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2024.03.16
【公式テスト岡山:規則改定説明会】坂東代表らが今季改定された予選方式やタイヤ本数削減などについて背景や意図の説明を行う

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 公式テスト岡山の初日、昼のインターバルに、SUPER GTを運営するGTアソシエイション(GTA)の坂東正明代表、服部尚貴レースディレクター、 沢目 拓レース事業部部長が出席し、今季から導入される新しい予選方式等についてメディア向けの規則説明会が行われた。

 昨年第7戦のオートポリス大会で報道関係者に対する囲み取材が実施された際、坂東代表から「もっとメディアと情報や意見交換をしよう」と要望が出されたが、今季は例年以上に大きな規則改定を実施することから、早速その希望が実施された形だ。
 説明会冒頭で坂東代表から「今季のレギュレーションについて、どのように理解していただけるのか。まずはメディアの皆さんにきちんと理解していただかないと、お客様にも『なぜこのようなレギュレーション変更に至ったのか?』という部分がしっかりと届かない。そうしたことも踏まえ、今回の説明会に至った」と、今回の公式テストでGTAの記者会見が実施されたことについての経緯が語られた。

 

 

 


◎使用タイヤ数の削減
 沢目部長より今季の改定概要が説明され、まずはタイヤの持ち込みセット数に関する規則変更について。今シーズンの決勝では300kmレース(4セット)、350kmレース(5セット)、3時間レース(6セット)と3つのレースフォーマットが設定されているが、それぞれのタイヤセット数も明らかにされた(規定改定の概要は下記リンクを参照)。
 GTAでは以前より環境対策の対応としてタイヤセット数の削減を標榜しており、今回の規則変更によって、新型コロナウイルス禍以前(2019年、ドライセットの持ち込みセット数は7セットに設定)と比べて年間の走行距離は増加しているにも関わらず、1台当たりのセット数はシーズンを通して約35%、21セットが削減されることになると説明された。
※規定改定(使用タイヤの削減)の概要

 


◎新予選方式の意義
 新予選方式については、上記のタイヤのセット数削減が第一義の中で、SUPER GTの魅力を損なわず、より発展させながら、どのようにレースウィークのタイヤ運用を行なっていくか、という観点から検討されたいう。今季タイヤセット数を削減した場合、公式練習やサーキットサファリといったファンの皆さんが楽しみにしている走行の機会が減ってしまうのではないか、という懸念の声があった。これを解消するために、予選を1セットで実施し、他の走行機会のセット数を維持できるようにするという考えであったとのこと。また、1セットとなった場合、従来のノックアウト予選のままでは懸念もあった為、SUPER GTの魅力である2名ドライバー制を活かした、新たなタイム合算方式に至り、策定された予選方式だと説明。勿論、新方式に関して様々な懸念があることは認識はしているが、新しいモータースポーツのエンターテインメントとしてチャレンジしたい、と意気込みが語られた。
 この新予選方式に関して服部レースディレクターからは「どちらのドライバーがQ1、Q2を戦うのか、各チームが相当頭を悩ませると思う。ユーズドタイヤでタイムを出さなければいけないQ2は非常に難しいが、そういった状況の中でマシンをねじ伏せるような走りが必要になるし、それもSUPER GTの魅力だと自分自身は楽しみにしている。今回と富士テストで2回実施するシミュレーションで課題を洗い出し、いい予選をお客様に魅せられるようにしていきたい」と新方式の予選に対する期待が語られた。
※新予選方式の概要


 最後に坂東代表が「レギュレーション変更に当たり、様々な大変なことが予想されるが、すべては2030年(※)に対する『満員のお客様の前で音の出るレースをする』という目標のため。大変なこともあるが、より面白いレース、自分たちが見ていても面白いと感じられるレースをお客様に見て欲しいし、何度もサーキットに足を運んでほしい。こうしたレースの実現に向けて歩を進めるということ。その一過程となる今シーズンも、見ごたえあるレースが展開されると思う」と今シーズンの展望を語った。

※2030年とは、2022年11月に発表した「環境対応ロードマップ SUPER GT Green Project 2030」の目標年のことである。そのロードマップででは社会への環境貢献表と、同時にモータースポーツとしてのSUPER GTの顧客満足度とを高めていくGTAの方向性を表している。

 

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