2001 GT INSIDE REPORT NETWORK EDITION
Round6 SUZKA GT300km 28 Oct. 01
決勝日レポートRace Day Report

■朝のフリー走行後のコメント


No.39 デンソーサードスープラGT
ロマン・デュマ「最初にボクが出ていってタイムを出した。2番手は初めてだよ。ボク自身がタイムを出すのもね。クルマはどんどんよくなっているし、セッテイングが決まってきている。この状態を続けなければね。競争力は上がっているから。でも雨だとチャンスはないよ。合同テストのときに雨のセッションで乗っているけど」

No.18 TAKATA童夢NSX
ブノア・トレルイエ「さいわい雨が降ってきた。なんでさいわいかって?(ドライだと) 周回を重ねてタイヤが古くなるとクルマのバランスが完全に変わってしまうんだ。たしかにかなり速いけど、古いタイヤだとドライビングがきびしい。雨が降らないと大きく遅れる可能性がある。ほかはどうなのかわからないけどね」

No.37 マツキヨZENTトムススープラ
ワイン・ガードナー「このレースウィークに入ってマシンの状態は非常にいいね。セットアップも決まってるので、二人のドライバーもすごくハッピーだよ。天気(雨)は心配だけど、タイヤのグリップはいいし表彰台はねらっている。新しいタイヤになって、乗っていてもいい感触だし、いろんなことがかならずいい方向に結びつくと思う」

No.88 ノマドディアブロJGT-1
マルコ・アピチェラ「いまのところまあまあかな? 合同テストでのデータをもとに大幅な変更を行なったため、この二日間では時間が足らずプログラムがまだ終わっていない。前のほうにいるクルマたちとのタイム差は縮めるのはたいへんだけれど、少しずつよくなっていることはたしか。雨は視界も悪くなるし個人的には好きでないけれど、クルマ的には他車との差が少なくなってランクアップする可能性が高くなる。だからがんばりたいと思う」

No.19 ウェッズスポーツMR-S
田中 実「クルマはたしかに重い! たしかにMR-Sはウェイトが効いてクルマのバランスが崩れる。クルマが重いとセットの幅が狭くなるんで、それを見つける時間もかかる。いまがいちばんいい状態なんだけど、それを金曜日に見出せなかったということです。MR-Sは雨がつらいんで、コース上にいられるクルマであってほしいというのが今日の願いです。ボクも鈴鹿っ子なんで、地元でいい結果出したいですね」

No.86 プロジェクトμ・エスペリアMR-S
松田晃司「タイヤ屋さんもずいぶんがんばってくれてるみたいで、(タイムの)落ち込みが少なそうなんで期待しています。No.62は合同テストの雨のセッションでトップだったそうで、もしかしたら雨だとダンロップ勢が来るかもしれませんね。クルマの特性は違うんですけれどね。路面の入力に対してやさしいクルマに仕上がってます。スタートはたぶんボクです」

No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7
山野哲也「ぜんぜん余裕がある。あと1秒は速く走れるよ。予選の結果は正直いって悔しいけれど仕方ないよね。朝はコースに出て次の周にベストラップが出た。決勝が雨だったら最初の3周ぐらいは落ち着いていきたいね。GT300は、雨だといつもウォータースクリーンバトルになるから。雨だったらRX7は有利だと思うよ。しなやかな足にセットアップできてるから。ほかのコーナリングの速いクルマって足が硬いんだよ。ボクのGTデビュー戦は2年前の鈴鹿の開幕戦で、あの時も金・土・日とずっと雨で緊張しまくりだった。でも4位できちんと完走できた。子どもだった(笑)あのころからはずいぶん経験も積んだんで、今回は優勝するよ!」




■決勝スタート直前情報


天候:曇り/路面状況:ハーフウェット→ドライ
気温:20度/路面温度:21度
決勝日(28日)入場者数:3万0000人(予選日:1万3000人)


*リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No.原因周回数
33ホイールナット6L
64ステアリング13L
21クラッシュ14L
81オイルクーラー15L
31足回り15L
77タービン25L
6クラッチ27L
901エンジン27L
19ミッション32L



■決勝レース終了後のコメント


No.1 ロックタイト無限NSX(2位・ランキング2位タイ)
道上 龍「完璧にクルマが負けました。ARTAには開幕戦の仕返しをされたみたいです。土屋さんも速かったし。これでNo.38 auセルモスープラもウェイトを降ろすけれど、ポイントはタイになったのでなんとかやりますよ。クルマは、もうアンダーオーバーだった。今回は、ウチとARTAが速かったというのはあるけれど、ARTAのポテンシャルに負けました。次のMINE用にはBSさんもいいタイヤを作ってくれてるし、チームも必殺アイテムを作ってくれるんじゃないですか? 次はいいかたちで終わります。いろいろ試練があって勝つほうが気持ちいいですしね」
光貞秀俊「スタートではグリーンランプが点灯したタイミングで金石さん(No.8)がアクセルオンを遅らせてたんです。みんなは後ろから加速してきたからブワーッと横に拡がって、このときターボのクルマに前にいかれるかと思ったけど、なんとかこらえることができました。その後はNo.8の後ろで走ってたんですが、No.6のペースが遅くかったのでドサクサまぎれに2台抜こうと思っているうちにNo.6が飛んでいったんです。その後はウチのクルマはアンダーが強くてNo.8についていくのがせいいっぱいでした」

No.23 ペンズオイル ゼクセルGT-R(3位・ランキング8位)
エリック・コマス「No.22がどうなったのかわからないが、シケインでスピンをし始めた。自分はイン側を通ってうまく逃げた。その後、先行車と離れたのは、デグナーでオイルが出ていたのにフラッグが出ていなくて、コースをはみ出してしまってロスしたのと、最後はタイヤがきびしくなっていた」(レース途中のコメント)

No.37 マツキヨZENTトムススープラ(4位・ランキング5位)
山路慎一「すごい荒れたレースになってしまったけれど、ガードナーががんばってくれましたね。ボク的には課題の多いレースでした。とにかく接触しすぎた。理由はどうであれ、自分の力で接触を排除できないのはよくなかったです。ファンの方たちとっては、なにが起きたのかわからないまま順位が入れ替わるレースじゃつまらないでしょう? 天気は結果的にドライでホッとしました。次回はハイスピードとハイテクニックでいいバトルを見せたいですね」

No.36 カストロール・トムス・スープラ(5位)
土屋武士「悔しい! 悲しい! せっかく中盤まで、インラップとアウトラップで3秒ずつほど作戦勝ちでタイムアップしたのに、ラストの10周くらいでペースダウンしてしまって残念です。プッシュしすぎたのかな? たぶん燃料ポンプのトラブルだったと思います。今日はボクなりにベストをつくした結果だったので、次がんばります!」

No.38 auセルモスープラ(6位・ランキング1位)
竹内浩典「かなりつらいレースでしたね。やられたい放題(苦笑)。手も足も出なかった。でも今日の展開からいって、プッシュしすぎてつまらないもらい事故をして自滅するわけにはいかなかったので、淡々と走るのを心がけました。タイヤも思っていたよりかなりきつかった。立川のときもペースが上がらないと困ると思ったので、チームに『硬いのでいかしてやって』と言いました。まぁ今回は(ウェイトハンディが重くて)特別にたいへんだったけれど、MINEでは20kgウェイトが減ることでタイヤも楽になるし、どちらかというとウチのほうがNSX勢より有利なサーキットだと思うので、悪いけど(タイトルは)いただく、といった感じです(笑)」
立川祐路「いちばんの難関は突破した感じ。ずいぶんと荒れたレースでしたね。もっとペースを上げても走れると思ったけど、タイヤがきびしいことはわかっていたので、残りの周回数を考えながら淡々と走ることを心がけていました。最後の最後でターボが壊れてしまって焦りましたが、なんとか走り抜けてよかった。とりあえずポイントリーダーということで、MINEの決戦ではNSX勢と互角、いやそれ以上の戦いができると思うので期待してください。優勝して、気持ちのいい年末年始を迎えたいですから(笑)」
佐藤正幸監督「荒れるレースとは予想していたけどね。竹内のペースが上らないから少し不満だったけど、今日の状況では仕方なかったかな。ただこれ以上遅れるのは困るので予定より3ラップほど手前で入れた。立川はよくがんばってくれたが、最後の周でターボが壊れたと無線で入ったときはハラハラしたよ。『精一杯がんばれ!』と言うしかなかったけど、無事に帰ったときはホッとした。もともとMINEで決着がつくと思っていたし、ここでは“あわよくば…”だったからね。MINEではがんばりますよ」


No.3 ユニシアジェックスシルビア(クラス2位・ランキング3位)
長谷見昌弘監督「(他車と)ぶつかったことで、エアジャッキのレバーが閉じた状態になっていて、うまくエアが入らずジャッキが作動しなかった。メカも待てばよかったんだけど、焦ったんでしょうね。これで3レース目ですよ、トップ逃したのは…。うまくいかないですね」
井出有治「ポイントを考えれば(上位2台のノーポイントで)チャンピオンの可能性がみえたんで、最終戦に集中してがんばります。チームはクルマをよく仕上げてくれましたから」
柳田真孝「クルマはよかったんです。70kg積んでるのにもかかわらず、チームの皆さんが一生懸命やってくれたんですけど…。結果は惜しかったんですけれど、最終戦はがんばります」

No.26 シェルタイサンアドバンGT3R(クラス3位)
福山英朗「天気は荒れなかったけどレースは荒れてくれたんで、そんななか生き残れてよかった」
余郷 敦「クルマはまったく問題なかったです。ちょっとオーバーが出ましたけれど。表彰台はチェッカーまでぜんぜん知らなくてビックリしました」

No.910 910ロディオドライブアドバンポルシェ(クラス4位)
砂子塾長「4位はすごい貴重だと思う。ただ、タイサンが目の前でポルシェのトップだから、それは悔しい。ウチのほうが速かっただけに悔しいな。シリーズランキングもこれで上がったし、最後のMINEこそ雨を期待したいよね」


No.63 レイジュンR&DダンロップGT3R(クラス5位)
OSAMU「雨だったらワンツーまちがいないところだったけどね。ダンロップさんもだいぶがんばってくれてドライでもかなりよくなった。中川選手がいい仕事してくれて、楽に走らせてもらいました。MINEでは、No.62とNo.63はこれまで5位以上がないんで、表彰台をねらいたいですね」

No.33 Team UKYOスープラ
阿立信昭エンジニア「走り出してすぐホイールナットが突然ガタガタいいだしたそうです。フロント右だと思います。なんとか態勢を立て直そうとしたものの、そのうち完全に落ちてしまい、スプーンで止まりコースアウトしました」

No.6 エッソウルトラフロー スープラ
野田英樹「スタートのときはだれががスタートラインのところで失速してみんな横に拡がったんです。ボクはイン側によけたらそのまますっと前に出ることができました。その後は、No.8のほうがペースが速いのはわかっていたので入ってこられたらしょうがないけど、でもできるだけ抑えようとは思っていました。スプーンでのコースアウトは右リアを押されたんです。その前の1コーナーでもちょっと押されて、デグナーでも押されています」

No.18 TAKATA童夢NSX
ブノア・トレルイエ「ホントは21周で交代のはずだったが、17周で急に呼ばれて、準備ができていなかったのであわててしまった。そこで耳栓なしで出てしまい、無線が聞こえなくて『ピット、ピット』だけしかわからなかったので、とりあえずピットインしたら『呼んでない』といわれた。その後、ピット作業のときのペナルティをとられてしまい、ちょっとパニックになってしまったので、さんざん言われていたにもかかわらずピットアウトのときに白線をまたいでしまった。最後はタイヤが今日の状況には合っていなかったようで、アンダーだったりオーバーだったりで、もうぼろぼろだった。いっぱいいっぱいミスして、いっぱいいっぱいペナルティを受けて、でも昨日も今日も3番手以内のタイムを出してしまったので次は20kgのウェイトをもらってしまう。まったくさんざんな週末だった」

No.64 Mobil 1 NSX
ドミニク・シュワガー「クルマの調子はよかったのでポジションを上げていけそうだったけど、周回遅れのポルシェをパスしようとデグナーでインに入っていったら急に右にステアリングをよってきてぶつかった。そのためにステアリング系が壊れてしまった。毎回ドライバーズミーティングでディスカッションされることだけれど、GT300クラスの後ろのほうのドライバーには周囲を見ていない人がいる。後方についたときはともかく、真横に並んだときに見ていなくてステアリングをきってくるケースが多い。来年に向けて、みんなで話し合わなければいけない問題だと思う」

No.22 ザナヴィ ヒロトGT-R(ランキング4位)
ミハエル・クルム「なにが起こったかわからない。急に後ろからぶつけられてスピンしてしまった」(レース中のコメント)


No.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7(ランキング2位)
山野哲也「シケインで失速したのは、No.31との接触でマフラーの出口がつぶれちゃって、全開だったのにストールしちゃったから。それで後続がぶつかってきて、No.3のエアジャッキの口がつぶれちゃった。だからあそこのペナルティも、もともとはボクが原因。ゴメン…。まれな事件だよね。No.31とはドンとぶつかったわけじゃなくてかすったていどだったのに、当たり方が悪かった。これでトップとは6ポイント差のまま、下とは1ポイント差。かろうじてランキング2位なんで、最終戦も望みは捨てず、つらいコースだけどがんばるよ」

No.81 ダイシンADVANシルビア(ランキング1位)
青木孝行「見てのとおりです。No.18にぶつけられてスピンしたところにNo.21がよけきれずに突っ込んできてしまいました。最近、アクシデントが問題になってますが、また起こったという感じです。GT300クラスのタイトル争い上位のクルマは自分たちを含めてみんなトラブルに見舞われて、勝てるチャンスがあっただけに悔しい思いをしてるでしょう。接触でオイルクーラーが壊れて、最後はデフかミッションがいってしまいました」



■優勝者インタビュー


No.8 ARTA NSX(ランキング2位タイ)
金石勝智「スタートは1速に入れた時点で少しホイールスピンしたんですけど、無難だったと思います。でもスタートラインを越えた時点でNo.6が隣にいたんで、フライングだと思いました。先に行かれて最初はちょっと熱くなったんですが、冷静になって、スプーンで勝負を賭けようかと思ったんです。でもタイヤかすを拾ってブレーキがロックしてしまって、止まりきれずに当たってしまったんです。こっちはなんとか立ち直ったんですが、スプーンの2個目で今度は光貞(No.1)と当たってしまった。それもなんとか立ち直って、クルマはちょっとアンダーになったけど、問題はありませんでした。あとは、周回遅れの処理を安全にやっていくことを心がけました。クルマは速かったんで、後ろはあまり気にせず、すごく気持ちよく走れました。あとは、昨日土屋さんに言われた『15秒(差をつけて帰ってこい)』が頭で繰り返し流れてました(笑)。土屋さんはすばらしかったですよ。出て2周目のタイムで(2分)3秒台が出たんで、安心してみてられました。ゴールしたときは、なにがあるかわからない展開でしたからホッとして、あとはこれまでいろいろありましたから、そういうことが頭に浮かびましたね。今季1勝はしたかったし、しかも鈴鹿で勝ててよかったです」
土屋圭市「6号車はフライングだと思いましたから、亜久里監督と(金石に)無線で焦らないよう言いました。あとは周回遅れとからむとか、黄旗とかを注意してくれればと、ハラハラドキドキでしたね。それと15秒のマージン持って帰ってくる約束だったから、やってもらわなきゃってね。監督には15秒開けないとピットインのサイン出さないでねって(笑)。代わってからは、道上とは開幕のガチンコ勝負で負けたのが悔しくて忘れられなかったから、絶対どっかでやり返してやるって思ってました。(無線では)20秒開いたとか、24秒差だとかと言われてましたけど、道上だから来るだろうと、気は抜けませんでしたよ。30秒差くらいのときはペース落とそうと思ったけど、そうするとエンジンが止まるんじゃないかって思ったり。(勝てたのは)スポンサーやファンやメカニック、無限のおかげ。とくに(シーズン)中盤は苦しかったエンジンを勝負できるようにしてくれたし、クルマもメカがあれこれ工夫してくれたから、全部がよくなった。最終戦はお客さんがよろこんでくれるレースをしたいですね」

No.86 プロジェクトμ・エスペリアMR-S
松田晃司「優勝っていっても棚ごと落ちてきたようなもんですよ(笑)。ボクらとしてはいっつもがんばっているつもりなんですが、なにかあるんですよね。以前に使っていたクルマ(AE86)は他界しちゃうし、新車も他界しかけちゃうし(笑)。流れが悪かったので、それをどうにかして呼び戻そうと思っていました。今回、合同テストは参加できなかったけど、金曜日の感触がとてもよくて、やっと勝負できるな、と。レースは前半は抑えて隊列についていったら、案の定いろいろあったんでだんだん前にいけました。それからプッシュしていったらオーバーステアがひどくなっちゃって、前のシルビア(No.3)に離されてしまいました。でも、とにかく完走と結果がほしかったんでがまんしていきました。そのあと、正興くんがデジタルのような正確な走りでいってくれたから、棚からぼた餅が落ちきたわけです。(表彰台は)そりゃもう、最高、うれしい、うれしいですよ。最終戦は、今度は実力で勝負したいです」
長島正興「序盤はトップから5、6位までダンゴだったし、鈴鹿はいつも荒れるからと思っていたところ、案の定荒れる展開でした。そんななかで、松田選手が安定して乱れもなく走ってくれて、いい状態でボクに渡してくれました。ボクも同じように、後半になって荒れてくる路面とか意識して、ラップタイムだけを安定させるようにしました。それが、こういういい結果に結びついたと思います。松田選手とこれまでいっしょにクルマを作ってお互いに乗りやすい、いいセッティングができて、ボクも安心して乗れたから、まったく焦りなどもありませんでした。(松田『ホントかぁ?』)マジ、マジですよ(笑)」


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