CP MINE GT RACE
10.10 sat / 11 sun - CP MINE CIRCUIT

10.11 - Race


☆チャンピオンシップ争いにかける

 '98年GTCシリーズも残り2戦。GT500、GT300両クラスのチャンピオンシップ争いもいよいよ大詰めを迎えつつある。GT500クラスは数字上はNo.50 ARTAスカイラインの本山哲/土屋武士まで可能性がある。ここでは上位5チームのドライバーに話を聞いた。また、GT300クラスは、トップのNo.25つちやMR2がここで4位以上に入賞すればタイトル決定。5位以下になったときにのみ、No.44アペックスDLモモコルセMR2の新田守男、No.910ナインテンポルシェの余郷敦、No.21ダンロップ-BP-BMWの加藤寛規にも可能性が出てくる。

GT500
23 ペンズオイル・ニスモGT-R
影山正美「気負わず、普通に、いつもどおり。ここで決めようなんていうことは思わないで、あと2レースあるので、みんなでノーミスで行けば獲れると思う。重量ハンデがあるわりには速いし、ブレーキがきびしいのは上位陣はみんな同じだろうから…。うまくいくでしょう、きっと。がんばります」
E.コマス「80kgというウエイト・ハンデは依然として大きいけど、クルマのセッティングはかなり進んでいる。第5戦のもてぎに向けてセッティングを変えて、そのあと菅生でテストして。それと選手権について言えば我われにはアドバンテージがある。ほかのチームはアタックしなければならないけど、こちらはレースをコントロールしながら戦えるからね。ポジションとしては彼らよりラクだよ。このレースが重要であることはまちがいない。ここで勝てば、ほかが何位でも我われのチャンピオンが自動的に決まるけど、実際にはそれは難しいだろう。1ラップの速さだけをいうなら我われが一番ではないのはシーズン当初からわかっていたことだけど、我われのチームがほかのチームより優れた仕事をしてくれたから、今、選手権のトップにいるんだ。この週末にチャンピオンになるのは難しい。でもその必要はない。菅生が終わってチャンピオンになっていればそれで十分なんだ」

64 Mobil 1 NSX
T.コロネル「可能性はあるけれど、ボクらはアタックしなければならないので、状況はエリック(No.23 ペンズオイル・ニスモGT-R)のほうがラクだ。もちろん攻めていきたい。残り2レースあるので、最終戦でチャンピオンが決定するほうがいいだろう。観客やプロモートしている人たちのためにもね。ボクらはアタックしていくよ。もちろん、コースという黒い部分で、外のグリーンじゃなくてね(笑)」

12 カルソニックスカイライン
星野一義「タイトルはあまり意識していない。よそが潰れるのをまっていてもしかたないし、自分たちがベストをつくして獲れるならそれでいいよ。ポイント計算とか、そういう細かいことはしない。その代わり、スタッフもドライバーも、ミスによって逃すようなこともしないよ」

36 カストロール・トムス・スープラ
N.フォンタナ「ほかのチャンピオン候補がストップしないかぎり、ボクらにはチャンスはないだろうね。でも、レースは長いからなにが起こるかわからない。それに、スープラは信頼性がすごく高いからね。ほかがストップすることを期待している」
関谷正徳「目標は、もちろん勝ちたいですよ。ボクたちは能力を出しきるのが仕事ですから。レースの結果は他力本願的なこともある。相手がチョンボしてくれれば前へ行ける。でも、ボクたちはボクたちのベストをつくすだけで、他人のことはどうにもならない。ダンロップがGTのレース活動から撤退するって言ってるのも、我われがやってるレースに魅力がないと思ってるからでしょう。もっと魅力あるレースやらないといけないし、ボクらはそれをやっていきたい」

16 Castrol無限NSX
道上 龍「逆転チャンピオン? もちろんねらっていますよ。2連勝は難しいだろうけど、今回も表彰台はねらいます。今回のレースでは絶対にセーフティカーも入ると思いますし。7位以下だと権利がなくなっちゃうので、それだけは避けようと思っています」

GT300
25 つちやMR2
舘 信吾「走った感じは悪くない。4位以内でフィニッシュするのは、普通に走ればできると思う。守りの走りはせず、ガンガンいきますよ」
鈴木恵一「やりかたはいつものように、あまり(タイトルを)意識しないで、ひとつでも上をねらっていけばいいでしょう。チャンプねらいだけにいくと、失敗するから。(1回ごとのレースで)いい成績を収めるようにすれば、(最終的な)結果はついてくる。ウエイトハンディも、チーム力があるから、バランスをうまく持ってってる。戦いかたも良く知ってるし。いつもどおりにやるよ」

44 アペックスDLモモコルセMR2
新田守男「優勝が絶対条件です。それしかない。それをやったうえであとは他力本願しかない。最低、必要条件を満たしたい。しょうがないよね。今回こそ勝ちたいと思いますが、安心できないです、全然。後半はつらいんじゃないかな。これまで、なんだか噛み合ってないので、今回は流れを呼び寄せたい。お祓いはしないことにしてます(笑)」



FREE PRACTICE

81 ダイシン ダンロップ シルビア
福山英朗「あんまり速くないタイムだけどね。最終コーナーでGT500(のクルマを)待たしちゃった。ほかのクルマが譲ってくれないとタイムは出ないよね。昨日から、変化はないですね。(トップタイムでも)気分的にいいってほどじゃないよ。クルマが納得する動きをしてくれたほうが…。どうしようもない部分はありつつ、ブレーキなんかは乗りやすくなってる。これまで、いいことはあんまりないけど、なんとかしたいね。3位ぐらい入りたいね」



19 ウェッズスポーツセリカ
織戸 学「パーフェクトではないけど、困った要因はない。いい感触はあるけど、スタートはMR2の2台がいっちゃうと思う。荒れたレースになるだろうから、後半勝負でしょう。最低でも生き残らなきゃ。チームにミスがなければチャンスは来る。他力本願的な部分もあるけどね。スタートはマックスがやります」



25 つちやMR2
舘 信吾「ドライバーチェンジを速くしようと、いろいろ練習していました。満タンでしたが、感触も、タイム的にも悪くない。どれだけコンスタントでいけるか、タイヤのタレ勝負もあるでしょう。シルビアやセリカが速いんで、逃げきりはできないと思う」



44 アペックスDLモモコルセMR2
長谷川勇監督「このクラスのなかでは、コンスタントラップではいいようです。タイヤは昨日使ったものを35周ぐらいまで使いきってようすを見ました。いい方向に来てるみたい。タイヤと相談しつつ、いきたい。前にいるNo.25つちやMR2とNo.19ウェッズスポーツセリカのセカンドドライバーと比べてピーターは速いと思うんで、新田にファーストをやれと指示しました。チャンスを与えて、どこまで行けるかというところですね。2位でいいようなレースではなく、勝ちにいきます。運も実力のウチなんで、ラッキーなウィンっていうのをウチが呼び込みたいですね」


38 FK/マッシモセルモスープラ
竹内浩典「朝はボクがブレーキの当たりをつけて、その後野田くんがベストタイムを出した。プッシュしてどのくらいタイヤが保つか確かめていた。マシンの状態は悪くないので、決勝はどんどん上がっていけるんじゃないかな。でも、朝のタイムで決勝を走ると、タイヤが保たないと思う」



39 デンソーサードスープラGT
土屋圭市「朝はアクセルがスティックしてしまった。新車にありがちなことで、決勝には問題ない。満タンは今朝初めてやった。そこはちょっと不安だけど、うちはチャンピオンは関係ないから好きなようにレースするよ(笑)。今日の作戦は谷川に先にいかせてスカイラインを押えさせて、オレがあとで、ガンガン攻めていくよ。ま、これで表彰台かな(笑)」



2 ZEXELスカイライン
鈴木亜久里「予選からフリーで順位が4つゲインで、レースではさらに4つゲインして、優勝かな(笑)。うちは金曜から満タンをやっていた。でも、予選でタイヤのグリップが高いときは調子悪いんだ。だからぜんぜんセッティングしてないよ。たぶんそれでも、優勝だね(笑)。朝は95リッターちゃんと入ってたし。でも、朝のペースだと10周しかタイヤが持たないんだ。だからその後は5秒落ちだから30秒台だね」



3 ユニシアジェックススカイライン
長谷見昌弘「とにかくタイヤのグリップダウンが激しい。それは多分クルマのほうから来てると思う。でも原因がわかんないんだ。わかればとっくに直してるよ。だからレースは大事にいかないとほかのクルマよりタレが早いんじゃないかな。レース後半はハードタイヤを使うよ」



☆タイヤメーカーにきく

各タイヤメーカーに、今回、用意してきているタイヤの種類と、各チームのタイヤチョイスをきいた。

ブリヂストン
「ソフト系とハード系の2種類を用意してきました。チョイスは全チームソフト系です。気温は思ったより高かったんですが、ソフト系でも保ちはだいじょうぶです。ちょうど1スティントで交換ということになります」

ヨコハマ
「GT500クラスは、構造的には2種、ゴムとしては3種を用意してきました。チョイスしているのは、もてぎと同じ構造で、ゴムはハード系です。No.39 デンソーサードスープラGTは、金曜日にどうもしっくり来なかったんです。なかでは硬目のもののほうが比較的良かったので、それを選んでいます。保ちとしては、夏の事前テストでもミディアム系で問題なかったんですが…。交換後も同じタイヤを使うと思います。スカイラインは、構造違いでゴムは同じくハード系です。
 GT300クラスは、セリカ(No.19ウェッズスポーツセリカ、No.91コーセイ&バーディクラブ・セリカ)はちょっと別なんですが、それ以外のクルマ用にはソフト、ミディアム、ハードの3種を用意してきました。選んでいるのはNo.72 オークラRX7がハード系、それ以外はソフト系です。ソフトでもハードでも交換は必要だと思います。セリカはリア駆動のクルマよりずっとハードなものです。とくにNo.19はそのなかでもハード系を選んでいます。こちらも前輪は交換することになるでしょう」

ダンロップ
「GT500クラス用には2種類。どちらもミディアムなんですが、ややソフトなものとそれよりはハードなものを持ってきました。選んでいるのはハードなほうですね。全車とも同じチョイスです。
 GT300クラスも2種類なんですが、チームによってミディアム系を選んだところとソフト系を選んだところに分かれます。どっちかというとミディアム系がやや多いですかね。No.44アペックスDLモモコルセMR2はソフト系、No.81ダイシン ダンロップ シルビアはミディアム系です。パフォーマンスとしてはソフト系のほうが上なんですが、タイムの落ちかたがちょっと大きいんです。トータルとしてどちらを選ぶかということですね。交換は、たぶんすると思います。ミディアム系は換えなくても走れるんですが、回りのようすを見て、換えることになるでしょう」

トーヨー
「ソフト、ミディアム、ハードの3種を用意して、ソフトを選択してます。ソフトでもギリギリ保つだろうということで…。これ以上暑くなると保たないかもしれません。交換は4輪ともすると思います」





RACE
☆決勝スタート直前情報(午後1時50分)

天気:晴れ 気温:28.5度 路面温度:34度
入場者数:10/11 - 46,200人(10/10 - 15,300人)



51 コブラポルシェ
ウォームアップ時にスターターにトラブルを起こして、ピットスタートに。


☆レース中のコメント

2 カルソニックスカイライン
ピットロードスピード違反で10秒のペナルティストップ

15 ザナヴィシルビア
近藤真彦「ギアがなくなった。1速と2速が完全になくなって、3速以上しか使えなかったんだ」

44 アペックスDLモモコルセMR2
新田守男「何番のクルマかわからないけど、ブツかって、ホイールのバルブが折れてパンクしてしまった」

7 RE雨宮マツモトキヨシRX7
山路慎一「自分が乗っているときからブレーキングでブレるような症状があった。タイヤのせいかと思って、なんとか保たせていたんだけど、ルーティンのピットインでハードタイヤに換えたのに、どんどんひどくなってきたらしい。とうとうスピンしてしまったんで入ってきた。どうやらトーロッドのアップライト側がゆるんでしまったようです。一番、ストレスがかかるところなんで…」

3 ユニシアジェックススカイライン
長谷見昌弘「リアタイヤがスローパンクみたいなフィーリングになってしまった。代わる10周前くらいはどうしようもなかった。まあ、セッティングが十分じゃなかったから、しょうがないね」

38 FK/マッシモセルモスープラ
竹内浩典「ちょっとエンジンがふけなかった。No.23とNo.2と競っているときは黄旗のタイミングが悪くて離されてしまった。6と12と競ってたころになると、フロントタイヤもきつくなってしょうがなかったんです」



■リタイヤ原因(GTインサイドレポート班調べ)
No原因周回数
72No.10と接触7L
10No.72と接触(タイロッド破損)8L
8No.36と接触(サス破損)28L
5炎上40L
15ミッション44L
70
43L
910No.61と接触(サス破損)46L
77ミッション50L
13ミッション58L




AFTER RACE
100 RAYBRIG NSX
高橋国光「長かったですねェ…。ようやっと晴れた感じです。とにかくチェッカーを受けたかったんですが、それも一番高いところで実現できたんでほんとうに良かったです。アキラもすごくがんばってくれました」

飯田 章「これまで応援してきてくれたファンのみなさんやスポンサー、それにスタッフに、やっとこれで少しだけ恩返しができたかな、という感じです。2年間やってきて、ようやく初優勝ですよ」



64 Mobil 1 NSX
山西康司「クルマは問題ありませんでしたけど、最後、タイヤとブレーキはちょっとキツかったですね。それとクールスーツがぜんぜん効かなくて…。これで、なんとかチャンピオン争いに権利を残せました」



39 デンソーサードスープラGT
土屋圭市「最後は野田(No.38 FK/マッシモセルモスープラ)が追いついてきたので、1コーナーでブレーキを早めにしてた。こっちもブレーキとタイヤがキツいと思わせるためにね。それで、最後だけブレーキをすごく奥にしたら、案の定インに入ってきてスピンしたんだ。作戦勝ちだよ。No.23 ペンズオイル・ニスモGT-Rのときは、正美のヘルメットが動いて、ミラーを見ているのがわかった。ペースがだいたい同じくらいだったんで、どこでいこうか考えていたんだけど、うまくいったね。今日は表彰台に上る気だったから無線でも無言だったよ。しゃべってコンマ2秒、3秒ロスするのがイヤだったからね。新車での3位表彰台は上デキ。みんなの力、メカやスタッフ全員のおかげだよ」




25 つちやMR2
舘 信吾「なんか感動しました。人生最高の日です。スタートもやっと普通に決まった。ガス欠症状が裏のストレートで出てピットに入ってきたんで、ギリギリでした」

鈴木恵一「ラクなレースではなかった。信吾ががんばってくれてとっても良かった。次はまた80kg積むけれど、ラストまで勝つことにこだわって、次もがんばります」

土屋春雄「勝ってチャンピオン獲れて、最高ですね」



19 ウエッズスポーツセリカ
織戸 学「ポールが獲れたから、チャンプはムリとしても勝ちたかった。ほかのクルマと比べて大差はないんだけど、土屋さんのところのMR2が速かった。2位2回で、次は40kg積まなきゃいけないんでNAにはつらいね」



81 ダイシン ダンロップ シルビア
福山英朗「しぶとく走るしかないし、チームもそう思ってた。そのとおりになって良かったな。タイヤは結構きつかった」

大八木信行「しぶとく行こうとレース前に話してた。スタートは自分でパートの後半はつらかった。最終戦もがんばりたい」










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