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2024.03.16
【公式テスト岡山・1日目模擬予選】新予選方式でau TOM'S GR Supraが逆転で、GT300はapr LC500h GTが完勝でトップ獲得!

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公式テスト・岡山国際サーキット 3月16日(土)  模擬予選

3月16日、岡山国際サーキットで今年最初のSUPER GT公式テストの1日目が行われた。午後のセッション2は新予選方式のシミュレーション(模擬予選)を実施した。Q1だけでなくQ2もGT500とGT300クラスの参加全車が走行。全チーム&ドライバーが予選の進行を確認するとともに、来場のファン、J SPORTS中継(今回はJ SPORTSオンデマンドで両日午後のみ中継)の視聴者も新予選方式の仕組みを、実況のピエール北川アナウンサー、解説の高橋二朗さんと共におもしろさを実感していたようだ。
なお、今回はテストという事でQ1、Q2を同一ドライバーが走行する事も認められている。
午前に行われたセッション1のレポートは、下記のページで公開している。
→ 【公式テスト岡山】1日目午前レポート

 

◎走行2回目(Session 2/模擬予選:1日目午後) 14:00〜15:32
天候:晴れ/路面:ドライ
気温:22℃〜21℃/路面温度:33℃〜30℃

 

 

【セッション2:予選シミュレーション】
■GT300のQ1はA組がapr LC500h GTの中村、B組は88号車の小暮がトップを獲得

 

 

 雲一つない青空から強い日差しが差し込み、午後の走行は汗ばむほどの陽気でスタートした。このセッションは今季から新しくなる予選方式のシミュレーションが行われた。まずはGT300クラスのQ1グループA組からセッションがスタートした。

 このA組では11台が出走し、No.31 apr LC500h GTのルーキー、中村仁が1分26秒245をマーク。No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹)を1000分の3秒上回ってトップに躍り出る。1分26秒台を記録したNo.60 Syntium LMcorsa GR Supra GT、No.87 ランボルギーニ、No.777 D'station Vantage GT3、No.7 Studie BMW M4、No.2 muta Racing GR86 GT、No.96 K-tunes RC F GT3の8台が、Q2 Group1(Upper 16)に進出。9位以下のNo.48 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R、No.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号、No.62 HELM MOTORSPORTS GT-Rの3台はQ2 Group2(Lower 17)で走行することになった。なお、No.20 シェイドレーシング GR86 GTの平中克幸で出走するも、車両トラブルでタイム計測ができず。新ルールでは、Q2 Group2(Lower 17)には出走できるが、総合予選結果では最下位、実際の決勝レースではピットスタートとなる。
 8分間のインターバルを挟んでQ1のグループB組がスタート。A組の走行後で路面状況が向上したか、トップタイムはA組を0.4秒上回る1分25秒865。No.88 ランボルギーニの小暮卓史がただ一人1分25秒台にタイムを入れてくる。以下、No.18 UPGARAGE NSX GT3、No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG、No.6 VELOREX FERRARI 296 GT3、No.45 PONOS FERRARI 296、No.65 LEON PYRAMID AMG、No.30 apr GR86 GT、No.50 ANEST IWATA Racing RC F GT3までがQ2 Group2(Upper 16)に進出。9位のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)は一時Upper 16進出圏内の7番手につけていたが、その後4号車、65号車に上位タイムを出されてポジションダウン。このほか、No.360 RUNUP RIVAUX GT-R、No.9 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R、No.22 アールキューズ AMG GT3がLower 17でのQ2となった。

 

 

 

 

■GT500のQ1は14号車GR Supraに移籍の福住が早くもトップタイムを奪取

 

 

 GT500クラスのQ1は15台全車が出走。Aドライバーが担当したのはNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴)、No.23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正)、No.3 Niterra MOTUL Z(高星明誠)、No.37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京)、No.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹)の5台だ。No.100は公式テスト直前に牧野任祐が体調不良により欠席するとチームから発表があり、今回の模擬予選ではQ1、Q2ともに山本尚貴が出走している。その1台を除いても、今回は新品タイヤを装着してアタックするQ1をBドライバーが担当するという戦略を採るチームが大部分のようだ。

 トップタイムはNo.14 ENEOS X PRIME GR Spura(福住仁嶺)。福住は1分17秒317で午前中の自己ベストタイムから0.2秒削ってみせた。これにNo.36 au TOM'S GR Supra(山下健太)が続き、TOYOTA GR Supra GT500がワン・ツーに。これに100号車、No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一)、23号車、No.19 WedsSport ADVAN GR Supra(阪口晴南)と続いた。

 

 

 

 

■GT300の模擬予選クラスポールは31号車が獲得。61号車も入れ替えルールで浮上成功

 

 

 GT300のQ2Group2(Lower 17)からスタート。セッションのトップタイムは20号車(清水英志郎)の1分25秒851。ただし20号車はQ1でタイムが出せていなかったことから、2セッションの合算タイムでは最下位だ。セッション3位の61号車(井口卓人)が合算ではLower 17の最上位となった。61号車はQ1とQ2のタイム差が約0.1秒。2セッションそろって好タイムを出せたことが順位につながった形だ。それに続いたのが、こちらもQ2で出走した冨林勇佑が好タイムを記録した9号車。Q1では12位だった56号車もQ2の佐々木大樹がセッション4番手のタイムを記録して合算タイムでLower 17の3位に。5号車も藤波清斗のアタックでQ1の10位からLower 17の4位に入った。ここまでの4台が、Upper 16の下位4台とタイム差で入れ替え特別ルールが適用されることとなる。

 続いて行われたGroup1(Upper 16)は、31号車の小高一斗がユーズドタイヤでのアタックでQ1中村のタイムを上回る好走。2セッションともにトップタイムで文句なしの1位となった。2位はQ1で2位、Q2で3位となった52号車。Q2で52号車を上回っていた45号車は、Q1でのタイム差から3位となった。Lower 17との入れ替え対象となる4台は、4号車、96号車、50号車、30号車。このうちGroup2(Lower 17)最上位の61号車よりも合算タイムが速かった4号車と96号車は総合で13位、14位にとどまったが、50号車は総合16位、30号車は総合19位となった。反対に61号車は15位に、9号車、56号車はそれぞれ17位、18位と、Lower 17を上回る形になった。

 

 

 

 

 

■GT500のQ2は36号車の王者・坪井がトップで、逆転の模擬予選ポールポジション!

 

 

 予選シミュレーションで最後のセッションとなるGT500のQ2は、36号車(坪井翔)がトップタイム。Q1で最速タイムを記録した14号車は大嶋和也のアタックで3番手となり、合算タイムでは36号車が総合トップとなった。14号車は合算で36号車に対して0.237秒差の2位だった。
 続いてQ2で2番手タイムを記録した39号車(関口祐飛)が総合3位となり、GR Supraがトップ3を独占した。総合4位には、Q2で7番手だった100号車が入り、Q1で5番手、Q2で6番手だった23号車(ロニー・クインタレッリ)が総合5位となった。

 

 

 

 

 

GT500クラス:模擬予選トップタイム

坪井翔(No.36 au TOM'S GR Supra)

 本来は(Q2は)もっとユーズドタイヤでの走り方やセットアップに悩むのかなと思いつつ、今回は初めての走行だったので実験的に(僕が)行ってみました。寒い中でのタイヤのグリップと、コンディションがよくなって相殺されたのか、思ったほど差が出なかったです。でもシーズンが進んで暖かくなれば、こんなことにはならないと思うので、タイヤのタレ(グリップダウン)など、分かり切らなかったなというところです。タイム合算方式は、これまで以上に総合力、チーム力が問われると思います。その点、僕たちは全然問題ないと思っているので、2人で実力を出し切れば、十分にいい環境でやっていけるかなと思っています。

 

山下健太(No.36 au TOM'S GR Supra)

 結構興味深い、おもしろい予選でしたね。(予選はタイヤ1セットになり)Q2が中古タイヤだから、もっとQ1とタイム差が出ると予想していたのですが、みんなコンマ1〜2秒ぐらいに収めてきて、新しい発見じゃないですけど、そこはおもしろいなと思いました。僕自身のアタックは坪井君がコンマ1秒差だったので、自分が遅かったです。Q2に向けてコンディションが良くなったっていうのもあるかと思いますけど、チームによってはQ2のほうが速いところもあって、とても興味深い予選でした。自分自身の予選で福住選手(14号車)に負けてしまったのはちょっとダサかったですが、開幕に向けてチームとしては順調に進んでいると思います。

 

 

GT300クラス:模擬予選トップタイム

小高一斗(No.31 apr LC500h GT)

 テストからこの予選方式に向けていろいろと考えてきたことが、何となく形になっているかなと思います。今日は午前中にタイヤテストとして僕がたくさん走ったので、中村選手にニュータイヤでのアタック(Q1)を譲った形です。僕がユーズドタイヤ(Q2)で絞り出すのか、ニュータイヤでもっと速いタイムを出したほうがいいのか。どちらのほうがアドバンテージがあるのかはまだ分からないですね。そこはこれから、いろいろとやっていく中で決めていくと思います。

 

中村仁(No.31 apr LC500h GT)

 自分のタイムはそこそこでしたが、(Q2で)小高選手がすごく速いタイムを出してくれて総合でもトップに立てました。自分自身のアタックを振り返ると、正直に言えばタイヤの良さを最大限に引き出すことはできなかったので、そこは反省点です。チーム内はすごくいい雰囲気で、いい環境の中でやらせていただいています。明日はそれなりに距離を走ることになると思うので、自分の改善点をたくさん見つけて、少しでも小高選手に近づけるようにがんばっていきたいです。

 

 

 

予選シミュレーション参加の主なコメント

野尻智紀(No.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)

 今までとは全然違いますね。今までの予選では気にもしていなかった(1セットだけになった)タイヤのグリップダウンへの対応が必要になります。ファンにとっては、新しい競争の仕方、順位のつき方人あり、新たなおもしろさが出てくると思います。でも、僕らはこの予選方式の中で、どうやってタイヤをもたせるかを考えていかないといけません。今回は天候が良く、(タイヤの)オーバーヒートの心配もなかったので、タイムの落ちは少なかったですが、これから暖かくなっていけば、違った展開になるはずです。

 

千代勝正(No.23 MOTUL AUTECH Z)

 想像していたより(ユーズドタイヤの)Q2でタイムが落ちませんでしたね。Q1からQ2にかけての調整やタイヤの準備など、今回経験しておいてよかったなと思いました。各チームいろんなデータが取れたんじゃないでしょうか。でもタイム合算してもこんなにタイム差が接近していたのは驚きです。すごく繊細な操作を求められますね。ワンミスが命取りになります。こうやってルールが変わると試行錯誤することが増えますが、その中でもハイレベルな戦いになると思います。

 

関口雄飛(No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

 夏だと(Q1の)ニュータイヤと(Q2の)ユーズドでタイムに大きな変化があると思いますが、今日はそれほど大きな差は出ませんでした。今後はQ1での走らせ方、タイヤの使い方など、改めて考える必要はあると思います。ですがみんな条件が同じであれば、どんなルールの元でも最大限の力を発揮するのがプロですし、それが自分の仕事ですから、ルールが変更されたからどうこう、というのは自分の中ではありませんね。

 

吉田広樹(No.52 Green Brave GR Supra GT)

 去年とはタイヤ選択の基準が変わってくると思います。これまでより運に左右される部分が少なくなり、予選順位よりも決勝に重きを置かなければならなくなりますが、それも行き過ぎると予選で下位に沈んでしまい、勝負権がなくなります。その点で昨年より悩ましいというか、今までよりもシビアにタイヤ選択を考える必要があるはずです。ただ本当のところは実際にレースをしてみないとわからないでしょうね。

 

井口卓人(No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT)

 おもしろさがある反面、ニュータイヤでアタックできないもどかしさもありますね。計時の表示なども色々工夫していただいて、見ていてもおもしろさはありますね。BRZはニュータイヤでの一発の速さはありますが、これからは(Q1で)一度アタックを終えたタイヤをいかに調整していくかが課題になっていくと思います。予選で考えなきゃならないことが増える気がします。タイヤ選択や開発の方向も見直さざるを得なくなりました。状況の変化への対応も考慮して、セッティングも見直さないといけませんね。

 

山本尚貴(No.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT)

 今回は意外とQ1からQ2でタイムが落ちませんでしたね。コースコンディションの向上がタイヤの消耗分をカバーしたのだと思いますが、路面温度が上がる夏のレースでは状況は違ってくると思いますし、1周の長い鈴鹿のようなコースであればタイヤはより消耗すると思います。ですが皆が同じルールの中で戦うわけですから、その状況変化にうまく合せ込んだチームとドライバーが前に行く点は以前と同じです。世の中が変化していく中で長くレースを続けていくために、今回のルール改正は必要だったと思います。

 

 

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