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2024.03.01
【2024年安全性向上策】コーナリングスピード抑制のためGT500は最低地上高を変更、GT300は追加重量を設定。

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 先にSUPER GTのレギュレーション改定を一部ご紹介したが、2024シーズンは競技での安全性を向上させるため、参戦車両のコーナリングスピードを抑制する施策を実施することとなった。ここでは両クラス車両での安全性向上の施策内容をご紹介しよう。
 なお、GTAは絶対的な安全対策は存在しないため、シーズン中もスポーティング・テクニカルの両面で様々な角度から安全対策の検討を継続していくとしている。

※本記事は2024年SUPER GTスポーティングレギュレーション(競技規則)などを基にSUPERGT.net編集班が解説したものです。
※掲載の写真は記事のイメージを表したもので、内容とは直接関係ありません。

 

 

 

GT500クラス車両の最低地上高を引き上げてダウンフォースを抑制

 

 今季は競技の安全性向上の観点からGT500クラスとGT300クラスの参戦車両において、最高速度とコーナリングスピードの抑制策を実施する。GT500車両では、スピードに直結するダウンフォース量を従来から軽減するため、車両の最低地上高を規制しているスキッドブロックの最小厚さを増やすことにより、地上高を5mm上げることとした。
 

 

GT300は速度抑制のため追加重量を搭載。その増加分を考慮してサクセスウェイトを軽減

 

 GT300クラス車両においては、従来の車種別の性能調整(BoP・各大会ごとの参加条件)とは別に追加の重量が搭載されることとなった(下記表参照)。これによってGT300車両のコーナリングスピードを抑制する。この追加重量はシーズンを通して車種ごとに設定され、BoPとは異なるものだ。各車種の各大会での車両重量はその車種の最低車重にこの追加重量、そしてBoP重量を合わせたものとなる。
 この追加重量は、2022年シーズンまで開幕戦岡山大会で適用していた特別BoPと同様の基準で、各車両の最低重量とエンジンのNA/ターボの差を元に一定の比率で算出されたものである。GTAは、コーナリングスピードの抑制策としては、空力性能の抑制も考えられるが、FIA GT3車両の公認とBoP検討への影響を考慮し継続して検討しており、2024年シーズンスタートにおける対応策として今回の追加重量を搭載することとしたとしている。

 なお、この追加重量が実施されることで各車の車両重量が増加するため、従来のサクセスウェイトが加算されると車両の安全性で支障が出る可能性もある。そのため、今季のGT300クラス車両のサクセスウェイトは軽減されることとなった。これまでサクセスウェイトの上限は両クラスも100kgであったが、今季はGT300クラスのみ上限が80kgとなる。また参戦2戦目から6戦目までのサクセスウェイトは1ポイントあたり3kgだったが、これはGT500クラスと同じ2kgとなる。同様に参戦7戦目は1.5kgだったが、これを1kgとする。なお、GT500クラスは昨年同様に上限100kgで50kg以上は燃料流量リストリクターで調整、2戦目から6戦目までのポイントあたり2kg、7戦目の1kgは変わらない。

 

 

1.FIA-GT3

車両 最低重量 追加重量
Honda NSX GT3 2022 1260kg +51kg
BMW M4 GT3 1265kg +51kg
Lamborghini HURACAN GT3 2019 1230kg +37kg
Lamborghini HURACAN GT3 EVO2 1250kg +38kg
Lexus RC F GT3 1300kg +39kg
Mercedes AMG GT3 2020 1285kg +39kg
Nissan GT-R NISMO GT3 1285kg +52kg
Ferrari 296 GT3 1275kg +51kg
Aston Martin Vantage AMR GT3 EVO 1265kg +51kg

 

2.GTA-GT300・MC

車両 最低重量 追加重量
SUBARU BRZ 1200 +36kg
LEXUS LC500h 1250 +38kg
TOYOTA SUPRA 1250 +38kg
TOYOTA GR86 1250 +38kg
TOYOTA 86 MC 1100 +33kg

 

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