最初にインターでいけていれば…。ザナヴィ(No.1)とかエッソ(No.6)と同じぐらいのところにはいられたと思います。SARD(No.39)よりは速いペースで走れていましたしね。まぁ、次のレースでがんばります」

Winner - 優勝者インタビュー

■GT500 No.1 ザナヴィニスモZ
本山 哲「もうメチャクチャうれしいです。正直言って2位かなって思ったから、まさかあの状況から激変するなんて信じられない気分です。レース序盤はかなり混乱する状況で、サーキットのコンディションもそうですし、ペナルティももらいましたし…。ただ(クルマの)調子はすごくよくてとにかく速いんで、そのペースを維持し続けて、あきらめないという気持ちで走ったことがこの結果につながったと思います。ペナルティは正直ショックもありましたけど、まだレース序盤ですし、先は長いんで、1ポイントでも多くほしいと思ってあきらめませんでした。今年、シーズオフからNISMOが速いクルマを用意してくれたし、テストも順調に来ていましたし。去年獲れなかった開幕戦の優勝をまず第一の目標にやってきたんで、それがほんとうにうれしいです。あと、相棒がリチャード(ライアン)に代わって、そのコンビネーションを証明できた思うし、リチャードに感謝しています。去年もこういうかたちでスタートしたかったんですけど、今年はそれができた。これをベースにして、去年の経験も生かして(シーズンを)組み立てて、ふたりでつねに速く走ることを考えていきます。これからは、とにかく思いっきりいきたいと思います」
リチャード・ライアン「(39号車に対するペナルティは)最初無線で聞いたのですが、ほんとうなのか確信が持てなかった。ペナルティがまちがいかもしれないし、ほんとうにどうなるのかは最後になってみないとわからない、とにかくプッシュしようと思いました。自分としては最後まで気を抜かないようにしました。今週末は、最初にクルマに乗ったときからいい仕上がりだなと思っていて、自信がありました。代わってからは、あまり最初からプッシュしてタイヤに負担をかけないように心がけました。それからプッシュをしかけ、終盤には39号車に追いつけるかと思いました。本山選手も速い選手で、2人とも同じように速いペースで走れる。そこも自信がありました。本山選手と組むことがわかってから、今年のチームは強いぞと思いました。新しいクルマも乗ったときから速かったので、このふたりとこのクルマがあれば、つねにトップ4にからめるだろうと思いました。そして、今日の勝利でチャンピオンという目標を持って戦っていけます。次のSUGOは昨年、本山選手がウエイトを積んでも速かったし、今年のクルマは去年より速いのがわかっていますし、日本一のドライバーと組んでいるので、ウエイトを積んでも表彰台をねらえると思っています」
■GT300 No.10 JIM GainerアドバンF360
田中哲也「今年はチームが2台体制になったんですけど、それだけ情熱を持ってやっているチームオーナーの田中さんに感謝したいです。また、今年新しくなったスタッフも、この勝利で苦労が報われたと思います。決勝のスタートでは、GT300の前のほうはみんなスリックでした。正直、あの状況でスリックっていうのはラクではなかったです。ただ、周りもみんな同じですから、そのなかでなんとかがんばれれば、と。選んだタイヤが少し硬めでしたので、ライフ的には有利だと、そこががんばりどころだと思ってました。ヘンに(他車と)争うよりも、ハイペースながらも間隔を開けて、勝機をねらっていました。後ろにいたGaraiya(No.43)もそういう感じでしたね。(ゴール前の気持ちは)GT500でペナルティがあったりしましたから、最後まで安心はできなかったですよね。でも、余郷さんは去年もここで勝っていますし、いつも安定して走っていますからこの勝利があったわけです。そこは感謝しています。じつはボクらのクルマは(規定より)少し重いんですよ。そこを次までに軽量化してきますから、(ハンデの)ウエイト積んでも今回とそんなに変わらないんです。だから次回も同じパフォーマンスを十分見せられると思います。今年はガンガンいこうと思っています。でも、まだまだクルマも燃費とか課題もありますし、今年はM-TECさん(No.16)もいますし、そんなに簡単なことではないとも思っています」
余郷 敦「チームを替わって最初から勝てました。勝てるチーム体制を作ってくれたオーナー、監督、チーム関係者のみなさんに感謝します。オーナーから『開幕はぜったい勝つ』とお話をいただきましたんで、それに応えられてほんとうにうれしかったです。田中選手から燃費の話がありましたが、ピットでは給油に時間がかかるので、今日はリア(タイヤ)だけ交換でいきました。そのため、最後はアンダーがきつくなったんですけど、タイヤをいたわりながら走ることを心がけました。まあ、いろいろ細工をしながらね。予選の一発が速いのはわかってましたし、コンスタントラップや満タンのフィーリングもよかったんで、いけると思いました。クルマは去年からのフィードバックがあるようなので、速くなる要素はいっぱい持っていると思います。今回はウェットで(田中選手は)きびしかったと思いますが、また次も10秒くらい差をつけて帰ってきてくれればと思います(笑)。ボクは後ろ(との間隔)を見ながら走れればいいなぁ、と。今後(のシリーズ)ですか? ……勝てるだけ勝ちたいです(笑)」

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