『AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT X DTM 特別交流戦』の併催レースとして開催されている『auto sport Web Sprint Cup』は11月23日(土)、午前11時50分から決勝のレース1が行われた。雨が上がって路面が乾いていく難しい状況の中、一時逆転されたポールポジションのNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/宮田莉朋)が猛追撃して、白熱のレース1を制した。明日、11月23日(日)は決勝レース2が行われ、総合優勝を決めることになる。
□レース1 天候:雨 | コース:ウエット | 気温/路面温度 14℃/15℃(スタート時)
今朝の公式予選を経て、午前11時50分に『auto sport Web Sprint Cup』の決勝レース1を迎えた。午前8時40分からの予選では雨がぱらついていたが、この時点では雨も上がっていた。だが、路面は乾くか乾かないか……という難しいコンディションで、1周のフォーメーションラップを経て全12台が50分間、ドライバー交代ありの戦いに臨んだ。
スタート直後から激戦が展開。ポールポジションのNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹)に、予選2位のNo.25 HOPPY 86 MC(佐藤公哉)が並びかける。さらにそのインを突きTGRコーナーに飛び込んだのは、No.52 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一)。ただ、TGRコーナーではオーバーランしてしまい、60号車がトップをキープし、25号車、52号車と続いていく。
しかし、オープニングラップのパナソニックコーナーで、52号車が25号車のインを突き、2番手に浮上。3台は4番手につけたNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行)とのギャップを広げていった。
上位陣はウエットタイヤを履いてスタートしており、メインストレートでは濡れた部分を探しタイヤをクールダウンさせながらの走行となったが、5周を過ぎる頃には、路面がほぼ乾きはじめる。すると、スリックタイヤを履いてスタートしたNo.48 植毛GO&FUN GT-R(田中勝輝)が、ただ1台圧倒的なペースをみせ、後方から一気に追い上げる。素晴らしいペースで走る48号車は、9周目にトップ3の集団を一気にかわすとトップへと浮上。さらに大きなリードを築いていく。
このauto sport Web Sprint Cupは通常のSUPER GTシリーズ戦と異なり、スタート後20分から30分の間にピットインしなければならず、かつピットインからアウトまでの時間が70秒(ジャッキアップしたとき=タイヤ交換を行ったときは100秒)に定められている。 トップ5台が11周目終わりのメインストレートを通過した時点では、まだ30分にはなっておらず、5番手以下のマシンたちからピットインが可能になる。刻々と路面が乾くなかで早々にピットインを行って、アンダーカットするかたちになった。
2〜4番手のマシンはその翌周にピットイン。一方、首位の48号車は15周を終えピットインし、田中勝輝から飯田太陽に交代し、さらにタイヤ交換を行わなかったこともあり、2番手の60号車に対して大きなマージンを得る。
各車がピット作業を終えると、トップはNo.48 植毛GO&FUN GT-R(飯田太陽)。37秒差の2番手にはNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(宮田莉朋)となる。一方、早いタイミングのピットインかつ、タイヤ無交換という戦略だったNo.30 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT(織戸学)がNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允)をかわし、3番手に浮上する。
2番手につけた60号車の宮田はハイペースでギャップを縮め、23、24周目にはファステストラップを連発し、毎周数秒単位で48号車とのギャップを縮めていく。ラスト3分、26周目ではその差は2秒弱。そして残り2周というところでテール・トゥ・ノーズとなる。
そしてファイナルラップのTGRコーナーで、ついに60号車が48号車をオーバーテイク。このままNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/宮田莉朋)が、第7戦オートポリスの終盤大逆転をも彷彿させる猛追撃でレース1の優勝を飾った。スリックタイヤのスタートという作戦が的中させたNo.48 植毛GO&FUN GT-R(田中勝輝/飯田太陽)が、GT300のレースで初の表彰台2位を得た。
3位争いもファイナルラップまでもつれた。No.30 TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GT(織戸学)とNo.52 埼玉トヨペットGB マークX MC(吉田広樹)の戦いが白熱し、これを制したNo.52 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹)が表彰台最後の席を得た。
表彰式の壇上では、スプリントカップの総合優勝を決める11月24日(日)のレース2のグリッドに関する抽選が行われ、トップ6のリバースグリッドが決定。6位となったNo.37 BH AUCTION CORVETTE GT3(武井真司/笹原右京)がレース2のポールポジションからスタートすることになった。
No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
吉本大樹
「スリックでスタートと思いましたが、日和りました」
『スタートはスリックで行こう』と言いかけたんですけど、ちょっと日和りましたね(笑)。スリックで行ってずっこけたらまずいので。どっちが正解だったかと言えば、結果的にはスリックタイヤでした。序盤は接触等もありましたが、なんとかトップで粘っていました。でも48号車が正解のスリックタイヤで抜いていって、大きなギャップを作られた状態で(宮田)莉朋に代わりました。
第7戦オートポリスでも見せましたが、我々は悪いコンディションでは非常に強いので、今回も(宮田)莉朋が毎ラップ100%の走りで追いついていき、ギリギリでしたがなんとかトップに立ててよかったなと思います。“悪路と言えば60号車”って感じなので、明日(レース2)も悪路でお願いしたいです(笑)。
(宮田の走りは)素晴らしかったですよ。若者らしいというか。コースコンディションも完全なドライコンディションに向かっていく中で、すごく良いペースでタイムを上げていきましたし、持てるポテンシャルは全て出していたんじゃないかと思います。
(レース2は)リバースグリッドになるかならないかという抽選を僕が引かないといけなかったんですが、正直引きたくありませんでした。あの箱の中は絶対『リバース』の紙しか入っていなかったんじゃないかと思います(笑)。そのままレース2をポールでスタートできたらよかったのに。まあコンディション次第ですが、明日は明日で(レース2の)優勝を意識してがんばります。
宮田莉朋
「毎ラップ予選のつもりで全力でプッシュしました」
ピットアウトした時のタイム差は気にしていませんでした。アウトラップが一番差を縮めるチャンスだと思っていたし、FIA GT3車両はABSやトラクションコントロールが使えるので、それを使って最初からプッシュしていきました。30秒以上のギャップがあると(無線で)聞いていたので、正直『追いつけてもファイナルラップギリギリになってからだろうな』と思っていました。ずっと無線でトップとのタイム差を聞きながら、常にプッシュして、ミスしないよう心がけました。タイヤ(のグリップを)を守る必要もなかったので、毎ラップ予選みたいなイメージで全力で走りました。
(48号車とのトップ争いは)GT-Rの方がストレートは速いと思っていたので、スリップストリームに付いたら逆に追いつけないと思っていました。最終コーナーでイン側のラインを取れたのがよかったと思います。最終コーナー立ち上がりの加速がよければ前に出られるだろうと思って、狙っていました。(48号車の飯田太陽は)ダンロップコーナーからずっとイン側を守っていたので、最終コーナーでうまくクロスラインを取れればストレートでイン側に入れるな、と思っていました。
(レース2は)リバースグリッドになっちゃったんで(苦笑)、できれば雨でレースしたいと思います。
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