NICOS CUP GT ALLSTAR RACE '99


GT INSIDE REPORT
NICOS CUP GT ALLSTAR RACE '99 in AUTOPOLIS

11.28 - Race

フリー走行後

No.81 ダイシン シルビア
福山英朗「タイヤの温度が低すぎてセッティングが出てこないし、合ってない。コンディションがまた変わちゃって、詰めている時間がないんですよ。ここ(オートポリス)はグループA、F3000で5、6回走っていて、いいコースだと思う。嫌いじゃないですね。でもホントはちゃんとセッティングしてからじゃないと言えないんだけどね。決勝ですか? オールスターに選ばれたんですから、来てくれたお客さんによろこんでもらえる走りをしたいですね」

No.26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「(予選を走れなかったのは)外人さんがぶつかっちゃったみたい(笑)。クルマにけっこう大きいダメージがあって、メカは寝てないんですよ。でも、おかげで今朝に間に合いました。ウェットに関しては状況しだいだからなんとも言えません。でも、今のタイムはあと2、3秒は縮まるでしょう。今朝はクルマの状態を把握するために走ったというレベルですから。うちはドライだときびしいと思う。このあと仮に晴れても、雪解け水でウエットになるだろうし。そういえば、大昔に鈴鹿でそんなことがあったね。スタートはボクです」

No.25 モモコルセ・アペックスMR2
新田守男「今朝は(高木)真一がセッティングを担当した。スタートも彼がいくことになってる。でもね、実はさっき真一がピットサインを見逃して、ボクは乗れなかったんだよ(苦笑)。決勝レース? ちょっとわからないな。MR2にとってはきつい状況。クルマがピーキーで、ウエットだとちょっと辛いね。予選はタイヤを温存して決勝を考えてセッティングしていたんだけど、今日のこの天気で意味なし。裏目に出たちゃったな」

No.15 ザナヴィARTAシルビア
井出有治「クルマがコースに合ってないみたいですね。ここは免許取ったころにスクールで来て以来です。レースカーで走るのは初めて。クルマのバランスは悪くないんだけど、タイムに結びついていない。朝は2番手ですが、土屋さんが路面状況のよくなった終盤に出したタイムです。スタートはボクです。決勝は粘りづよい走りをして、ゴールに入ったときに前にいられるようにしたいですね」

No.18 TAKATA童夢NSX
脇阪寿一「クルマはアンダーが少し強すぎましたね。たぶんほかのクルマのほうが決まってると思います。トップタイムが出せたのは、走ったタイミングだけじゃないかな。でも、決勝はアンダーを直せば大丈夫だと思います。今は雨も降ってないし、決勝ではがんばります」

No.64 Mobil 1 NSX
光貞秀俊「出ていこうとしたらなかなかエンジンがかからなくて、セッションの半分ぐらいしか走れませんでした。でも、たいした問題ではなかったし、クルマは雨でもバランスがいいから大丈夫。決勝は微妙なコンディションになると思うので、作戦はぎりぎり直前になってから決めますけどね」



オートポリスの印象を訊く

No.15 ザナヴィARTAシルビア
土屋武士「ボクはこのコースを走るのは2回目ですが、前に走ったのはFJのデビュー戦(『天才たけしの元気が出るTV』)のときなので、ほとんど初めてといってもいいぐらいですね。昨日、今日とあまり走っていないのでよくわからないんですけど、いろいろなタイプのコーナーがあって走り方もラインどりもいろいろあると思います。答えがひとつじゃないのが楽しいですね。それからバンピーなのも楽しい。はねるぶんクルマをコントロールする楽しさがあるんです。ただ、パワステなしなので、それはツライですね。ステアリングが重くて重くて…」

No.37 カストロール・トムス・スープラ
片山右京「このコースは91年のF3000で1回走っているはずなんだけど、ぜんぜん憶えてないんだよね。ポルトガルGPのアクシデントの影響で、今でもところどころ記憶が飛んでるところがあるんだけど、オートポリスはそこにスポッとはまってるみたい。一昨日ここに着いたときにもぜんぜん思い出せなかった。だからまるっきり初めてっていう感覚だよね。かすかに走ったことがあるような気がするのは、ヘアピンの先の下りだけだよ。でも、全体的に峠道みたいで面白い。エリック(コマス)とも『おもしろいよね』って話してたんだ。ただ、想定していたより気温/路面温度が低くて、タイヤがぜんぜんグリップしない。走る前からビリ決定っていう感じ。まぁ、そのぶんクルマが滑るから楽しいけどね」

No.38 FK/マッシモセルモスープラ
立川祐路「全体的におもしろいコースだと思います。攻め甲斐がありますね。クネクネしていて、ラインどりや走り方もいろいろあると思いますし、走っていて飽きない。もっと近くにあればいいなと思うサーキットですね。今度は暖かい時期にレースがあるといいな。パッシングポイントですか? 1コーナーと2コーナー、100R先の下りの手前のヘアピンの3カ所じゃないかな。あとはからむぐらいの勢いでいかないと抜けないでしょうね」

No.12 カルソニックスカイライン
影山正美「このコースを走るのはR390のテスト以来1年ぶりですけど、R390のときのほうが攻めていなかったし、乗りやすくてラクでしたね。今回は攻めているからぜんぜん違います。ヘアピンや左の100Rの入り口にギャップがあるんですが、それがグループAのころよりひどくなってるような気もします。路面全体が悪くなったんじゃないでしょうか。スカイラインは大きいクルマだし、1回はね始めると止まらない。だからコントロールがむずかしいですよ。あまり攻めると飛び出しそうな気もします。パッシングポイントは1コーナーかな。他のサーキットよりは1コーナーで抜きやすいと思う。最終コーナーが3速で旋回していくコーナーだし、ストレートもそこそこ長いですからね」

No.32 cdmaOneセルモスープラ
木下隆之「オートポリスは、テクニカルコースで、ドライバーズサーキット。知能の勝負になるので、まぁ見ていて下さい(笑)」

No.6 ESSO Tiger Supra
ワイン・ガードナー「ファンタスティックなコースだ。とてもおもしろいよ。コースだけでなく施設も充実していてすばらしいサーキットだと思う。今回はバイクでもデモランをするから、昨日(26日)、フルコースではないけどバイクでも走ってみた。カーブが多いからバイクにはちょっと危険な部分もあるとは思うけど、おもしろいコースであることは変わらない。でもやはりクルマ向きのコースだろう。バイクのデモラン? 金曜日にちょっとストレートでウィリーしてみたけど、みんなが声援してくれれば、またやってみようかな」




決勝スタート直前情報

天候:曇り時々雨 / 路面状況:ウェット
気温:5度 / 路面温度:6度
入場者数:4万8800人(決勝日)/ 予選日:1万4800人




☆レース中のコメント

No.72 オークラRX7
石川 朗「(No.81に接触、タイロッドが曲がりリタイア)クルマが安定してコントロールできる状態になかった。ここは初めてだけど、いいサーキットですね。でも、むずかしい」

No.18 TAKATA童夢NSX
金石勝智「(スピンアウトし、ピットに戻るもリタイア)カットスリックで出ていって、けっこう(雨が)降ってきたときにいきなり足許をすくわれたという感じでスピンしてしまった」

No.16 Castrol無限NSX
道上 龍「ドライバー交替のときにシートベルトの爪が1個外れなくて、それで時間がかかって抜かれてしまいました。あれがなければトップだったんだけど…」

No.26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「エンジンが壊れちゃったみたいね。(シュワガーに)交替してピットアウトするときにスピード違反しちゃったみたいで1回ペナルティで入って、そのあとインプレッサ(No.77)の後ろに入ってテール・トゥ・ノーズになっていたんだけど…」

No.32 cdmaOne セルモスープラ
木下隆之「みんなタイヤで悩んだようだけど、オレはインターミディしかないと思ってた。ドーンと降ることも晴れることもないだろうし。心配だったのはスープラはタイヤが温まるのに時間がかかるから、それだけだった。99(年型)でレースができて、上位でやれるのはほんと楽しいよ」



※リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No 原因 周回数
72接触によるダメージ14L
18コースアウトによるダメージ23L
37コースアウトによるダメージ24L
26エンジントラブル39L(完走扱い)




レース終了後

No.100 RAYBRIG NSX(GT500クラス2位)
飯田 章「(No.64に)追いつくかと思ったけど甘かったですね。国さんに表彰台の一番高いところをプレゼントしたかったんで、目いっぱい追ったんですけど…。出ていってすぐ、みんななんでこんなに速いんだろうって思いましたよ」

No.2 ARTAゼクセルスカイライン(GT500クラス3位)
ミハエル・クルム「スタートでレインを選んだら序盤はペースが上がらなかったんだけど、雨が降ってきたのでこのタイヤでできるだけ引っぱろうと決めて、そうした。アグリに交替してからはインターミディエイトに換えたが、ABSが効かなくなった。それでもラップタイムが速くてペンズオイル(No.1)を抜くことができた。今年最後のレースで表彰台に乗ることができてうれしい」
鈴木亜久里「ピットアウトするときホイールスピンさせてしまってABSのスイッチが切れてしまった。入れ直すには1回エンジンを切んなきゃなんないんで、しょうがなくABSなしで走った。今回は予選がよくなかったし、レース自体を楽しもうと思ってたから、楽しむことができて、よかったよ」

No.15 ザナヴィARTAシルビア(GT300クラス2位)
土屋武士「コンディションがむずかしかったレースでした。これが1年の最後なんで、また来年がんばります」
井出有治「最後に、土屋さんが(順位を)上げられてよかったです。ほんとうに最後だったんで、1年いろいろ教えてもらって、できれば勝ちたかったです」

No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(GT300クラス3位)
松本晴彦「2ヘア(第2ヘアピン)でつまったんです。ESSO(No.6)が失速して、その時にNo.15ザナヴィに(先に)いかれてなかなかパスできなくて、1コーナーで1回スピンしました。そこから追い上げたけど、リアタイヤがズルズルで、また雨が降ってきて思うような走りもできなかった。できれば勝ちたかったんで、くやしいです」
山野哲也「ラップは安定して重ねるしかなかった。リアタイヤが横Gがかかるとズルズル滑って、ペースを上げられなかった。自分たちにとってよかったのは天候が味方をしてくれたこと。クルマにとっては得意なコンディションだった。いい気分で1年が終われた。あとは、やっぱり雨さんはいい人だった(笑)」

No.16 Castrol無限NSX
中子 修「タイヤ交換なしでいったのがウラ目に出てしまったかな…。ぜんぜんタイムが上げられなかった。ピットでもベルトで時間くっちゃったし…。練習でも出なかったトラブルが出ちゃうんだね」

No.37 カストロール・トムス・スープラ
片山右京「NSXが速いから、ついついつられてミスっちゃった。序盤でタイヤが温まりきってなかったのもあるかもしれないけど、自分のミスなんで…。またがんばります。ピットロードの手前でクルマを止めたのは、タイロッドが曲がっていたのでピットロードに入ってから止まっちゃうとみんなに迷惑をかけると思ったからです」

No.36 カストロール・トムス・スープラ
黒澤琢弥「BSにやられちゃったね。今回は(ミシュラン勢は)3台じゃなくて2台か…。それしかやってないからしょうがない」

No.81 ダイシンシルビア
福山英朗「タイヤは柔らかめのレインを選んだんだけど、早めにブローしちゃったから、それが失敗といえば失敗だったかな。(No.72との接触は)まさに譲ったところでぶつけられちゃったからね。あとで謝りに来てたみたいだけどね。そのあとはアライメントが狂っちゃったみたいで、クルマがカニ走りをしてました」

No.3 ユニシアジェックススカイライン
田中哲也「長谷見さんのときインターミディエイトでいって、ボクに交替してレインに換えたんですが、最後のほうはけっこう路面状況がよくなってきたので、ウラ目に出ちゃった格好ですね。最悪ですよ。ウーン、おもしろくない」
長谷見昌弘「ボクが走っているときはワイパー使うくらいだったんだけど、田中に交替してピットアウトしたら日が射してきたんだよ。田中はつらかっただろうね。まあ、あの状況はまったく読めないからしょうがない。クルマはまったく問題なかったんだけどね。今年はR33とR34とではクルマがまったく違ったからね。来年はレギュレーションが変わって、ズバ抜けたクルマはなくなると思うから、なんとかウチもいい方向で話が決まってくれればいいけどね。あと1週間ちょっとで決まってくるんじゃないかな」

No.12 カルソニックスカイライン
星野一義「ケンカになんなかったね。雨が上がると思ってスリックにかけたんだけど、路面がよくならなかった。我慢して走ってたけど、ガードナー(No.6)と二人でツルツルやってたね。レインに換えてからも、朝と同じでアンダーがひどくてやんなっちゃったよ」

No.19 ウェッズスポーツセリカ
織戸 学「タイトルがかかってないし、おもしろいレースができるかなと思ってスリックを選んだんです。5周もすればラインができると思ったんですが、まったく逆になっちゃった。コースにいるのがやっとで、よくスピンしなかったと思う。ちょっと失敗でしたね」

No.1 ペンズオイル・ニスモGT-R
エリック・コマス「インターミディエイトを選んで、20周くらいまではよかったんだけど、そこで雨が降ってきてペースを上げられなくなったので早めにピットに入ってレインに換えて、モトヤマに交替した。そのレインタイヤが温まらなくて、グリップがなくてペースが上がらなかった」




★優勝者インタビュー


●GT500クラス優勝
No.64 Mobil 1 NSX
光貞秀俊「まずは、ほんとうに1年間お疲れさまでした。スタート前のタイヤの選択はとてもむずかしかった。トムとじっくり考えて決めたのがうまくいったということですね。スタートもうまくいって、序盤は道上(No.16)とペースを作れました。いいレースの流れができたことが勝利につながったと思います。選んだタイヤはレインだったんですが、途中でブロー気味になってアンダーが出たんですが、ちょうどそのころに霧雨が降り出して、ストレートでも水のあるところを走るなど、タイヤをいたわって走りました。道上とは抜きつ抜かれつってバトルではなかったけど、緊張感ある戦いができたかな。自分としてはリラックスできていて、間合いを見ながら走れていました」

トム・コロネル「今日のような展開では、レースをコントロールすることがだいじで、それがうまくいきました。ボクとしては、コースに出て最初の2、3周を速く走れたことがよかったですね。ウェットタイヤだったので、途中からコースが乾き出したのは苦労しました。それと終盤にクラッチがおかしくなってシフトダウンがスムーズにできなくなって、スロットルを使ってごまかしました。飯田選手が追い上げてきたのは中嶋さんから無線で聞いていまして、その差をつねに伝えてもらいました。最後にまた優勝できて、今年はたいへんいい年でした。来年はステップアップするつもりでいますので、日本では走らないと思います。でも、現実はむずかしい。まだF1が少し可能性がありますし、インディも検討しています。でも、1年もしたらまた日本が恋しくなりそうで、中嶋さんには、来年のオールスターのときは電話をくれって言っておきました(笑)」



●GT300クラス優勝
No.77 クスコスバルインプレッサ
谷川達也「セリカ(No.19)がスリックを選んだのを見て、これは大丈夫だと思ったんですが、今朝RX7(No.7)やシルビア(No.15)が速かったんで、抜かれるかなってそっちが心配でした。ポルシェ(No.26)はぜんぜん考えていなかった(笑)。クルマのほうは朝はぜんぜんダメだったんですが、サスのセットを変えたらガラッと変わりまして、これが当たりました。チームのみんなのおかげですね。スタートで前へ出られたので、最初は思いきってプッシュしていきました」

小林且雄「今年はもう勝てないかと思いましたよ。このクルマのボディは2シーズン使って疲れているんです。だからこれが最後で、それで勝てたのはよかったです。ボクに替わってから、すでにトップのポルシェ(No.26)には差をつけられていたので、後ろのRX7(No.7)との差だけを(無線で)聞いていました。だから、自滅しない程度にいこうと。そしたら、ピットの出口で突然ポルシェが目の前に現れて。彼らのペナルティのことは聞いていなかったんで、びっくりしましたよ。でも、これ抜けばトップかって『よしっ!』って攻めました。それで、抜いて2、3周したら来なくなっちゃったんで、また気が抜けちゃいました。あとはタイヤをいたわっていきました。クルマは完璧でしたね。ドライバーとしては大事にいく部分が多かったんで、ちょっとつまらなかったですね」



★特別インタビュー


高橋国光(このレースで現役引退を表明)「今日はもうみなさんに感謝する気持ちでいっぱいです。今日は天候が微妙だったので、急遽ボクが先にいくことに変わりました。走る前に見上げたスタンドには観客がいっぱいで『ああ、よかった』って思いました。スタートしたときは、ひょっとしたらおいていかれちゃうかなと思ったんですが、なんとか3、4番手をキープできました。自分としては、力いっぱいいくと言うよりあまりむりしないでいったんです。チェッカーは受けたいと思ったから。でも表彰台に、2位にまでなれてほんとうにうれしかった。これはアキラ(飯田章)とチームのおかげです。アキラと交代するとき(の気持ち)は…。一言では言えないですね。2輪のホンダ時代、ニッサン、プライベート、またホンダで走れて…。自分で言うのもなんですが、世界を見回してもこれだけ走ったのはいないだろうな、と。走り屋としてドライバーとして、職人になれた。そして、チームを持ってケイちゃん(土屋圭市)やアキラを走らせて…。現実を見つめると、歳を取ったなって。それで、降りるんです。でも、野球の長嶋さんじゃないけど、チーム国光は永遠で、これからもモータースポーツをエンジョイして、楽しむモータースポーツには関わっていきたいです。もて耐(もてぎ7時間耐久)とか出たいですね。(鈴鹿1000kmは?)そうですねぇ、また出たいですねぇ。あとル・マンとか…(場内笑)」



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