2002 JGTC INSIDE REPORT NETWORK EDITION
Round7 CP MINE GT RACE
スペシャルレポート1
27 Oct. 02
Special Report 1

来季のJGTC開催日程について


 先ごろ、JAFから来季のJGTC開催スケジュールが発表された。そのスケジュールは下記のとおりだ。注目は第7戦としてオートポリスでの開催が予定されていること。また、上海でのエキジビジョンレースの開催が一部で報じられるなど、マレーシアのセパンに次ぐ海外での開催の可能性も取りざたされている。そのあたりの事情について、GT-Aの加治次郎事務局長に話を聞いた。

2003 JGTC 開催スケジュール
第1戦TIサーキット英田3月30日決勝
第2戦富士スピードウェイ5月4日決勝
第3戦スポーツランドSUGO5月25日決勝
第4戦セパンサーキット6月22日決勝
第5戦富士スピードウェイ8月3日決勝
第6戦ツインリンクもてぎ9月14日決勝
第7戦オートポリス10月26日決勝
第8戦鈴鹿サーキット11月16日決勝

−オートポリスでの開催について
加治次郎事務局長「オートポリスでは以前オールスター戦を開催しており、それ以来GT-Aとしてはいずれシリーズ戦を開催するべき場所という位置づけにありました。先方からの希望もあり、昨年も開催を検討しています。その後しだいに状況が整ってきたため来年から開催することになりました。開催を希望する地元の声など周囲の期待が開催に向けて一つにまとまってきたということです」

−MINEでの2003年開催がなくなったことについて
加治事務局長「GT-Aではこれまで、どのレースについても主催者側と話し合いをしながらレースを開催してきました。ところが、MINEサーキットはすでに報じられているように民事再生法の適用を申請し、これまでの経営陣が退陣しました。現在は裁判所の保全命令のもとに経営再建中ですが、その保全命令の前提として2003年には新しい経営陣に譲渡されることになっています。つまり、現状では2003年のレースの開催について話し合いをすべき相手がいないということです。こうした状況下では2003年の開催について決定することはできません。GT-Aとしては、これまでにいたる状況を踏まえ、レースを開催するには、2003年は休んで経営体力と大会運営の体力をつけなおすべきではないかと判断しました。そのことをMINE側と話し合い、理解を得たということです。とりあえず2003年のシリーズ戦開催は休みますが、2004年の再開に向けてはこれから決定される新しい経営陣と話し合うという前提になっています。また、それまでのつなぎとして、JGTCに関わるなんらかのイベント開催を含め、あらためて相談するという合意をとりかわしています」

−上海および海外開催について
加治事務局長「いま、中国とどうつき合うかということは日本の産業界全体にとって大きな課題となっています。モータースポーツをバックアップするメーカーやスポンサー企業の目も中国をはじめとする海外を向いています。日本経済の先行きがみえないなかで、モータースポーツだけが例外ではありえません。JGTCが日本のモータースポーツのトップカテゴリーとして継続、発展していくための条件として、海外市場を視野に入れた海外での開催が必要になってきたということです。その第一歩として、マレーシア開催で全日本選手権を海外に持ち出したのですが、次のステップとして中国での開催が必要だと考えているわけです。また、サッカーなどほかのスポーツでも、世界的な広がりを持たないものは日本の国内でも見向きもされない状況になってきているということもあります。
 上海ではパーマネントサーキットの建設とそこでのF1開催が発表されましたが、JGTCはそのサーキットの完成を待たずに市街地で開催したいという要請があり、その方向で話を進めています。上海側としてもF1を開催するからにはレース運営のノウハウが必要になってきます。以前F1開催が取りざたされた珠海ではそれをFIA-GTに求めたわけですが、上海ではJGTCに期待しています。
 レース開催にあたって、上海市としては近代的に変身した街を世界にアピールしたいという希望があります。しかしサーキットでのレースではTVを通じて世界にオンエアされるのはサーキットの風景でしかありません。市街地でレースを行えば、上海の街そのものが背景として映し出されます。上海市にとって市街地レースのメリットはそこにあります。
 また、新設サーキットでF1を開催しても、中国の庶民は観戦料金の高さなどからおそらくそれを観ることはかなわないでしょう。上海市はこれから国際自動車都市として発展していきたいという希望があり、そのためには市民にレースのおもしろさを観てもらい、モータースポーツへの理解を得たいと考えています。その対象としてJGTCが選ばれたということです。
 現在は開催に向けての条件交渉中です。海外進出の第一歩だったマレーシアとは違い、われわれにとっていい条件になることがその交渉の前提です。JGTCもさまざまな苦労を重ねてこれまでやってきて、それだけ成長していますので、それなりの処遇がなければ開催を了承することはありません。参加するチームに対してもメリットがなければ上海には出ていかないというのが交渉の条件です。開催時期としては2003年12月というのが、われわれにとっても上海側にとってもいいタイミングだと考えています。
 上海のほかにもロスアンゼルスなど海外からJGTC開催のお誘いもあります。これらも前向きに検討していますが、いまは先にいったように産業界の目が中国市場を向いているということもあり、プライオリティは上海にあります」



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