- SUPER GTについて
- ニュース
- レース日程
- 順位
- チーム&ドライバー紹介
- English
- Japanese

2025 AUTOBACS SUPER GTのシリーズ表彰式“SUPER GT HEROES 2025”が、12月5日に都内で開催され、式典に続き今シーズン表彰式が行われ、参戦全チームの選手と監督が一堂に会して、GT500クラスとGT300クラス、そしてFIA-F4選手権のチャンピオンたちが表彰された。
このPart2では各表彰の模様を中心にレポートしていく。
※SUPER GT HEROES Part1「式典」の模様はこちらより
【FIA-F4選手権 2025シーズン表彰】


FIA-F4選手権の2025シーズン表彰式が行われた。株式会社GTアソシエイション(GTA)が運営するこのシリーズも11年目となり、安全性の向上が図られた「第2世代車両」が登場しての2シーズン目だけに例年以上にエキサイティングな各戦となった。このシャシー「MCS4-24」は東レ・カーボンマジック社が、エンジン「TMA43」はTOM’Sが開発・供給する。レースは将来のトップドライバーを目指す若手によるチャンピオンクラスと、ジェントルマンが中心のインディペンデントクラスと2クラスに分けて行われ、今季もSUPER GTのサポートレースとして6大会で全14戦が開催された。
チャンピオンクラスのドライバータイトルを獲得したNo.29 鈴木斗輝哉選手、ランキング2、3位のNo.17 佐藤樹選手、No.16 白崎稜選手。そしてインディペンデントクラスは、チャンピオン獲得のNo.44 今田信宏選手、ランキング2、3位のNo.55 KENTARO選手とNo.30 DRAGON選手が登壇した。
各選手には坂東代表とFIA-F4シリーズスポンサーの大阪トヨペット株式会社、住友ゴム工業株式会社からトロフィーが授与され、坂東GTA代表からGTAアワードとして表彰プレートと副賞の伊勢エビ(提供:静岡県南伊豆漁協)が贈呈された。

加えて、タイトルを獲得した鈴木選手にはスカラシップ(奨学金1,000万円)として、彼が来シーズンにステップアップするチームに授与される。


チーム部門でタイトルを獲得した、チャンピオンクラスのHYDRANGEA Kageyama Racing(中川國敏代表代理)には『国土交通大臣杯』が国土交通省 物流・自動車局 車両基準・国際課の小磯和子課長より贈呈された。またチャンピオンクラスのチャンピオンである鈴木斗輝哉選手とインディペンデントクラスのチャンピオンの今田信宏選手には、東レ・カーボンマジック賞(賞金と同社のカーボン素材を使用した英国グルーブ・トロッター社製キャリーケース)として東レ・カーボンマジック株式会社の奥 明栄 代表取締役社長から贈呈された。さらにチャンピオンクラスのHYDRANGEA Kageyama Racingとインディペンデントクラスのチーム部門タイトル獲得のB-MAX RACING TEAM(組田龍司エントラント代表)には、坂東GTA代表からGTAアワードの表彰プレートと副賞の伊勢エビが贈呈された。
【SUPER GT 2025チーム表彰】




そして表彰式もSUPER GTの部門を迎える。壇上に上がったチームランキングの1位を獲得したGT500クラスのNo.1 TGR TEAM au TOM’S(伊藤大輔監督)と、GT300クラスのNo.65 K2 R&D LEON RACING(黒澤治樹監督)には“オートバックス賞”のトロフィーと賞金1千万円が株式会社オートバックスセブンの堀井勇吾 代表取締役社長より贈呈された。また、ランキング2、3位であるGT500クラスのNo.100 TEAM KUNIMITSU(小島一浩 監督)、No.39 TGR TEAM SARD(脇阪寿一 監督)、GT300クラスのランキング2、3位であるNo.56 KONDO RACING(阿立信昭モータースポーツ事業部技術統括)、No.4 GOODSMILE RACING & TeamUKYO(片山右京 監督)には、それぞれにオートバックス賞のトロフィーが授与された。

GT300クラスのGT300規定車両及びGT300マザーシャシー規定車両の最上位のチームに贈られる国土交通大臣杯は、No.52 埼玉Green Braveが獲得し、国土交通省の小磯和子課長より丸山恵介監督に授与された。続いて2025シーズンチャンピオンチームに贈られる“GTA PRIZE”のそれぞれの車両の2DクリスタルとSUPER GTカップ、副賞の伊勢エビが、坂東代表よりTGR TEAM au TOM’Sの伊藤監督とK2 R&D LEON RACINGの黒澤監督に贈呈された。

史上初の3年連続GT500クラス・チームチャンピオンを勝ち得たNo.1 TGR TEAM au TOM’Sの伊藤監督には、光輝く大杯“経済産業大臣杯”が経済産業省 製造産業局担当の田中一成 氏より授与された。


今シーズンは新たにシリーズパートナーに加わった「Seven×Seven(霞ヶ関キャピタル株式会社)」による「Seven×Seven賞」が新設された。霞ヶ関キャピタル株式会社は世界初のセルフホスピタリティホテル「seven x seven」を展開するが、そのホテルの1つ「Seven×Seven石垣」の3泊4日の宿泊券と石垣島までのプライベートジェット往復利用権が賞典となった。そして両クラスのシリーズチャンピオン獲得チーム、No.1 TGR TEAM au TOM’SとK2 R&D LEON RACINGに、霞ヶ関キャピタル株式会社チーフ・クリエイティブ・ディレクターのミスキン・デイビット氏より賞典ボードが贈呈された。
【SUPER GT 2025ドライバー表彰】


表彰式も終盤を迎え、SUPER GTドライバー部門の表彰となった。まずGT500クラスのランキング上位3組であるNo.1 坪井翔/山下健太組(au TOM’S GR Supra)、No.100 山本尚貴/牧野任祐組(STANLEY CIVIC TYPE R-GT0)、No.38 石浦宏明/大湯都史樹組(KeePer CERUMO GR Supra)、そしてGT300クラスのNo.65 蒲生尚弥/篠原拓朗組(LEON PYRAMID AMG)、No.56 平手晃平(リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R)、No.7 ザック・オサリバン(欠席)/小林利徠斗組(CARGUY FERRARI 296 GT3)のドライバーランキング上位3組が登壇し、オートバックス賞のトロフィーがオートバックセブンの堀井勇吾代表取締役社長から贈られた。


そして、両クラスのチャンピオンドライバーには“CVSTOS賞”として、ワールド通商株式会社の河合寿也代表取締役よりチャンピオンの名前が刻まれたCVSTOSの高級腕時計「チャレンジクロノグラフ2 2025 SUPER GTチャンピオンウォッチ」が贈呈された。
続いて坂東代表からは“GTA PRIZE”として、GT300クラスのチャンピオンである蒲生選手と菅波選手にはNo.65 LEON PYRAMID AMGを、GT500クラスのチャンピオンの坪井翔選手と山下健太選手にはNo.1 au TOM’S GR Supraを刻んだ2DクリスタルとSUPER GTカップ、そして副賞の伊勢エビが手渡された。
【SUPER GT ドライバー&エントラント代表あいさつ】

SUPER GTの表彰を終えて、今季参戦チーム(エントラント)の代表者が登壇。参戦チームを代表して、GTエントラント協会 の会長も務めるaprの金曽裕人監督があいさつした。
「今年1年、SUPER GTを円滑に運営して頂き、ありがとうございました。エントラント代表として主催サーキット、クルマやタイヤの各メーカー、メディア、シリーズプロモーターであるGTA、そしてもちろんファンの皆さん、本当にありがとうございました。実は用意していたお話ではなく、壇上に上がってくる際に思い立ったお話をさせていただきます。SUPER GTではチームやドライバー、あるいは自動車メーカーやタイヤメーカーのエンジニア。全員が速さを求めて悩み、壁に突き当たってもがき、それを克服しようとがんばっています。そしてその結果、SUPER GTのプロ化が進んできたと思います。今やSUPER GTは世界最高峰のレース、高い位置で戦っています。でもまだまだ満足できていないのはSUPER GTに限らずモータースポーツの認知度が上がってこないこと。例えば、メジャーリーグや国内のプロ野球に比べると明らかでしょう。そのために今年は、ここにお集まりの皆さんと共に、一日一善ならぬ一日一気遣いをして行こうと思います。サインするなら並んでくれた最後の一人まで。ファンと握手する時には両手で。そうしたちょっとした心遣いで誰にとっても、私たち自身の心までも満足します。そしてそのことで、モータースポーツの認知度も高まっていくと思います。来年は、“一日一気遣い”を心掛けながら、SUPER GTの、ひいてはモータースポーツの知名度を上げていきましょう」と、SUPER GTやモータースポーツの知名度と地位の向上を訴えた。

続いて参戦ドライバーたちが登壇。代表して2025シーズンの両クラスチャンピオンが参戦ドライバーを代表してあいさつを行なった。

2018年以来2度目のGT300チャンピオンを獲得した蒲生選手は「この1年間(の結果)はチームの皆さんのおかげであり、相方の頼もしい菅波選手のおかげでチャンピオンを獲ることができました。また来年以降も、ここに居るライバルの皆さまと素晴らしいレースをして、さらにファンの皆さんに喜んでいただけるSUPER GTにできるようにがんばりますので、今後ともよろしくお願いします」と、チームと菅波選手への感謝と来季の決意を述べた。
続いて菅波選手は「今年はK2 R&D LEON RACINGというチャンピオンを獲れるポテンシャルのあるチーム、そしてメルセデスさん、ブリヂストンさん、天才的な速さを誇る蒲生尚弥選手にチャンピオンを獲らせていただいたと感じる年でした。僕はメーカー系と言えない中でレースをしてきましたが、それでも継続的に(SUPER GTマシンに)乗せてくれたり、協力してくれた方々に本当に感謝しています」と、タイトル獲得を支援してくれた皆さんへの感謝を語った。

そして、GT500クラスで史上初の3連覇、そして4度目のGT500チャンピオンに輝いた坪井選手があいさつ。「TGR TEAM au TOM’Sとしては3連覇を達成し、SUPER GTの歴史に名を刻んだ年になったと思います。また来年も4連覇に向けてがんばります。まあ、au TOM’S GR Supraばかり勝ってつまらないと言われますけど(苦笑)、また勝てるようがんばります!」と、来季も貪欲に勝利、タイトルを目指すと語った。
そして、自身としては連覇、3度目のタイトル獲得なった山下選手は「先ほど金曽さんから『気遣い』を話していましたが、僕は何ができるかと考えると、『今、(話しを)短く終わらせる』ことかと思いました(笑)。でも、今年3連覇ができる強いチームで走れたことに、本当に感謝しています。来年はチーム4連覇を目指せるようがんばります」と、現在のチームの素晴らしさと来季の目標を話した。


今年はGT500クラスで最多勝記録(25勝)を保持する松田次生選手(No.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z)、そして伊沢拓也選手(No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT)のふたりのGT500ドライバーが、最終戦もてぎをもってSUPER GTドライバー活動を終了した。松田選手は2000年から今季までGT500クラスで活躍を続けて25勝を積み上げ、3度のチャンピオン獲得とSUPER GTの立役者でもある。伊沢選手も2007年からHonda/HRCのGT500活動の中心的なドライバーとして活躍してきた。両選手には坂東GTA代表より感謝を表すクリスタルトロフィーと花束が贈呈された。
松田選手は「SUPER GTでは203戦を走りました。最初のHondaでは中嶋悟さんに本当にお世話になり、勝てるチームで強いドライバーに鍛えてくれました。そしてTEAM IMPULでは星野一義さんから『不良になれ』と言われて、それは出来ませんでしたが(苦笑)強いドライバーになることだけを意識していきました。そのあとNISMOでワークスとして10年、そこではクルマの開発もして勉強さていただき、多大な成績を残すことができました。そして最後は近藤真彦監督の下、25勝目を挙げることができ、自分の大きな目標、チームの9年ぶりの勝利を挙げられました。このように良いチームも恵まれました。レーシングドライバーはひとりでは絶対に勝てないだけに、本当にたくさんの支えがありました。皆さんに感謝の気持ち述べて、ご挨拶に代えさせてもらいます。ありがとうございます」とSUPER GTでの思い出を語り、これまでのチームに感謝を伝えた。
伊沢選手は「まったく準備をしていないでここに来て何を話せば良いかわかりません(笑)。auの2人(坪井/山下組)、チャンピオンおめでとうございます。毎年、このHEROESでチャンピオンの話を聞きながら、来年は自分もとやって来ましたが、それでも獲れなかったことが残念です。ですが、ここにいるドライバーたち、チームやメーカーの皆さんと共にレースを出来たことをうれしく思っています。ありがとうございます。このSUPER GTが今後長く成功することを祈っています」と、会場にいる関係者にも感謝を述べた。
【エンディング】

今季を締めくくる“SUPER GT HEROES 2025”も、エンディングとなる。最後に坂東代表がこれからのSUPER GTの方向性を語った。
「現在、日本でモータースポーツ全体の人気が高まっています。その中で、関係者の皆さんがいろいろと努力しています。GTアソシエイションも『日本自動車会議所』に設立されたモータースポーツ委員会の一員としてモータースポーツ文化を日本に定着させる活動を担っています。それは昨年発表しました『SUPER GT理念』(下記URL参考)にもつながります。
この理念の下、子どもたちが憧れるモータースポーツとしてSUPER GTがあり続けるよう、このおもしろさ、凄さ、ワクワク、ドキドキする、夢が詰まったSUPER GTの素晴らしさをもっと多くの人々にお伝えできるよう、私たちGTアソシエイションのスタッフ、そしてSUPER GTのレース運営に携わる皆で邁進してまいります。
皆さんのファミリー、お知り合い、会社・企業の皆さん全員にSUPER GTを知ってもらえるよう、サーキットに足を運んでもらえれば、今の倍の方にSUPER GTを知ってもらえるはずです。皆で努力してSUPER GTを知ってもらい、付加価値を高める努力をしていきましょう。ご協力をお願いします。ここには呼べなかったレースアンバサダーの皆さん、サーキットのオフィシャルの方々も欠かせない人たちです。
来年、さらにコンテンツ価値を高めたSUPER GTと共に、再び皆さまとここでお会いできますことを願います。本日はお集まりいただき、ありがとうございました」と、皆でSUPER GTの価値と認知を向上させることを訴えて、SUPER GT HEROES 2025を締めた。
※SUPER GT HEROES Part1「表彰式」の模様はこちらより