Round8 SUZUKA GT 300km
スペシャルレポート2
17 Nov. 02
Special Report 2
米プロモーターが鈴鹿を来訪
すでに来年12月にオールスター戦として中国・上海でJGTCを開催する可能性があることをGT-Aは表明しているが、それとは別に来季以降、JGTCをアメリカ西海岸で開催したいという動きがあり、すでに複数の関係者がGT-Aに対して働きかけを行っている。今回、そのなかの1人であるランドルフ・グルーベ氏が鈴鹿を来訪した。グルーベ氏はパラマックス・コンサルティング代表取締役社長で、編集プロダクションからスタートし、現在はオートバックスのコンサルタント業務、二輪のホンダR&Dのアメリカにおける長期的な商品戦略、米スズキのマーケティングの戦略的コンサルティングなどをおもな業務としている。自身の会社では戦略的なオーガニゼーションを担当し、実際のイベントオペレーションはプライムメディアというアメリカの出版社が行う。この出版社は彼らがターゲットとする市場にアピールする雑誌6誌を発行するとともに、イベント事業部でカーショーやオーディオチャレンジなどをしばしば開催している。
−なぜ米国でJGTCなのか?
グルーベ氏
(以下略)「ボクはもともとモータースポーツが好きだったんですが、JGTCを知ったのはオートバックスの仕事を4年間ほどやっていて、その関係から。昨年の最終戦を観戦する機会を得て、『これはおもしろい』と思いました。その前からオートバックスにモータースポーツの提案をしていたんですが、それがもともとJGTCに近いものだった。そこでJGTCを見て、これに投下したほうがいいと思ったわけです。その理由は、アメリカにチューニングカー市場があって、SEMA(Special Equipment Market Association)ショーが抱えている用品の売り上げの10%ほどがスポーツパーツ市場で、それらは日本のものから着想を得ている。日本の『OPTION』誌を読めないながら見たり、ビデオを見て真似している。アメリカ人が日本を真似ているんです。
いまアメリカの自動車業界を支えているのは40歳から60歳くらいの間のベビーブーマー世代ですが、このチューニングカー市場のユーザーの年齢構成はその次に来る25歳から40歳の世代ではなく、14歳から25歳までの世代。自動車メーカーが狙っている将来のターゲットユーザーとスポーツパーツユーザーがほとんど同じなんです。米車メーカーでも日本車メーカーでもこのスポーツパーツ市場に入ろうとしています。クライスラー、フォードは遅れているだけにとくに力を入れています」
−企画にテーマパークとエックスゲームとの比較があるが?
「ボクらはテーマパークを作るつもりなんです。単純にJGTCをアメリカに持っていくことを考えているのではなく、チューニング市場にフィットするテーマパークを週末に作る、ということです。メインアトラクションはJGTCだが、デモラン、ドリフト、ドレスアップコンテスト、オーディオチャレンジなどを考えています。
競技としては、オリンピックなども同様ですが、自国の選手や地域の選手がいなければ興味がわかない。しかしボクらは競技をやりたいのではなく、エックスゲーム(若者向けのアクションスポーツをパッケージにしたイベント)のようなものをやりたい。アクションスポーツの代わりにモータースポーツを入れたイベントをやりたいんです。
サーキット全体が舞台になっていて、参加型イベントが半分、見るイベントが半分。見るイベントも半分がコース、残りの半分がコース以外のところで行われる。いつ行っても参加型のものか見るものか、何かがかならずある、というものを考えています。
ただ、競技としてのJGTCは非常に重要ととらえています。これだけ大きなイベントをやろうとしているんですから、メインとなるイベントはちゃんとしたものでなければいけないわけです。JGTCがおもしろくないレースをやればメインイベントがつまらなくなってしまう。おもしろい競技は非常に重要です」
−米国チームの参加は考えているのか?
「初年度にオールスター戦としてJGTCをアメリカに持ってくるとしたら、そこにアメリカのチームは招待しないほうがいいと思っています。それより慣れている人たちにイベントをやってもらいたい。日本から持ってくるのはJGTCとドリフト。テーマパークのそれ以外の部分はアメリカ国内からもってくる。有名人レースなどは当然アメリカのものです。
JGTCにはアメリカ人のチームもドライバーもいませんが、観客は『OPTION』誌やゲームの『グランツーリスモ』をやっていて、クルマをフォーカスしている。JGTCで走っているクルマが夢のクルマ。クルマにあこがれを持っているんです。そういう人たちの半分ほどがアジア系アメリカ人、ヒスパニック系。西海岸はもっと多く、70パーセントほどがアジア系です。ですからドライバーが日本人であっても抵抗はなく、よく知られています」
−スポンサーの支援は得られるのか?
「チューニング市場に関係している自動車メーカー、タイヤメーカー、チューニング会社と話をしています。今のところはまだ具体的なお金の話まではしていませんが、反応はすごくいいです。とくにチューニングパーツメーカー、タイヤメーカーの反応がいい。ただ、冠スポンサーとしてはゲームメーカーか飲料メーカーを考えています」
−シリーズ化は考えているのか?
「いま西海岸での開催を企画していますが、少なくとも西海岸と東海岸、ロサンジェルス、シカゴ、ニューヨークなどでできるはずです。3年後くらいにはひとつのイベントから3つのイベントに拡大したいと思っているのと、すごく長い目でみればナスカーの代わりになるようなシリーズが作れると思っています。将来、若い世代にアピールするのは、オーバルでもなく、アメ車でもない、JGTCのようなものではないかと思っています。
その意味でシリーズ化を考えています。考え方としてはJGTCにジャパンシリーズがあり、アメリカシリーズもある、というようなものです。ドン・パノズ氏のALMSに近いですが、パノズ氏は最初からモータースポーツがねらいで、そのためにやりたいと思っていたようですが、ボクらは市場に依存したものを考えていて、モータースポーツはたまたまの結果です。ヨーロッパも考えていますが、難しいでしょうね。10年くらいすれば可能とは思いますが。もちろんそれも同じように『テーマパーク』です。今考えているのは5年計画。GT-Aには5年計画で提案しています。初回は、ボクらとしては2004年春の開催を希望しています」
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