SUPER GT 2025 SERIES

JAPANESE FIA-F4 CHAMPIONSHIP

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【第3戦プレビュー】12年ぶりのマレーシア開催!セパンでのSUPER GTマシンの激闘に注目せよ

 

 

第2戦富士から約2ヶ月、2025 AUTOBACS SUPER GT 第3戦「SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025」が6月27日(金)、28日(土)に開催される。舞台は2013年以来となるマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット。近年もGT500クラスの冬季テストや他のアジアGTシリーズへの参戦で、セパンを知っているドライバーやエンジニアもおり、26日(木)には公式練習も追加されるので、国内でのバトルに勝るとも劣らないレースとなるだろう。そして、東南アジア特有のスコールとなった場合には、路面状況の急な変化に各チームがどう対応するかにも注目したい。過去には現地の猛暑でドライバーが熱中症を引き起こしたり、タイヤのマッチングの難しさもあった。それ以上に現在のSUPER GTマシンが、どれだけのスピードアップを果たして走るのかも興味深い。また2025シーズン前半戦締めとなる一戦なので、各チームは少しでも多くのポイントを得ようと、トップ争い以外でも好バトルが展開されるだろう。

尚、この第3戦はマレーシア固有の暑さを避けるために日本時間の午後5時30分から予選・決勝がスタート予定で、金曜、土曜の開催となる。通常とはスケジュールが違うのでJ SPORTS等で観戦の方は気をつけてほしい。
※トップ写真は2013年第3戦セパンのスタートシーン。

 

■好調のGR Supra勢。活躍するのは39号車か、それとも19号車にチャンスがくるか!?

 開幕戦岡山は2024チャンピオンのNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が、第2戦富士はNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)と連勝、ドライバーランキングでは連続表彰台の1号車がトップに立ち、2、3位には38号車とNo.14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)と、トップ3をGR Supraのチームが独占と好調だ。
 そして迎える第3戦、GR Supraにとっては初めてのレースではあるが、セパンで昨年と一昨年のオフシーズンにGT500参戦3メーカーがテストを行なっているため、未知のコースではない。またセパンとコースの傾向が似ている鈴鹿でも近年のGR Supraはダンフォース向上もあって好成績を残しており、今回も中心的存在となりそうだ。ただサクセスウェイト(以下SW)が重い1号車と38号車は守りのレースになるはず。と言っても1号車の速さは、SWが増えても落ち幅が少ないのはご存じの通りで、この第3戦でも上位に食い込んでくる可能性はありそうだ。
 では、GR Supra勢で優勝候補として挙げられるのはどこか。まずはNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)か。39号車SARDは2004年第3戦セパンで勝っており、関口も過去のレース経験と冬季テストで走行はしている。SWは34kgとそれなりだが、十分トップを争ってきそうだ。そしてNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)も逆襲のチャンスであろう。SWがない上に、タイヤがベストフィットしたら過去にあったように大きなアドバンテージとなるはずだ。

 

 

 

■セパンはCIVIC TYPE R-GT向きのコースか? SWの少ない16号車と64号車に期待。

 昨年デビューしたHondaのGT500マシン、CIVIC TYPE R-GTも当然、セパンでレースをしたことはないが、3メーカー合同の冬季テストをこの地で行なっており、ドライバーやエンジニアにとっても未知のコースという訳ではない。今年の冬季テストではNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)がセッションのトップタイムも記録しているほどだ。
 となれば100号車がCIVIC勢の本命と言いたいが、ここまで2戦を終えて100号車はランキング4位につけ、SWが38kgとやや重めだ。このレベルなら十分トップを争えるだろうが今回はCIVICでの初レースなので、よりSWが少ないチームに利があると思われる。そこでSWは4kgのNo.64 Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)を推したい。CIVIC勢、いやGT500全車で唯一ダンロップタイヤを履くのも利を得る可能性がある。そして前半2戦を連続ノーポイントでSWなしのNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)も、まさにサクセスのチャンスだ。開幕戦は他車のスピンに巻き込まれる不運に、第2戦は予選3位も決勝は11位に終わったが、持ち前の速さは十分ある。ここで勝てば、ランキングも一気に上位に上がれるのでチームの意気も高そうだ。

 

 

 

■前回2013年は12号車がポール・トゥ・ウイン!IMPULと並ぶセパン最多勝の24号車も注目!!

 前回のセパン戦は2013年の第3戦で、この時は「No.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)」がポール・トゥ・ウインを決めている。そして、12号車のIMPULは2010年にも優勝しており、これはGT500クラスのチームとしての最多勝タイであり、NISSAN系マシンは11戦中6勝を挙げている。もちろん、現在と2013年以前のマシンは規定も違っているがNISSAN系チームのファンには大きな期待材料となるはずだ。
 そして、セパン最多2勝で現在も参戦するチームはもう1つある。それがKONDO RACINGで今季はNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)となる。連勝した2007、08年はヨコハマが持ち込んだタイヤが折からの猛暑とコース路面にフィットして彼らを勝利に導いている。今も変わらずNISSANとヨコハマの支援を受け、そしてセパン最多の4勝を記録する松田次生を擁するので、このセパン戦では24号車は間違いなく注目の1台であろう。

 

 

 

■GT300は高速系コースで強い88号車や777号車、60号車、そしてコーナーで速い61号車に期待!

 GT300クラスは2025シーズン参戦の全車ではなく、第3戦マレーシアはAシード権を保有する18台の内、シリーズ参戦の17台とワイルドカード(選手権外の現地特別参加)の2台、計19台がエントリー。
 ここまで2025年の前半2戦を終え、開幕戦岡山で優勝し第2戦富士も5位と好調なNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が現時点のランキング首位。この第3戦セパンでも上位を狙いたいところだが、SWが72kgにも達しており、今季の規定で搭載ウェイトは50kgとなるが、新たに課せられる「サクセス給油リストリクター」で決勝レースのピットストップ時の給油時間が増えることになる。今回は、まずはトップ10以内と取りこぼさない戦いをしてくるだろう。
 ではトップ争いをしてきそうなのはどこか? セパンは高速系コースであり中高速コーナーで強みがあるマシンを使うチームが有利と思われる。そこで期待したいのは昨年のチャンピオンであるNo.0 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)だ。今季は昨年ほどの速さは発揮できてはいないが、このセパンはウラカンGT3が得意とする高速系であり、SWは14kgと少な目。連覇を狙うためにも今回はトップを争い、最低でも表彰台に上がりたい。そして他のFIA GT3規定の車両ではNo.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)も推しか。チームと藤井はGTワールドチャレンジ・アジア(GTWA)でセパンを経験している。セパンは2024年第3戦で勝利した鈴鹿と同じくダウンフォース重視のレイアウトなので優勝を争ってきそう。ただSWが42kgと、やや多めなところが気がかりか。
 また、GT300規定の車両ではNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)も中高速コーナーのコーナリングに秀でており、セパンでは活躍しそうだ。さらにダークホースと思われるのはLEXUS LC500とLC500hのNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)とNo.31 apr LC500h GT(オリバー・ラスムッセン/小山美姫)か。ベース車のLC500は高ダウンフォースの車両であり、セパンと傾向が似た富士やオートポリスを得意とする。LC500系は初のセパンである点が気になるが、そこはベテランの吉本や新鋭のラスムッセンの技量、そして経験豊富なチームの技術力に期待したい。
 そして今大会はワイルドカードで、GTWAで活躍するEBM GIGA RACINGの2台、No.333 EBM Vantage GT3(Kerong Li/Jazeman Jaafar)とNo.611 EBM GIGA 911 GT3(Adrian D Silva/Dorian Boccolacci)が参戦する。611号車ポルシェGT3RのSilvaはGTWAのセパン戦で勝ったこともあり、333号車アストンマーティンVantage GT3は777号車と同じ車両でタイヤもダンロップなので情報共有があるかも。この2台も意外と手強い存在となるかもしれない。

 

 

≫ 第3戦 マレーシア:エントリーリスト
≫ 第3戦 マレーシア:GT300クラス公式予選・Q1組分け

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