2019.11.22

【スプリントカップ：公式練習】コース状況が良かった1回目に埼玉トヨペットGB マークX MCが2番手。トップタイムはBH AUCTION CORVETTE GT3

auto sport Web Sprint Cup：公式練習 レビュー

11月22日、富士スピードウェイで「auto sport Web Sprint Cup」の公式練習がスタートした。この週末は『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT×DTM 特別交流戦』が行われるが、これに併催されるスプリントカップでは2019年にGT300クラスに参戦したマシンを中心に、さまざまなカテゴリーのFIA GT3も加わって、シリーズ戦とはひと味違う予選、レース1、レース2を23日（土）と24日（日）の2日間に渡り開催するものだ。22日は練習日として、3回の公式練習が行われた。

 

 

『auto sport Web Sprint Cup』には今季SUPER GTのGT300クラスを沸かせたチームから、7台が参戦。これにスーパー耐久シリーズや8月の『BH オークション SMBC 鈴鹿10時間 耐久レース（鈴鹿10H）』などで活躍したFIA GT3車両5台が加わるという、こちらも“交流戦”の様相となった。

公式練習が行われた11月22日（金）は終日、雨というあいにくの天気となる。午前9時10分から始まった公式練習1回目は、マザーシャシー「86MC」でのレースがラストとなるNo.25 HOPPY 86 MCを先頭に、各車がコースインしていく。しばらくは雨のなか各車が走行を重ねていたが、開始18分という時点で、今季8月に行われた鈴鹿10Hに参戦したNo.11 Planex スマカメ マクラーレン720S（久保田克昭／小高一斗）の小高がアドバンコーナーでストップしたため赤旗が出て、走行が中断となる。

40分間の公式練習1回目は、中盤に雨が強く降る時間帯もあったものの、終盤に向けて雨脚が弱まり、タイムが上がっていった。その中、1分50秒807のセッショントップタイムをマークしたのは、こちらも鈴鹿10Hに参戦したNo.37 BH AUCTION CORVETTE GT3（武井真司／笹原右京）の笹原。2番手はNo.52 埼玉トヨペットGB マークX MC（脇阪薫一／吉田広樹）の吉田。さらにNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3（吉本大樹／宮田莉朋）の宮田とGT300参戦チームが続いた。

 

 

SUPER GT×DTM特別交流戦の公式練習1回目後に富士スピードウェイには霧が出たためスケジュールが遅れる。このため、11時20分からスタート予定だったスプリントカップ公式練習2回目は、10分間スケジュールが遅れて11時30分に始まる。この頃にはかなり雨脚が強くなっており、タイムは2分を切れない状態が続いた。途中、No.360 RUNUP RIVAUX GT-R（青木孝行／田中篤）がアドバンコーナーでストップしたため一時赤旗中断となるが、すぐに再開する。

2回目の走行25分間でトップタイムをマークしたのは、鈴鹿10H参戦のNo.11 Planex スマカメ マクラーレン720Sの小高が記録した2分05秒923。2番手にはスーパー耐久参戦のNo.244 MaxRacing RC F GT3（GO MAX／土屋武士）がつける。今季のSUPER GTではGT300のNo.25 HOPPY 86 MCの監督を務める土屋が、今回ライバルとして参戦だ。3番手にはNo.360 RUNUP RIVAUX GT-Rとなった。

 

 

公式練習3回目も2回目と同様に10分間遅れて、午後1時にスタート。やはりヘビーウエットの路面状況は変わらず。このため序盤の走行を見合わせるチームも多かった。しばらくは赤旗提示なく走行が進んでいたものの、終盤に霧が濃くなってしまう。結局、1時20分過ぎにコンディション不良により赤旗で走行中断となる。

残り4分ほどでセッションは再開されたが、この3回目でもふたたびNo.37 BH AUCTION CORVETTE GT3（笹原）が1分59秒264で最速。2番手にはGT300チームのNo.31 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT（嵯峨宏紀／中山友貴）の中山が1分59秒753でつける。そして3番手にはNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R（青木）が続いていた。

3回の公式練習を総合すると、コース状況が良かった1回目のトップであるNo.37 BH AUCTION CORVETTE GT3がこの日の最速となった。GT300チームの最速は、やはり1回目で2番手だったNo.52 埼玉トヨペットGB マークX MCとなった。ただ、GT300勢は無用なアクシデントを避けるため、コンディションの悪いこの日は力を入れた走行はしてないだろう。このため、明日以降の予選、レースは未だ予想がつかない状況だ。

『auto sport Web Sprint Cup』は、明日11月23日（土）に公式予選と決勝レース1が行われる。

 

 

 

 

 

「状況が状況だったので、順位もタイムも意識しなかった」

 

今日の公式練習は荒れたコンディションなので、ともかく周回を重ねるチームもあれば、なんらかのメニューをこなしているチームもあったりするので、順位もタイムも意識はしていませんでした。一日雨量が多く、霧も出たりして、全力でアタックしたというチームもないでしょうからね。そんな状況なので、クルマのバランスがどうとか、タイヤがどうとかを確認できる状況ではありませんでした。ストレートだけじゃなくて、TGR（第1）コーナーからコカ・コーラコーナー、そこからトヨペット100Rコーナーに入るところとか、1周のあいだに5箇所とか6箇所とかハイドロ（プレーニング現象）が起きるので、ハイドロの起こらないラインを探していました。

明日の午前中は雨が残って、ウエットコンディションの予選になるのかなと思っています。今日のテストのデータを基に雨量を見ながらタイヤを選びますし、ドライになればなったで第5戦時のデータをもとに覚悟を決めて挑みたいと思います。

僕は今年初めてマークX MCに乗ったんですけど、（GT300で）初めてのポールポジションも獲れましたし、岡山（第1戦3位）と富士（第5戦2位）では表彰台にも上がることができたので、今回は優勝したいと思っています。

 

 

「初めてのクルマやタイヤのことをある程度は理解できた」

 

僕は今年ポルシェ カレラカップ ジャパンに参戦していたのですが、そこで一緒に戦っていたチーム代表の武井（真司）さんから声をかけていただき、数週間前に今回のスプリントカップへの参戦が決まりました。コルベットGT3も初めて、FR（後輪駆動）車も初めて、GTのヨコハマタイヤも初めてで、知っているのはコースだけという状況だったので、クルマを壊さないように、クルマとタイヤを学ぶつもりで走っていました。

公式練習1回目と3回目をフル（全走行時間）で走らせてもらったのですが、コンディションが悪くセットアップに関してはあまり進みませんでした。ですが、クルマやタイヤのことをある程度は理解できました。そこはすごくポジティブに捉えています。トップタイムは間違いなく悪くはないということですし、素直に嬉しいですね。

初めてSUPER GTのGT300マシンと一緒に走って、今までにない新鮮な感じがしています。明日の予選については、雨なら雨で今日と同じようにいいタイムが出せそうですし、ドライになったらドライになったで持っている力をすべて出して、精一杯ベストを尽くします。

 

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