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3月29日(土)、2025 AUTOBACS SUPER GTの公式テスト富士の初日が富士スピードウェイで行われた。この日はあいにくの雨となったが、開幕戦岡山(4/12、13開催)の開催も迫り、この富士は第2戦(5/ 3、4開催)が行われるサーキットであるため、貴重なテスト機会となる。それだけに各チームは濡れた路面の状況を考慮し、時には無理せずピットで待機しながら、そのタイミングでできるテストメニューやウエット時のセッティングやタイヤの確認などを行なった。
◎走行1回目(Session 1:1日目午前) 10:00~11:30(悪天候のため30分短縮)
天候:雨/路面:ウエット
気温:7℃~7℃/路面温度:11℃~10℃
◎走行2回目(Session 2:1日目午後) 14:00~16:00(最後はクラス専有10分×2)
天候:雨り/路面:ウエット
気温:5℃~3℃/路面温度:9℃~8℃
■午前は悪コンディションの中Deloitte TOM’S GR Supraがベストタイム
公式テスト岡山から2週間後の3月29日に、富士スピードウェイで今季2回目の公式テストがスタートした。この日は朝から雨が降り続き、午前中のセッション1、午後のセッション2ともにウエットコンディションでの走行となった。午前中の走行開始は当初の午前9時30分から午前10時まで遅らせ、走行時間を90分に短縮して行われた。
コースオープンと同時に夥しい水煙をあげてGT500クラスの各車は走行する。まずはNo.37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)の笹原が9周目に1分37秒758でトップに立つ。開始から25分が経過したところで、メインストレートに落下物があり、その撤去のため赤旗が提示されて一時中断となる。3分後には走行再開となるが、各チームとも一旦はピットを離れたもののすぐに戻ってきてしまい、全車が路面状況の回復を待ってピットに待機する状況が続いた。
セッションも残り20分を切ろうかというところで、No.3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)が再び走り出すが、これに追従するチームは現れない。その3号車も終了まで3分を残して再びピットイン。ここでセッションは終了。結局、37号車が9周目に記録したタイムがこのセッションのベストタイムとなった。
■午後のGT500は専有走行で大幅タイムアップ!17号車の小出が驚きの快走を見せる
午後も雨は変わりなく降り続く。それでも予定の午後2時にコースオープン。雨脚は一向に衰える気配を見せず、コースオープンと同時に走り始めた各チームも15分が過ぎる頃には一旦ピットに戻ってくる。序盤トップに立っていたのはNo.37 Deloitte TOM’S GR Supraでタイムは1分39秒783だった。
その後は徐々に雨が弱くなり、依然として気温や路面温度はかなり低かったものの、各車はピットイン、アウトを繰り返しながら粛々と周回を重ねていく。それにつれてラップタイムも更新されていった。そしてGT300クラスとの混走が終了する頃にはNo.12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が1分36秒583までタイムを縮めてトップに浮上した。
そして専有走行では1分35秒台の熾烈なタイムアタックが展開され、No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/小出峻)のGT500ルーキー、小出がチェッカー直前に1分35秒740を記録、17号車がセッション2とこの日の総合順位でトップに立った。総合2番手はNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)で1分35秒926、3番手はNo.1 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)で1分35秒998と続いた。Nissan Z NISMO GT500勢ではNo.12 TRS IMPUL with SDG Zが4番手につけた。
■GT300は雨の中で45号車と6号車、2台のFERRARI 296が速さを見せる
GT300クラスは多くのチームが午前のセッション1への出走を見合わせる中、No.45 PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥ)のコッツォリーノが、1分47秒232のトップタイムを記録した。
午後のセッション2の混走時間の終盤はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝/奥本隼士)が雨足の弱まりと共にペースを上げ、1分47秒419でトップに立つ。だが、その直後の周回後半で61号車はスローダウンしてコース外にストップ。この車両回収のために赤旗となった。再開後は45号車とNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)の2台のFERRARI 296 GT3が公式テスト岡山同様に雨での速さを印象付ける。45号車が1分48秒413までタイムを刻みトップをキープ。
そしてGT300クラスの専有走行ではコース状況が良くなってきたのか、走行する各車のタイムが予選のように縮まっていく。この中で6号車の片山が、1分44秒115でこのセッションの、さらに初日総合のトップタイムを記録した。2番手は今季から新規参戦となるNo.666 seven × seven PORSCHE GT3R(藤波清斗/近藤翼/ハリー・キング)で1分44秒556と、今年SUPER GTに復帰したポルシェの雨での速さを披露した。3番手にNo.87 METALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮/坂口夏月)が1分44秒642に入り、FIA GT3勢が僅差で並ぶ結果となった。
セッション2で、この日の総合4番手となるタイムを記録したのはNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)の菅波だった。2021年にも65号車をドライブしており、4年ぶりのチーム復帰となる菅波は「こんなに結果を出せるチームはなかなかないので、ありがたく引き受けさせていただくことにしました。自分自身はしばらく優勝を経験できていないので、まずはいい勝負ができるように頑張りたい」と今季の抱負を語る。
また昨年のFIA-F4選手権を制した野村勇斗が今シーズンはNo.18 UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)でGT300クラスに参戦する。野村は「Honda育成の先輩方もこのチームを経てトップカテゴリーに上がり、活躍している。僕がFIA-F4に取り組んでいる間も小出(峻)選手が、このUPGARAGEで何回も優勝しているのを見ていたので、自分もそれに続きたい」と、意気込みを語ってくれた。
GT500クラス・1日目総合トップタイム
小出 峻(No.17 Astemo CIVIC TYPE R-GT)
セッション1(午前)はリスクが高いということで、チームとしても走行を控えようという判断をしました。僕は一切乗っていません。午後からは雨がかなり止んできましたので、そこで僕にたくさん走らせてくれたチームにはすごく感謝しています。クルマのフィーリングもすごく良くて、自分でも乗りこなせてるなという実感がありました。そういう意味で今日の走行はすごくポジティブなものでしたし、自信にもつながったので、2日目のセッションも自信を持って進めたいなと思います。
GT300クラス・1日目総合トップタイム
片山 義章(No.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI)
雨の走行についてはクルマがすごく仕上がっていて、ドライバーふたりとも運転しやすいですね。ドライ路面でもウエットのようにうまくいくかはわかりませんが、2日目もトップタイムを目指してがんばります。ここまでずっと雨ばっかりでドライコンディションのテストができていないので、その部分のテストをしっかりやりたい。特にタイムを追うよりもロングランをやりたいです。
→ 【公式テスト富士】走行1回目結果
→ 【公式テスト富士】走行2回目結果