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Race Report
2023.11.06
第8戦 モビリティリゾートもてぎ:優勝記者会見

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第8戦 モビリティリゾートもてぎ:優勝記者会見

GT500 Class

No.36 au TOM'S GR Supra

 

坪井翔/宮田莉朋

チャンピオン記者会見のページに掲載

 

 

 

 

 

GT300 Class

No.88 JLOC ランボルギーニ GT3

 

小暮卓史

「優勝まで5年かかったけど、ひとつハードルを超えられた」

 GT300のカテゴリーにきて、優勝することがこんなに難しいカテゴリーなんだと(思いました)。GT500クラスももちろん難しいんですけど、GT300はGT300なりの難しさがあるなかで、元嶋(佑弥)選手とすごく大変な時期を過ごしましたし、とにかく優勝したかったです。ただ、やっぱり勝つためにはいろいろな要素……タイミングもコースもレギュレーションも全部含めて合致しないと勝てないというところで、僕がJLOCにきて元嶋選手と組んでから5年という時間がかかってしまいました。(その間)ずっと僕の中には“なんとか早く優勝したい”というか、心の“つっかえ”がありました。今回優勝できたことによって、嬉しいというのと(そこから)解放されたというのがありますね。チームに対しても、これでひとつ責任を果たせたというか……まだ優勝1回だけなので、全然まだまだこれから(優勝)していかなきゃならないんですけど、これでひとつハードルを超えられたかなと。

 今日は元嶋選手の走りがすごく冴えていたと思います。(元嶋選手の担当した)前半があったからこそ、(自分が担当した)後半につながったのかなと。だからそこは助けられましたね。僕のスティントではトップを走っている時に雨が降ったり止んだりで、“もうまいっちゃうな”と思っていました。途中、なかなか前(周回遅れ)のクルマを抜けなくて後ろから迫られたところもあって大変だったんですけれども……多分、見ている方はドキドキしたと思います。残り10周がすごく長くて大変だったんですけど、なんとか防ぎ切って……とにかく優勝できて本当に良かったです。チームのメカニックや、イタリアから来てくれたスタッフも含めて、みんなに感謝したいですし、もちろん元嶋選手や(監督の)則竹(功雄)さん、チームのスタッフみんなにも感謝したいですね。

 チームメイトの元嶋選手含めて「同じ体制でやりたい」と則竹監督にお話しして、ずっと同じ体制でやってきたんですが、そこはひとつの強さですね。でもお願いしている以上、やはり結果というものを出さなきゃいけないというところもあって、なかなか結果が出なかった時は苦しかったです。でも今回、最終戦のもてぎで結果が出たことによって、僕だけじゃなくて元嶋選手もチームも足かせ(が外れた)というか、気分が楽になったところもありますし、事実として優勝したということがあるので、多少なりとも自信もつきました。レースには“流れ”があると思うので、来シーズンに向けて、そのいい流れに乗りつつあるんじゃないかなと。もちろんこの後も決して簡単にはいかないと思ってはいますし、厳しいレースがたくさんあると思うんですけど、この6年間を総評して、ここで1回勝てたということはただの優勝というよりも、想像以上にでかい意味のある優勝だったんじゃないかなと思っています。

 

元嶋佑弥

「今までSUPER GTを走ってきたなかでのベストシーズン」

 SUPER GTに参戦を始めて8年目、JLOCに迎え入れられて7年目、小暮(卓史)選手と組んで6年目になるんですが、これが私のSUPER GT初優勝です。今まで何回も優勝できるチャンスがあったなかで、目の前から(優勝が)こぼれていくということが多かったですし、このもてぎでも何度もそういう思いをして、今日は自分が走っている時よりも小暮選手のスティントの時の方がつらいくらい、見ていてつらいぐらいでした。なかなか言葉が出てこないんですけど……最後までエキサイトしたレースのなかで、僕もすごく疲れました。

 今週の走り始めからスピードがあることは分かっていました。ウラカンEVO2を導入してからなかなか苦しんでいたんですけど、前回のレースからイタリア本国のエンジニアがサポートに来てくれていて、前回のレースを見てこのレースの魅力を感じたのか、もっと力を入れていこうということで、今回すごい多くのエンジニアが来日してきて、私たちのサポートをしてくれました。そのおかげもあって、ようやくウラカンEVO2のポテンシャルを引き出すことができたかなとも思っています。

 予選に関しては小暮選手のアタックのおかげで2番グリッドが獲得できましたし、決勝ペースはものすごく自信があったので、(自分が担当する)ファーストスティントは“ミスしない、ぶつからない、でもやっぱり今日はやらなきゃいけない、攻めるべきレースだ”ということも分かっていたので、すごく集中しました。2号車をオーバーテイクしてからはとにかくタイヤを大事に、クルマを大事に、小暮選手へ少しでもマージンを作るために必死にプッシュしました。ヨコハマタイヤも私の結構無理なプッシュにも応えてくれて、無交換でもいけるんじゃないかというくらい、タイヤには余裕がありました。ただ、ペースも良かったですし、後ろとのギャップもあったので、安全マージンをとってリヤタイヤ2輪交換という判断をしました。本当にみなさんのいろいろな力が合わさって、いいレースができたなと思っています。

 今シーズンは苦しかったですね。ずっと僕らは同じメンバーでやっているんですがなかなか勝てなくて……87号車が勝った時には嬉しさもありながら悔しさもありました。この数年、表彰台にも乗れていなくて、今年も鈴鹿に関しては“今回は勝っただろう。でもやっぱり勝てなかった”という苦しいなかでチームの雰囲気が悪い時期もありました。でも、最終戦で優勝してシーズンを終われたことで、私も含めたチームのみんなにとって一気に気持ちが解放されたような独特な安堵感がありますね。『終わり良ければすべて良し』ではないですけど、来年にさらに期待がもてる終わり方でシーズンを締めくくれたので、私としては2023年シーズンは今までSUPER GTを走ってきたなかでベストシーズンだと思っています。

 

 

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