2004 Inside Report Network Edition

2004 第3戦 セパンサーキット

Practice Day - 練習走行日(2004-06-17)

◎No.36 WOODONEトムススープラ(GT500クラストップタイム)
土屋武士「1回目の走行ではタイヤ、とくにリヤの磨耗がきびしかったので、午後はタイヤをセーブできるセットアップを探して走りました。そのセットアップだと磨耗だけはいいんですが、乗っているフィーリングはよくないですね。アンダーも出るしオーバーも出るし。だから、タイヤの磨耗も乗り心地も両方いいクルマに仕上げたい。とりあえずタイヤをセーブできるセットだけは見つかりました。今日の走行で全磨耗するまでタイヤのようすを見ることはできています。1セットのタイヤでレース距離の半分以上は走れましたから。そういう意味ではまぁ順調です。あとはレースが終わるまで集中していくだけですね」
◎No.7 雨宮アスパラドリンクRX7(GT300クラストップタイム)
山路慎一「デフの冷却システムにトラブルが出て交換作業に40分ほどとられてしまったんですが、クルマは確実に進歩してます。今回は50kgのウエイトが積まれてるんで、思ったほどストレートスピードが出てないんです。勝負はコーナリングスピードだけだと思います。久しぶりにセパンに来て改めて思ったのは、路面のμが低いってこと。だからドライバーの技量が重要になってくるでしょうね。練習走行で速いのはいいんですが、そういうことよりも決勝でキチンと走れるようにして、結果を出すまではプレッシャーがかかってます。だからこのセッションで速くても全然うれしくないですよ。とにかく今回は勝たせてくださいって周りのチームに言っておいてください(笑)」
◎No.15 AMPREXムルシエラゴGT、地元セパンでデビュー
ノーマン・サイモン「GTレースに出ることができてうれしい。セパンへは2回来たことがありますが、走るのは初めてです。2週間前にクルマが届いたばかりなので、事実上のシェイクダウン。まさにゼロからの出発です。クルマがどの程度進歩してくれるのか、楽しみにしているところです。クルマ自体がまた新しいので、最初のセッションでは橋本さんにたくさん乗ってもらい、ボクは5周だけ走りました。でもいい感じですよ。コースはとてもむずかしいテクニカルコースですが、好きですね」

Qualify Session1 - 予選1回目

◎No.39 デンソーサードスープラGT、暫定ポールを奪う
ジェレミー・デュフォア「最初の20分間、GT500専有の時間帯はアンドレが担当して、ボクは混走セッションで走った。ボクがアタックにいったときはグリップがよかった。このサーキットはウエットコンディションでのグリップがいいんだ。それと、この状態にあったタイヤチョイスができたこともよかった。もう一つ、クリアラップもうまく取れて、GT300にジャマされることもなかった。2回目が雨でもまだタイムアップできるマージンはある。だからこのままポールを奪いたいね」
◎No.16 M-TEC NSX、予選1回目で暫定クラストップタイムをマーク
山野哲也「昨日からすべて計画どおりに進んでいるので怖いくらい。今回はとくに順調です。最初からセットが決まった状態で来てるので、現地に来てからは小変更しかしていません。NSXとコースとの相性はとてもいいですよ。コーナーが速くて、とくにS字はダウンフォースが効いているのがよくわかります。でも、セブン(No.7 雨宮アスパラドリンクRX7)は速いよね。まだ余裕があるような気がする。ストレートになるとセブンやヴィーマック(No.63 LEYJUNダンロップ320R)あたりが速くて、ボクらのアドバンテージがないかな。その代わりをコーナーで稼いでいるような気がする。2回目は、いまみたいにオールウエットの状態でのアタックならボクらにアドバンテージがあると思うし、こういうコンディションでの決勝ならブッチギリで勝てると思う。でも、晴れるとセブンがくるっていうことは意識しています」
◎No.3 G'ZOX・SSR・ハセミZ、安定した速さで暫定2位に
エリック・コマス「最初の20分をドライブしました。混走の時間は金石(年弘)クンが乗っています。いいタイムを出せたのですが、もっとプッシュできたと思うから混走でもアタックしたかったですね。それに関してはちょっと残念です。クルマのコンディションもいいです。最初からずっと2分13秒台で走れましたし。Zはこのコースに合ってるとは思うけれど、スープラも速い。午後からのアタックは天気しだい。2回目もボクがアタックします」
◎No.36 WOODONEトムススープラ、暫定クラス3番手
土屋武士「もちろん雨のセットで走りました。ずっとコンマ1秒差の2番手だったけど、トップレベルで終われたので、昨日からのいい流れではあると思います。昨日はフィーリングがよくないって言ったけど、こんなもんだろうなっていうのはある。ブリヂストンタイヤのキャラクターをボク自身しっかり把握できてきたのかな。クルマのセッティングは、ボクのいいところを生かすことも必要だけど、タイヤも無視できない。それが3戦目にして噛み合ってきたのかな? 一発ドカンとタイムを出すボクの特長が出せているし、タイヤとドライバーとセッティングを合わせた、トータルの力が上がってきているんじゃないかと思う。だからウエットでも落ち着いて(走行が)できるし、こんな感じだろうって走ってる」
◎No.12 カルソニックIMPUL Z、混走枠でのアタックで4位に浮上
ブノワ・トレルイエ「GT500の専有走行では、最初レインタイヤでコースインしたのですが、1周だけしてピットに戻ってインターミディエイトを装着しました。まだ雨が残っている状態だったので、選択としてはよくなかったと思います。次のアタックにはまたレインタイヤでコースインしたのですが、ポジションはクラス真ん中くらいでした。ちょっときびしい状態でしたが、混走の時間帯にがんばってアタックして4番手にポジションを上げることができました。その後コースアウトしたのはブレーキングのタイミングが遅れたから。限界を知りたかったのでハードアタックしてたんです。クルマにダメージもなかったし、コースにも戻れたから問題はありません」
◎No.30 RECKLESS MR-S、暫定クラス2番手
佐々木孝太「いつもは走り始めにクルマが熟成されてない感じなんですが、今回ははじめから調子がいいですね。昨日はスピンもありましたが、それはプッシュしすぎたりやりすぎた結果なのでぜんぜん問題ありません。このコースはBFグッドリッチも得意としているみたいで、ドライでもウェットでもイケちゃったという感じ。ドライならピーカンを期待しているし、雨なら雨で二人とも調子いい。久しぶりの上位なので、コレを維持して表彰台をねらいたいです。そろそろTVに映りたい。スピンじゃなくてね(笑)」
◎No.43 ARTA Garaiya、暫定クラス3番手
高木真一「クルマのバランスはいいですね。セパンは鈴鹿に似た中高速コースの感じなんですけど、ハイスピードコーナーでの安定性を感じます。エンジンがまだまだ非力なので、雨が降ってラッキーですね。ドライだとこのポジションにはいられなかった。そういう部分ではタイヤにも助けられている。上位はダンロップとBFグッドリッチが並んでますから。願うは2回目も雨。もっと降れ〜。でも決勝はドライがいいです。真っ直ぐでは遅れるかもしれませんが、みんなのタイヤがタレて来る後半勝負でいきたい。ボクも新田さんもマレーシアに向けてのトレーニングはバッチリしてきているので、自信はあります」

Qualify Session2 - 予選2回目

◎No.36 WOODONEトムススープラ、予選終了直前に2番手に
土屋武士「クルマのセッティングは変えなかったけど、昨日ちょいアンダーでいい感じだったのが、今日は雨が降ってすごいアンダーになっちゃった。ウチは37号車と同じでソフトタイヤを選んでるんだけど、ニュータイヤで出て行った時に思い切り行こうと思ってちょっとブレーキバランスを触ったら、最終コーナーでブレーキングした時に横向いちゃって。それでも何とかタイムが出たから良かった。明日のレースは面白いと思うよ」
◎No.37 DYNACITYトムス スープラ、今季最高位の予選3番手
ジェームス・コートニー「最初はハイスピードコーナーでグリップ感がなかったけど、4周ぐらいしたところでグリップが出てきて、タイムを出すことができた。クルマのセットは悪くないね。まだ少しハイスピードコーナーでタイムロスしてるけどね。でも、レースセットはいいし、問題ない。雨が降った後は湿気がすごくて汗びっしょりになっちゃったけど、レースではクールスーツも使うし、集中して前のクルマをつかまえることだけ考えるよ」
◎No.22 モチュールキーバリューZ、マシンバランスに苦しみ4番手
ミハエル・クルム「今日の予選はむずかしかったね。トヨタのように事前のテストもしてないから、昨日の状況でマシンのセットアップをしたんだ。ところが残念ながら今日のコンディションは昨日とまったく違ってしまい、予選ではクルマのバランスがよくなかった。さいわいにもトラブルの原因がわかっているので、明日はもっとよくなると思う。明日のレースは曇りがいいな。暑いのはつらい。クルマのなかも暑いからね。集中力を失わないようにがんばることが明日いちばん大事なことになってくると思う。終盤になるとレースも荒れるだろうから、ミスをしないことも大切だよね」
◎No.35 イエローハットYMSスープラ、ハードタイヤで予選5番手
服部尚貴「みんな路面には苦しんでいて、ウチもそのなかの1台だったね。最終(計測)ラップがなければ10番手ぐらい。路面の影響でグリップがなくてつらい動きをしていたけど、なんとかまとめてこのポジションに来れてよかった。(朝から)晴れていればもっとよかったんだけどね。タイヤは一番ハードを選んでるからグリップしなかったんだ。要はタイヤのウォームアップに時間がかかったということ。ニュータイヤを入れてからも、ラスト1周まではタイムが出なかった。明日のレースは“マレーシアチック”に、路面温度は50℃を越してほしい。路面温度が低かったらレースじゃない! ウチは路面温度が高かったらたぶん勝つよ!」
◎ハードタイヤを選んだNo.6 エッソウルトラフロースープラ、予選6番手
脇阪寿一「今日は路面が悪かった。硬いタイヤを履いてるからよけいグリップしなくて、タイムも思ったほど出なかったね。それでも、同じタイヤを選んでいるサード(No.39)と比べたらメチャ速いと思うよ。クルマは、グリップしないから乗りづらく感じた。雨が降らなければトップにいけたと思うけど、雨が降ったおかげでぜんぜんグリップしなかったんや。ずっとローダウンフォース仕様で走っていたけど、最後はダウンフォースを付けていって、1周だけあのタイムが出た。(予選で)前にいるスープラはソフトタイヤを選んでるのに、ボクらは硬いタイヤでこのポジションだから、明日のレースは暑くなるほど楽しみやね」
◎No.1 ザナヴィ ニスモZ、9番手も「クルマは心配なし」
本山 哲「クルマ自体はポジションほど悪くはないんですが、予選のタイミングが(悪くて)ほかのクルマのあいだに入ってしまって、自分のリズムでアタックできませんでした。ファイナルアタックがベストタイムになったわけですが、ほんとうはその1周前にもアタックしてたんです。間が悪かったですね。決勝レースは天候のこともあるし、クルマ、タイヤ、ドライバーにとってもいつもとは状況が異なるので、総合的な闘いになるでしょうから、いい方法を見つけて、それを実行できるか、ということになるでしょう。落ち着いて確実にうまく走り切りたいですね」
◎No.38 auセルモスープラはアンダーステアに苦しみ総合10番手
立川祐路「ちょっと不発。硬めのタイヤを選んでたし、雨が降って昨日の朝に近い路面だったからグリップが足りなかった。ウエイトを積んでるボクたちのクルマはタイヤにきびしいので硬めを選びました。もうちょっとイケると思ったんだけど、不発だったなぁ。クルマは昨日オーバーで苦しんでいたのを改善したらアンダー方向にいきすぎた。あと、もう少し重さに対するセットを煮詰めて、修正していきたいです。レースはコンスタントにいけば、オレに代わるころには5番手ぐらいまで上がってきてくれているでしょう。コンディションが悪いほうがむりが利くからいい。グリップしすぎると(抵抗が増えて)前に進まなくなっちゃいますからね」
◎No.7 雨宮アスパラドリンクRX7、ぎりぎりのアタックでクラス2番手を確保
山路慎一「午前中はエンジンの電気系トラブルが出てまともに走れる状態じゃなかったんです。修復に時間がかかっちゃって、実質計測2周しかできなかったんで、満足いく予選ではありませんでした。午後には雨が上がることがわかってたんで、あまり気にはしてませんでした。予選2回目は、タラレバになりますが、ベストタップのときにピットアウトしてきたクルマにS字ではばまれてしまったんで、それがなければ十分(ポールを)ねらえたと思います。クルマもそれだけのポテンシャルが十分にあったし…。今回はボクよりも木下くん(No.80 エンドレスダイシンアドバンZ)のほうがちょっとがんばったということですね。くやしいですけど、しょうがないですね。明日は暑くて、長く感じるタフなレースになるでしょう。ドライバーだけでなくてクルマにもタイヤにもきびしいレースになると思うので、周りに惑わされず、自分たちのレースを淡々とこなすだけです」
◎No.16 M-TEC NSX、予選クラス3番手に留まる
山野哲也「ダイシン(No.80)が来るとは思わなかったな。ちょっとオドロキ。コースは一応表面がドライなんだけど、目地のあいだに水が残っていたとか、ドライのときに乗ったラバーが流れたとか、もしくは砂が少し流れてきたとか、いろんな要因が考えられるとは思うんだけど、フロント、リヤともグリップが落ちてしまいましたね。あの状態ではこれが精一杯だったかな。アタックは1周目だけが半分クリアで、2周目以降はNSXが得意とするコーナーで前(のクルマ)との差が詰まってしまったんです。(決勝は)前回くやしい思いをしているのでぜひとも勝ちたい。前半はなるべく抜かれないようにしながら前の2台のようすを見つつ、彼らのタイヤがタレてくるのを待つ。今回はガマンガマンのレースになるかな」
◎No.77 クスコスバルADVANインプレッサ、マシントラブルでアタックできず
大溝敏夫監督「今、クルマを見てる最中なんですが、クルマの一部が壊れて、レーススピードを満足に確保することができなくなったんで、とりあえず1回アタックをした段階でやめました。時間中に直せるトラブルなら直して出ていきたかったんですけど、その程度のものではありませんでした。トラブルの場所は予測できるんですが、バラしてみないとわからないので、まだなんともいえません。これから徹夜作業になるでしょう。なんとか明日の決勝に参加できるよう、嘆願書を書いているところです」

Pole Position - ポールポジションインタビュー

○ GT500 : No.12 カルソニックIMPUL Z
ブノワ・トレルイエ「今朝はウエットですごくコンディションが悪かったので、なかなかいいセッションとは言えませんでしたが、午後になってコンディションがよくなりましたし、クルマもすごく安定していました。午後は、まず井出選手がバランスをチェックしてくれて、(ニュータイヤの)いいところを残してくれたので、自分がいいラップタイムを出すことができたと思います。セットアップもいいものができたと思います。コースアウトすることなく走れたのもよかったです。このサーキットは初めてなので、いい結果が出せたことはとてもうれしいです」
井出有治「午前中はああいう天気だったので(自分は)走りませんでした。午後は、当初の予定ではブノワが最初に計測して、それからボクが走るということでしたが、完全にドライになったので、星野さんが作戦を変えたんです。ボクが先に基準タイムをクリアして、それから(タイヤが)ニューに近い状態で渡してあげれば、ブノワが(もう1セットの)ニューを使う前に、それに近い感覚でチェックができるから、それでいこう、と。この作戦がうまくいったと思います。ブノワはこのサーキットは初めてなんですが、昨日からセットアップを進めるたびに速くなっていきました。今日ポールを獲れたこともブノワの力じゃないかと思います」
○ GT300 : No.80 エンドレスアドバンダイシンZ
星野一樹「(すべて英語でコメント)今回はとてもむずかしいセッションだったと思います。予選の2回目が始まったときは路面が汚れていて、とても走りにくかったです。一方、よかったことはニュータイヤで出られたこと(註:1回目がウエットだったためドライ用タイヤを2セットとも2回目に投入できた)ですね。とにかく自分のベストをつくしてピットレーンに戻ってきたとき、たしか(2分)10秒5くらいだったと思いますが、自分ではそれほどと思わなかったのに(その時点での)トップに立っていたのを見てたいへん驚きました。すごく良いセッションができたと思います」
木下みつひろ「ボクのときはコースアウト(したクルマ)の影響で路面が汚れていたんですが、クルマのセットアップを変更したことで高速のS字コーナーの不安定な動きも解消されていました。チームが非常にいいクルマに仕上げてくれたと思います。一樹くんも最初にいいタイムを出してくれて、そのまま(アタックに)いってもらおうかと思うくらいにいい仕事をしてくれて、ボクもがんばらなくてはいけないと思って必死にタイムアタックした結果がポールだったんです。でも、昨日のセッションで速かったセブン(No.7)など周りが思ったほどタイムが上がらなかったので、気にはなっています。でも、ポールが獲れて非常にうれしいです」

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